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井上真央(「ファースト・キス」第6話)「可愛い妹の初恋物語」な展開を見せていますが、物語の全体と細部に齟齬(アンバランスさ)を感じた今回でした。たとえば、結城が、美緒の「嘘」は嘘でなく、本当の気持ちだと感じ、自分も本当の気持ちを答えようとして、医師と患者という一線を超えるか超えないかに悩むのはよしとしても、そのライン超えの障壁としての教授の登場は、障壁としてうまく機能していませんし(現教授と父親の影とのダブルプレッシャーになるはずが、それが上長の蓮子に向かってしまい……蓮子の過去の件は、医局内でも知られた話なのですね……結城の心情とはうまくつながっていません)、美緒に対して「時間のなさ」を口にしたのは、結城というキャラを説明するうえではわかるにしても、6話の今なってからとなると(このドラマの流れでは)、結城は、これまで美緒の何を見てきたのだろうという気もします。
 
今回の見せ場となった、美緒との携帯での会話は、ドラマ的には魅せましたが、セリフの流れだけを聴いていると(当人にとっては、対面ではなく携帯=声だけのやり取りですから)、結城のキャラ設定をもってしても、あまりにまどろっこしくて、「もっと早く本題に入らないと」と、突っ込みたくなります(笑)。これまでの流れと美緒の性格からすると、こんな話し方では、早とちりされて携帯を切られか、何を言いたいのかとせっつかれるのではないかと(美緒も、実は悪い子ではないようですので、そんな突っ込みは野暮かもしれませんが)。ただ、結城が「好き」系の言葉を使わずに、「いろいろなことを話したい」という言い方をしたのは、結城らしくていい感じでした(個人的には、今回一番のセリフのツボでした)。徒歩による日本一周が、1か月でできるものなのか? という疑問はありますが(笑)、美緒が抱いていた「時間のなさ」が、単純な時間の長さではなく、「かけがえのない時間の重み」「時間に対する心の持ち方」「ふたりで過ごした時間の密度」といった方向へ向かうのは、ベタながらも爽やかなものでした。
 
美緒が、はるなに「何か言え」と言われて、和樹に「死ぬなよ」というのは、流れと美緒の心情を考えると、少々煽り過ぎに思えます。それまでの美緒ならまだしも、今の美緒は、自分に対する兄の思いを痛いくらいに感じているわけですから。「死ぬなよ」と言ったら、和樹と連絡がつかなくなったところで、兄の安否を気づかうだけでなく、自分の言動を後悔するはずだと思います(そんなシチュエーションにおいて、ずぶ濡れになりながらニトロをもって訪ねてきた結城は、美緒に対しては、恋愛における“吊り橋効果”のようです。否が応にも、結城への思いは、ますます募ることでしょう)。
 
病院に着いた和樹も、真っ青な唇に目の下のクマというのは、これも不用意な煽りに見えます(脚本ではなく、演出とメイクですが)。飛んできた看板に当たって流血というのを超えて、まるで何か悪い病気のようです(ひと昔前のドラマにありがちの破傷風展開のようです)。それが、単なる単なる疲れとは、トホホな展開でしたが、和樹の到着が遅れたことが(妹の非常事態だというのに、途中でパンクした車をほっておけなかったり、自分がニトロを捨てたと蓮子に言うのは、和樹らしいですね)、結城の、美緒に対して腹を括る決心を促すことになり、結果的には、本人も気付かないところで、美緒と結城を結び付けるのにひと役買っていましたので、“天晴れ和樹”ではありましたが。
 
和樹と蓮子の進展もあるのでしょうか? 「あなたは、あなたのままでいい」というのは、和樹に対してだけでなく、自分に対しても言っているように聞こえました。「勝手なことをした」という認識を持ちながらも、「後悔はしない」「患者を愛したことを認める」決意の思いで蓮子に対面した結城は、蓮子の若い頃とそっくりなのでしょうね。「二の舞にさせたいのか」との教授の捨て台詞は、美緒と結城の恋がすんなりとはいかない暗示(いかせないとの脚本家の決意の現われ)なのでしょうか。「好きな人ができた」と和樹に報告する美緒の笑顔は、とても素敵でした。対する和樹の“バカ兄”ぶりも、いい感じでした。
 
 
PS.
◆今回の“ニトロ騒動”で、美緒の病気の重さを巡ってのやり取りがありましたが、勝や一流やはるなら、普通の大人なら、ニトロ=心臓の病気=薬がないと死の可能性も、というのが容易に想像できると思うのですが。
◆毎回、同じようなことを書いている気がしますが、井上真央はいいですね。今回は、涙にググッときました。リタイアせずに見ていられるのは、井上真央あってです(笑)。
 
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■第6話のあらすじ(番組ホームページより)
 
美緒(井上真央)は、白鷺大学附属病院の病室で一夜を明かす。和樹(伊藤英明)とケンカして家を飛び出した美緒は、蓮子(松雪泰子)に無理を言って病室に泊めてもらったのだ。目を覚ました美緒は、前夜、冗談めかして秋生(平岡祐太)に自分の気持ちを告白してしまったことを後悔する。
 
美緒は、会計の書類を持って病室に来た秋生に、「好きだといったのは芝居だ」と念を押した。すると秋生は、「美緒が本当の気持ちを言ってくれたと思ったから、自分も本当の気持ちを答えたい。少し時間がほしい」と、真面目な顔で返す。美緒は、その場の雰囲気に耐え切れず、秋生の言葉を聞く前に病室を飛び出してしまう。
 
同じ頃、和樹、一流(劇団ひとり)、勝(阿部サダヲ)の3人は、首都圏に接近している台風に備えようとしていた。一流は、美緒のことを心配し、病院まで迎えに行った方がいいと和樹に助言した。しかし和樹は、意地を張ってそれを断る。一方、一流から冷蔵庫の中身を整理するよう命じられた勝は、賞味期限切れと思われるチョコレートのケースを発見し、ゴミとして処分するが、そのケースの中身は、美緒のニトロだった。
 
和樹がゴミを捨てに行こうとすると、ちょうどそこに美緒が戻ってくる。和樹たちは、一流の指揮の下、台風に備えて家の中を点検し、水やラジオ、懐中電灯などを用意する。するとそこに、はるな(酒井若菜)がやってきた。はるなは、「今日が誕生日なのに台風のせいで誰も祝ってくれないから泊めてほしい」と、一流に頼み込む。
 
そんななか、美緒は、いつも首から下げているニトロケースがないことに気付く。そこで初めて、冷蔵庫にしまっておいた予備のニトロを捨ててしまったことに気づき、青ざめる和樹たち。そこに、秋生から電話が入った。秋生は、美緒が病院にニトロケースを忘れていったことに気付き、心配して連絡してきたのだ。和樹は、予備のニトロを捨ててしまったことを秋生に打ち明け、「今から病院まで取りに行く」と言い出す。和樹は一流から借りたスクーターで、暴風雨の中、病院に向かう。
 
病院に向かう途中、和樹は、車のパンクで立ち往生している母娘に出会い、修理を買って出る。が、修理を終えて再び病院を目指そうとしたそのとき、和樹を、突風で飛んできた看板が襲った。その頃、秋生は、美緒の体を心配し、ニトロを彼女の家まで届けにいきたいと蓮子(松雪泰子)に願い出るが、それを知った教授の青木(柴俊夫)に止められる。
 
美緒たちは、連絡が取れない状態が続く和樹の身を案じていた。蓮子も、なかなか到着しない和樹のことがさすがに心配になっていた。そんななか、覚悟を決めた秋生は、自分がニトロを届けに行くと蓮子に告げると、車に飛び乗った。一流の家に着いた秋生は、美緒にニトロを手渡す。美緒は、そんな秋生に、自分も和樹も平気だからと言って、気丈にも笑顔を見せた。
 
同じ頃、和樹は、ようやく病院に到着する。和樹はケガをしていた。蓮子は、そんな和樹の処置をして休ませると、美緒に連絡を入れる。和樹が無事だと知った美緒は、ひとり部屋にこもって涙を流した。
 
あくる朝、秋生は、美緒に電話をする。そこで秋生は、「美緒には時間がないのだから、このまま時が過ぎるのを待てば深入りしなくて済むと思っていたが、本当は会うたびに気になっていた」と、自分の思いを告げた。「たとえ少ししか時間がなくても、もっといろんなことを話したい」という秋生に、美緒は、「まだ1か月もあるから、何だってできる」と答えた。
 
戻ってきた和樹に、美緒は、「好きな人ができた」と告げた。「お兄ちゃんが悪いんだからね!」といって笑顔を見せながら。
 
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■主なキャスト&スタッフ
 
福永美緒(20歳)… 井上真央
福永りえ子(50歳)… 夏木マリ
 
加納和樹(28歳)… 伊藤英明
進藤一流(28歳)… 劇団ひとり
二階堂勝(30歳)… 阿部サダヲ
 
番場 大(50歳)… 竹中直人
諸畑健夫(22歳)… 蕨野友也
 
高木蓮子(33歳)… 松雪泰子
結城秋生(26歳)… 平岡祐太
 
斉藤はるな(27歳)… 酒井若菜
 
脚本 … 井上由美子
音楽 … 本間勇輔
主題歌 … 小田和正「こころ」
プロデュース … 若松央樹/鹿内 植
演出 … 武内英樹/川村泰祐/高木健太郎
 
 
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