少し前ですが、また毎日新聞に斎藤義彦氏の透析中止問題についての記事が出ました。
福生病院、遺族にカルテ開示拒否 調査委には遺族同意なく公開 透析中止問題
そして病院側がこの記事の反論をHPに書かれています。
5月22日の一部新聞報道に対する当院の見解について

今まで書いてきたように毎日新聞記事の信憑性が疑われますので今回もまた書きます。

毎日新聞記事では
>日本透析医学会の調査委員会による3月の立ち入り調査の際、病院は夫(51)ら遺族の同意を得ないまま、女性のカルテの一部を調査委に見せていた。

と遺族の同意がないことを責めています。こちらはある意味事実です。ただ他人への公開というより調査委員会への協力です。そしてこの開示のきっかけを作ったのは毎日新聞の記事です。病院からは当たり前の以下のコメントが出ています。

>当院の診療が日本透析医学会の提言に反していたと報道で指摘された件について、日本透析医学会の調査委員に診療経過を説明する際、守秘義務を負っている者のみに対し、必要最小限の範囲で根拠を示すことは、何ら違法・不適切ではありません。むしろ、調査に適切に対応するためには、診療記録に基づいて説明することが必要であったと考えております

また毎日新聞記事で
>一方、夫側はカルテなどの開示を請求しているが、病院側は「(病院の)個人情報保護条例により、死者は対象とならない」と拒否している。

とあります。いや本当にある意味誤魔化し方が上手です。この夫側という言葉、病院発表によれば正確には遺族ではありません。遺族から頼まれたというある市民団体の方が遺族代理人として開示請求をおこなったとのことで、下記にあるように開示対象ではないため拒否したとのことです。以下病院側の意見です。

>患者さんが他界されている場合には「診療記録の開示を求め得る者の範囲は、患者の配偶者、子、父母及びこれに準ずる者(これらの者に法定代理人がいる場合の法定代理人を含む。)とする。」とされており、“患者遺族から代理権を与えられた親族関係のない第三者”は含まれておりません。

至極当たり前だと思います。

また毎日新聞記事で
>夫の代理人弁護士は「同意もないのに第三者に開示して利用することはできない」と抗議

とあります。本当に夫が依頼した代理人弁護士であれば問題ありません。ただ病院側によれば

>患者遺族の代理人弁護士が当院に抗議したとされております。しかし同弁護士は、毎日新聞の記者の紹介で、患者遺族を名乗る人物と電話で話しただけということであり、少なくともその時点では、患者遺族と会ったこともなければ、委任状もまだ貰っていないとのことでした。そのため、当院としては、同弁護士が患者遺族の代理人であるか、患者遺族が本当に抗議をなさっているのか、全く確認できませんでした。

とあります。これを見る限り特に要請もないのに新聞社が弁護士を家族に紹介し、委任状などの正式な手続きをとっていないのにあたかも代理人弁護士と名乗って病院に行き、それを記事に記載し、病院がおかしな行動をとったと記事にして印象操作をしているようにみえます。

そしてやっと日本透析医学会が正式報告を出しました。(日本透析医学会ステートメント)まとめ部分だけ出します。

>これら臨床的諸事情を鑑みると、患者さんが自ら血液透析終了の意思を表明しており、その意思が尊重されてよい事案であると判断しました。

患者さんの個人情報はもちろんいくらか隠されています。その上でこの臨床的諸事情というコメントが、今まで私がこの病院を医師として支持し続けた根拠です。そして毎日新聞がこの仕方のない医療事案を病院の過失のように、一部に嘘をまじえて書いてきたことを、強く批判していたのです。

そして善良な医師たちも騙されるこれらの記事に、一般の人たちがミスリードされるのは仕方ありません。それぐらいメディアの力は強いです。

こんなふうに一部嘘をまじえて記事をつくり全国に流すことが許されるのでしょうか。本当新聞メディアとして許されないレベルだと思います。

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