ほぼ1年前にiRONNAに書いたオプジーボの記事(「奇跡のがん治療薬」オプジーボに立ちはだかる5つの現実。この1年でどう変わったのか考えてみたいと思います。

昨日血液疾患の難治性ホジキン病に保険収載されたことから、オプジーボの講演会が東京で開かれました。全国から血液内科医が集まり、医学的、学問的に議論がなされました。その中で1年前の下記の問題がどうなったかをまとめてみたいと思います

1 高額な値段
2 投与するまで効果の予測が難しい
3 やめ時がわからない(Until PD)
4 副作用が今までと違う
5 併用薬がまだ不明 

1 政府主導の下すでに報道されているように半額になりました。そして値段はもっともっと安くなるでしょう。しかし今後も適応はどんどん拡大され患者は増えていきますし、また同じPD-1抗体MSDのキートルーダともライセンス契約が結ばれていますのでの、特に会社の利益的には問題ないでしょう。そして使われる医療費は全体として高いままということです。ただ他の抗癌剤が減る可能性はあります。

2 相変わらず完全にはわかっていません。ただしホジキン病のように間違いなく効く症例や、抗がん剤の効果が乏しいと言われているNKTリンパ腫に100%の効果を認めただの、PD-L1が陽性の腫瘍は効果が高いということは間違いないようです。
 しかし肺がんなど陰性でも効果がある症例がいるのですが、治療効率と費用を考える必要があるのかもしれません。リンパ腫でのリツキサンは後になってCD20陽性が義務付けられましたので、そのような制限がかかる可能性はあるでしょう。そう実際キートルーダのようにオプジーボでもPDL−1陽性の確認が義務付けられるのではないでしょうか。

3 これはまだそのままで、悪くなるまで投与が続きます。ただし間質性肺炎を起こした症例はやめても効果が維持されているとのことで、そういう臨床情報から何らかの指標が出てきています。ただこの間記事に書いたように医学的にやめることの決定も時間がかかります。

4 多くはないのですが、劇症型1型糖尿病(しかも日本人に特有?)などのまだまだ自己免疫性疾患の発症が起きています。そしてそれは元に戻らないしいつ起きるかも予測できない。命を助けるためとはいえ大変です。ただその上で少し慣れてきたのか副作用マネージメントがだいぶうまくなってきたようです。以前5割が副作用で中止になっていた抗CTLA-4抗体(ヤーボイ)とオプジーボの併用は1割程度に減少しており、本当大変ですが治療がうまくいくようになり、そして一番大事ながんに対する効果も上がっているようです。

5 単剤でもある程度の効果があるのですが、先ほどの抗CTLA-4抗体(ヤーボイ)、局所放射線治療との併用(多種のガン)、iMIDとの併用(多発性骨髄腫)など様々な併用が効をなしています。それゆえまだまだ副作用が少なくガンをコントロールできる時代が期待できます。

多分来年にはもっともっと改善するでしょう。本当楽しみです。 

根拠のない免疫治療を行っている病院のCMがどうしてもブログ画面に出てしまっているようです。全く関与していませんし、彼らの治療を基本否定していることを念のため書かせていただきます。

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