2017年12月

医師の年末年始の働き方 医師自身が変わる必要も

大晦日。今年最後の記事です。

色々医療記事を書かれている中山医師のツイッターからです。


この待機という制度。勤務でもない、でも休みでもないという本当ブラック雇用の典型なのですが、専門科にもよりますが、正直このように年末年始の医師の勤務環境は劣悪な場合が多いです。

だって年末年始でも病気の発生頻度は変わりません。そして対応できる病院が休みのため少なくなることからちゃんとやっているところにしわ寄せが行きます。これは私が選挙に出た7年前から変わっていません。

そしてもう一つ、埼玉医療の問題。別の医師のツイートから。


受け入れを決めるかどうかは基本医師が判断しています。そして彼のブログに書かれているように埼玉ではまたあの忌まわしきたらい回しという事件が起きそうになっています。(他にもたくさんありますが)2011年の記事も載っけときますが、結局当時から(その以前からも)あまり変わっていないんですよね。

それこそあの川越救急クリニックは副院長がインフルエンザで倒れ他の病院の麻酔含め上原先生一人で年末年始頑張っているようです。そう善良な医師の使命感だけで医療が保たれています。

これではダメなんです。続きません。その意味で病院においては当直(外来対応は別医師!)に全て任せるという医師の考え方の切り替えとそれを担保するシステム構築が必要です。そう人件費含めて医療の値段も考察しなければいけないんです。本当夜を含めた休みの対応は根本的に変えなければいけないとずっと言ってきてます。

今後もどうやっていけばいいか。以前書いた記事ですが(救急医療への提言(1)(2)(3)(4))、地域ごとの特性、医療者と行政の協力、医療費の再構築などとりあえずやらなければいけないことは山積みです。でも変わっていないことは残念ですし、おそらく自民党はこのまま年をとってノーサイドになるのを期待していそうなので、圧力をなんらかの形でかけ続けることに努力して行きます。

来年もみなさんいいお年を!

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急性期と慢性期 医療における難しさ 協力しないと無理

今年ももうすぐ終わります。みなさん新しい年を迎える準備は大丈夫でしょうか。

実は獨協医大をやめるとき、近隣の血液内科の足りない部分を補おうと計画して自分を売り込んでいました。一時期埼玉、栃木で血液内科外来をやる予定も決まっていたのですが、様々な状況から色々企画倒れになってしまい、結果週2回だけ働くというすごい中途半端な状態になっていました。

今でも足利赤十字病院での血液内科外来は継続して週に1回行なっていますが、実は今年8月から茨城の慢性期・地域医療に関わっています。

血液内科というどちらかというと急性期医療が主体の専門から慢性期医療にかかわってみてわかることは、本当医療者は勉強し続けないとダメだということでした。少しでも患者さん、家族にとっていい医療をと模索し続けていかないとすぐ遅れてしまいます。

そんな中今までもよくブログにも書いていましたが、あいも変わらず腹がたつのは責任感のない行政と医療組織です。本当これは急性期、慢性期共通のようです。(それとも私がおかしいw)

この患者さんにどのように医療を行い、ケアすることが一番いいのか。もう数年意識がなく寝たきりの人にどこまでの医療を行うのか。改善の見通しがない方に、いいかげんで中途半端な緩和医療を行い、中途半端な積極医療を行うことの矛盾をなぜ行うのか。それこそ生活保護患者をはじめ家族のサポートが得られないときの医療対応はどうすればいいのか、本当まともに考えようとしない人間たちに腹がたつ。(もちろんそこに医師も存在します)

医療の押し付けではいけませんし、患者サイドの希望優先だけでも難しいです。ただ確かなことをベースに医療(終末期医療含めて)をどのようにするか個別に対応していく必要があるのです。ヨーロッパの腫瘍学会なども最終的には現実的にはおこなえていない個別対応を推奨しているようです。

医師だけではできません。そして行政だけでもできません。互いに認め合いながらも患者さんのために今後も協力を模索していくつもりです。多分厚労省の考えとは異なるように思いますがw
 
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パイロン、つまりPLが薬局で販売!風邪で病院行く?医療費削減へ

あの風邪薬PLがついに薬局で販売されます。(パイロンPL顆粒サイト | シオノギヘルスケア)

一般に病院で単純な風邪を診てもらうとよく出されている薬です。副作用の可能性も当然あり、PLを出すなんて信じられないと言っている医師たちのグループもありますが、1960年代から出されている総合感冒薬で、重篤な副作用の頻度は当然そこまで高くなく、そこそこ切れ味も良い薬です。

病院で出されるPLは1g、薬局で売られるパイロンPL顆粒は0.8gとのこと。まあ多分効果はそれほど変わりはしないでしょう。

シミュレーションです。PL1日4包、3日分をもらうとしましょう。

病院にかかった時はざっくり計算すると3割負担で1600円前後、1割で500円前後になりますが、実際に払う額はもっとだということは6年前ブログに書いています。(ドラッグストアと病院どちらがお得。その1「風邪の場合」part 1)これが薬局だと薬代だけで1000円から1300円だけとなります。そう払う額はさほど変わらないです。(ちなみにPLの病院での値段は1包6.4円!まあ色々あります。)

薬局で薬をもらうということは、医師に診察はされないし、ついでに湿布なんてもらえないけど、3割負担の人の実費負担はむしろ安くなり、そしてもらう薬は同じでも医療費は一人当たり4500円程度減ります。ただまあ高齢者は相変わらず半額以下ですが。

これも医療費削減の方法です。まあ風邪診療は開業医の先生のドル箱かもしれませんが、正直風邪引いたら葛根湯やPL含む総合感冒薬をドラッグストアで買って様子を見るのはありだと思っています。

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老衰死が何を表すかの解説がない!無駄な治療はせずに死にましょうという間接的誘導

日経記事です。(老衰多いと医療費低く 男性最多は茅ケ崎市 全国平均を14万円下回る 日経調査

>健康長寿で老衰死が増えれば、医療・介護費を抑えることができるとみられる。

いやすごいな(棒)。積極的な医療を行わなければ当然医療費は下がるし、介護も回復させようという無理はしないので、重症な患者を介護しても費用は増加はしないということ。そう在宅で死になさいという誘導です。

>終末期に入院すると、ベッド代や治療費がかさみがちだ。最期まで在宅などで過ごせる高齢者は積極的治療を抑えつつ、穏やかな最期を迎え、結果として医療費が低くなっている可能性がある。

事実です。検査も控えますし治療も控える。そうすれば医療費は確かに減ります。ただこの点において年齢が医療を決めるわけでもないし、終末期の判断も医師、患者によって異なる。どこからを終末期と考えるか医学でも家族感情でも一律ではなくとても難しいのが現場です。

>「老衰死は医師の診断差(バイアス)はあるが、健康度と関係が深い可能性がある」と指摘。

健康度と関係が深いというのは意味不明。最後まで元気だった人が老衰という診断をされる事が多いということかな。健康だった人ほどある病気になった後眠るように衰えていくということかな。ただあの日野原さんですら在宅中最後は色々言ったんだよ。入院はしなかったけど。

>長寿は医療費全体を押し上げるとされるものの「老衰死が多く医療・介護費が低い地域の要因を解明し、好事例を全国に広めていく発想と政策的アプローチが必要」

なんとなく老衰という綺麗な言葉に変換して、無駄な治療はせずに死にましょうということを間接的に誘導しています。言っておきますが私は在宅医療にむしろ賛成している医師です。ただ美辞麗句だけで患者たちを誤魔化すと、こんなはずじゃなかったという人間が必ず出てきますよ。

>「高齢者で他に記載すべき死亡の原因がない、いわゆる自然死の場合にのみ用いる」と定義している。
>老衰から誤嚥(ごえん)性肺炎など別の病気を併発して亡くなった場合は、医師が老衰が直接の死因かどうか医学的な因果関係に従って判断する。

誤嚥性肺炎の治療で抗生剤はやめましょう、口から食べるのはやめましょう、そして自然に衰えて老衰という診断をしましょう、とはっきり言わないといけないんです!

医療の限界というものを示さないで、さも綺麗な死を迎えるというようなごまかしの言葉ではダメです。その意味で茅ヶ崎の家族と茨木の家族の満足度はどうだったというデータまで出さないと、ただお金で決める命は味気ない!

NHKで高齢者の肺がん手術後のQOLアンケートのニュースもありました。医療がどこまで進歩したか、そしてどこまで医療をやるか、ちゃんと提示してこの手の議論を進めなければいけません。

金で誘導するな!でも日経だから仕方ないか。

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軍事研究 区別はそう簡単にはできない

毎日新聞記事です。(岡山大など助成4大学判明 防衛装備庁、明らかに

自衛隊時代にこの系統の仕事をしていましたので書きます。

>同制度は「軍事研究に当たる」との批判が強く、科学者の代表機関・日本学術会議が今年3月、大学などの応募に否定的な声明を出している。

まあ正直軍事研究と民間研究の区別なんて正確にはつけれません。みなさんが使っているGPS、インターネットなんてまさに軍事研究の民間利用です。あとリンパ腫患者を治癒に導く抗がん剤のエンドキサンなんて化学兵器のマスタードガスからの発達です。その逆で様々な衝撃吸収材も軍事の防弾チョッキやヘルメットに応用されています。そういわゆる民間研究も軍事研究に応用されてきた逆の歴史もあるんです。

今までも自衛隊装備は様々な部分において民間に研究を委託しています。ただ残念ながら専門的な部分ではニーズとあわずに結果的に企業にお金だけ取られることも多々あったようです。米国なんてそれを避けるために専門家の制服が企業(ボーイングなど)にそのまま就職していますからね。そう研究費の元は税金ですから。

>「分担研究機関との研究委託契約は装備庁とではなく代表研究機関と結ぶため、了承なく公表できない」と説明していた。4大学の研究者名や研究内容は明らかにできないとしている。

了承して公表すればいいのに。下手に隠すからこんな風に悪いことしているように書かれる。

>今年度の応募総数は104件と昨年度の44件(配分先は10件)から急増していた。

そう文科省の研究費が少ないんですよ。金ないのに成果出せはそれこそ竹槍でB29落とせでは?

使い方さえしっかりすればお金の出どころはどこでもいいんです。研究者は正しい研究を行い、その成果をどう使うかは国民が判断し監視することなんです。研究者の皆さん、遠慮なく応募しましょう!

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