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東信東信(あずままこと)さんは、1976年福岡県生まれの29歳。海外からも注目を集める気鋭のフラワーアーティストです。東さんを知ったのは、2005年12月25日放映のTBS「情熱大陸」にて。このときは「フラワーアーティスト」ではなく、「花屋」とのクレジットでした。新郎新婦に依頼を受けて用意した結婚披露宴のフラワーアレンジメントを、会場の設営スタッフに邪魔扱いされて、スタッフの前で男泣きする姿が印象的でした。ナイーブで真っ直ぐな心と、こうと決めたら絶対に譲らない意地の人。そんな感じを受けました。「情熱大陸」での「花屋」とのクレジットは、本人が自らがそう名乗っていたのか、番組が付けたのかはわかりませんが、いわゆる花屋とはまったく異なるのに「花屋」という名がぴったりな“花屋バカ一代”な人でした。
 
番組内での「花屋」との紹介クレジットとは裏腹に、番組内で紹介された東さんの店「JARDINS des FLEURS」は、ビルのなかの隠し部屋という感じで、中には花一輪ありません(正確には、フラワーアレンジ用の素材を保管するためのバックヤードに花がありますが)。お客様の注文を聞くための机と椅子があるだけです。売るのは“完全オーダーメードの花束”のみ。何とも驚きのコンセプトです。花は、お客様からの注文があってから仕入れるとのこと。そんな花屋を立ち上げるなんて、いったいどういう人なんだろう? 一気に番組に引き込まれました。そして、びっくりしました。花については、華道の経験もなければ、どこかの芸術家に師事したこともないく、まったくの独学であると。そんな人が、今や、海外ブランドのショップディスプレイや映画、雑誌、CMのアレンジなど、引く手あまた。何とも痛快です。
 
それから半年、今回は「トップランナー」での再会です。今回はクレジットが「花屋」から「フラワーアーティスト」に変わっていました。生み出す作品(商品)は、「アーティスト」というべき質のものかもしれませんが、その心意気は、「情熱大陸」で「花屋」を名乗っていた頃のままです。見ていて嬉しくなりました。
 
東さんのつくり出す花束は、様々な色合いの花がミックスされたカラフルなものではなく、緑なら緑、ピンクならピンクといった単一同系色の、花というよりも植物をベースにした集合体という感じ。しかも、その色のトーンは、非常に濃いもの。なのに、強烈な色彩感を感じます。今回、スタジオ内での即興による作品づくりがありましたが、その過程は、センスのよいテーブルマジックを見ているかのようです。
 
ところで、あの花束たちは、どのくらいの生き長らえるのでしょう? 最期のときは、どのような形で迎えるのでしょう? 作品を見ていて、ふとそんな思いが過りました。作品(商品)としての姿を得て、その役目を果たしたあとは、どのような姿になるのか? ドライフラワーのように、その形を保つ形で静かにその命が移ろうことになればいいのに、と。いいものを見せてもらいました。
 
 
東信「SHIKI」2006年