医療

タバコを吸いながら咳が止まらないというあなたへ

本当寒くなった今日この頃。インフルエンザだけでなく普通の風邪の患者も増えています。そんな中、熱はおさまったが咳だけ止まらないと病院に来られる感染後咳嗽の患者さんがよくおいでになります。

俗に言う咳止め。これも最近進歩して、それこそコデインを積極的に使ったり、吸入ステロイドを使用することも時折推奨されています。私は漢方が好きです。まあ昔からのメジコンではなかなか止まりませんでしたから患者さんにとってはいいことです。ただその分値段は高いですが。

そんな中、おいでになられた患者さん。数日前の発熱。その後状態は安定していたが、咳だけ止まらないと来院されました。問診票に書かれていたタバコの本数。今やめてますと聞いたところ、吸ってますとの回答。

はっきりと言わせていただいています。
「咳が止まらないのに、タバコを吸ってまた咳を誘発して、治らないから薬をくださいと病院に来るのはいかがなものでしょう。せっかく薬で綺麗にしてもその上に泥を塗り続けたら傷はいつまでたっても治りませんよ 」

タバコをやめられていない不定期受診の喘息の患者さんが言いました。
「なかなか落ち着かなかったけど、薬を変えたら安定してきた。この薬が私には合っている。」 

不定期受診の代診として、いつも診ているわけではないのですから「それは良かったですね」とおとなしい医師ならいうだけなのでしょうが、
「タバコ吸っているから普通の薬が効かなくて、薬が強くなっただけですよ。だから効果が出ただけなのに、自分に合っているとか何を馬鹿なことを言っているんですか。それこそ自分の体を守るためにあなたは何をされているのですか。このまま吸い続けてたらその合ってる薬も合わなくなりますよ」 

本当投書箱にまた投函されそうですがw。ただ大切なこと。今の風邪薬は対症療法。症状をごまかし、自力で治るのをサポートするだけのものです。つまりタバコの継続は呼吸器疾患において、改善しようという薬の効果を弱めるだけで、何のいいこともありません。

もちろん喫煙というものは依存性がありますので簡単にいかないことも承知しています。だからこそ、咳が止まらないというのなら最低でも減らす努力をしなきゃいけない。少なくともやめるきっかけにしなきゃ。でないと子供たちに何が言える?

少なくとも喘息患者やCOPD患者はタバコやめなきゃ。死にそうになって何度も救急車で運ばれてくる未来を教えなきゃ。そして元には戻せないことが多いことも教えなきゃ。

患者さんの動機付けに今でも時折吠えてます。正しく知らされていない人に健康管理の基本の広報は必要なのです。それは優しいだけの上っ面ではダメだと思っています。

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一つの正解を言って全体を評価する手法 それでは反対派は納得しない

週刊現代の記事です。WELQ問題は落ち着いてきましたが、では医師の監修の元の週刊誌記事はどうでしょう。前回の続きになるかもしれませんが書きたいと思います。ちなみに上先生は医療界において過激ですけど尊敬している先生です。

上昌広 (かみ・まさひろ)
93年東京大学医学部卒業。国立がん研究センターなどを経て、現在は医療ガバナンス研究所・理事長を務める
川口恭 (かわぐち・やすし)
93年京都大学卒業後、朝日新聞社入社。'04年に独立し、医療専門誌『ロハス・メディカル』を創刊

この2人の座談会形式の記事です。

>日本は世界の中でもっとも薬の値段が高い国の一つ
薬剤の値段を決めている日本の中医協を、製薬会社が決めているイギリス、アメリカと比較してガバナンスがうまくいっていないから高くなるのだと断罪しています。でも社長が変わったら上がった薬についてはスルーです。そして安くなりすぎると製薬会社は利益が出ないと製造をやめます。(昔の記事です。日本小児神経学会フェノバルビタールの薬価引き上げの要望:いい薬なのにもうからない)(今では補助金が付いています。)

>中医協の仕組みは、人口や経済が右肩上がりの時に、パイの奪い合いを調整する場として作られたものです。それを今の時代に採用し続ける神経が私には分かりません

これは同意します。システムを変える時期です。ちなみに本当ジェネリック会社が今一番利益成長している製薬会社です。副作用が出ても、何の保証も精査もしない会社、元の薬元会社に丸投げしているだからでしょうが。これをマーケットということはおかしいです。

補助金で調整する時代はもう無理だと思っています。心臓マッサージや救急の値段があまりに低いから、大きな病院はやればやるほど赤字になり、厚労省が補助金つけなければ潰れてしまうため、大学病院の医師は厚労省に逆らえなくなりました。それが今の時代です。元医師会会長の武見さんのような無双はもう出来ません。だって逆らったら亀田の小松先生のように潰されますから。

>アメリカのように「マーケット」が値段を決めればこんなことにはならないのですが……厚労省も中医協も製薬メーカーに便宜を図って値段を決めている。当たり前ですよね。大事な天下り先なんですから。

これも一部は正解を持って全体の評価をされています。アメリカの市場医療が本当にいいか。アメリカの医療費は日本よりダントツに多く世界No1です。そして医療で破産している人間が多いのは明らかに米国です。一部の真実から全体を批判することは少し煽りです。

>上 一番大切なのは、高齢者になってもきちんと医療を受けられて、日常生活を過ごせることです。
薬の値段は、今後も勝手に決められていきます。もっと国民が国や医療業界の動向に注意して、監視していくしかない。

川口 未来ある子供や孫たちも、しっかり医療を受けられるように、皆が危機意識を共有する必要があると思います。

これは同意です。でも言ってるほど日本の医療はそんなに悪くはありません。ただ増え続ける高齢化社会において何かはしなければいけないでしょう。

また企業側から言えば世界で臨床試験を行うには本当にお金がかかります。それを考えるとせっかく高くしてもらった薬を安くしますとはなかなか言えません。それこそ株主にどう説明します。

この目的を達成するためには、全部正直に冷静に話し合うべきです。それこそ大山鳴動して鼠一匹かもそれませんが、必ず何かが生まれるはずです。そのやり方として、この一つの正解を言って全体を評価する手法は結局まとまりませんので評価出来ません。

値段が組み込まれるとさらに医療は難しくなります。

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医師監修の担保 医学の難しさだがやはり医師によって違うからな

少しいい記事だと思い引用ツイートしたら、知り合いからこの情報元は少し問題のある編集方法をされているとこだの指摘を受け、修正のツイートを行いました。元ツイートは間違ってはいませんが、よく考えましょうという意味で残しています。具体的には最終責任者が医師以外で、間違った内容をよく記事にあげているとのことです。



今回のWELQ問題で医師の監修の有無が問われていますが、その質の担保はいらないのかという提言です。自分の専門分野を対象に少し例をあげて書いてみたいと思います。

たまたまネットを検索していたら、血液専門の関連の病院サイトを見つけました。(東京血液疾患診療所)元日本医大の教授が新百合ケ丘病院を退職して血液専門の病院を作られたそうです。この先生は世界的にもMDSの権威です。 

そしてこの先生、MDS患者会と協力しながら血液疾患の啓蒙活動を行っています。とても素晴らしい活動ですが、その中でMDSに誤診が多い、移植は必要ないと大胆な発言もされています。

実は移植を行う人間はセレクトされている。だから移植の成績がいいように見える。ただ自分が色々手を変え治療すれば、予後不良のMDSタイプでも世界の報告以上の成績を上げている。 むしろ移植で悪くなる患者がいる。

ビダーザが効果なくなったらその患者の予後は不良。そのような今の常識を自分は変えている。苦しんでいる患者をいっぱい助けている。自分のところに患者が集まっている。

うーん。なんとも言えません。ただ確かにMDSの患者に全て移植をすることが本当にいいかどうかはエビデンスのレベルは最高ではありません。それでも普通の治療をすれば安定はさせれますが、やはり治すことは難しく、必ず突然悪くなるんですよね。それを考えると若い患者はやはり移植なんだよな。もちろん移植の副作用で苦しんでいる方がいるのは確かなんですが。

以前書いた記事で総論以外は難しいと書いたネットの医療情報。本当がん治療なんて正しい治療とそうでない治療に、有意差があっても両者に10%ぐらいしか差がないと実感できないんですよね。個人で60%治癒するなんてなく、0か100しかないからな。

こんな医療の不確実性のため、変な情報がはびこります。今回のツイートからわかることは、反対意見もあることを分かった上で情報としてあげていくことをしなければいけないのだと思います。そう反対意見が主流なのにさも正しいと書くと問題がどうしても出てきます。こういう意見もある、今の主流はこれだが数年後は変わる可能性が高い、そこまで乗せれば情報の選択ができるでしょう。ただ面白くはなさそう。 

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1年後の命を守るための10年後の病気 まずは目の前の命

スマホで書いています。

本日は悪性新生物の治療についての話です。

抗がん剤は副作用があります。

吐き気とか、白血球減少とか、感染症とか短期的なものは最近昔に比べて上手くコントロールできることが多くなったのですが、今だに防げないものも当然あります。

まして最近の高齢者増加!予想もできないことがよくおきます。

悪性新生物は治ったのに入院してぼけてしまった、寝たきりになってしまったなどがおき、なんのために治療したんだろうと時々落ち込んでしまいます。

血液悪性新生物は診断後治療をしないとひと月後の生命の保証ができないものが多いです。

しかし治療をすることで状態が一気に悪くなってしまうことも残念ながらあります。そこからよくなるのは本人の気力と体力なのですが、完全には予想できないんです。

励ましながら一緒にがんばっていきますが、結局やってみないとわかりません。

最近、最初の悪性新生物は治ったのに、別の悪性新生物になられる方が増えてきました。2次癌といいます。再発とは違います。

また、リュウマチだとか、炎症性腸疾患での投薬を受けた方が、血液悪性新生物になられる方も増えてきています。これは免疫の関与が言われていますが、使われている薬は、ひとつの抗がん剤です。

目の前の病気をなんとかコントロールできても、10年後に新たな病気を作ってしまうことも今の私のまた悩みのたねです。

でも、1年後がなければ10年後はないので、目の前のことを今は坦々と行っていきます。

きっとこの2次癌の作用機序がわかり、さらに副作用が少ない薬ができることを信じて。

 

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以前からBLOGOSにも時折記事が引用されています。(そちらのほうが見てくれる人が多い)
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めまい…昨日のドクターG

帰省の途中です。

昨日のドクターG、めまい、難聴の原因は甲状腺機能低下症でした。沖縄中部病院出身の水戸共同病院総合診療科のの先生がプレゼンして研修医が答える形式でしたが、最初に出た正解を一度間違いさせ、再度診察所見で正解に導くというパターンでした。
どうしても面白いテレビにしなければなりません。だからあまり典型的ではない症状を第一にだすやり方はかえてないですね。まあ実際の診療でも患者さんの言うことは教科書的でないことはよくありますけど。
研修医の回答、巨大な聴神経腫瘍でも正解でいいと思います。甲状腺機能低下症で小脳症状や内耳障害が同時に出る頻度とそんなに変わらないのではと思ってしまいます。
水戸の病院のジェネラルとスペシャルの取り組みは素晴らしいと思いますが、今後拡げていくには医療側だけの取り組みでは難しいでしょう。どの医療がいいか考えていく必要があります。



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