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クロサギ黒崎(山下智久)は、なぜ、親の仇であり、憎むべき相手であるはずの桂木(山崎努)と近い関係を保ちながら、シロサギの情報を買っているのか? ドラマを見ている誰もがずっと疑問に思っていたであろう疑問を、氷柱(堀北真希)が桂木にぶつけました(いつ突っ込むかと、待ってました)。
 
桂木を刺そうとした高校生の黒崎。「殺すことで終わりにしようとするのは、お前の父親と同じ」との桂木の言葉で、桂木と同じ、詐欺の世界で生きていくことを決意した黒崎。「殺さないで終わるにすること」が桂木への復讐で、桂木と同じ世界に入って、その内側から壊そうというのでしょうか。だとしたら、「詐欺師の情報を売ってくれ」という、次の瞬間に出た黒崎の言葉は、唐突に思えます。今回の流れ(回想)からすると、「俺を詐欺師にしてくれ」とか「俺に詐欺を教えてくれ」といったところではないでしょうか。第一、「なるぞ」と言って、決意だけでなれる世界ではないでしょうし(桂木が、詐欺師の“虎の穴”でもやってる?)。折り返しを過ぎましたが、思いとしてはわかるものの、設定やストーリーとしては、引っ掛かりやわからないところがまだまだ多い「クロサギ」です。
 
それにしても、ゆかり(市川由衣)は、めげないキャラですね。痛々しいくらいに前向き。というか、前しか見ないようにしているよう。そこのところは見習いたいところですが、叶わない思いを、行動で発散しているのか、あんなビラを配ったら、黒崎には迷惑なだけでしょうに。それどころか、氷柱の言うように、黒崎を警察の標的にするかのような行為です。アパートの前での声掛けも同様。そこのところをわかっているのか、自覚があるのか。そして、氷柱を見る眼差しの怖さ。氷柱の「理性があれば」という言葉の逆手を取ってやり込める様は、嫉妬の成せる技にしては怖すぎます。神志名(哀川翔)が“逮捕”で黒崎を開放するなら、さしずめゆかりは、黒崎を“壊す(刺す?)”ことで、成就されない愛を自分だけのものとして定着させそうにも思えてきます。思い込んだら命懸け。破滅型の恋ですよ、これでは。無邪気な笑顔を見せるその裏でのあの目。怖いです。
 
早瀬(奥貫薫)の心も、見えそうで見えません(一番の曲者キャラか?)。結果的に父親を死なせることになった桂木を憎むことなく、憎んでいたのは父親だったと。「不条理な人」の意味するところが気になります。「自分を試したのか」と桂木に向けた、涙目気味なあの目は、何を訴えたかったのでしょう(愛とかの類ではないように思います。自分の心を偽っている証にも思えてきますが、そう単純なものではないのでしょうね。桂木に漬物を持ってきた氷柱を見る目には、氷柱を見るゆかりの目にも似たものを感じます。奥貫薫さん、いつもながらお美しゅうございます。“含み”のあるキャラが、ぴったりです。
 
その桂木ですが、氷柱の漬物に偉く感動していましたが、漬物を口に入れたまま、噛まないので、氷柱が帰ってから、いつもの調子でペーッと吐き出すのかと思いました。こっちも一筋縄ではいかない人です。黒崎に対して、自分の心臓が止まる前に、何をしろと言っているのでしょうか。山崎努は、この手の“厭世キャラ”が似合います。
 
さて、毎話ごとの黒崎の“詐欺対決”ですが、番組ホームページには、今回は「霊感商法詐欺」とありますが、“商法”ではないような……。何かを売りつけているのではなく、巻き上げているだけですから。でも、巻き上げる額が半端じゃない様子。今回接触した被害者の娘・聡美(長谷川真弓)によれば、母・くら(内海桂子)は、自称・霊能力者の神代正人(和泉元彌)に3千万円を渡したとのこと。「亡くなった夫を狂わせたのはお金」→「お金を清める」という理屈でお金をホイホイと出すのは、リアリティがありません。「トップキャスター」の「地獄に落ちますよ」のほうが(信者として献金する構図のほうが)、まだ見られると思います。
 
今回の黒崎は、ずいぶんと優しいですね(もともと、無理に周囲との垣根をつくっているように見えますが)。くらと聡美親子に、自分が失った「家族」の絆を見たのでしょうか。神代にも優しいし。これまでは、警察送りにしてきた“対決相手”を、今回は、信者から巻き上げた金を返せばOKという始末。おまけに、信者には自分から返しておくとの後フォロー付き(これは、今回が初めてではありませんが)。氷柱の父親の件を始め、氷柱との出会いが、黒崎の心に変化をもたらしたのでしょうか。もっとも、黒崎に言われて、逆ギレせずに(ルックス的には“逆ギレ”キャラに見えます)、あっさり4億を出す神代も、根は悪くなさそうに見えますが(笑)。
 
桂木のところに乗り込んできた氷柱に向き合う黒崎は、氷柱を抱きしめて、これ以上関わるなと、心の内を見せるのかと思いきや、あっさり肩すかし。心のバリアはそのままです。桂木に抗議するかのような涙目な堀北真希は、可愛いですね。“目力”のある役者さんです。
 
神代の愛人役の原田夏希さん、登場シーン(神代とのツーショット越しに、カメラを持った黒崎が見えるカット)では、一瞬、第2話の小沢真珠さんに見えました。小沢さん同様、鼻が高くてとんがり系なんですね。「小早川伸木の恋」では、そのような印象はありませんでしたが。「最初に通る女」勝負、個人的には、偶然ゆかりが通りがかって、という展開を想像していました(笑)。黒崎を追って、ここにもお邪魔と。
 
長谷川真弓さん、お顔を拝見するのは、ずいぶんひさしぶりな感じがしますが、すっかりお母さんな感じになりました。見ているこちらも歳を取ったわけです。
 
おバカな展開で一環させた“お笑いモード”と、キャラクターたちの“不条理の輪”をぎっしり詰め込んだ“シリアスモード”で構成された、見応えのあるエピソードでした。