上記サブタイトルは番組内テロップのもので、新聞のサブタイトルは「働くことは生きること…スーパー派遣登場」となっていました（瑣末なことですが）。「アンフェア」然り「花嫁は厄年ッ！」然り。最近の篠原涼子主演作は、どれもがおもしろく、安心して見ていられる出来ではないでしょうか。本作も篠原涼子が魅せます。篠原涼子を筆頭に、役者よし・脚本よし・演出よしと、なかなかの仕上がりだと思います。テンポと構成が巧みなため、どんどんドラマに引き込まれていきます。ただ、データ紛失騒動以降の展開は、あざとく感じましたが（笑）。データの重要性が説明不足なため、単にバタバタしているだけに見えますし（紛失データ捜索組と持ち出し前のデータからの再作業組に分かれて作業をしたほうがいいだろうに、と思ってしまう）、荷物を忘れたタクシーそのあと追突されて即廃車となり（なのに車はキレイ）、処理場には人がいないというのは、あまりに強引ですが、まさか重機で登場とは思ってみなかったので、許してしまいます（笑）。
労働者派遣法の施行から20年、今や300万人に迫るという「派遣」という雇用形態で働く女性を応援する新しい“お仕事エンタテインメント”と銘打たれたドラマです。タイトルの「品位」は、何を示唆しているのか？ 意味深な感じがします。
3か月の派遣の仕事と、3か月の放浪の旅を繰り返している特Aランクの派遣社員・大前春子（篠原涼子）の新たな派遣先は、老舗食品会社に新設されたマーケティング課。昇進のようで昇進とは思えない状況に心を悩ませつつも、主任として課の雰囲気をよくしようと腐心する里中賢介（小泉孝太郎）、世話になった先輩社員のリストラに心を痛め、「派遣社員は職場の侵略者」とでも言いたそうな（文句を言うなら派遣社員にではなく、経営者にでしょう）里中の同僚・東海林武（大泉洋）、目的のためなら何でもOKな感じの、温和に見えて実はドライな(?)部長・桐島敏郎（松方弘樹）、春子とともに派遣され、春子とは対極の“スキルなし派遣”の森美雪（加藤あい）らが、どんな物語を紡いでいくのか、中園ミホさんの脚本に期待です。菅野祐悟さんの音楽もいい感じです（「働きマン」の音楽も菅野さんだったのですね）。
細かな説明がなくても、それぞれのキャラが手に取るように感じられる描き方に好感です。特に小泉孝太郎がいい感じです。仕事と職場のために自分を抑えて、まずは心遣い。でも、東海林とは違って「派遣社員だから」という先入観はなく、相手の能力を冷静に見極め、職制が上だからという奢りもなく。そんな雰囲気がありありと出ています。主演の篠原涼子は、正社員時代の“何か”（リストラの果ての会社倒産？）をきっかけに、心を捨てて、スキルを求めて、時給を拠り所として「派遣」として活きる「スーパーOL派遣社員」を、魅力たっぷりに演じています。
ところで、「特Aランクが時給3,000円」というのは、ドラマが言うように「超高破格」な額なのでしょうか？（月額ベースで税込40〜50万円ぐらい？） 職種にもよるのでしょうけれど、以前上級SEが月80〜110万円という話を耳にしたことがあり、それからすると、特Aランクだったらもっと取ってもいいような気もします。もっとも、派遣会社が手数料を取っての3,000円ということなら、派遣先からはもっといただいているはずなので、「破格」となるのでしょうけれど（笑）。登場人物それぞれの年収表示が出てくる見せ方だったので、「時給3,000円」がドラマの設定としてではなく、現実社会ではどうなのかに意識が向かいました。現実社会を考えると、ドラマ「ショムニ」のような世界は、もうありえないのでしょうか（東海林の昔を懐かしむセリフを聞いて、「ショムニ」を思い出しました）。
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●第1話のあらすじ（番組ホームページより）
丸の内にある老舗の食品会社「Ｓ＆Ｆ」。同期入社の里中賢介（小泉孝太郎）と東海林武（大泉洋）は新年早々、共に辞令を受ける。東海林は花形部署の販売二課主任に昇進し、一方賢介は新設のマーケティング課の主任に昇進した。しかし、顔には出さなかったものの、営業部の隅の物置のような場所に新設されたその課に配属された賢介は、帰りのバスのシートで、前に老婆が立っているのにも気付かないほど、落ち込んでいた。すると、突然腕が伸びてきてネクタイをむんずと掴まれ、そのまま引きずり起こされた。驚いた賢介が目の前の浮浪者のような女に睨まれ、唖然としていると、老婆は次の停留所でバスを降りていき、その空いた席にその女が当たり前のように座って眠り始めた。大前春子（篠原涼子）だ。
一方、大晦日にアルバイトをクビになった森美雪（加藤あい）は、すがる思いで派遣会社「ハケンライフ」の面接を受けた。やっと派遣され向った先は老舗の「Ｓ＆Ｆ」。経験も自信もなかったが、どうにか採用されようと必死な美雪は面談で見栄を張り、できもしないパソコンを得意だと言ってしまう。が、部長の桐島（松方弘樹）は「ところで、大前春子さんは来てくれるんだろうね？」と、「ハケンライフ」のマネージャー・一ツ木（安田顕）に尋ねた。おどおどしている美雪に不安は残るが、春子が来てくれるならと美雪の採用が決まった。
その翌日、面談にやってきた噂のスーパーハケンを見て賢介は絶句する。昨晩のバスの女だ。表情一つ変えず言葉も発さない春子の採用条件は「契約期間3か月、一切延長なし、休日出勤、残業も一切しない」というもので、一緒に面談をしていた東海林がその態度に噛み付くが、春子は無視する一方。
春子と美雪が派遣されたマーケティング課は、主任の賢介を始め、新入社員の浅野務（勝地涼）、嘱託の小笠原繁（小松政夫）の小規模は部署だった。しかし、賢介に期待を寄せている桐島部長の命により、米のデータ分析とそのプレゼンを任せられることに。一丸となって来たるプレゼンの日を目指していたが、仕事の遅い美雪がルールを破り、プレゼンの前日、社内データを自宅に持ち帰り、翌朝寝坊をしたため乗ったタクシーの中にそれを忘れてきてしまう。マーケティング課は大ピンチ。タクシー会社を課内総出で探している中、いつものように淡々と自分の仕事をこなしている春子に賢介は…。
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春子が部長にリクエストしたからなのか、“男ハケン”の新キャラも加わるようですね。
>> 「ハケンの品格」番組ホームページ
「ハケンの品格」は時給３０００円の特Ａランク・スーパーハケンで多数の資格を保有する派遣社員の３ヶ月間を描かれるドラマである。現在派遣人口３００万人を越える現在において派遣の実態を知る上で色々な事を学べるドラマになるだろう。
総合食品会社のS&F社。
営業強化の為に営業部内にマーケティング課を新設するが、昨今の「人件費抑制」の流れにより正規の社員は主任と新人が一人。
後は退職者の再雇用の嘱託と派遣社員。
採用した派遣は2名。
1人は仕事欲しさに大して出来ないのに、ワードもエクセルも...
尊敬しちゃぃます
ところで、SEとしてプロジェクトを数多く体験してきた身から言えば、本人の受取額が時給で3000円とすれば破格の部類だと思います。
月60万出すなら派遣より、ソフトウェアハウスに声をかけた方が確実な人材が集まりますので。
SEが月80〜110万円というのは一般的な相場で、必ずしも上級とは言えないかも知れません。私の場合はもっとふっかけますから(笑)
…でも、一般の会社員なので給料には全然リンクしませんでど(泣)