2019年01月

「免疫力」健康食品と腸内細菌

以前書いた記事ですが、「免疫力」について解説した記事です。少し専門的です。

「「免疫力」を高めるために」:この宣伝で巷に健康食品は溢れています。

 

1990年以降それこそ様々なものが流行り廃れていきました。特定機能食品として認可されたものもあれば、そうでないものも含めいわゆる玉石混淆です。滋養強壮のためのうなぎ、マムシエキスなどもその走りですし、最近はやりのエネジードリンクなども大量のカフェイン含む健康食品の一つでしょう。

 

そして歴史が長い体力回復に使われる食品は、中身や効能効果がはっきりしたものが多いです。この分野の宣伝にはどちらかというと「免疫力」は入ってきません。それに対して、美容、若さ、健康などといった定義が難しいもの、そしてすぐには効果が分かりにくいものに、この「免疫力」はよく使われます。

 

前回お話ししたように免疫が発動するときには、攻撃的(免疫誘導、CTL等)反応と抑制的(免疫寛容、Treg等)反応が同時に起きます。それゆえその攻撃と抑制のバランスの違いで生体に変化が生じていても、ショックアブソーバーがまだ効いていれば病気というレベルまではいきません。そして普通はフィードバックが働きもとの状態に戻るという原則(風邪の後の発熱からの復活)で健康な状態に戻ることができるのですが、ストレス、加齢などからこの「免疫力」のショックアブソーバーとしての力が弱まると「疲労が抜けきらない」「どうも本調子ではない」などといった感覚などが生じ、美容で言えば、化粧のノリが悪い、肌が荒れる、吹き出物ができるなどが「免疫力」の低下で説明されてしまうのです。どれも精神的な影響は否定できないのですが、「免疫力」が低下したからだと言われると信じてしまいます。

 

まず何を持って「免疫力」の指標とするかになるのですが、例えば血液検査でよく使われるNK細胞活性なんて本当にそれが高ければ腫瘍に対する「免疫力」が上がるということは人間では直接証明されていません。そうあくまで検査の数字にすぎません。

 

また笑うことで「免疫力」が上がるもこのNK細胞活性が指標ですが、笑うという行為の定義、そしてその対象をどうするかなどが本当に難しい問題が評価を難しくします。それこそ運動することでのストレス変化、運動によって体調が改善することの幸福感、日々の生活が充実しているなどに伴うストレス改善などもいわゆる「免疫力」を改善すると言われていますが、正しく人間で証明できていません。(ちなみに今例としてあげた「免疫力」改善のエビデンスはとても乏しいものです。)

 

さあここでやっと本題。では健康食品は「免疫力」を改善してくれるのか。実はそこにはたくさんのブラックボックスが存在します。健康食品は今まで説明したこの精神的影響を超えた上で成果を出すことが本来望まれるものです。そう様々な症状を改善させてくれるプラセボに勝たなければいけないのです。そして本当に意味があるものを見つけるためには、口からとるということで欠かせない腸内細菌の関与を証明していく必要があります。

 

腸内細菌ここ数年でいろいろなことがわかってきました。日本における海藻類を処理する細菌、炎症性腸疾患における便移植の効果、腸内細菌における善玉菌と悪玉菌の割合、そしてそれを選択的に定着させる方法、これに対する答えがわからないと健康食品が本当に「免疫力」を改善するかどうかの証拠が得られません。一部には免疫チェックポイント抗体の効果が腸内細菌で変化するという論文も出てきています。つまり、腸内細菌叢を変えることが可能な健康食品なら「免疫力」を高める力をもつ可能性が出てくるのです。

 

ただ気をつけなければいけないのは、ただ善玉菌だけを投与しても、また悪玉菌だけを投与しても現在腸内細菌叢は変わらないという事実です。それこそ事前に抗生剤処理することでやっとネズミで人間の細菌の移植がうまくいったことが言われています。本当ビオフェルミンとかビール酵母とかそれだけではダメそうです。

 

青汁という野菜ジュース(細菌の栄養)、乳酸菌の塊であるヨーグルト(善玉菌)、触媒としての酵素(増殖反応の助け)、などはこの腸内細菌叢を変える力がある可能性があります。ただしっかりとした試験で普通に食べてプラセボ以上の効果を出せたものはありません。とは言えまだこの腸内細菌と健康食品の研究は始まったばかりです。実際腸内細菌でがんを治すという研究すらはじまっています。その効果を助ける健康食品も存在する可能性はあります。

 

ただ今は高い金を出して買うものではないということでしょうか。少なくとも、腸内細菌叢が異なる人種によって効果が違うことは間違いないと思います。それゆえ地中海食の効能も日本人に綺麗に当てはまるかどうかは微妙ですが、それでもアンチエイジングの結果が出ている分野は間違いなくあります。これからまだまだ発展するでしょう。

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明石市長パワハラ発言問題 部下への2年前の叱責がなぜ今 選挙がらみはおそろしい のっかったメディアは反省ない

産経新聞ニュースです。元民主党出身の市長の暴言問題。とても福祉含めていい行政をおこなった市長のようで、明石市の人口は市長交替後増えているとのことです。

そんななか突然出てきたパワハラ発言の録音。この7年間仕事をしてこなかった公務員を叱責し、放置されていた市民のための命を守る仕事を成し遂げた市長の2年前の行動が選挙前のこのタイミングで叩かれています。(部下に「辞表出しても許さんぞ」「自分の家売れ」 明石市長の暴言詳報

まあ明らかにパワハラ。まして犯罪教唆のような文言は間違いなくだめです。ただなんとなくメディアの行動はまさにあの町田の高校の時の暴力行為と共通と感じました。全てを理解して今メディアは叩いているのかな。

仕事をしなかった公務員のコメント、「相談しやすい市長になってほしい」を出すのなら、「なぜ7年間仕事を放置したんですか?」、そして「なぜ今選挙前のこの時期にこの情報を出したんですか?」、も聞き取って欲しかったな。あと「今度対抗として出馬する前市長との関係は?」も。それこそ選挙の妨害行動に加担していない?

あの音喜多さんとも仲がいいようです。(明石市長の暴言報道、その真意は?権益に直結する首長選挙の壮絶さ)いやはや、メディアも本当進歩しないな。

念の為言いますが、あの言葉はパワハラです。間違いなく反省すべきです。ただ町田の高校の時と同じで、報道のあり方は再考してほしいと感じます。センセーショナルな一面だけを垂れ流し放置するのはもう無理です。

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免疫力アップラーメン!いやはや言葉が軽い!

まあびっくりする新聞記事です。(免疫力アップ食材使用、インフル対策ラーメン 麺屋武蔵と日本薬科大が共同開発)ちなみに開発中の記事もありました。

>同商品は免疫力を向上させる食材として、抗菌作用のある竹炭を使った竹炭麺や、滋養強壮効果を狙った烏骨鶏(うこっけい)スープを採用。高麗ニンジン、松の実を薬味などに盛り込

まあ漢方研究部学生と栄養士の方との共同研究なのだそうですが、今まで花粉症対策ラーメン、日焼け予防ラーメンなども提供されているとのこと。ちなみにどちらの記事を読んでも免疫力アップの根拠は漢方以外見えません。また今回のラーメン食後には市販の「明治プロビオR-1」が提供されているそうです。本当免疫力という言葉はうまく使われる言葉です。

今までも書いてきてますが、(免疫力総論1ガッテンの内容など)本当の免疫力は簡単なものではありません。だからこそ正しく対応してもらいたいのですが、免疫力という言葉は何となくという意味で使いやすく、テレビ番組サンデージャポンで報道されたようです。

今回はそこまでの害はありませんが、武蔵さんにお願いしたいのは「癌が治るラーメン」だけはやめてください!

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バズフィードの記事から 予防医療と高齢者医療と医療経済 健康長生き施策と医療費削減は基本矛盾です

バズフィードの記事です。(健康は義務ではない 「予防医療」を医療費抑制の道具にするな

1回目(トンデモ数字に振り回されるな 繰り返される「終末期医療が医療費を圧迫」という議論)、2回目(国民皆保険の維持は日本社会の一体感を守る最後の砦 貧富の差で医療に差をつけるべきではない)の記事もとても勉強になりました。

少し自分の考えと照らしていきます。

政府が推し進めている
>「予防医療」と「健康寿命の延伸」による医療費抑制策
実は20年以上前から政府の中では言われていました。予防医療で医療費は下がると。ほとんどなんの結果も出さなかったメタボ健診って皆さん覚えています?

>生活の質を上げるために予防医療を重視し、健康寿命延伸を目指すことは賛成
これはみんな賛成だと思います。そう健康な見た目が若い老人を作ることが大切です。ただそれと医療費はどう考えても別なんです。

>だから、極端な言い方をすれば、医療費抑制だけ考えるなら治療しないのが一番いいんですよ。
>しかし、こんなことは誰も主張しないでしょう。リハビリをやったら命が長引くだけでなくて、再発や3回目もあるし、他の病気にもなります。だから、長期的にみると医療費は増えるのではないかと思うようになったんです。

つまり極端に言えば予防医療は病気の発症を10年後に先送りするに過ぎないのかもしれません。結果的には今の医療を10年年老いた人間に行うだけですから帰って手間がかかるでしょう。

>「これまでの医療経済学の多くの研究によって、予防医療による医療費削減効果には限界があることが明らかにされています」
>「それどころか大半の予防医療は、長期的にはむしろ医療費や介護費を増大させる可能性があります。そのことは医療経済学の専門家の間では共通の認識です」

そう専門家も限界がわかっています。なのになぜ経産省はこのような間違い施策を続けるのか。それは耳触りがいいからです。健康的な生活をしていれば、いつまでも病気にならずに長生きできる。そしてピンピンコロリとなり、医療費を使わずにあの世に行けると国民を錯覚させているのです。

いや本当に知らないだけかもしれませんが、健康長生き施策と医療費削減は基本矛盾です。そこで高齢者医療をどうするかまで考えなければいけません。今の高齢者医療の考え方ではいくら予防しても医療費は減りません。数%と言っていますがGDPが落ちている今は何か変えなければ少なくとも今のレベルの医療は続けていけません。


抗インフルエンザ薬ゾフルーザでのシオノギの株価の変動 メディアの自作自演? シオノギの自業自得?

ほとんど宣伝活動のようなテレビでのインフルエンザ特集も影響したのでしょうが、ゾフルーザは抗インフルエンザ薬のシェアが今期トップとなり、シオノギの株価は上昇しました。

しかし今回ゾフルーザ耐性インフルエンザのニュースが報道された途端株価は下がったようです。いったい何が問題だったのでしょう。

まず耐性ですが、以前の記事でも書いた通りゾフルーザのインフルエンザウイルス耐性誘導は10%に出るわけですので、これだけ処方されれば出現するのは特に珍しい話ではありません。実際私も少ない症例数ですが効果のない症例を経験しています。そう今回のニュースは医学的には当然のことです。

では何が悪かったのか。正直シオノギがあえてこの耐性のことをそこまで語らず(説明書には書いてあります)、テレビで耐性には触れないほぼ宣伝番組を作成してきたこと。そしてそのままメディアも耐性誘導には沈黙していい薬と発信し続けたこと。

その結果患者もすごいいい薬に違いないと勘違いし、医師もあまりよく考えずに患者の希望で多量に処方してきた結果当然出てきた耐性株を、またさもすごいことのようにメディアが今になってニュースとしたこと。ある意味梯子外しのこのニュースの結果がこの株価を動かしたと思います。

そうメディアの自作自演、でもある意味シオノギの自業自得です。不作為の罪ですかね。このような非正直な薬の売りかたをする会社の信頼がどうなるかは今後の株価に影響するでしょうか。多分これもメディア次第だと思います。

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