芸能人のプライバシーはマスコミの大関心事です。それこそ次から次に出てくる不倫問題なんてもういい加減にしなよのレベルです。(棺桶まで持っていくは死語?)

その中で今回一連の市川海老蔵さんの奥様麻央さんのニュース。とても示唆に富むものです。スポーツ報知で流れた進行癌の速報。(その前には妊娠報道もあったようですが今は削除)、そして今回の海老蔵さんの立派な会見を材料に病気の報道のあり方を考えていきたいと思います。

まず進行癌という報道。(小林麻央、進行性がんで極秘入院 半年以上姿見せず…海老蔵懸命サポート)今回情報源はどこかはわかりませんが、医療関係者、歌舞伎含む芸能関係者のどこからか奥様の情報が漏れたのでしょう。(実は個人情報保護法の観点でここ問題です。入院施設の医療従事者を調べる必要があるかもしれません。)

この進行癌という情報。悪い病気というイメージ以外の内容はありません。そのためその後の番組でのコメンテーターがとんでも発言を繰り返します。はっきり言うとスポーツ報知の進行癌という情報だけではマスコミが知りたい今後の予後、治療など何も言えません。それなのに憶測で番組が作られまくっていました。

ミヤネ屋にでていた病理医なんて進行癌はステージ1もあるなんて臨床知らないのがバレバレだし(緊張しただけ?)、バカな免疫細胞治療が効果あるなんてしゃべるし(多分PD-1と混乱?)本当むちゃくちゃ。まあ限られた範囲で面白くしなければという状況は考慮しても本当いい加減な対応が目立ちました。

そして海老蔵さんの会見。1年8ヶ月奥様のがんを公表せず家族で支え合った市川家。海老蔵さんのバレてほっとしたという言葉はマスコミへの優しさです。家に待機するマスコミの対応にも仕事ですからと理解を示しながらも今後の節度ある対応をお願いしてます。(海老蔵、取材配慮を要請「命に関わることなのです」 )マスコミは元気になった後の旅行時には取材しませんと明言していましたが、いくら絵が欲しいからとはいえ記事にある盗撮もどきはやはり倫理的に不適切でしょう。

治療する際気持ちは大事です。それこそ煩わしいことに関わり奥様の状態の悪化は避けさせたいという海老蔵さんの言葉泣けてきます。今までなんとか維持できてきたこの1年8ヶ月。今回バレたことで家族がどうなるかという不安。そして、家族を守るために自分はどうなっても言うべきことはしっかりとそして丁寧に伝えています。本当危機管理対応として100点です。

そして麻央さんの「私は前向きです」というマスコミへのコメント。今後の報道のあり方をマスコミは問われています。いつもこんなに報道に優しい人達ばかりではありません。

この記事を書いている時、医療ジャーナリストとしてとてもいい記事を書き続けている市川さんの記事が見つかりました。(有名人の病気報道は、どこまで許されるのか?)マスコミの報道のあり方を、「プライバシー」と「報道の自由」を公共の利益の観点で書かれています。

公共の利益はどういう基準なのか。熊本の地震報道を含めてマスコミはやはり考えなおさなければいけない時代になったと思います。それは人権問題という広い範囲も大切ですが、特に生命に関わるものへの配慮を考えなければいけないのです。

我々医師は患者さんの臨床経過を学会発表する際にも、個人情報保護法の観点で、たとえ匿名であっても、患者、家族に許可を頂く時代になっています。つまり病気の情報の公表とは法的にそれだけ厳しく制限されるものなのです。まして命に関わること、不倫とは全く違います。

いい加減なものであっても取材不足のまま病気に関する情報を垂れ流す放送。そして命に関する情報を家族、本人の許可なく流す一面からは法律違反の放送。人の倫理を問うマスコミだからこそ、自分たちを律しましょう。それこそ出来の悪い政治家と変わらないと理解しなきゃ。 

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