向精神薬を使いながら精神科でフォローされていた神経性食思不振症のある患者さんの話です。ちなみに精神科入院歴もあり、体重が減りすぎて今にも死にそうだった最悪の時期からは安定していました。

この患者さんとご両親は、様々な症状は心のせいではないと各病院を渡り歩いていました。いろんな病院で薬をもらい、改善しないとか再発するとまた心配して別の病院を受診していました。そして検査含めて最初の繰り返し。大きな異常はないと言われてもいつまでたっても不安は解消しません。ちなみにHPVワクチンはうっていません。

そんな中体重減少、貧血等を認め、時折発熱しリンパ腺が腫れるとのことで、開業医から悪性リンパ腫を疑われ血液内科を受診しました。来院時には発熱はなくリンパ腺も腫れていなかったため、精神科疾患の関与の可能性を強く疑いました。


精神科の治療を確認し、内科的精密検査も行うことで、「あなたに器質的疾患、少なくとも放置することで命に関わるとか後遺症が残る疾患はありませんよ」と伝え、「症状を改善するにはこの心の病を自分の頭で認識することが必要です」と教育したところ、一時期改善し仕事もできるようになりました。

これで大丈夫かと思っていたら、数ヶ月後また悪化。精神科で薬が増えますが状態は安定しません。ただ精神科的には入院の必要なく、本人、家族はまた心配して別の病院を受診します。そのような経過を今までは取っていたのですが、私から、「しっかり精神科の先生に相談しなさい。そうしないで色々な病院にかかっても結局よくならないよ」と言ったら、次の外来にはおいでになりませんでした。 

仕方がありません。確かにさまざな辛い症状はあるのですから。ただそれを自分の頭で認識できないといつまでたっても症状は薬では改善しません。それが心療内科の怖いところです。

患者さんに寄り添うことは必要です。ただ間違った知識を放置してもいいことは一つもありません。その患者さんはまた開業医から大学病院に紹介されたようです。 数年前と同じ症状で。

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