昨日のクローズアップ現代+ あなたはどう考えますか ~新薬高騰が医療を壊す?~をみました。どうしても放送時間が短いこと、そしてとても複雑な内容のため情報提供だけで終わってしまいましたが、これからの医療を考えるきっかけとしては良かったのではないでしょうか。この間書いた記事です。
年齢、社会経済で区切るがん治療 議論しましょう!

私のツイートです。


毎月266万の薬剤費、でも患者の支払いは毎月1万2千円で済む。この日本の医療費の仕組みをどれだけの人間が知っているのでしょう。この高額療養制度はすべての医療に適応されます。逆に言うとこの制度があるのだから入院保険なんかは要らないという意見もあります。日本の医療制度、保険制度に対してもうすこし評価してもいいのではないでしょうか。

でも黒色種の5年生存率を今までの倍にした(つまり5年間癌を持って生きていた人を今までの抗がん剤に比べ2倍にした!)オプジーボ。高いだけの理由はあります。多分これからもたくさんの癌に使われるでしょう。(癌免疫治療 PD−1 究極の自己免疫誘導療法

少し解説します。

1 薬価
基本儲からなければ製薬会社は薬を開発、販売しません。(2011年の記事 変わってないこの問題!日本小児神経学会フェノバルビタールの薬価引き上げの要望:いい薬なのにもうからない)それゆえある程度の値段は仕方ありません。ボランティアでは社員を雇えません。

今回ここまで高い値段が問題にされたのは、患者さんの数が少なかった黒色種から患者数の多い肺がんに適応拡大されたからで、製薬会社が決めたわけではありません。そのため何か手を打つべきで、厚労省も儲かりすぎた薬はどんどん薬価を下げる方向です。(「市場拡大再算定」国民皆保険を維持するために)この中にも引用していますが以前こんな提案をしています。(医療費お薬代考察 1人から1000万とったら後は30%でどう?
 
2 税金の補填
いくらかは上げなければいけないでしょう。前から言っているように、どんな医療を望むのか、そしてどれだけなら払えるのかを決めなければいけません。何でもタダで受けることに慣れている日本。低負担高福祉はありえません。あのアラブでも石油の値段が落ちたら変わってきています。この高齢化社会、少なくとも医療費は増え続けます。

3  医療の優先順位
これが一番難しい問題です。高齢者への高額な医療の是非を問うと置き換えていいでしょう。個人的な意見ですが、俗に言うフレイルの患者さんへの延命治療、がん治療、透析治療などは検討すべきでしょう。(NHK特報首都圏 最期の医療をどうするか 命をめぐる選択 広報しましょう)保険負担割合も検討すべきかもしれません。

特に自己がほとんどない人回復の見込みの少ない認知、寝たきりなど)は自費での治療も検討してもいいかもしれません。学会はプロとして提言すべきです。ちなみに透析治療は自己負担なく全て税金です。生活保護の時と同じように利益に押されて医療機関の倫理が弱くなっている部分です。 

4 個と群 エビデンスの使い方
 また英国の若い女性の例はある意味これも難しい要素を提示しています。正直膵臓癌の患者全体で考えるとパクリタキセルはあまり費用対効果がないと判断されるのですが、この患者さんには結構劇的に効いていたのでしょう。でもそれは統計上無視され、エビデンス上保険から外されます。患者さんにお金がないため治療が続けられません。金の切れ目が命の切れ目。このジレンマ、薬の適応外使用にも当てはまるものです。医療は全てに平等に効果があるわけではありません。無駄をどこまで許すのかは究極のテーマです。

そして同日7時のNHKニュースです。(がん新治療薬 適応外投与で副作用 死亡例も
(タイトルは少しダメです。適応外使用と副作用、死亡がリンクしているわけではありません。)

>医療機関のホームページなどで情報を得たがん患者が、自由診療の形で受けているということで、入院設備が無いため副作用に対応できず、国立がん研究センターに救急搬送されてくるケースが起きています。

つまり自由診療でお金を儲けるために薬は投与するけれど、副作用が出ても後は知らないよ。他の病院に勝手に行って保険診療でなんとかしてね、というあまりにも患者さん、他の病院を馬鹿にして儲けているビジネスです。ちなみに今までの効果の少ない免疫治療の際も同様でした。患者さんは路頭に迷います。そして先程の保険と違い患者さんはお金は丸々全部払わなければいけません。こんな医療がまかり通っているから医師全体が叩かれるのでしょうが。

少しいいまとめの記事です。(医師は薬剤コストを考えて治療すべきか? )
>「医師が医療コストを考えずに最善の治療をためらうことなく続けることがいいのか、あるいはeconomy based medicineを意識しなければならないのか、悩ましい問題だ。しかし、将来の世代に負担をかける現行制度では、いずれ限界がくるだろう」
>1年の"命の価値"は600万〜700万円

他人の言うことをそのまま聞く必要はありません。ただ医療は不確実なものだし、お金をかけないと難しいことは事実です。だからいろいろ調べて行動しなければいけないのです。


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