2020年04月

さあGW いやStayHomeWeek開始 COVID-19の病態と治療薬の考察

いや良かった。また新規患者47人と低下した。

今日はStayHomeWeek開始に伴うCOVID-19の覚書です。少し専門的すぎるものとなります。

まず昨日のブログであげた抗ウイルス剤レムデシビル、ファビピラビル(アビガン)。これはウイルスを殺す薬です。そのためウイルスが炎症の原因である早期には効果が期待できますが、重症時は微妙です。臨床試験でも中等症ぐらいまでのようです。

そして新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、今病態におけるトピックは後期に起きる血栓、血管内皮障害です。このことから脳梗塞、多臓器不全、味覚・嗅覚障害、肺病変、皮疹などと急激な病態変化が説明できるのではと言われています。そしてそれは全身病態の悪化、重症化を意味します。治療薬として候補に挙がっているフサンフォイパンなどはこの作用機序のため効果があるのではと想定されています。

またサイトカインストームが引き起こされているだろう病態後半には抗IL-6抗体、敗血症ショックに使われているエンドトキシン吸着カラムなどが治療薬として挙がっています。どれも重症化時に起きる様々なショック病態を改善させるECMOと同じ究極の対症療法と言っていいでしょう。

またイベルメクチンという腸管糞線虫症の経口駆虫薬(疥癬、毛包虫症の治療薬としても)も効果が言われています。その作用機序はとても面白いのですが難しいものです。

そう病態解明が起きることで治療薬もいっぱい出てきています。それこそ重症化する人が予想できるようになり、早期投与が望ましい人が選別できればいいのですがそれがまだできていません。そしてこれらの薬も本当に効果があるのかはRCTをおこなわないとわからないのです。

またこのような人によって異なる病態は新型コロナウイルスでなくても別のウイルスでもたまに起きています。有名なのはEBウイルス。
1 大部分は不顕性感染
2 一部が伝染性単核球症で発熱、肝障害、リンパ節腫脹を呈し軽症。自然に治癒。
 (たまにステロイド投与などが必要、そこそこ辛い期間が2週間)
3 ごくまれにウイルス性血球貪食症候群(VAHS)という重症病態になり抗がん剤が必要なことも
cf  本当にまれに慢性化して血液悪性新生物や移植が必要なことも(慢性EBウイルス感染症

でもこれも本来風邪なんですよ。ウイルス、本当に奥深いんです。

皆さんもしっかりStayHome続けてください。

cf 間違いを修正しました。ご指摘ありがとうございます。4/30/1330

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自然回復があるウイルスの治療 本当判断が難しい

いや今日の東京の感染者は100越え。そんなに甘くないですね。昨日のブログ謝罪します。素直にあと1週間こもります。でもしっかり減ったらその時はよろしくお願いします。

レムデシビルがコロナの薬として認可されそうです。



レムデシビル、効果はとても期待されていますが、ただRCTの結果はまだです。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)、2月の中国の発表によると、感染が確認された症状のある人の約8割の人が軽症ですみます。重症は約2割でそのうち重篤になるのはおおよそ5%。致死率は約2%との報告でした。また今は不顕性(無症候性)感染者が実はいることがわかっていますので、重症の割合はさらに少なくなるでしょう。そう大部分は自然に回復するウイルス疾患、いわゆる風邪なのです。

ところが致死率は各国でかなり違います。そうアジア人より欧米人が致命的なんですよね。実際NYで人工呼吸器に繋いだら約90%助けられないという報告も出ています。なんか日本とは全く別の病気です。

このように人種でも反応が異なりそうな新型コロナウイルス。だからこそこの薬が日本人のCOVID-19治療に本当に効果があるのかどうかはRCTをまたなければ実はわかりません。使った人と使わなかった人を比較して、致死率の低下、症状の改善、入院日数の低下などを指標として比較することが大切なのです。

>日米などが共同で新型コロナウイルスへの有効性を調べる治験を行っており、特に重症患者への効果が期待されている。

ちなみにWHOは削除しましたが、レムデシビルは重症者には効果が低いのではという報道もされました。そうウイルス疾患にどのタイミングで投薬し、どう評価するかは本当にとても難しいものなのです。

そしてこういうことを考慮せずに、まだ臨床試験も終わっていないアビガンを早く認可しろと吠えているテレビ番組があります。アビガンは内服だから軽症、レムデシビルは注射だから重症という単純なコメントをするウイルス学者に、COVID-19の治療をテレビで喋らせてはいけません。まあそんなレベルの人達だからなんの根拠もなく伝聞で責任なくデマを叫んでいるのでしょうが

検査もそうですが、薬にはなんらかのメリットがないと使う意味がありません。お金の無駄遣いになります。(実際症状を一日改善するタミフルを感染症医は必要ないという人も多いです)もう少し答えを待ちましょう。

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制限緩和 どのように行うのがいいのか 油断ではなく希望を持たせる言葉「もう少しです」を

もちろんまだStayHomeですが、本日の東京の新規患者数2日連続の二桁。しかも39人。やっと低下してきたと評価していいんですよね。あと1週間頑張ろう



5月6日の緊急事態宣言解除はまだ難しいという意見が流れていますが、部分解除を行うべきだと提言したいです。

それは具体的にはどのように。

まず発熱、体調不良が出た時には仕事にいかない、学校にいかない、遊びにいかないは継続徹底。そして症状出現時は可能ならオンライン診療で医師の診察を受け原則検査を。

マスク、手洗いは徹底継続。

PCR含めた検査決定の判断は保健所から病院等へ移行。PCRセンターも各自治体で準備。そして検査も基本民間外注検査会社へ移行。そして一部拒否している会社は政府の調整を(可能ならここは緊急事態宣言中に)

また全員の相談事例は個人情報登録。可能なら行動範囲も。そこにネット含めたIT活用を。可能なら個人ごとの記録の義務化。

ここまでがまず原則。

そして

学校、仕事は半分再開。飲み屋なども時間1時間延長。コンサートなどはマスク着用、消毒徹底。そしてあとが追えるように、店、主催者は個人情報の保管(1ヶ月)(ライブハウスはまだ厳しい?)

移動は可能な限り時差。特に通学と通勤は分ける。

出社人数は5割から。

そう元の3蜜回避に戻すのです!

これを2週間行い、その結果でまた厳しくするのかもっと緩めるかの判断。ダメかな。

もちろん厳しい意見をいう方もいます。ただ日本の検査体制のレベル、医療の余裕、そして今の日本の政治における強制力のなさは今までの医療対応を否定するものではないと思います。2日前の記事です。

BSフジLIVE プライムニュースで政策研究大学院大学学長 田中明彦氏がの今の日本はとても弱い軍隊だったと言う例えをしたそうです。少し悲しいですけど、まさにその通りだと納得しています。でも弱いながら作戦でここまでなんとかきました。もちろんまだまだと言いたいのはわかりますが、国民に油断ではなく希望を持たせる「もう少しです」と言う言葉が政府から欲しいです。

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StayHome 物理的防御 内的防御という名の「免疫力」 ただエビデンスはない

岡江さんの記事でこのようなものを見つけました。



>「先月、母が『じゃがいもより長芋の方が免疫力がアップするらしいから作ってみた! 美味しかったよ! 今度作って持ってくね!

>「我が家のキッチンにある母が自分の分から袋いっぱいに詰めて分けてくれた黒ニンニクを見て、この時も『免疫力あがるから! 体にいいから! 持って行きなさい!』

>「こうやって思い出してみると、ちゃんと気にしてたのになぁ、免疫力。。」

ウイルスに対してStayHome、手洗い、マスク、防護衣はあくまで物理的防御です。そして免疫力とは何かといえば、なんかあっても風邪をひきにくいからだというのが一般的に(感染)『免疫力』と言っていいでしょう。以前の記事です。(免疫力1)(免疫力2

特に今回のような初発のウイルスであれば、抗体などの強い獲得免疫がないため、弱い自然免疫しか防護手段はありません。そして自然免疫で有名なのがNK活性と呼ばれるものです。

落語を聞いたらあがる。規則正しい生活をしたらあがる。ストレスがかかるとさがる。その他健康食品、ヨーグルト、プロポリスなどいっぱいデータはあります。でもこのNK活性が直接的にウイルスを防御する『免疫力』と連動するというデータは実はありません。それでもなんか体に良いと思っていることをやって、自分の調子が悪くなければ続けていくことでいいのです。

きっと岡江さんはそんなに「免疫力」は低くなかったのでしょう。でも悪化したということある意味運として受け止めなければいけないのです。

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なぜ新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は厄介なのか 今のまとめ

本来ただの感冒のウイルスの親戚であるはずの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が起こすCOVID-19。なぜこんなに厄介なのでしょう。

私が感じていることを少しまとめとして書きます。

1 症状のステルス性

今までの感染症疫学は基本症状からすべて対策を取ってきました。インフルエンザの発熱、SARS、MERS、天然痘、麻疹、エボラ出血熱などは感染を拡げるときには症状、目印があったのです。ところがこの新型コロナウイルス、まさに透明人間の状態でウイルスを撒き散らします。これは今まで蓄積された教科書的知識を嘲笑うものです。だからこそ第1線のクラスター対策を突破されてしまった今こそ、病院では検査の拡充、そして他に手段がないためのStayHomeなのです。

そして正直どれだけの数が感染しているかもこの不顕性感染のためわかりません。それゆえ致死率も正確には出せません。もしかするとインフルエンザと同じぐらいかもしれないのです。

そして厄介なのは感染症に共通する2次感染の危険性。さすがに感染症対応に慣れている人間でも大変なのに、初めて対応する医療者が恐怖を持つなというのは無理です。

2 COVID-19の症状の突然急変

医療者は予測がつく時はそこまで重症が来ても恐れません。いつも通り淡々と教科書に準じて対応していきます。ところがこのCOVID-19はわずか数時間で元気だった人を死に持ち込みます。しかも病態の予想がつかない。この様な疾患はそこまであるものではありません。

そして日本ではまだ死者数が少ないですが、中国、欧米でのあの死者数は恐怖です。そしてこのことは医療者の行動に大きな精神的、体力的ダメージを引き起こしています。

3 知識が1日ごとに変化する

様々な報告がなされ、医療者はそれに準じて対応計画を決めていくのですが、それこそどんどん内容が変わっていってます。それこそ最初はすべてN95対応だったのが挿管等に限定とか、一般の人のマスクに意味がないと言ってたのに他者への感染予防に効果ありとか、あのWHO、CDCですら前言を撤回しているのです。

そして試験管データ、実臨床ではありえない条件から生じるデータなどからの本来起きないはずの可能性の提示など、その正当性、重要性を評価される前に中途半端な内容がどんどん広報されてしまいました。そりゃ医療現場のプロですら混乱を起こします。

4 経済、政治との連動

患者が増えた時に病床含めて何がどれだけ必要なのか、今回全く対応できませんでした。日本国内どころか世界中で生じたマスク、防護衣不足。この準備不足は今までやってきた経済性からくる無駄の排除優先という施策から生じたものです。(そして買い占めなどの行為もおかしくさせました。)

でもこれはある意味防ぎようがなく仕方がありません。何が一番悪かったというと、せっかく中国やイタリアや米国で起きてから時間があったのに、そしてその後もクラスター班が時間を稼いでくれたのに、こんなにゆっくりした平時の準備、調達を続けていたスピード感のない政府の対応が問題なのです。もちろん政府だけでなく馬鹿な質問続けていた野党も大問題です。

そしてこの臨床現場の緊急性、必要性を上に届けられなかったことは、そういう医療者が少なかったということ、つまり専門家会議に臨床医の意見があまり入らなかったことも問題でした。

もうひとつ経済学者との連動ももう少しあっても良かったでしょう。でも世界でも正解がない今、今ある施策は感染者数、死亡者数を考えるとやはりそこまで間違っていない、いや成功の部類です。(経済はわかりません。)

5 検査体制・IT体制の遅れ 政治の強制力のなさ 医療体制の脆弱性

検査体制・IT体制の遅れは台湾、韓国との比較でよくわかります。素直に認めなければいけません。ただそれを素早く行う際に必要な国民への強制力が日本の政治にありません。まさに他国のマネをしようにも歴史的、政治的、そして人道的にできなかったのです。

こういう条件を無視して初期から検査をむやみやたらに行ったら、脆弱な医療機関が崩壊したでしょう。そう最初から総合的な判断が必要だったのです。

もちろん細かい問題点はまだまだあります。PCR検査の特殊性、検査正確性の評価、治療薬の決定プロセス(薬害予防)など医療者しかピンとこないものがいっぱいあります。それをわかりやすく伝えていかなければいけない報道官が本来こういい時期に政府には必要なのです。そしてくだらない質問ではなくその内容を引き出すメディアも。記者会見できる臨床側の人間も欲しかったですね。

多分今後も新型コロナウイルス対策、そして知識もまだまだ変わります。それこそ朝令暮改になることもいっぱいあるでしょう。でもこの未知の疾患に対してはそれでいいのです。失敗を恐れてはいけません。ある程度の無駄は仕方ありません。被害を最小限にしながら前に進んでいくしかないのです。

最後に、最初から検査をすればいいと言っていた人たちは、

臨床現場を知らない
一部の学問(ウイルス学など)から全てを決める
都合にいいところだけつまみ食いする
そして何らかの利益を得ようとして恐怖を煽っている?

のかなと思っています。例えそこに悪意はなかったとしても。

長文失礼しました。

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