私は医者です。平成元年に防衛医大を卒業し、医師免許を頂き医師たる幹部自衛官になり、途中選挙に出るため自衛官をやめなければいけず、ブログで自分の意見を発信する変った医者として現在にいたります。

自衛官時代イラクにも行かせていただき、本当に理想と現実の差に巻き込まれながらも、現実的に何をすることが一番大事なのかを決めて、いや自分に納得させて行動してきました。海外に行くことで日本という国の素晴らしさ、日本国民の素敵さを実感しました。その上で自分に与えられた仕事をその当時最大限素晴らしいものにしようと努力してきたつもりです。ただ評価はむずかしいと思います。いつももっとうまくやれるのではという反省の積み重ねです。

今回の集団的自衛権関連事象と、医学的思考過程の共通点について述べてみます。

安倍総理の言葉です。(平和安全法制のナゼ?ナニ?ドウシテ? 第四回
「時代が変わっていく。兵器も進歩していく。国際情勢も変わっていきます。国と国との関係も変わっていく中で、必要な自衛の措置を私たちは考え抜かなければいけないんです。これを考える責任を放棄するということは、もう政治家としての責任を放棄することなんだろうと思います。」

医療において、15年前に教科書にこの時はこうしなさいと書かれていたものが、現在禁忌処置(絶対やってはいけない処置)として教科書に書かれています。いろいろ積み重ねていく上で医学が検証されてきたのです。この変化を、いや以前の教科書に書かれているのだからこの治療をやり続けるべきだと言う方はそういらしゃらないと思うのですが。

いや、医療と政治は違う。それこそ、いや製薬企業が儲けるためにデータを捏造したに違いない、臨床データは改竄できる、医師と製薬会社は患者をモルモットにしている。本当どこかでみた思考過程です。憲法と教科書は違う。アメリカの言いなりになって日本国を戦争させる国にしようとしている。中国や北朝鮮が攻めてくるなんてありえない。あの9条を守ることが大事なんだ!多分そう反論する方がいらっしゃると思います。

医療はこの処置をすることでその患者の生命を維持する上で最良のものを選ぶ積み重ねです。それには副作用もあり、結果やらない方がよかったとなることも多々ありますが、やることによって生命を助ける確率が上がるものです。

放置することでじり貧が予想されれば、さらに危険な介入をすることもやぶさかではありません。もちろんこのタイミングでしかやってはいけない、つまり状況が悪くなったからこの処置が許されるということもあります。

こんなこと、ビジネスの世界でも同じことでしょう。まさにリスク管理です。立ち止まることがいいのか、前に進むことがいいのか。20台の患者さんと90台の患者さんでは当然答えは違いますし、家族の考え方でも答えは違います。それでも考え続け、現在最良と思える手を打たなければいけませんし、そうやってきているつもりです。

ただ一個人の考え方はやはりもろい物だと思います。だからこそ議論しましょうと言っているのです。日本という国、まだまだ元気で生きていて欲しいものを最大限いい方向に向かわせるために。

いろいろコメント頂きました。また真間田弘さんというジャーナリストの方とツイッターでも議論させていただきました。(@mamasan_h本当とてもいい知識を頂きました。ありがとうございます。

対中国外交上全部は言えないことからも、国民が政府を信じれるかどうかが難しいのはよくわかります。医療不信と政治不信は同様の構図です。だからわかる範囲で議論をしましょう。それが政治です。国民はどうせ忘れるから、患者はどうせ知らないからと開き直るのはまだ早い。

医師と違って人も時間もあるはずです!主要な方はもっと忙しいでしょうが、少なくともプラカードをもったり、国会前で怒鳴る時間があるのですから。


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