リュウマチの治療薬として認可されているインフリキシマブ。その値段の高さも問題となる薬ですが、効果は抜群。リュウマチ患者は痛みから解放され、昔みられていた手が変形している患者さんは本当に少なくなりました。この薬、炎症の元であるTNFというサイトカインを抑えるため、様々な他の炎症性疾患にも使えることが報告されています。(レミケード)まあ原因はなんであれ炎症を抑える訳で、究極の対症療法になります。だから色々な疾患に効きます。

>【効能・効果】
既存治療で効果不十分な下記疾患
関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎
尋常性乾癬、関節症性乾癬、膿疱性乾癬、乾癬性紅皮症
強直性脊椎炎
腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病
川崎病の急性期
次のいずれかの状態を示すクローン病の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)
 中等度から重度の活動期にある患者
 外瘻を有する患者
中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療(既存治療で効果不十分な場合に限る)

上記が保険で認可される病態ですが、どうにもコントロールできない移植後のGVHDとかにも使われているのが実情で、その際病名には機序的には同様と考え潰瘍性大腸炎の病名がつくことがよくあります。これが保険病名です。以前の記事です。

その意味でこの記事。(インフリキシマブの保険償還に要望書 免疫CP阻害薬による大腸炎への緊急措置として-肺癌学会 )今後増えてくるオプージーボ等の治療後に出てくる腸の病変にインフリキシマブを使わせてというお願いです。いや使えるのですが、保険申請することを許してね、保険外だから認めないといことをしないでねという医療者から厚生労働省保険局および日本医学会会長へのお願いなのです。

先ほど述べたように、この病態は厳密には保険収載された【効能・効果】ではありません。ただ自己免疫腸炎という意味では治療効果があります。それゆえ、死に至る副作用の腸炎に対しどうしても主治医は使いたがります。ただし保険収載されていないため、もし支払基金に認めてもらわないと適応外使用ということで病院の持ち出しになります。結果助ける手段がありながら治療しないという選択が現場で正直出てしまうことがあるのです。

このような適応外使用の場合(入院中のPET検査も)、病院長決済などで病院の持ち出しを事前認可する場合があります。そう病院が患者さんのために損をしようという方法です。ただ正直これでは意味がありません。ではこの薬だけ自費でもいいではないかとなると、混合診療の問題でこれだけ自費(百万ぐらい?)にすることはできず、それこそオプジーボ、キートルーダまで自費になり年間1400万以上が追加されます。

今の日本の保険制度を守るためにどうすべきか。いやその前に目の前の患者の命を守るために何をするのか。病院を潰さないために何をするのか。簡単なことではありませんが、高齢者へのがん治療含め議論しなければいけない問題です。

今回のように個別にお願いするのか。それともドラスティックに変えるのか。(混合診療の解禁等)それが保険制度という日本が世界に誇るものを潰さない、いや発展させていく上で必要なものです。医療の進歩が早すぎるのです。だからこそ行政がしっかり早く動かないと平等に命が守れない時代なのです。

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