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ひとつ前の第22話「胡蝶の夢」に続く、実相寺昭雄監督の担当回です。「ウルトラセブン」の名作のひとつとして名高い、第8話「狙われた街」の続編と、公式的に「ウルトラセブン」と「ウルトラマンマックス」の世界が地続きで描かれていますので、今回は完全に“大きな子供たち”向けの作品のようです。ゲストも寺田農さん、六平直政さん、堀内正美さん(「ネクサス」の松永管理官。個人的には「白い巨塔」の浪速大学第一内科医局員・谷山)と、個性的な顔ぶれ。怪獣のクレジットも、幻覚宇宙人「メトロン星人」から、対話宇宙人「メトロン星人」再登場へと変更されています(笑)。
 
舞台は約40年前のとき同じ北川町。ごく普通の一般市民が突然凶暴化し、大暴れをした後に気を失い、目が覚めるとそのときの記憶は一切ないという、当時の事件を思い起こすような事件が続発します。当時は煙草に仕込まれた結晶が引き金でしたが、今回は携帯電話の電波を通じてでした。もちろん、メトロン星人の仕業。発想としては(時代的に)、煙草が携帯電話になった形です。
 
ウルトラセブンに倒されたメトロン星人は、傷つきながらも生きていて、それを怪獣職人が手当てをし、匿っていたというのが物語の基本設定です。その息子が今回の物語の狂言回しである幼少時代の楢崎刑事であったと。タイトルの「狙われない街」とは、「狙う対象に値しなくなった街」の意。この星は自らの手で滅びる流れにあると見たメトロン星人は、自ら手を下すことをやめ、故郷に戻ることに。今回は、帰り際にちょっといたずらしてみただけであると。
 
寺田メトロン星人は、多弁で雄弁。地球の主としての人類の頼りなさに「君も同じ宇宙人として、そう思うだろう」とカイト隊員に同意を迫る様、夕日を美しさをしみじみと語る姿、自身の姿をフェイントにしたじゃんけんでのお茶目なはしゃぎぶりは、「幻覚宇宙人」とは隔世の感があります。六平さん演じる楢崎刑事といい、やはり役者の力は大きいですね(「人間が一番怖い」は、すっかり常套句のようになりましたが、何度耳にしても、その度にうなずいてしまいます)。
 
戦闘なしのマックスのシーンも、よかったのではないでしょうか。おしゃべりが過ぎましたが(オリジナルのメトロン星人の背中って? 六角ナットの集合ようなデザインでしたっけ?)。マックスも首をひねる、意味不明の移動なしの“メトロン走り”、「俺の名前を言ってみろ」の「ガヴァドン」(裏番組を笑いにする「トリック」テイスト)、懐かし怪獣の着ぐるみ大集合、怪獣倉庫(倉庫は、実際の円谷プロの怪獣倉庫だそうですね)でのちゃぶ台シーン、眼兎龍(メトロン)茶と、サービスカットがてんこ盛りです。
 
オープニングの効果音がそのまま、冒頭シーンの情景音につながったり、画面を傾けたり、コントラストを強くしたり、表情が見えないほど顔の照明を落としたりと、今回も一筋縄では行かないカメラワークや音響効果など、魅せられはしたものの、それほど効果的には感じませんでした。また、主題歌の入りを落としてフェードインのように始めた処理には、不自然さを感じました。「胡蝶の夢」とは違って、基本設定が普通の世界だからでしょうか。
 
イントロダクションのシーンでは、狂気を強調するようなテイストだったのが、次第にほのぼの路線になり、このまま“一服の清涼剤”で終わらせるのかと思いきや、ミズキの「でも……」でぶった切るエンディングなど、一筋縄では行かない展開でした。でも、ウルトラの世界的には、黙って帰していいのでしょうか? オリジナルがシリアスだっただけに、今回のエンディングは、コメディータッチとはいえ、地続きで描いてしまったゆえに、当時の侵略行為を時効にしてしまうかのような視聴感が残ります。ちょっと引っ掛かる気が……。