2017年04月

高齢者の抗がん剤治療 古いデータでは?

いや衝撃のタイトルです。(末期高齢者に延命効果なし 抗がん剤治療、ガイドライン作成へ

末期高齢者?いろいろ問題のある表題ですが、元はこちらになります。(高齢者へのがん医療の効果にかかる研究報告 -進行がんにおける抗がん剤治療と緩和治療との有効性及びその適正使用- 今後、全国がん登録などを活用した大規模調査が望まれる

その他様々な記事が出ています。(高齢者がん治療に指針 厚労省、抗がん剤に頼らぬ選択肢)(抗がん剤治療の効果調査へ 延命効果検証

以下引用です。

>厚生労働省は結果を踏まえ、年齢や症状別のがんの標準治療の提供に向けたガイドラインを作成する方針。患者の年齢や容体に見合った費用対効果の高い治療法を推進し、患者のQOL(生活の質)向上や、拡大する社会保障費の抑制につなげる。

今までも記事を書いてきましたが高齢者のがん治療はそう簡単ではありません。だからこそちゃんとデータを取るのは賛成です。ただ社会保障費の抑制をこの時点で上げるのは国民の感情からは筋が悪い。

>日本では、がん治療実績の情報開示などが進まず、高額な抗がん剤治療が、費用に見合った延命効果があるかを検証するデータはなかった。政府は、この調査結果を基に、年齢や症状ごとに適切な治療を行うための診療プログラムの作成などを進める。

約10年前の有効な抗がん剤が少ない2007年から2008年のデータで論ずるのは、今まで治療の進歩を書いてきた人間として正直間違った結果になる可能性が高いということは強く言っておきます。そして高齢者がここまで増えた現在、今は抗がん剤で治療するかどうかは正しい答えがないということを理解しておく必要があります。そう正直さじ加減の世界です。

日経記事からですが
>抗がん剤の治療を続けるのか、生活の質(QOL)を優先した治療をするのかは難しい判断となる。これとは別に、厚労省は認知症を発症したがん患者の意思決定を支える仕組みも検討する。

どうなったら治療をやめるか。一つの例としてPS悪化がありますが認知もその候補です。

毎日からは
>どのような治療を選ぶかは、あくまで本人の意思が大切だ。高齢者のがん治療は「抗がん剤のやめ時を考えるべきだ」という意見も、「医療費の高騰と治療をつなげて議論すべきではない」という意見もある。患者の状態や価値観は多様で、年齢で区切れるものではない。

その通り。だからちゃんとしたデータを集めながらもある程度の線を引くガイドラインを作ることは賛成ですが、でも簡単ではないということをここで宣言しておきます。個別対応はガイドラインでは難しい。

それでもこういう議論は尊厳死含めてガンガンやるべきです。ただ古いデータでいうのはやめましょう。マスコミもそういう点に気づきなさい。

免疫関係の記事を書いたら、やっぱいい加減な免疫療法のCMが出てきます。少なくともまだ民間でやっている自由診療の免疫治療はドブに捨てるよりコストパフォーマンスが最悪です。そのことを付け加えておきます。

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がんのざっくりした免疫からの解説 騙されないで

がんは遺伝子の異常で生じた体を蝕む細胞です。臓器の機能を低下させ、生体を死に導きます。

治療として外科、化学療法、放射線が3台療法と言われ、その後生体の状況、がんの状況で病状が変わっていきます。

最近はやりの免疫療法。まずがんの生体の免疫状態における変化を知っておく必要があります。

1 排除相(Elimination)
本来遺伝子異常が起きたがん細胞は、遺伝子で制御されたり(P53等)、免疫で制御されています。本来遺伝子異常細胞は基本毎日できていますが、健康な生体であれば免疫含めた機能でこれらの悪い細胞は排除されると考えられています。がんのない健康体の状況です。

おそらく自然免疫を高めると言われているような健康食品等はこの相では効果を示す可能性が一番高いでしょう。予防医療と呼ばれる分野です。ただ何のエビデンスもありません。それは数十年単位の変化なので、有り無しで差を出すことはほとんど不可能なのです。

2 平衡相(Equilibrium)
がん細胞は排除されず生き残っている。しかし増殖はできない状態です。それこそ化学療法、放射線療法後の寛解とか、手術後の状態に当たるでしょうか。ここで免疫がしっかり働けば完治になります。

この部分でも自然免疫を高める物質はある程度有効だと思います。ただ1より有効性は低い可能性があります。何種類かの免疫調整薬が試験されましたが、はっきりとしたエビデンスあるものはまだありません。それこそビタミンCや水素水やノニジュースやヨーグルトもです。

3  逃避相(Escape)
免疫細胞ががんを抑えきれなくなっった状況です。この時点で何らかの治療が必要になります。

実はこの相には幅があって、免疫原性が高いがんは自然に2に戻ったりすることもあります。2つ前のブログで書いた咽頭癌の人はこの部分なんでしょう。治療効果における部分寛解、病状安定(PR、SD)なども同じと個人的には考えています

そして自然免疫を抜け出してきたがんですので、大部分は免疫を高める健康食品などは効きません。そして民間医療機関の細胞療法も効率は標準医療に比べて今ひとつです。

中には例外があり、メソトレキセート誘発悪性リンパ腫は薬をやめるだけで治る人がいたり、重篤な感染後自然に治癒される悪性新生物の方も間違いなく存在します。ただ繰り返しになりますが、改善する確率が抗がん剤や放射線を使う標準療法に対し明らかに低いことが問題なのです。偶然に改善したかもしれない事象を自然食品で治したとかいって宣伝することに対してとんでも医療と私が叩いている理由です。

では標準医療が亡くなった時、緩和療法に入った時、本人がまだ戦いたいと小林麻央さんのように思ったらどうするのか。新薬の臨床試験が本来この逃げ道にあたります。全員が受けられるわけではないので、がん難民が存在する今の状況があるのですが。

緩和療法は何もしないというわけではありません。それでも医師の言葉によってがっかりした患者たちはとんでも医療に騙されてしまいます。低容量抗がん剤なんか正しい部分は正直ありますが(私も何人か治療しています)エビデンスがない医者のさじ加減に過ぎません。そうまず標準療法を1回はやりましょう。それから先はオーダーメイドです。自分の希望を貫いて構いません。ただ医療者に強制はできません。忙しい医療者にとんでもの金儲けの手伝いをさせないでください。


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積極的治療と緩和治療;現場のジレンマ 小林麻央さんの事例から

小林麻央さんが入院され、少し状態が安定したようです。(ひとつクリア!)輸血されたのですね。ひとまず安心と思っていたら、女性自身にこんな記事が出ていました。(小林麻央 驚きの変化も…再入院前日にあった病院はしご6時間

まあ仕方ないです。昨日の記事でもあったように代替医療を選ぶことを止められません。少なくとも今回どこの病院が入院させてくれたのかそして輸血までしてくれたのかわかりませんが、その病院はこの麻央さんの行動をしっかり把握されているのでしょう。つまり彼女は標準医療と代替医療両方の治療を受けているということです。酵素風呂なんてのもブログに出されてましたね。

それにしてもこの代替医療を行っている医院がこの標準医療を行っている病院に連絡して入院させてくれたのならまだ許せる行為です。そうでなければいつものとんでも医院です。放り出すので有名ですから。

ここで一つ書いておきます

標準医療である緩和治療専門の緩和病棟で入院してしまうと基本輸血は行わないところが多いです。それは保険点数の関係で輸血をすると包括医療(DPC)の点数では赤字になってしまいます。つまり病院は身銭を切って麻央さんに輸血をしなくてはいけないのです。それゆえ今回の入院は短期の一般病棟で取り扱われているでしょう。そうすれば病院は損をしなくて済みます。

標準医療における積極的治療と緩和治療の現場のジレンマが実はここにあります。血液疾患なんて輸血してれば元気な末期の方なんてザラにいます。そう末期でも2年近く仕事しながら生きた方もいます。なのに緩和ですねと輸血をしなくなったらあっという間にダメになります。昔の記事です

実際万人に当てはまるいい治療はそうはありません。だから本来病気、個人毎個別に対応してあげなければいけない。でも根拠のないものをやることは学問ではない。だから…

まだ完全な答えはありません。保険で賄うかどうかは別問題ですが、それでもあきらめていない人間とは最後まで医師は歩んでいくべきだと思っています。 そしてそうすることで何らかのエビデンスができてくるはずだと信じています。

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自然治癒力で治るがんの患者体験記 そういうタイプのがんだった

少し面白い記事みつけました。(がん治療の代替療法を「インチキ!」と全否定する皆様へ 働き盛りのがん闘病記(10)私があれだけ叩いていた週刊現代に不定期に連載されている小説家朱郷 慶彦さんの記事です。

(1)から(10)まで連載記事を読んでみた感想。いや面白い。少し解説していきます。

まず前提としてこれからの記事は文章から読み取れる私の推定で、エビデンスは全くありません。

このかたのガンは中咽頭癌病期4A。治療を行うことで5生存率は60%と膵癌や肺がんに比べて予後は良好な部類に入ります。おそらく免疫原性が高い腫瘍なのでしょう。そのためでしょうがPD−1抗体は保険適応されます。

結論を先に述べると、免疫原性が高いがんだったから今の安定した状況があるということ、腫瘍との共存という今の生活が保たれているのだと思います。

以下少し細かい解説。

(1)でがんが発症した後
>「三ヵ月前までライザップに通っており、あれだけのハードトレーニングにもついていけたこと」

をがんでない理由に挙げていました。この記載を見て過度のダイエットはやはり腫瘍免疫を落とすんではと疑問を持ちました。免疫が低下すると出てくるリンパ腫はよく知られています。

そして3)に出てくるこの10個!患者さんの不満というものを臨床医は知っておくべきでしょう。
>1) 検査の結果が出るまでにとにかく時間がかかる
病理検査はルーチンで最低1週間 
>2) ネット検索して、がんに関する情報の多さに脱力してしまう
WELQ含めていい加減なものが多い 
>3) 心配した知人が、がんの名医を次々と紹介してくれる
そしてその名医はあてにならない 
>4) 日本全国から、ありとあらゆる“がんに効く”食品が集まってくる
後半に出てくるノニなんかもそう 
>5) 祈祷師や霊能力者も次々と紹介される
本当ですか? 波動とか整体とかヨガとかはありましたけど
>6) なんだか治療法を考えるのが面倒臭くなってくる
ガンと言われての精神的反応です
> 7) 大病院では、素人である患者がプロである医師から治療方針の選択を迫られる
ここはそう思うでしょうね。でもこの人は自分で決定されていますので担当医師の話は悪くなかったと思います。 
>8) 大病院では、とにかく治療開始を急がされる
だってガンですので。遅ければ進行してしまう恐れがありますので。 
>9) 医師にはネットで得た知識について相談しにくい
医師は忙しいのと、ネットはハズレが多いので 
>10) 大病院の医師の言うことを、とにかく信じてみようか、という気になってくる
そのまま信じてもらえれば

本当がんの外来を始めて受ける人は見ておいて損はありません。

(4)から
>がんを放置して10ヵ月間呑気に暮らして最後2ヵ月ほど痛みを取る緩和ケアのみを受けて静かに1年後に死ぬのと、抗がん剤を使用して壮絶な闘病を行い、髪の毛は抜け、身体は痩せ、病院のベッドに縛り付けられたままで14ヵ月間生きるのと、どちらが良いのかという問題もある。

>標準治療をせずに代替療法だけでどこまで行けるかを試して、その状況を同時進行レポートとして書くというアイディアを思いついてしまった以上、どうしてもやってみたいのである。

そして(10)で
>入院とともに日常生活や仕事は犠牲となり、発声と摂食の機能が大きく損なわれ、酷い痛みは確実に覚悟せねばならず、それでも5年後には半分の確率でしか生きられない

>余命1年かもしれないが、最後の1〜2ヵ月を除けば、その間、仕事も生活も普通に営め、苦痛もそれほど感じずに済む 

このQOLが標準治療で絶対損なわれるという前提が間違っているのですが、気持ちはわかります。 

そして(5)で
>仕事を続けながら、お金をなるべくかけずに、それまでに培った経験と知識から、自分なりの治療法は継続する

という方法を選択します。そうこれこそが患者の希望。医学的には?でも本人の希望を覆すことは医師にはできません。

そして記事内(4)にある医師の少量抗がん剤を提案した言葉に対する反応
>気休め……それでは多くの先生が代替療法を否定する時の理由と変わらないのでは?

いやするどい。まさにその通りですw エビデンスがありません。

そして(6)から(9)まで現状と代替療法の提示が始まります。
>扁桃腺の腫れはやや大きくなってきている

>不思議なことに、当初喉の右側のリンパ節に転移していた大きな腫瘍はかなり小さくなっている。一度大きくなったがん細胞が小さくなることってあるのだろうか。

>その代わり、1年前にはなかった左側のリンパ節に腫瘍ができ、それがかなり大きくなってきている

免疫原性が高い腫瘍によくある現象です。良くなったり悪くなったり。本当に悪性度の高い腫瘍は一月待ってくれません。

そして(10)にて
>代替療法の検証においては、同じ療法を施した調査対象群と、施さなかった対象群の間で、症状の改善に統計的な有意差が見られるかどうかを測定すれば良いのである。

>そこで有意差がない、と判定されて始めて、その療法は「インチキだ」もしくは「有効性がない」と指摘して良いことになる。

ではなぜやらないかというところは置いといてこの意見も正しいです。でもないことを証明するのはとても難しい。

先ほど免疫原性という少し解りにくい用語が出ましたが、免疫でいくらか効果が出やすいがんと思ってください。そして治せはしないけど悪くもさせない状態が今の状況。そしてノニなどの免疫賦活自然食品はきっとその安定に役立っているのでしょう。しかもその効果判定はオプジーボと同じように難しいといった流れでしょうか。

そうこの人のこのがんだから効いただけです。万人には当てはまりません。だからこそこの方は標準治療をすれば100%近い確率で5年生きられた人だと思っています。まあ痛みが嫌いな方で手術等はしたくないということなので仕方ないですが。そして最初にその効果を予想できないことが今の医療の限界です。

ノニジュースや食事療法も効くがんはきっとあるのでしょう。でも今それはわかりません。だから万人に進めてはいけません。それはオプジーボがどのがんに効果あるかどうかわからないのと同じものです。ただ私は水素水含めてどのようながんに効果があるのか証明される日がいつかきっと来るとは思っています。 

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内閣官房避難方法提示 それでも出していたほうがいい

内閣官房が弾道ミサイル落下時の行動について(内閣官房)について報告しました。巷では色々な感想が出ています。

正直打たれてから7分で落ちるミサイル。弾頭にもよるでしょうけどシェルターでもなければ一定の範囲は直撃されたら助かりません。それはみんな気づいているでしょう。正しい対処をしたらどんなことがあっても死ぬことはないなんて夢にしか過ぎません。それこそ人間不死身でないのはいつも医療で言ってることと同じです。

もちろんこの指示に従いたくさんの人間が一気に地下への道筋を通ったら多分2次被害が出ることが予想されます。その際警察などはきっと対処できないでしょう。そんなことを考えると本当提示されている書類のレベルは決して高いものではありません。避難後のことも何も書いていないし。

ただ伏せたり、地下に避難して助かる人間は、直撃とその場にいても被害のないちょうど境目のところにいる人たちが対象です。この方法を行なえば助かる確率が上がるのであれば当然やるべきです。ものにぶつかりそうになったら避けることと同じこと、だから避難の方法すら知らない人が多いこの平和な今の日本ではこの情報は出しておいて正解なのです。

そして直撃を避けたら弾頭の種類で対応を変える。核、化学兵器、生物兵器なら窓のないコンクリートで情報がわかるまでじっとする。外にいたら風上! 前回書いた内容です。

正直総理の北欧外遊中止など北朝鮮は日本を沈没させるっていうし状況は恐ろしい限りです。それでも淡々と政府を信じて生活していくしかないのです。それでもミサイルが打たれないように政治家は頑張るしかない。不倫してる場合じゃない!

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