これまでの謎と伏線のひもときがなされないまま、物語は、新たなステージへ(おいおい)。その導入編のような回でした。
 
月光号は修理のため(だけではない?)、最初のLFO(=ニルヴァーシュ)の発掘現場(FAC51=軍の管轄下)に降り立ちます。クルーたちは、施設内に使える部品や食料がないか、調査に向かいます。
 
そこで、レントンは、さっきまで人が生活していたかのような家屋を見つけます。食料を見つけ、腹一杯食べたレントンは、寝入ってしまいます。そして、人の気配を感じて目が覚めると、無数に飛び交うスカイフィッシュが、以前、そこに住んでいた人たちの生活を映し出します。それに導かれるように進むと、なぜか、エウレカがいて……。
 
突如、天井からジ・エンドが顔を出し、エウレカに襲いかかります。夢の中とは思いつつも、手をこまねいてはいられないレントン。エウレカを守ろうとします。すると、レントンはニルヴァーシュの姿に。反撃。レントンの帰還。意識が遠退きます。マシューたちに発見されたレントンは夢の中。一方のエウレカ、アネモネも夢の中。エウレカは自然に眠くなっての、アネモネは睡眠薬による眠りですが。
 
謎の家屋は、レントンの意識が生んだもののようです。そうさせたのは、トラパーなのか、この遺跡の力なのか? トラパーは、人の意識の媒介物なのか? スカイフィッシュは、人の記憶のメモリー装置なのか? エウレカの体調不良は、トラパーの濃度と関係しているのか? レントン、エウレカ、アネモネの無意識下でのシンクロの理由は? 謎は謎のまま、新たな謎を呼び、「また来週」といつものパターン。
 
エウレカに対するレントンは、フォローのつもりなのでしょうが、14歳の限界か、エウレカ並みにニルヴァーシュを動かせたことの嬉しさがこぼれてしまい(好きな子に認められたい感)、フォローになっていません。
 
その、レントンとエウレカとニルヴァーシュの関係、エウレカは、ニルヴァーシュを操る=自分の掌に置こうとしているのに対して、レントンは、ニルヴァーシュに導かれるまま、自己をニルヴァーシュにシンクロさせていく、ような印象を受けます。ニルヴァーシュを自分に引き寄せようとするエウレカよりも、ニルヴァーシュに歩み寄るレントンのほうが、ニルヴァーシュと上手くシンクロするのは当然ではないかと。して、ニルヴァーシュそのものの意識は?
 
ホランドへのミーシャの問い、「LFOがなぜ、人のカタチをしているか?」は、「エヴァンゲリオン」や「攻殻機動隊」の劇中でも耳にするセリフですが、それらで語られたのと同じように、機能性ではなく、人との「関係性」ゆえになのでしょう。ホランドは、それが答えられるのはアドロックであると返しますが。
 
ムーンドギーとギジェットの件は、レントンに見せる男女関係としてのエピソードに展開するのかと思っていましたが(設定見たら、ふたりは16歳と15歳なんですね。おいおい。でも、レントンとほとんど違わないのに、レントンたら……)、レントンとの目線のクロスもないまま、“こと”だけで終わってしまいましたね。仕事をさぼっていたのに、クルーも突っ込まない(レントンよりも、こっちに荷物を持たせろよ)。
 
エウレカとアネモネの関係は、「スター・トレック」に出てくる「並行宇宙」エピソードのような関係にも見えます。固としては別で、人格も別だが、元々のアイデンティティーは同じ。ひとつの個が、置かれた宇宙・世界・環境等の違いで、無数の可能性が混在している、というような。