西洋医学、さまざまな臨床試験を通じてエビデンスが構築されています。その中で、どうしてもエビデンス構築が難しい心の影響で出てしまう症状、病態が存在します。

それは以前から書いているHPVワクチン後の症状として取り上げられた有害事象(副作用とは違います)もそうですし、巷にあふれる鎮痛剤が効かない痛み、不眠からくる動悸、不調、気分不快、脱力などもそれにあたります。

実臨床においては、器質的疾患(いわゆる肉体的病気)を否定した上でそのような症状を訴える患者さんに対応しなければいけません。そしてその最良の方法は、傾聴、そう話を聞いて、寄り添ってあげることです。

でもその傾聴に今の日本では診療報酬はつきません。そうただ働き、ボランティアです。だからめんどくさがりの医師は漢方薬、向精神薬含めた薬を使おうとします。薬が増えますがそれでもまだよくしてあげようという気持ちがあるだけ良心的です。

それこそある医師は新しい病名をつけ、根拠のない治療を行いました。それはいい意味で言えば患者を安心させるための一つの方策ですが、ただの根拠のない思い込みです。そしてひどい医療者は患者をだまして効果のない物を売りつけることすらあります。いわゆる「とんでも」医療です。

誰かの忖度、陰謀で陥れられた患者さんがいたことも確かに昔はありました(水俣病など)。ただ医学は学問です。大部分の専門家のみんなが間違っていると言い続けて、これだけの年月かけても心理的影響で矛盾しないと器質的疾患を否定され続けて出てきた様々な問題症状は、基本何かのブレイクスルーがない限り精神的影響が強いということで問題ありません。(それこそ今後精神的症状対応もさらに進歩していくと思います)

臨床試験を行うことで蓄積された医学的エビデンス。それを根拠にしながら患者の価値観を尊重し治療を決定していくこと、本来のエビデンスベースドメディスン(EBM)医療が望まれていますが、先ほど書いたように寄り添いという名の傾聴にお金はつきません。それを医療者には強制できません。

そして正しい医療を行えば症状はすべて改善するという甘い物でもありません。浅い知識しかもたない人が、改善しなければそこに医療ミスではと陰謀論をあげてきます。そういう0リスク信仰を求め続け広げたメディアにも責任があると思っています。

正しく広報。そして寄り添いさせるのなら、それなりの対応を。

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