2019年04月

いかに正しい医療情報をみんなに正しく伝えるか 個別に真摯に対応するしかない

平成も最後です。普通に病院で仕事してます。

前からですがいかに正しい医療情報をみんなに正しく伝えるかについて考えてます。だからではないですが間違ったことを発するメディアや人達を私は攻撃してます。(これは本当に正しいかどうかは異論があることを承知しています)でも現在も反ワクチン、反抗がん剤、反医療の方はやはりいなくはなりません。

正しい医療情報の伝えかたをメディアの方達と一緒に勉強しています。その中で信頼する市川さんが論文を紹介してくれました。小児科領域におけるワクチン関係の論文です。

>17歳以下の子供がいる家庭を無作為に4つに分ける。
(1)MMRワクチンが自閉症を引き起こすという証拠はないというCDCからの情報を伝える
(2)MMRによって予防された疾患の危険性に関してCDCが出した文章の正しい医学情報を伝える
(3)MMRワクチンによって病気が予防されたはずの子供の病気の画像を見せる
(4)麻疹で死亡した幼児についての悲しい悲劇の一例を伝える
(5)鳥の餌づけのコストとメリットについて話す(何か話したという対照群)

このように親へ介入した結果が以下になります

>介入のどれも未来の子供に予防接種をする親の意図を高めなかった!

良かれと思っておこなった医療者の行動は、正しい医療情報から導き出されたものとしても、そして感情をいくら揺さぶろうとしても、全体で考えるとワクチン推進という点において全くダメだったという結論です。

やっぱ難しいことです。そして最近自分が感じていることですが、やっぱ患者と医療者の信頼関係が一番だと思っています。そしてそれがなければうまくはいかないということも。

そして医療者の説得を受け入れてくれる条件として今は以下のようなものを考えています。

ア その知識はほぼ絶対的に正しいか
 医学的に正しくないと絶対にダメです。ただし絶対的にという基準は設定が難しいです。

イ その専門家は自分の大切な人にその行為を行いたいと思うか
 アがあって医療者に自信があれば基本行うはずです。

ウ その専門家はやましいことなく市民のことを第一に考えているか
 そこに利益が出てくると少し態度にいやらしさが出るでしょう。それでもア、イがあればまだ許せますけど。

エ 医療者、発信者を人間的に信頼できるか
 医学的にどんなに腕が良くても、頭が良くても、人間として信頼できないと感じてしまうと信用は難しいことです。

これらを全て満たすことができれば今のような反医療的なことは起きてないのでしょう。でもどれも難しいからデマを含めた今の歴史があるのでしょうが。

どうやって解消すればいいのでしょうか。正しい医療を医療者は行い、メディアがそれを正しく発信し、人を結果的に傷つける医療を罰することを含めて制御する。このような事実の積み重ねしかないのだろうと思い行動しています。

平成最後の覚書として。

令和も頑張ります!

ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。
 
ツイッターもやっていますので興味のある方はフォローお願いします。
@yukitsugu1963

公立病院、統合・再編へ 厚労省、医療費抑制狙い 正しいんだけど現在の社会情勢を加味しないと机上の空論

共同通信です。あまり他の新聞等は追随していません。
公立病院、統合・再編へ 厚労省、医療費抑制狙い

>国や自治体の公立病院、日赤などの公的病院について、厚生労働省は24日、手術件数などを分析し治療実績が乏しい場合は統合や再編を促すことを決めた。夏にも具体的な病院名を公表し、地域での議論を求める。

まあこの厚労省の発言がどこまで正確かわかりませんが、今手術をしない病院はなかなか利益が出ず、簡単には儲からなくなっていることは事実です。そして手術数だけで病院の優越を決めるなんて愚の骨頂なんですが、病床利用率なども加味されているんでしょう。でも日赤まで組み込むなんて凄い時代です。

>分散している医療機能を集約し、病院ベッド数を減らして医療費を抑制する狙い。効率的な体制にして医師の働き方改革につなげる目的もある。ただ、対象病院は縮小や廃止となる可能性があるため、反発も招きそうだ。

病床数を減らせ!これは夕張で有名な森田医師がよく言っている内容です。(最近は一部正しいことだと思っています。)例えばある病院で産婦人科がなくなることがニュースになります。ただ10km以内に他県ですが大きな周産期センターがあるのでこの病院の分娩が減ってもおそらくそこまで実臨床としては問題ありません。この意味ではこの病床を減らすことは多分正解です。ただ病床が減れば病院全体としては利益が出ないため潰れます。住民たちは少しでも近いところに病院がないとと心配します。そう安心と安全、感情の問題になります。

またこの新聞記事にあるこの部分

>同病院は、生活保護受給世帯などを対象に市が出産費用を助成する「助産制度」の指定施設。市内には他に指定施設がないため、休止の間、制度利用者は他市の指定病院で出産することになるという。

生活保護患者の受け入れは病院の自由です。このようなある意味いびつな社会的な対応が実際の現場では問題になっています。また生活保護はまだ受けていない、そして費用を払えない、いや今後生活できそうもない患者さんを受け入れ、その行政的対応を入院後病院が行うなんてことが実際ではよく起きています。

支払い能力がない患者を引き受けると病院は医療費を払ってもらえません。この医療費を請求する作業を行わなければいけません。本来生活保護申請作業は行政の仕事ですが、行政の対応も決してすばやいものではないため、入院と同時に病院が作業を一部肩代わりしていることがよくあります。個別に難しくある意味とても面倒な仕事で時間と手間がかかるのですが、その事務作業等の費用を病院は請求できません。そう医療費は払ってもらうために病院は行政の仕事の肩代わりというボランティアをしているのです。

また潰そうとしている病院には、DPCで困った患者の受け皿という役割もあります。退院はさせられない、でも入院させておくと他の治療が必要な患者を入れられない。そして入院日数が伸びると病院の利益も減る、だから転院させたい。でも受け入れる病院がないため退院させれない。いわゆるボトルネック現象は少なくとも私が勤務した急性期病院全てで起きていた事実です。

そのような小手先の対応を急性期の病院で行うことが本当に望ましいのか。そして施設では受け入れられない、でも病院で受け入れると利益が出ない、このような患者がたくさんいる現状で具体策を示さずただ病院を潰すだけでいいのか。本当に厚労省の現場に丸投げという仕事ぶりはまあいつものことなのですが、日本の医療が混乱するだけでしょうに。あの藤掛病院で書いた事実は何一つ変わっていません。

一番大切なことは、その地域においてどのような医療を行うことがいいのか、そしてそれに必要なベッド数は、そして施設の数は、それをある程度余裕、安全域を持たせて決めていくことが必要なこと、いわゆる地域医療構想の確立です。でもなんの教科書もありません。本当に難しいものとなります。小さな地域ごとにその特性を考え個別にやっていくしかありません。

今は利益だけで(まあそれしか簡単な指標がないからですが)やっていこうという厚労省。まあいつもながら現在の社会情勢を加味しない机上の空論としか思えません。

ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。
 
ツイッターもやっていますので興味のある方はフォローお願いします。
@yukitsugu1963


透析中止問題 やっと正しい報道が 福生病院の対応は間違ってない

なかなか出てこなかった透析中止問題に対する「正しい報道」、そう毎日新聞記事への疑問、反論が今回2つ出てきました。

一つはダイヤモンドオンライン。
透析中止事件で問われる「死の在り方」と「報道姿勢」

>この時の各紙は、医師から透析中止の提示を受けた患者は、医師に「誘導」されて死に追い込まれた、と読者に受け取らせるような論調であった。
>一方、朝日新聞を除いたほかのメディアは、過去の記事との矛盾を説明しないまま
>臨終の場面の内容は大きく違っている

そう私が批判し続けているの理由です

>「治療」だけが医療の役割という考え方は、過去のオールド・カルチャーになりつつある

個人の希望の重視ということを福生病院はちゃんとやっていました。

そして日経メディカル記事。
特集◎福生病院の「透析拒否で死亡」報道が投げかけたもの《2》 病院側が語った「透析中止」の真相 医師は治療継続の必要性を説明、患者は治療を拒む

>本人と夫、医師と看護師、ソーシャルワーカーで相談
>病院側代理人の説明の通りにそのプロセスを踏んでいたのであれば、この点で病院側に落ち度があったとは言えないだろう。
>遺族からのクレームなどはない

その他の詳しい描写もありますが、あくまでも医療として問題ないという記載です。

さあ福生病院擁護が私だけでは無くなってきました。毎日新聞反論しましょう。

ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。
 
ツイッターもやっていますので興味のある方はフォローお願いします。
@yukitsugu1963

高血圧治療ガイドライン(指針) コレステロールの時と同じと言われても仕方ない 医者、製薬会社がつくる病気

高血圧学会の高血圧治療ガイドライン(指針)に対する記事です。
高血圧 75歳未満は「最高130」目標に 降圧剤処方が増える可能性)

The Lower the Better。昔から言われているまじないのような言葉です。今までもこの言葉の魔力に医療者は踊らされ、コレステロール、糖尿病、血圧などの基準値が変えられ、ガイドラインが決められてきました。

今回血圧の数字が変えられた一番の理由は、アメリカで行われたSPRINT試験に基づくものです。概略を言うと、(同友会メディカルニュースから引用)

>120mmHg未満を目標にする厳格降圧群(4,678例)と140mmHg未満を目標とする標準降圧群(4,683例)を比較し追跡調査(心血管リスクが高く糖尿病、脳卒中の既往がない人)
>心筋梗塞、その他の急性冠症候群、脳卒中、心不全の発症や心血管死(を比較)
>標準群2.19%/年に対し、1.65%/年と25%の有意なリスクの低下
>総死亡も厳格群が1.03%/年、標準群1.40%/年と27%のリスク低下

そう血圧を厳密に下げることで健康上の改善が認められたのです。そして

>実際にSPRINTの副作用を解析した結果からは、厳格群で低血圧や失神、急性腎不全など低血圧に伴うと考えられる副作用が有意に増加しています。しかし、これらの副作用出現のリスクを負ったとしても、最終的には厳格群の死亡率が低くなった

ちゃんとやれば副作用より主作用でメリットがあったという結果が強調されています。米国での調査ではありますが、血圧測定方法なども少し違うのですが、心血管リスクが高く糖尿病、脳卒中の既往がない人という条件を満たせば血圧を低下させることはいいこと、The Lower the Betterが証明されたのです。

そしてそれに基づいて日本高血圧学会はこのような人の血圧を下げようと言ってます。(メディカルトリビューンより

>75歳未満の成人
脳血管障害患者(両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈の閉塞なし)
>冠動脈疾患患者
>慢性腎臓病(CKD)患者(蛋白尿陽性)
>糖尿病患者
>抗血栓薬を服用中の患者

すこしおかしいです。SPRINTでは糖尿病と脳卒中の既往がある人は除外されています。そう、糖尿病患者、脳血管障害患者のThe Lower the Betterのメリットは全く証明されていません。

いやそれどころか糖尿病患者さんの高血圧のコントロールの関与を調べた別の試験では、目標収縮期圧120mmHg vs. 140mmHgの比較試験で心血管イベントに差なしという介入が否定された結果がたくさん出ています。でもこの新しく作られたガイドラインでは、SPRINTに基づいたにも関わらず、SPRINTで除外された患者、他の試験で否定された患者も血圧をもっと下げろと提言しています。

昔コレステロールを下げる薬ができた時、The Lower the Better、が実践できると医師たちは根拠のないガイドラインを作成しました。そして今それは全く無くなっています。2012年の記事です。(医者、製薬会社がつくる病気

(もちろん細かな条件が別に付けられているかもしれませんが)効果がない人にも降圧薬をたくさん出そう!とはたからみられるこんなガイドラインを出すから医師が信用されなくなるんですよ。ディオバン事件をもう忘れたんですか。

ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。
 
ツイッターもやっていますので興味のある方はフォローお願いします。
@yukitsugu1963


「正しい介護」をしていても人間は不死身にはなりません

文春記事です。
「ドーナツで窒息死」ベテラン准看護師に有罪判決の波紋 無罪を求める署名は40万超え

特別養護老人ホームで急死した85歳の認知症患者の事件です。まずはお悔やみ申し上げます。

女性に「異変」が起きたのは12月12日。そして翌年1月16日、おそらく延命処置をしながらの死亡が予想できます。死亡診断書には直接の死因が「低酸素脳症」、その原因が「来院時心肺停止」と記載されているとのことです。そうすると病院では正直なぜ死んだのかはわからないというのが現実です。(来た時にはもう死んでいて、心肺は一度は戻ったがそれまで)だから「不審死」ということなんでしょうが。

>「食事や入浴、排泄などで常に介護が必要な方をお世話します」
>「20人前後を1ユニットとして、生活の場であることを大切に、手と目が行き届いた介護をめざしています」

手と目が行き届いた介護、それは以前転倒している認知症高齢者の不死身、異変の防止を約束するものではないです。でも文面から印象を受ける、正しい介護をしていれば人間はおかしくならないという考えがみえてしまいます。

>裁判の争点は2つ。(1)女性の死因が「窒息死」だったのかどうか、②山口被告に「過失」があったのかどうか

まあ「窒息死」、つまらせたことで死亡した、つまりドーナツを食べさせていたのに注意をしていなかった、それは過失でちゃんと介護すれば予防できたかという点が一番のポイントです。

>窒息死の前兆となる「むせり」「もがき」がなかった

だから窒息は予想できなかった。本当に患者さんに正しい嚥下等の反射ができる機能がある程度残っている方なら、この「むせり」「もがき」は出てくれたでしょう。ただ機能が衰えてしまえばこの反射は出ないことがありますし、逆に出ないような人はいつものをつまらせてもおかしくないでしょう。そう高齢者の「窒息」は正直予測はむずかしいのです。同様に心臓や脳などの他の疾患の突然の出現も予測できません。そう子供と同じように高齢者の急変は予想はつきにくいです。

>女性へのおやつは、より柔らかいゼリー系にすると決まっていた

実際専門家によれば、ドーナツ、菓子パンはつまりやすい食事だそうです。ではなぜゼリーではなくドーナツが彼女に投与されたのか。この記事ではよくわかりません。少なくとも配膳含めてこの人個人の問題ではなく、あったとしても組織の問題がします。

>「全ての責任が被告にあるとも言い難い」として「非難の程度は必ずしも大きくない」と表現した。有罪判決はやむを得ないまでも、山口被告には同情できる

つまらせて窒息、それを見逃した事による不適切な介護、個人の過失による死亡という構図。わからないでもないですが、「正しい介護」をしていても人間は不死身にはなりません。であればこの方個人の有罪判決はやはりやむを得ないのでしょうか。

いつか人間は必ず死ぬのに、急変の予防が物理的に不可能であっても、「正しい介護」をおこなっていないから罪になる。「正しい介護」っていったいなんなのでしょう。私には司法が要求しているものは不可能という言葉しか浮かびません。不可抗力という概念は司法にはないのかな。もちろん専門家からみれば後出しジャンケン的過失なのかもしれませんが。

ブログランキング参加しています。ボタンを押してよろしければ応援お願いします。
 
ツイッターもやっていますので興味のある方はフォローお願いします。
@yukitsugu1963



Twitter プロフィール
記事検索
月別アーカイブ
プロフィール

dannapapa

カテゴリ別アーカイブ
タグクラウド
QRコード
QRコード