2017年06月

がん検診仕様書違反 青森の医療のレベルが低いってこと?

NHKで流れたこのニュース。(胃がん・大腸がん 検診で“4割見落とされた可能性” 青森県)結構ショックです。

>バリウムによるX線検査を行った胃がんで40%、便に含まれる血を調べる「便潜血検査」を行った大腸がんで42.9%、子宮の入り口の細胞を調べた子宮頸がんで28.6%に上ることを示す分析結果がまとまりました

バリウムは正直技師さんが上手じゃないと本当に早期の胃がんは診断できないんですよね。それゆえ疑わしきは内視鏡といったことを昔はよくおこなっていました。やはりもう胃がん検診は内視鏡、またピロリ抗体+ペプシノゲン検査法の方が良くないかな。

>「地域がん登録」システムのデータが整ってきたことなどで可能になった

そう今まで日本が遅れてきたデータの蓄積管理ができてこなかったことから、この事実がわからなかったのです。

>平成27年度に検診を委託する医療機関などと必要な項目が記載された詳細な「仕様書」を確認していた市町村の割合は49.5%と半分以下

結局仕様書に沿った検査を医療施設がやってなく、それを行政も指摘しなかったということですよね。だから検査自体の精度が悪い?だから見落とし?

また大腸がん検診にどこにミスが入るのかと思ったら、以前の記事

>一部の自治体では大腸がんの一次検診で、便に血が混じっていた人には、本来、内視鏡による精密検査をしなければならないのに、もう一度同じ検査をして、血が混じっていなければ内視鏡による検査をしないなど方法が不適切な医療機関があった

うーん、これ気持ちはわかるんだけど国家試験レベルの問題だよな。 それだけでアウト。

がんによる死亡率が12年連続で全国最悪の青森県の原因がこの検診の精度の低さとしたら悲しいな。医療レベルが低いということとほぼ同じ意味だものな。他の県はどうなのかな。医療レベルと相関しているのかな?

ただ一応言い訳しときますけど

>検診を受けて異常なしと判定されたのに1年以内にがんと診断された人を見落としの可能性があると定義

であって、本当に見落としたのかどうかはわかりませんからね。もしかすると青森県の胃がんや大腸がんは他県より増殖速度が速い、悪性度が高いっていう可能性もありますからね。 まあ確率は低いと思いますが。

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バニラエアーと公用車 ルールって一体何?

障害者の対応でほぼすべての大手メディアが叩いたバニラエアー問題。ネットではどうもそんな単純なものでないことがいわれています。

ここで一番の問題は、バニラエアーは関空で彼の奄美行きに搭乗OKとし、到着後ルール違反で奄美空港において車椅子ごと補助で彼をタラップでおろしてしまったこと。この時点でルール違反を認めたのだから帰りの飛行機担当の人間にしっかり申し送りしなきゃ。だってすでに帰りの便の予約があるんだから。

そこに彼のクレーマー体質は関係ない。自分で這い上がるくらいの力がある彼はそりゃ意地でも乗るわな。そして当然仕返しもするよ。人道的に見た目が悪くてもルールを破れないと考えるバニラエアーの職員の対応もある意味しょうがないのだけど、だったら最初に関空で搭乗させちゃダメ。連れてきてしまった以上この人のことをしっかり帰りの便で申し送り対応準備しとかなきゃ。 

臨機応変対応力の問題ではなく会社の伝達不足の問題が一番。もちろんルールを遵守することと今回の行動どちらがいいかを判断できなかったことは確かだけど、それは現場一個人には正直難しいと思う。ただその後の機材の導入のスピードはさすがだしダメージはあったけど一番最小にできたと思う。

余談だけどネットでの彼の今までの行動とこの大手メディアに反対する意見が出てくるスピード含めてある意味すごい。大手メディアも横ならびよりこちらの方が面白いと思うけどな。

そしてあの金子議員の公用車保育園問題。税金を使うのがずるいと言って叩こうとしたけれど、少し不発になりそうです。

>秘書官の所属元である総務省は、「家族を乗せること自体ダメ」「(金子氏の)運転手の日報に書かれておらず、詳細は把握していない」旨の回答を寄せた。

さも違反ですと確定したような書き方ですが、公用車使用のルール(出発先、もしくは到着先が公務)では何の問題もありませんし、本人のブログに出ていますけど単に倫理の問題でしょうか。

特ダネで「何の問題もない。」「むしろ公用車を保育園送迎に使うことを認めよう」とコメンテータ2人が話していましたが、それも少しやりすぎかもしれないけどギチギチに運用したいのなら多分公用車なくすしかないよ。舛添の時に懲りてないのかな。

ルールに縛られて動きがおかしくなることは無意味。それこそスムーズに行動するための規範がルールなわけで改善するためにあるもの。そしてどんどんよくしていけばいい。どんなことでも例外はある。ただわがままとの区別はもちろん調整を。


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臍帯血移植 美容やがんには効きません

民間でも届出すればOK?という臍帯血移植治療。美容外科領域では若さの源といったように使われています。そんなとんでも状況に厚労省が動きました。とは言っても届出がないという違反での処分ですが。(がん治療・美容うたい臍帯血違法投与 11施設に停止命令)

血液腫瘍以外の治療に臍帯血移植は全く効果の証明はありません。そして移植を行っても生着するためには免疫抑制剤を使わないとほぼありませんし、また万が一生着したら GVHDという生死に関わる合併症を引き起こす可能性がある治療です。

なんでか知らないんですが、5年ぐらい前から免疫治療をやるとんでも病院でがんに効くとよくやられはじめたんですよね。獨協時代にそのひとつのクリニックにメールで連絡してみましたがその時の答えが

「患者さんの希望です」
「副作用は一例も出ていません」

おいおい。そりゃ生着しなければ副作用は出ないよ。患者さんの希望ってどこまで説明しているのと憤慨していました。

今そのクリニックのHPには臍帯血治療の項目はないようです。当時も100万超えてましたね。

ところが最近の美容外科領域では、細胞ではなく臍帯血を培養した上清で皮膚を若返らせる治療法がよく出ています。(へその緒の細胞で!? 医師に聞いた「話題の臍帯血美容」最新事情)これだと届出が全く入らないそうで、ちゃんとした美容外科の方は嘆いています。本当抜け道を見つけるのが得意な業界です。

プラセンタもそうですが、どうも未知なる物質やナチュラルな物質とかに弱い人がどうしてもいるんですよね。

化粧品もあの白くなりすぎるすごいものもありましたが、そう簡単には夢のような若返りは起きません。

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正しいことを単に正しく伝えようとしてもそう簡単には伝わらない

昨日の会議での会話です。

厚労省が出しているインフルエンザQ&A

これが紹介された後「正しいことが書いてあるんだけど本当読みにくい。部外に委託しそこそこお金は払っているんだけど」とのコメントが出ました。

その後の鋭い質問の嵐に「私は担当ではありませんので回答は控えさせていただきますw」 とお約束のお役所回答w。まあ厚労省の人間が正しさに固執するあまり、見てもらおうという気持ちが足りないのでしょうとまとまりましたw

またそこで別の方から、「役所があまり賢くなると仕事が大変になる」という問題発言wも笑えましたが、やっぱ行政における民間の力は効率的なお金の運用では必要でしょうね。

そして医療情報を正しく伝えるサイトとして何が必要か。真面目にしっかりした医療情報総論とその後の個別対応へのトリアージなんて案を医療者として出していたら、フロアから「患者さんのSOSをしっかり受け止めるものが欲しい、その意味でWELQは良かった」という発言がありました。

正直目からウロコでした。そうとんでもに騙される人は正しい記事を見てもそれを正しいと認識できません。だから無意味なものに騙されるのです。とすると最初に大切なことは病名告知後の患者さんの不安に対処すること。その後とんでもに騙されないようにしてあげる精神的対応ができるサイトではと発想を変えました。概ねみなさんの共感を得ることができました。

やっぱわかったことは医療者が正しいことを真面目に正しく伝えても伝わらないという当たりまえのことでした。それでも地道に、そして効率良く、時には煽動も入れ、医療広報やっていきたいと思います。

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医療広報 メディアと医療の融合

メディカルジャーナリズム勉強会に参加しました。いつもヤフーブログの市川さんが主宰するこの勉強会。メディアと医療の融合を目的として開催されています。

今後メディアが医療情報を発信する際、何らかの基準をつくろうとしています。それこそWELQを批判して潰しても、別のヘルスケア大学というできの悪いサイトに変わっただけ。ではどうすれば。4時間みっちり話し合いました。

この会で私が一番感じているのは、メディアの考え方は医療者と違う!という本当当たり前のことでした。発信する際、患者のために何ができるか。正しいことをただ単純に伝えても伝わらない、どのようなテクニックでどう伝えればいいのか。そして子供への教育などのテーマ含めて本当実現可能な提案ができつつあります。

政治も大切ですが、今後この医療広報という分野においても自分のやりたいことも追求していきたいです。

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