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ウルトラマンメビウス主人公がウルトラマンに変身しない(最後には変身しましたが)、ウルトラマンの力が人から人に受け継がれるなど、斬新な設定が魅力だった「ウルトラマンネクサス」、そのスタンスから180度転換するかのような(ある意味、趣旨替えのような)、ウルトラシリーズへの原点回帰を前面に打ち出し、ウルトラシリーズに思い入れの強い新進監督や過去のウルトラシリーズで名作を生み出した巨匠監督を招いて“専門店街”のような“ごった煮”展開の「ウルトラマンマックス」。それに続くのが、昭和41年(1966年)放送の「ウルトラQ」でスタートしたウルトラシリーズの誕生40周年記念をする作品として位置付けられている本作「ウルトラマンメビウス」です。
 
《「ウルトラマンメビウス」は、宇宙警備隊のルーキー。地球上ではヒビノ・ミライを名乗り、CREW GUYSの隊員となる。ミライ隊員は、左腕に出現する「メビウスブレス」の球体部「クリスタルサークル」に右手をかざして、本来の姿であるウルトラマンメビウスに変身する。「メビウスブレス」はウルトラの父から授けられた神秘のアイテムであり、メビウスのシンボル的存在でもある。地球上での活動時間は3分間》。番組公式ホームページにある「ウルトラマンメビウス」の基本設定からうかがえるように、これまでの“平成ウルトラマン”とは異なり、「ウルトラマン」から「ウルトラマン80」に至る、“昭和ウルトラマン”の流れを汲む作品となっています。
 
「M78星雲」にある光の国の宇宙警備隊の大隊長「ウルトラの父」から、地球に向かうように命じられた警備隊のルーキーが「メビウス」であるという、ウルトラシリーズの王道世界観のもとで、地球を守る若者たちと一緒に怪獣や異星人と戦い、歴代ウルトラマンに見守られながら数々の試練を乗り越え、「強さ」と「優しさ」を併せ持つ“真のウルトラマン”として成長していく姿が描かれるとのことです(「帰ってきたウルトラマン」で見られた、人間体での特訓の成果として新たな必殺技が生まれていく展開もあるかもしれませんね)。主人公のヒビノ・ミライ(五十嵐隼士)=メビウスは、シリーズの王道スタイル=地球にとどまるために地球人と身体を共有してる形ではなく、ウルトラセブンと同様、宇宙人であるウルトラマンが地球にとどまるために人の姿に変身しているという形です(ウルトラセブン同様、モデルとなった人間についても描かれるのでしょうか)。
 
前作の「ウルトラマンマックス」では、「ウルトラマン」や「ウルトラセブン」の世界をなぞる形でバルタン星人やゼットン、エレキングやキングジョーなどの“懐かし怪獣”が復活しましたが、今回の「メビウス」は、「帰ってきたウルトラマン」や「ウルトラマンタロウ」の世界をなぞる形でグドンやツインテールが復活するだけでなく、ウルトラシリーズ40年の謎と言われていた(?)、ゾフィーの“人間体”が明かされるなど、「マックス」以上に過去の作品とのつながりが協調されるようです。9月には映画「ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟」の公開が予定されていて、ゾフィーからウルトラマンタロウまで、初期シリーズの6兄弟が勢揃いするだけでなく、ハヤタ隊員を演じた黒部進さんやモロボシ・ダン隊員を演じた森次晃嗣さんなど、歴代の主役も登場するそうです。
 
読売新聞(2006年4月5日夕刊)の番組紹介記事にて、円谷プロ会長・円谷一夫氏は、《懐かしいキャラクターのほか、当時見ていた人がニヤッとするような円谷プロ作品の隠れ的要素をちりばめている。例えば、チームの掛け声や隊員服など、何か似ているなあと思うはず。懐かしさを醸し出せるような作品に仕上げていきたい》と語っています。また、制作を担当しているCBC(中部日本放送)の番組担当プロデューサー・岡田剛之氏は、《子どものころ、ウルトラマンAが好きで、歴代ヒーローが出てくる“お得感”がたまらなくうれしかしった。この作品でも、40周年でしかできないお得感を随所に取り入れていく》とアピール。監督の佐野智樹氏は、《1話完結でありながら、1年通してのストーリー性がある大河ドラマ的要素も併せ持つ》とコメントしています。放送は1年間の予定です。
 
「ウルトラマン」から「ウルトラマン80」までの流れを受け継く形で、当時の地球防衛組織が解散し、新たなインターナショナル組織「GUYS」=「Guards for UtilitY Situation(あらゆる状況に対応する防衛隊)」が設立され(本部はニューヨーク沖)、およそ四半世紀に渡って怪獣災害のない平和な時代が続いていたとの世界情勢のもと、再び怪獣の復活や侵略者の襲来を迎えようとしているとの緊迫感あふれる第1話は、突如宇宙から飛来した怪獣「ディノソール」に、地球防衛組織「CREW GUYS」の日本支部チームが1人の隊員を残して全滅するという衝撃的な展開から始まり、新生チームのメンバーとなる面々の顔見せで終わりますが、この設定、ドラマの舞台設定としてはどうなのでしょう?
 
これまでは主人公のみに許されていた(?)、超人的な働きを認められて、民間人が特例的に入隊を許可されるという条件を拡大し、組織内の人事異動でやって来たサコミズ・シンゴ隊長(田中実)と、チーム唯一の生き残りのアイハラ・リュウ隊員(仁科克基)を除いては、すべて民間人=サッカー選手のイカルガ・ジョージ(渡辺大輔)、医大生のクゼ・テッペイ(内野謙太)、二輪ロードレーサーのカザマ・マリナ(斉川あい)、保育士を目指しているアマガイ・コノミ(平田弥里)という、世界規模の精鋭組織が素人集団になってしまうわけですから。そうそう、きちんとメガネ萌えキャラを配しているところは、今風で微笑ましいところです(笑)。怪獣襲来も唐突。“スゴ技”のわりには、呆気なく倒されてしまいます。「マックス」では怪獣が出現するそれなりの理由を設定していましたが、こちらはありません。
 
そのメビウスは、ウルトラの父から「地球行きを命じる」との“辞令交付”。西岡徳馬さんの声が、意外なほどマッチしています(配役を耳にしたときは「えっ?」でしたが)。番宣CMの「今より君はウルトラマンだ!」というウルトラの父のセリフを耳にして、ウルトラの父が地球に来て誰かを指名、ウルトラの力を授ける設定なのかと思ったのですが、メビウスへの“訓示”でした。「今より君は、地球人がウルトラマンと呼んでいる存在になれ」との。ウルトラの兄弟たちと同じのように、「かけがえのない星」に行き、そこでその星の人とともに暮らすことで得られる“何か”を学んで来なさいと。地球は、宇宙警備隊の“新人研修”の場なのですね(笑)。だから、初めての戦いには無駄が多いのも当たり前?
 
ウルトラマンでおなじみの、腰に手を当てて胸を張るポーズが、登場時と怪獣を倒したあとと2度登場。この瞬間、ドラマの流れが止まってしまっていたので、最初のポーズでは「3分間しかないのに、そんなポーズを決めていないで、さっと戦闘モードに入らんかい!」と突っ込みたくなり、2度目のポーズでは、「怪獣を倒した自分に酔いしれるメビウス」=何ともナルシズムなメビウスであります(笑)。そして、街中を縦横無尽に駆け回っての戦闘。といっても、怪獣とのバトルの結果というよりも、メビウスの派手な立ち回りの結果。アイハラ隊員に非難されるのも、もっともです(笑)。で、最後は「メビュームシュート」のお見舞いで初戦終了。バトルシーンがあっさりし過ぎているのは、メビウスの経験不足だけでなく、あれこれ要素を詰め込み過ぎた結果もあると思います。
 
ところで、「帰ってきたウルトラマン」最終回でおなじみの「ウルトラ5つの誓い」を叫ぶアイハラ隊員って? 上司を通じてこの言葉を知ったとのことで、その上司は友人から聞いた言葉だそうですが、その友人とは次郎くん? プロデューサー氏曰く「お得感を随所に取り入れていく」とのことですので、どこかの回で、今の歳の次郎くんが登場するのかもしれませんね。
 
何はともあれ、まずは新たなウルトラシリーズの誕生を喜びたいと思います(シリーズ監修に「マジンガーZ解体新書」をまとめられた赤星政尚さんの名が……)。