ハフィントンポストの記事。コメントさせていただきました。
(「液体のり」が、白血病治療の救世主になるかも…って、どういうこと? 専門家に聞いてみた。 「白血病の移植治療のハードルがかなり下がることが期待できます」)
そしてマニアックな血液内科医がさらに解説を付け加えます。
まず白血病の患者さん。抗がん剤治療を受け寛解に入る、つまり80%以上の人は見た目が正常になります。(今池江璃花子さんが病室内で運動しているとか、色々食べたいという元気な情報などもまさにこの状況が想像されます。)
その中で、白血病の型の違いだとか、再発したとかなどで幹細胞移植を受ける患者さんがいます。この幹細胞移植の一番の問題点は幹細胞のソース、ドナーの問題です。
ちなみに兄弟間では1/4の確率で幹細胞の型、HLAが一致します。そして骨髄バンクでもHLAが一致する人は95%いるのですが、移植が実際に行われているのは50%台と言われてます。それは善意のドナーさんの骨髄採取のリスク、仕事を休んでの8日間の入院は無理などといった実務的な理由があります。(移植待ち期間 短縮目指すドナーの負担軽減も鍵 日本骨髄バンク新理事長 小寺良尚さんに聞く)
そしてそのためバンクドナーの調整ができない患者さんは臍帯血を移植の材料として使うのですが、大人の体重では含まれる幹細胞数が少ないため使えないという問題がよく起きています。(幹細胞移植では体重あたり最低必要な幹細胞数が決められています。)結果患者さんは移植を受けれません。
それゆえなるだけ負担がない幹細胞採取方法が20年以上前から研究され、今回の幹細胞増殖培養といったものが研究されていました。しかし、培養で使われる血清成分等が原因ででどうやっても十分にいい状態で増やすことができず、また血清に伴う感染のリスクなどから実用的なものはどうしてもうまくいきませんでした。それこそ血清から精製されたアルブミンとか、ネズミの細胞のシートなどが使われましたが、やはり実臨床に使うほどにはうまくはいきませんでした。
それが今回糊の成分で、幹細胞が増えることがネズミですができたとのこと。もちろんまだハードルはありますが、今後とても大きな発展が期待できます。
1 臍帯血から幹細胞を増殖させてストックできる。
臍帯血幹細胞は量が少ないことがデメリットでした。しかし本来出産時に捨てるものですので、採取に伴うドナーへのリスクはありません。そしてそれを保存しておけば、骨髄や末梢血の幹細胞のように入院する必要も、手術する必要も無くなります。そう、骨髄移植がなくなるかもしれません。( GVL等の問題がありすぐにはなくならないと思いますが)
2 培養に血清(成分)が使われない
未知のウイルスの感染の危険性が無くなります。そしてなにせ安い!血清は実はとても高いのです。それこそ培養で作られているあのCAR-Tのコストもこの糊を使うことで下がるかもしれません。
3 自己の幹細胞を増やすことができれば、抗がん剤治療のサポートとなる
自家末梢血幹細胞移植という大量抗ガン剤を使った治療があるのですが、中にはこの幹細胞を採取できない患者さんもいるため、この培養方法を使うことで増やすことができれば簡単に得ることができるようになるかもしれません。
4 幹細胞での心筋梗塞、脳梗塞のサポートになる
一部に効果が報告されている治療法ですが、自分の幹細胞増やして大量に使うことができれば治療効率が上がるかもしれません。
5 移植前処置がいらない?
東大の先生が言っているように大量に幹細胞を入れることで、隙間(ニッシェ)を作る抗がん剤治療がいらなくなるかもしれません。(まあ白血病ではそんな簡単ではありませんが)
それ以外にも沢山の可能性があります。でも一番は、糊を使うというコロンブスの卵で20年以上の難問を解決したということでしょう。だから進歩を生み出す研究は必要で科学は面白いのです。
そして今回のメディアのヤマト糊の写真はみなさんの心を掴むいい広報だったことも忘れてはいけません。医療側、メディア側両者が協力することで進歩のスピードは上がります!
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@yukitsugu1963
(「液体のり」が、白血病治療の救世主になるかも…って、どういうこと? 専門家に聞いてみた。 「白血病の移植治療のハードルがかなり下がることが期待できます」)
そしてマニアックな血液内科医がさらに解説を付け加えます。
まず白血病の患者さん。抗がん剤治療を受け寛解に入る、つまり80%以上の人は見た目が正常になります。(今池江璃花子さんが病室内で運動しているとか、色々食べたいという元気な情報などもまさにこの状況が想像されます。)
その中で、白血病の型の違いだとか、再発したとかなどで幹細胞移植を受ける患者さんがいます。この幹細胞移植の一番の問題点は幹細胞のソース、ドナーの問題です。
ちなみに兄弟間では1/4の確率で幹細胞の型、HLAが一致します。そして骨髄バンクでもHLAが一致する人は95%いるのですが、移植が実際に行われているのは50%台と言われてます。それは善意のドナーさんの骨髄採取のリスク、仕事を休んでの8日間の入院は無理などといった実務的な理由があります。(移植待ち期間 短縮目指すドナーの負担軽減も鍵 日本骨髄バンク新理事長 小寺良尚さんに聞く)
そしてそのためバンクドナーの調整ができない患者さんは臍帯血を移植の材料として使うのですが、大人の体重では含まれる幹細胞数が少ないため使えないという問題がよく起きています。(幹細胞移植では体重あたり最低必要な幹細胞数が決められています。)結果患者さんは移植を受けれません。
それゆえなるだけ負担がない幹細胞採取方法が20年以上前から研究され、今回の幹細胞増殖培養といったものが研究されていました。しかし、培養で使われる血清成分等が原因ででどうやっても十分にいい状態で増やすことができず、また血清に伴う感染のリスクなどから実用的なものはどうしてもうまくいきませんでした。それこそ血清から精製されたアルブミンとか、ネズミの細胞のシートなどが使われましたが、やはり実臨床に使うほどにはうまくはいきませんでした。
それが今回糊の成分で、幹細胞が増えることがネズミですができたとのこと。もちろんまだハードルはありますが、今後とても大きな発展が期待できます。
1 臍帯血から幹細胞を増殖させてストックできる。
臍帯血幹細胞は量が少ないことがデメリットでした。しかし本来出産時に捨てるものですので、採取に伴うドナーへのリスクはありません。そしてそれを保存しておけば、骨髄や末梢血の幹細胞のように入院する必要も、手術する必要も無くなります。そう、骨髄移植がなくなるかもしれません。( GVL等の問題がありすぐにはなくならないと思いますが)
2 培養に血清(成分)が使われない
未知のウイルスの感染の危険性が無くなります。そしてなにせ安い!血清は実はとても高いのです。それこそ培養で作られているあのCAR-Tのコストもこの糊を使うことで下がるかもしれません。
3 自己の幹細胞を増やすことができれば、抗がん剤治療のサポートとなる
自家末梢血幹細胞移植という大量抗ガン剤を使った治療があるのですが、中にはこの幹細胞を採取できない患者さんもいるため、この培養方法を使うことで増やすことができれば簡単に得ることができるようになるかもしれません。
4 幹細胞での心筋梗塞、脳梗塞のサポートになる
一部に効果が報告されている治療法ですが、自分の幹細胞増やして大量に使うことができれば治療効率が上がるかもしれません。
5 移植前処置がいらない?
東大の先生が言っているように大量に幹細胞を入れることで、隙間(ニッシェ)を作る抗がん剤治療がいらなくなるかもしれません。(まあ白血病ではそんな簡単ではありませんが)
それ以外にも沢山の可能性があります。でも一番は、糊を使うというコロンブスの卵で20年以上の難問を解決したということでしょう。だから進歩を生み出す研究は必要で科学は面白いのです。
そして今回のメディアのヤマト糊の写真はみなさんの心を掴むいい広報だったことも忘れてはいけません。医療側、メディア側両者が協力することで進歩のスピードは上がります!
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