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前回までとは打って変わって、多くのファンが感じるであろう、ウルトラシリーズの基本フォーマットに忠実なスタイルの作品でした。ただ、全体的に平板な印象があったのは、前回までの“祭り”の余韻のせいなのか、それとも内容(テーマ)のせいだったのでしょうか(きちんと語るには、あまりに時間が足りない)。
 
南極の10万年前の氷層から、女性の遺体が発見されます。ニーナと名付けられた、その女性の神秘さと美しさに、ショーン以下の男性隊員は、はしゃぎっぱなし。彼女の写真をパソコンの壁紙にするほどの盛り上がりです(僕もほしいです)。ニーナは、DNA的には人類と同じ。詳しい分析を行なうために、ベースタイタンに搬送されます。ニーナに魅せられたかのように、コバ隊員が冷凍カプセル手を触れたとたん、何らかの衝撃が走ります。ニーナからの念? それとも、SF映画で見る、スキャンを受けた状態?
 
その頃、南極近くに怪獣「エラーガ」が出現し、日本に向かって北上します。途中、オーストラリア支部が迎撃に向かい、いったんは倒したかに見えましたが、地中に潜っただけでした。中途半端なシーンに思えました。オーストラリア支部の戦闘機は、日本と違うのですね(組織の理念と目的からして、装備類は世界統一仕様と思っていました)。新たにエラーガの存在が確認され、今度はDASHが迎撃に向かいますが、とどめの一撃というところで、ミサイル発射ボタンに掛けたコバ隊員の手が止まり、エラーガを取り逃がします。コバ隊員の迷いとも、ニーナが念(何らかの力)を送り、コバ隊員の身体を止めたようにも見えます。ベースタイタンに戻る隊員たち。
 
ベースタイタンに戻ったコバ隊員は、引き寄せらるかのようにニーナのもとへ。すると、冷凍カプセルからニーナが現われて、コバ隊員に触れます。SF映画で見る、精神融合みたいな状態でしょうか? ニーナは、コバ隊員のDNAを通じて、人類10万年の歩みを理解したと言います。崩れ落ちるコバ隊員。ニーナはダッシュアルファを奪って逃走。エラーガの上陸地点に向かいます。エラーガ迎撃に向かう隊長以下の隊員たち。カイト隊員に発見されたコバ隊員は、ダッシュドゥカでニーナを追います。
 
ダッシュドゥカのベースは、名高きドゥカティ。フロントカウル下には「DASH DUCATI」のロゴ。カッコいいですね。仮面ライダーの「サイクロン号」に憧れていた幼い頃を思い出します。ドゥカティというと、質実剛健の骨太なデザインというイメージを持っていましたが、このように洗練されたデザインのモデルもあるのですね。
 
一見、弱そうなエラーガですが、ニーナがパワーを送ると、どんどん強大になります。途中で姿を変えるのも効果的。新たな基本フォーマットにしてもいいくらいですね。その最終形(?)は、見た目にも、なかなか手強そうです。ところが、今日のマックスは、登場直後から、不自然なくらいに身体が重く、動きが緩慢で、技にキレがありません。「ウルトラセブン」最終回のような疲労困憊状態。どうしたというのでしょうか? “最強! 最速!!”のキャッチコピーが泣きます(笑)。エラーガは、特別な荒技を繰り出すわけでもないのに、マックスは歯が立ちません。それにしても、番組比最強の怪獣が、毎回のように登場して来ますね(笑)。無敵に見えたエラーガですが、コバ隊員がニーナを撃ったところで、主人を失ったエラーガは、マックスギャラクシー倒れます。
 
ニーナは、10万年前に地球に現われた異星人のようでした。当時の人類に「考える力」と「モノを作る力」を授けたのは自分たちだと、地球の“創造主”のように語ります。そして、その力を破壊と殺し合いにしか使わなかった人類を失敗作と判断、人類を亡き者にして、新たな人類の創造を実行すると言います。つまり、人類のリセット。それためのエラーガであると。
 
彼らが何者であるかは描かれませんが、“創造主”たる存在の実験場としての地球というような世界観のストーリーは、この前もありました(第7話「星の破壊者」のスラン星人)。この種の設定での、人類を過ちを指摘し、反省を促す“創造主”たる存在の言葉の裏に、視野の狭さと横柄さ感じるのは、僕の宗教心のなさでしょうか。人類を超越した存在としての、戒めや諭しといった眼差しが感じられません。もとより、そこまで描き込むには、もとより時間不足なのかもしれませんが。
 
ニーナ自身は“創造主”の命を受けた人類の管理者なのか、それとも、“創造主”が仕組んだ人類への試練としての“時限タイマー”なのか? コバ隊員に対する絶対的な自信は、どこから来ていたのか? そのあたりも、わかりません。自らの力を過信していたのか、10万年の人類の進化を甘く見ていたのか? 消え入る直前の笑みも、また謎です。
 
「いくらでもやり直せばいい」「間違いを認めて、またやり直す。それしかないさ」「それに、オレは人類が失敗作だなんて思えない」。それまでの流れとは打って変わって、カイト隊員の言葉が、妙にすがすがしいエンディングでした。僕には、カイトが言う「オレ」は、カイト隊員の意思ではなく、不完全な人類に対する、マックスからの激励に聞こえました。
 
「氷の美女」ことニーナを演じたのは、上良早紀(かみりょうさき)さん。お初にお目にかかります。僕の第一印象は、二谷友里恵と黒木真由美と秋吉久美子を足して割った感じです。オフィシャルウェブサイトには、マックス出演情報等の記載はありませんでした。今日の放送を見て、ググって訪れた方も少なくないと思うのですが、オフィシャルというわりには、ちょっと寂しいですね。
 
ドラマ冒頭での「ツインピークス」を思い起こすモノトーンの写真は、色調と表情と髪の毛のバラけ具合が絶妙な、雰囲気のある美しさでしたが、冷凍カプセルからの顔は、フツーに“ビデオで撮りました調”のナマっぽさで、その落差にびっくり。内容ゆえに、視聴者とのご対面の最初のワンカットは、大人も子供もドキッと引き込まれるような映像美を見せるぐらいの映像的な工夫がほしかったと思います。
 
カプセルからの登場シーンは、裸体をイメージさせる雰囲気のほうがよかったと思います。もちろん、そこはウルトラシリーズですから、全身は映さずに、カット割りとカメラワークの処理だけで見せることになりますが。ちょうど、映画「里見八伝犬」での薬師丸ひろ子と真田広之のラブシーンのように、一部しか見せずとも、すべてを見せた以上に想像力をかき立てる、演出とカメラワークのような形です。
 
CGなどの映像技法の進歩は、これ見よがしな戦闘シーンだけではなく、こういったドラマの世界観を印象付けるシーンで利用することも必要だと思います。その意味では、ウルトラシリーズの王道系の展開とはいえ、創意工夫が足りないような印象を受けました。平板な印象は、創意工夫の足踏み感だったのではないかと(不遜な言い方ですみません)。
 
本作の監督を務めた村上秀晃さんのブログ、「それはパリから始まった」によれば、本作は、当初は「ウルトラマン」の「ミイラの叫び」をイメージされていたそうです。それが、途中で金子監督の「ガメラ3」を意識するようになり、少女の怒りのエネルギーが怪獣イリスに力を与え、人類を窮地に陥らせる「ガメラ」に対して、本作は、ニーナがエラーガに念を送ることになったと。ここでのコバ隊員は、映画「白蛇抄」における杉本哲太だとか。杉本哲太は、小柳ルミ子演じる主役の肉体のとりこになる住職の息子役。コバ隊員は、ニーナにひと目惚れ、ですか?