昨日の記事でも書いたあの文春の記事((落合陽一×古市憲寿「平成の次」を語る #2 「テクノロジーは医療問題を解決できるか」 「この問題は結構ヤバいな」)落合さんが様々な批判に対する回答をされています。(落合陽一が文學界の「落合古市対談」で伝えたかったこと

正直古市さんは今ひとつ信用できないのですが、落合さんはこの回答を見る限りちゃんとした人です。

>今回の文學界の対談で大きく反省している点が2点あります.
>1.介護にまつわるコスト課題(職員のサポート)と,終末期医療にまつわるコスト課題を,対談形式なので同列に語ってしまったこと.
>2.終末期医療に関してコストや医療費負担の知識が不足していたため,校正でも気が付かなかったこと.

この問題点分析は正しいと思います。そもそも終末期医療にまつわるコスト課題は財務省の考えるような簡単なものではありません。

>ただ誤解ないようにはっきりさせておきたいのは,「平成の課題についてざっくばらんに語る場」のなかで,現状の社会課題に関する危機感となんとかしようと思う気持ちから出た言葉であるということです.
>「日本にお金がないけどどうする? 明日から医療費払えないけどどうする?」という現状を悲観的に見た将来的な仮定(財政に関する議論は別なところで行いたいと思います)に対してコストの議論を考えていたばかりで,QOLや生命倫理の話と繋がって理解されてしまったのなら,それは非常に意図と異なり残念です.

この文章も本当にその通りで、リテラのように命と金を短絡的に結びつけ、ただけしからんだけでは前へ進みません。

>「けもの道」を進んでいかないと社会にまつわる課題を解決していけないのだなと思いました.今回の件で様々な方から意見をいただき,これからも「けもの道」をよく知る人々と手を結んで課題解決に務めて行きたいと考えています.

けもの道、つまり教科書通りにスマートにはいかないということを理解されることは本当に大切なことです。

ここで医療における限界を書きます。全日本病院協会が出している終末期医療に関するガイドライン~よりよい終末期を迎えるために~ によれば、終末期は以下のように書かれています。

Ⅱ.終末期の定義
「終末期」とは、以下の三つの条件を満たす場合を言います(注4)。
1.複数の医師が客観的な情報を基に、治療により病気の回復が期待できないと判断すること
2.患者が意識や判断力を失った場合を除き、患者・家族・医師・看護師等の関係者が納得すること
3.患者・家族・医師・看護師等の関係者が死を予測し対応を考えること
注4:救命救急の場では発症から数日以内の短い期間で終末期と判断されることも多いのですが、癌や難病の末期などでは1~2ヶ月ということもあります。また、重い脳卒中後遺症などでは、数年前からいずれ死が訪れることが予測されることがあるものの、間近な死を予測することが出来るのは容態が悪化してからとなります。したがって終末期を期間で決めることは必ずしも容易ではなく、また適当で
はありません。

この文章読んでわかると思いますが、余命宣告と同じように終末期はほんと曖昧なものでしかありません。こんな曖昧な定義をもとに医療のコストをどうするか決めようというのは無理な話で、正直一般的に落とし込みマニュアルで決めるのはほとんど不可能だと思います。

だから現実的には前回書いたように患者さんにとっての一番のQOL、価値観を大事にしながらも

結局医療というものは、患者の価値観、家族の希望を、今できる医療の限界(テクノロジーの進歩を考慮)を踏まえて医療者と時間の許す限り(それこそ医師以外もあり)話し合うことが唯一の対処法という結論を出しました。

ただそこにかかるコストは別の問題です市川さんが出されているデータを見ると

aとして示されているのが「死ぬまでの1年間、全く入院しなかった」ケースです。bは「死亡する1か月もしくは2か月前から入院した」ケースです。そしてcが「死亡する前の1年間、ずっと入院していた」ケース

このa、b、cの患者の分析、高齢者、がん患者、心不全、腎不全、神経疾患、寝たきりその他それぞれ細かい分析、評価が必要だと思います。その上で受け入れる施設、介護、在宅、病院の立ち位置も対応が必要です。そして一番大切なことは今まで日本で普通に行われていた医療(高齢者の寝たきりを作る医療含む)がコストの面でできなくなったかもしれない事実を認め、世界の医療と比べて様々な評価をしながら(欧米に寝たきりはいない!)、テクノロジー、医療の進歩を加味しながらコストを削減する努力を行いながら医療を前へ進めていくしかないのです。

ただ今回のようにある意味大きな議論になったのはとても良かったと思います。

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