2018年12月

cureとcare どっちかだけではダメ

超高齢のリンパ腫の患者さんに、症状悪化時に抗がん剤治療をやりました。

「抗がん剤の治療をしたら悪くなって死を早めるかもしれない。それでも今治療しななければ確実に死に至ります。」

ご本人がしっかりした方で治療すると言ってもらい、家族もサポートしていただき無事治療は終了。少し副作用は出ましたが、退院時まずまずの状況でした。

退院後の家での生活で浮腫、筋力低下などの状態の悪化が見られました。検査で腫瘍の悪化ではないことを確認し、すぐに介護保険の更新を行い、デイサービスなどを使うリハビリを指示しました。しかし伝達の問題で先月指示したはずのケアは全く行われていませんでした。

患者は何度も家でこけ、少し認知の悪化もみられています。そしてリンパ腫は落ち着いています。

正直限界を感じています。最初から治療しなければよかったのか。それともケアの指示をもっと強くいうべきだったのか。他人を責めても今は変わらないのに怒りが湧いてやけ食いしてました。

年明け頑張ります。

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@yukitsugu1963

cureとcare どこから線を引く?

私は血液内科医です。ある意味抗がん剤が本当によく効く悪性新生物を扱っているため、正直はたからみると少し諦めが悪い、いつまでもcure(病気の治癒、改善)を追い求める医師です。

実際他科の医師がもう無理だという判断をされ、緩和に行けと言われた患者さんに介入することで元気に数年過ごしていただいたこともたくさん経験しています。と同時に抗がん剤治療を選択し、急速に悪化してしまった事例も当然あります。

昔は血液疾患の患者さん、そのうち白血病は特に若い人の病気でした。夏目雅子さん、本田美奈子さん、吉井怜さん、渡辺謙さんなどは皆さんご存知だと思います。世界の中心で愛を叫ぶなんて映画もありましたね。そう20前後の若い白血病の患者さんと受け持つと、この患者さんを絶対助けようと思ったもので、強い治療をして治した気になっていました。

30年という間医師をやっているとこの患者の質が変わってきます。そう今は60前後の白血病患者が多く、70台なんか強い治療をやるとそのままダメになってしまう危険も以前に比べて増えてきてます。

それでも昔に比べて医療の進歩があり、少なくとも昔は高齢であった60台は若いと感じるようになっていますし、実際20台相手にしてきた昔よりそれこそ安全に治療ができています。

それでも80台、90台の白血病なんて最初から治療を諦めることがないわけではありません。それこそ状態を確認しcureは諦めcareだけをするのです。それでも白血病のcareは輸血を行うなど普通のがんとやや異なりますけど。

本来どこまでの患者さんに抗がん剤治療をするのか?メリットとデメリットの見極めは?結局最近理解したのは、エビデンスの高い治療を行うことは少し強制的でもなるだけ実施する方向に。しかしその最善の医療がダメになった時、つまり医療においてエビデンスが少し弱くなった時、本人、家族の希望が医療におけるいわゆる正解を望まない時でもそれに可能な限り合わせてあげる努力をすることが一番なのかなと最近結論づけています。

マニュアルではなく個別対応にならざるを得ませんが、本当に教科書の正解はありません。その人その人の人生に合わせることしかできません。それでも治る可能性は捨てていませんけど。

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@yukitsugu1963

がん末期の介護保険 長生きしたら切られる矛盾

(私もまだまだ勉強中ですが、)介護保険を利用できるのは、基本的に65歳以上の方です。ただ65歳未満でも16種類の病気を患っていたら介護保険が使えます。

その中での末期がん。厚労省のサイトでは以下のように定義されています。
>がん【がん末期】※(医師が一般に認められている医学的知見に基づき回復の見込みがない状態に至ったと判断したものに限る。)

ではがん末期とは。こちら(介護保険制度「特定疾病」の16種)の解説によると
>致死性を持ち、治癒困難な状態であること
>治癒困難な状態とは、余命が6ヵ月程度と診断される場合

実はこの部分において、1年患者の生命が維持されたら2年目は同じ病名(がん【がん末期】)で再申請できないと地方自治体では考えているようです。

そして
>抗がん剤による治療が行われている場合でも、症状緩和や直接治癒を目的としていない治療の場合は、「治癒困難」な状態とされ、特定疾病の対象になります。

この言葉が表す抗がん剤治療がさっぱりイメージできません。症状を緩和するとか、治癒目的でない抗がん剤治療っていったいなんなんでしょう。いじめ?

これだけ進歩している医療。そしてその結果生命は予想以上に維持できます。しかし運良く命が伸びても様々な障害が残ってしまっている状態で介護保険が切られてしまうがん末期。なんか矛盾以外感じません。ジレンマです。

ちなみにこの時代がん末期は定義するのが難しく、余命があてにならないのは以前書いた通りです。

ただあくまでも、介護保険の適用は「老化にもとづいた疾患であること」が大前提らしいので、どうしても65歳未満では矛盾が出るんでしょう。医療保険との使いわけ含めてとても面倒くさいもので、こういう点も医療や介護の現場においてなんかおかしく感じられる部分だと思っています。

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韓国軍がそういう軍隊であるということ そして韓国政府も日本相手なら嘘をつき通していいと思っていること

いやはやクリスマスプレゼントは株安ですか。再度のバブル崩壊?日本企業はあまり変わってないですけどね。

さあ今回は韓国軍が自衛隊の哨戒機にレーダーを当てた事案について書きます。

韓国軍の説明がどんどん変わって、最初はミス、そして今はついに否定になりました。(レーダー照射 韓国「一切の電波放射なし」に防衛省幹部「証拠ある」

おそらくですけど、前回の観艦式への自衛艦旗問題含めて、韓国軍は日本に対してなら国際法の遵守は必要ないと考えているんでしょう。

だって今回みたいに軍隊として明らかに行ってはいけないことをやってしまい、こうやってその事実を日本にバラされてしまうと、軍は謝ることはせずしらを切り通せばいいと考え、それを追従する政府、マスコミがあるということが今の韓国の現状を表しています。

まあもう仕方ないです。着々と証拠固めをしましょう。そして韓国が日本に対して国際法を守るという、国として当然のことを期待しない方がいいでしょう。それでも同盟国ですが。

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アスリートの鉄剤注射 一番ダメなのは医師

陸上長距離選手での鉄剤注射が問題になっています。(鉄剤注射 選手寿命を縮める有害行為だ)日本陸上競技連盟は鉄剤の危険性を考え2016年にわかりやすいパンフレットを使い()今までもしっかりと危険性について広報されています。

今回のアスリートへの鉄剤。どうしてもスポーツ貧血という疾患が存在し、それに鉄剤の投与が有効であることがこの問題の基本だと思います。それこそ一般の方にも潜在的鉄欠乏症と運動能力の関係などは知られています。そして経口剤はドラッグストアで売られていることもあり一般的に禁止されているドーピング製剤とは異なり、かなりハードル低く投与されている状況のようです。
(注:>*静脈注射は2009年からWADA禁止項目に。1995年当時は、劣悪な病態に応じての処置として点滴。)
(ちなみに漢方の芍薬甘草湯も運動時の足つり、こむら返りの予防で使われているみたいです)

>鉄剤注射は投与量が多くなりがちで、鉄が肝臓、心臓、膵臓、甲状腺、内分泌臓器や中枢神経などに沈着し、機能障害を起こすことがあります。体調不良とかパフォーマンスが思い通りでない、といった理由で、鉄剤注射を受けることはもってのほかです。鉄剤投与が注射でなければならないのは、貧血が重症かつ緊急の場合や鉄剤の内服ができない場合です。

鉄剤。普通に鉄欠乏性貧血で使われる薬ですが、内服薬であればよほどのことがない限り基本問題ありません。そしてどうしても飲めない人には仕方なく静注製剤、いわゆる鉄剤注射を使用します。ただとても大切なことですが、足りていない時に体に補うものですので、過剰に投与してはいけません。なぜか。それは過剰な鉄剤の投与が肝臓(ヘモクロマトーシス)含めて全身の臓器に蓄積し機能を低下させ生命に影響する危険性がそれこそ抗がん剤並みにあるからです。

>高校の強豪校から来た選手のフェリチン値が高いということで数値を見せてもらったりもするが、正常の値にするのに、長いと3年、短くても1年くらいはかかっているそう。

この内容正直驚きました。経口であればこの蓄積に伴う副作用はほとんど心配する必要はありません。ただ静注や点滴などの注射剤ではちゃんと足りない分を計算し、過剰にならないように投与することが推奨されています。ところが専門でない医師は実際の患者に対しても結構いい加減に鉄剤が投与されています。MDS患者に鉄剤が投与されそれが原因で生命が短くなった症例もそこそこ経験しています。

>依頼を引き受ける医師にも問題がある。貧血は食事や経口薬で治療が可能で、鉄剤注射は重度の貧血に限られる、と専門家は指摘する。医療行為は治療目的でなければならない。競技力向上を目的とした注射は論外である。
>採血してその数値改善だけに終始する医師ではなく、貧血に対して目を向けることが重要だということを選手に教育できるような医師のもとで治療を受けることが重要だと考えている。

私の結論もこれです。こんな鉄剤静注を何も考えず行う医師は論外です。

今回陸連は禁止まで踏み込んでいます。正直医療行為を禁止するのはやりすぎかなと最初は思っていましたが、17校で静脈注射がまだ行われている状況、陸連の今までの広報の詳しい内容をみさせてもらった上で素晴らしい決断だと支持します。

>今後、教員の働き方改革で外部指導員が増える。適切な指導方法の徹底が求められる。

アスリートを守るために、正しいトレーニングを啓蒙しようとする陸連を支持します。被害者を出さないために指導者の教育も当然大切です。しかし繰り返しになりますがこのような治療を漫然と行なった医師が最低だと思います。だって医師である先生が許可したんだもの、医療を知らない指導者は普通従いますよ。

この医療者を正直公表すべきではとすら考えます。だって間違った医療(保険診療でおこなっていたなら法的に違反です)の被害者がいっぱいいるのですから。

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