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今回は、本作初の、次回と合わせて前後編の2話構成でした。
 
昭子(小林聡美)、絵美理(ともさかりえ)、恵(もたいまさこ)の3人は、表の顔は病院勤めの看護師。ところが、裏の顔は、死にゆく患者の最後の願いを叶えるためなら、人殺しも問わない“プッチーニ”と呼ばれています。ニコは、偶然“プッチーニ”の正体を知り、彼女らが勤務する病院に祖父が入院したこともあり、そのひとりの絵美理と話をする機会を得ます。曾祖父危篤の知らせにも、悲しみを感じないことを気にするニコに対して、絵美理は、心のスイッチを切っているだけで、感じないわけではないと言います。絵美理の言葉に納得するニコは、この時点では、“プッチーニ”は患者の願いを叶えるのだから、それはそれでいいことじゃいかと捉えているようです。
 
ところが、これまた偶然、“プッチーニ”の次の仕事が、真境名の命を狙うこと(「一緒に死なせてほしい」との依頼が「真境名を殺す」ことになるとは限りませんが。真境名自身は、心当たりがあるようですね)なのを知ったニコは、真境名殺害を阻止すべく、ロボのところに駆けつけ、助けを求めます。しかし、昭子と偶然出会って、松田聖子言うところの“ビビビ”を感じたロボは、自分自身のアイデンティティである「マックスロボ」を封印してまで、「リアル」=「恋」に生きると宣言。ニコへの協力を断ります。ロボに拒まれたニコは、激しく動揺します。
 
“プッチーニ”の3人ですが、なぜここまでやるのでしょう? 「別子のことを忘れないためにやっている」との意味は? 仕事のあとに“プチプチ”する意味は? いつものように、物語の肝心な部分・革新に迫る部分の描写・説明を意図的に避け、流れと雰囲気で引き付けられつつ見せられてしまった、という感じの脚本と演出です(ほめ言葉のつもりです)。ラーメン屋の主人の“極まず”スープが、“俺の味”というくだりは、思わず大爆笑でしたが、これは、人の満足感というのは、本人だけにしかはかることができないということが強烈な形で描かれており、個人的にはとても“ツボ”でした(物語のカギになりそうな“プッチーニ”と“3人”ですが、作曲家のプッチーニの生涯に照らし合わせて「3」が絡むのは、主役3人が舞台上で死ぬストーリーの「トスカ」と、1918年の“三部作”として名高い「外套」「修道女アンジェリカ」「ジャンニ・スキッキ」ぐらいでしょうか。関連性はよくわかりません)。
 
しかし、トイレにロボの腕を落したぐらいで、あれほどの大騒ぎをするロボって? 「お前は〜」と、一瞬、テレビの前で引いてしまいました。汲み取り式のトイレならまだしも、手を伸ばせばつかめる水洗トイレ。しかも、事後か事前かわかりませんが、自分ひとりの個室。松山さんと小林さんの演技もあって、ドラマとしては見ていられましたが、設定としては、結構寒いものがあります(笑)。小林さんと松山さん、実年齢では1965年生まれと1985年生まれと、歳の差20歳。逆「冗談じゃない!」カップルですね(笑)。本家動揺、アンバランスさは感じません。その昭子ですが、「携帯なしでどれだけ我慢できるか」を試すのに、携帯を店にわざと置き忘れたり、枯れ葉で覆ったりというのは、誰かが持って行ってしまうだけで、本来の意図にはつながらないように見えるのですが。
 
ところで、前回の第7話が放送中止になったため、今回は「連続ドラマ」としては1話飛んだ状態での放映になりますが、それについて、番組ホームページの「プロデューサー日記」5月24日分の「第7話放送差し控えにつきまして」のなかに、興味深いコメントがありました。
 
《(放映されずに終わった)第7話は連続ドラマ的要素としては、ロボとニコの誕生日ということで二人の関係性の進歩や、ロボと一海をはじめとしたニコの家族との関係性、などを描いていました。そこを飛び越えての第8話ということになってしまいますが、どこから見ても毎回1話完結で楽しめる作品、というのを基本に制作してきたドラマなので、来週の放送は純粋に楽しんで見てもらえたらいいなと、切に願っています。》
 
第7話を見ないことには、そのコメントの通りの仕上がりだったのか、そうではなかったのかの判断はつきませんが、物語終盤、明子との恋に生きることを決心したロボから、協力要請を断られたニコは、「ロボに私の声が届かないのが苦しい」と、心のうちを吐露しますが、僕は、この部分にいささか唐突さを感じました。これまで、何に対しても覚めた目線で見ていたニコが、感情のスイッチが突然オンになってしまったとのことですが、物語の流れとして、もう少し丁寧な描写がほしかったと思います。
 
というのも、今回描かれたニコは、ロボに対して依存的に映りましたので。中学生らしいといえばらしいのですが、それまてのニコとはちょっと違う気がします。年齢不相応の気丈さで、無理に背伸びして、ロボよりもずっと大人な感じでしたから。依存ではなく、ロボに恋心の現われなのでしょうか? それが、スイッチうんぬんのエピソードがあったとはいえ、いきなり泣き言のように寂しげな旨の内を語るのは、どうもしっくり来ないというか。ロボの部屋を訪れた昭子に「おばさんじゃん!」と悪態をつくニコの姿も、ニコらしくない気がしましたし。その一方で、真境名と世間話に興じたりと、レギュラー陣が同じ店内で顔を合わせるという第7話のエピソードを通じて、ニコとロボ、ニコと真境名など、登場人物たちの関係性に何らかの変化が生じたとみるのが自然ではないでしょうか。
 
前記「プロデューサー日記」には、《この「プッチーニ」によってロボとニコの人生が、ガラリと大きく変化していくことになります。木皿さんの用意した驚くような結末に、僕もびっくりしているのですが…》とのコメントもあります。とにかく、今は後編に期待です。
 
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■主なキャスト
 
<2人のスパイ>
 須藤威一郎(ロボ) : 松山ケンイチ
 林 二湖(ニコ) : 大後寿々花
 
<ニコの家族>
 林 一海(姉) : 村川絵梨
 林 竹男(父) : 塚本晋也
 林 雪江(母) : 片桐はいり
 
<謎の組織>
 真境名マキ : 浅丘ルリ子
 名梨秀吉 : 岡田義徳
 
<第8話・第9話ゲスト>
 プッチーニ
 昭子 : 小林聡美
 絵美理 : ともさかりえ
 恵 : もたいまさこ
 
 
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