ブログネタ
今日観たドラマ に参加中!
 
世にも奇妙な物語秋の番組改編期恒例の「世にも奇妙な物語」です。短編ドラマが好きな自分にとっては、次のクールの連続ドラマよりも楽しみだったりします。今回は、下記の5編でした。強烈なインパクトはないものの、どの作品も楽しめるものばかりでした。どちらかというと、最後にハッとさせられる、短編ならではの切れ味のよい作品というよりも、役者の演技を味わう“ドラマテイストのプロモーション”のようにも思えました。その意味では、「48%の恋」での岡田義徳のテンポのよさと、「ゴミ女」での佐々木すみ江の存在感に魅せられました(上原美佐のウェディング姿もステキでした)。事前の期待度では阿部サダヲ主演の「カウントダウン」が一番だったのですが、オチがあまりに拍子抜けで(笑)、主人公の行き着いた先の展開が今ひとつに思えました(CGの使用等、映像的には見応えがありましたが)。
 
「未来同窓会」ようなハートウォーム系の作品は、以前だったら最後の1本だったと思いますが、今回はいきなりの1本目。どういうラインアップで来るのかと思ったら、「未来同窓会」「自販機男」「48%の恋」の3本のハートウォーム系の間に、不条理系・オチなし系の「カウントダウン」と“ミイラ取りがミイラ”系の「ゴミ女」が挟まれるという構成でした。回を追うごとに、本作独特のアクのようなものが、どんどん薄まってきているように思えます(最近は、バッドエンドなストーリーが滅多にない気がしますし)。不可思議系・恐怖系・抱腹絶倒系・感動系など、爽やかな作品から後味の悪い作品まで、もっとバラエティなラインアップを期待したいところです。
 
 
●未来同窓会 〜3年後の同窓会に行った主人公を待っていたのは、30年後の同級生だった
 
脚本:ブラジリィー・アン・山田
演出:松木創
出演:石原さとみ、大高洋夫、田窪一世、伊藤正之、大島蓉子、中村久美、ほか
 
松井春香(石原さとみ)は、高校を卒業して3年ぶりとなる同窓会の会場に向かいます。ところが、「3年3組同窓会」との張り紙が貼られた部屋のふすまを開けると、そこには見たこともない50代とおぼしき中年の男女が5人。部屋を間違えてしまったと、慌ててふすまを閉めますが、何度見直しても同窓会の会場はその部屋で間違のない様子。意を決して、恐る恐るふすまを開けてみると、見知らぬ中年の男女が親しげに声を掛けてきます。戸惑う春香をよそに乾杯が始まり、昔話に花が咲きます。不思議なことに、それは春香の記憶とも一致しています。あらためて5人の顔をよく見てみると、それぞれに高校時代の面影もあります。しかし、彼らが口にした30年振りの同窓会という言葉に不穏なものを感じて……。
 
春香が30年後未来に迷い込んだのではなく、春香の時が30年前のままで止まっていたのでした。実は、春香は3年目の同窓会のときに不慮の事故で命を落していたのでした。霊能力があるという同級生の発案で、30年ぶりの同窓会を降霊会として、春香の霊を呼び出したのでした。春香の霊を相手に、30年前に行なわれたはずの同窓会をする仲間たち。春香と一ノ瀬(大高洋夫)は、仲間の前で、30年前に出来なかった婚約発表をします。仲間の友情に感謝して、春香は成仏します。
 
冒頭の「3年3組同窓会」の張り紙を見て、「クラス全体のオフィシャルな同窓会」なのに、6人しかいないのは、なぜ? と思ってしまいました。その勘違いもあって、最初から、春香が現実ではなく、中年となった仲間たちのほうが現実だと受け取りましたが。高校時代と中年それぞれの役者さんの顔と雰囲気に違和感がないのは見事でした。
 
石原さとみの“たらこ度”は、ますます磨きが掛かっていますね(笑)。あっ、ボクの場合は、ほめ言葉の意味ですが……。
 
 
●カウントダウン 〜摩訶不思議な現象に巻き込まれた、ある教師の物語
 
原作:樋口明雄「カウントダウン」(初出:早川書房「ミステリマガジン」2005年)
脚本:森ハヤシ
演出:城宝秀則
出演:阿部サダヲ、MEGUMI、皆川猿時、卜字たかお、東根作寿英、江口のりこ、ほか
 
本多惣太郎(阿部サダヲ)は高校教師です。ある朝、いつものように校門をくぐると、校庭に人だかりができています。人だかりの向こうには、整然と並べられた無数の机。そばにいた生徒に事情を訪ねるものの、どうも要領を得ません。いらだちながら受け持ちクラスの教室に行くと、きれいに机だけがなくなっています。窓から校庭を見下ろすと、机は数字の「9」を形づくっています。
 
その翌日。今度は、数字の「8」を形づくっています。本多は、これを生徒たちの嫌がらせだと考えます。日ごろから生徒に馬鹿にされている本多は、いらだちと怒りを隠せません。怒りに震え、犯人を捕まえると意気込む本多は、その夜、学校に泊まり込みますが、時計の針が午前0時を指すと同時に、耐え難い睡魔が襲ってきて、目が覚めてみると、数字の「7」を形づくっていて……。
 
午前0時になると同時に、周囲にいる人間は意識が遠のき、午前0時からの数時間は、なぜか監視カメラにも映っていません。そんな原因不明の状況を地球外生物の仕業と決めつけた政府は、周辺地域からの非難を呼びかけ、自衛隊の出動を命じる始末です。そんななか、ついに運命の日、カウントゼロの日を迎えます。
 
「0」の次はどうなるのだろうと思ったら「−1」で。「やられた!」というよりも絶句です。コメントする言葉を失いました(笑)。阿部サダヲさんは、画面からはみ出すくらいに演技に気合が入っていましたが……。本多が取材のカメラに向かって怒りを爆発させた言葉を、「宇宙人へのひと言」にすり替えてしまうくだりは、今宵一番のツボでした。
 
 
●自販機男 〜意志を持つ不思議な自動販売機との交流を描いた大人のファンタジー
 
原案・脚本:加藤公平「俺と自販と、時々、オッサン」(白泉社「ヤングアニマル」2007年)
演出:植田泰史
出演:城島茂、近江谷太朗、上原美佐、松浦佐和子、ほか
 
新型浄水器のセールスマンをしている浜口直樹(城島茂)は、いつも営業成績は最下位で、課長に怒鳴られてばかり。その日も仕事がうまくいかず、いらだっています。1台も売れないまま夜になり、ひとりで公園にあるベンチで酒を飲みながらクダを巻いていましたが、酒が切れ、ビールでも買おうと目の前にあった自販機に硬貨を入れましたが、自販機はうんともすんとも言いません。業を煮やして蹴飛ばすと、やっとビールが出てきたものの、触れられないほど熱かったり、冷えたビールが出てきたと思ったら、開けるやいなや噴水のように吹き出したりと、自販機に振り回されます。
 
別の日、公園を通りかかった浜口は、例の自販機の前で普通にビールを買っている人を見掛け、故障が直ったのかと自分も硬貨をいれるが、そのとたん全品販売中止の表示。なのに、硬貨は返って来ません。腹を立てた浜口が自販機を揺すると、缶が出てくる音がします。で、取り出し口に手を入れると、痛みが走ります。抜きだした手から出血しています。まるで自販機に噛みつかれたかのよう。頭にきた浜口は自販機のコンセントを抜いてしまいます。ところが、そこにホームレスが通りかかると、通電していないはずの自販機からビールが出てきます。混乱する浜口の耳に、ホームレスの「いつもすまないね、池尻さん」という言葉が飛び込んできて……。
 
自販機は、営業成績が上がらないことを苦に自殺したセールスマン・池尻の生まれ変わりでした。生前、ただじっと立っているだけで売れる自販機を羨んでいたそうです。同じように自販機を羨ましく感じていた浜口は、池尻の家を訪ねます。ひとり娘が結婚式をあげることを知った浜口は、ある思いを抱いて、自販機を式場が見える丘の上に持っていきます。浜口に感謝の念を示して第二の死(?)を迎えた自販機・池尻の姿を見て、浜口は、仕事のグチはやめて、ゼロから仕事をやり直します。今では、浜口に退職を迫った課長も認めるほどにまで、いい仕事をするようになりました。
 
何ともシュールなストーリーです。とても前向きな結末でしたが、自販機となった池尻さんは、幸せだったのでしょうか? 電気が来てなくても動くのはOKですが、中味の補充はどうしていたのか、気になります(笑)。ヤボな突っ込みですが……。
 
 
●ゴミ女 〜捨てたはずの過去に翻弄される女の行く末に待ったいたものは……
 
原作:柴田よしき「隠されていたもの」(初出:集英社「小説すばる」2006年)
脚本:佐藤万里
演出:岩田和行
出演:松下由樹、佐々木すみ江、甲本雅裕、大下源一郎、ほか
 
フリーライターの伊藤絵美(松下由樹)は、とある女性誌の編集長の指示で、渋々、郊外のとある場所に向かいます。目的地は“ゴミ屋敷”。そして取材相手は、その屋敷に住む“ゴミ女”です。今ひとつ気持ちの乗らない絵美を待ち受けていたのは、庭や玄関先に所狭しと積み上げられたゴミの山。玄関らしき場所を見つけ、声を掛けると、この屋敷の主・安村時子(佐々木すみ江)が現われます。名刺を差し出す絵美を、時子は家のなかに招き入れます。家の中もゴミだらけ、汚れや臭いが気になって落ち着かないながらも、絵美は取材を始めます。
 
時子は、ここにあるのはゴミではない、世間の人間が捨てていった人生であると言います。時子の言わんとする意味がつかめない絵美ですが、ふとした拍子に、ゴミのなかに見覚えのある腕時計を発見します。それは、夫と結婚する前につきあっていた小説家志望の恋人が、なけなしの金でプレゼントしてくれた時計でした。稼ぎのない男に腹を立てた時子は、別れを決意し、その時計を捨てていたのでした。それがなぜ、ここにあるのか?
 
出てきたのは、時計だけではありません。筆箱、万年筆、システム手帳、赤ちゃんのおもちゃ……。周囲に流されるままに、自分の本心を封印し、その思いの身代わりとなって捨てられた品々との再会で、本当の自分に気付いた時子は、何かに憑かれたように“ゴミ屋敷”の記事をまとめます。その記事が評価され、それをきっかけに、仕事が仕事を呼び、あれよあれよという間に売れっ子ジャーナリストになった時子。今や、自分のことを見下していた夫と立場が逆転しました。
 
そして、ある日。時子の罵りにカチンと来た夫は、時子の今につながるきっかけとなった万年筆を使えなくしてしまいます。使えないものは捨てないとと、人ごとのように口にする時子です。それからしばらくして、“ゴミ屋敷”を訪れます。すっかり“ゴミ女”と打ち解けている時子。そこには、時子が捨てた雑誌があり、その向こうには……。
 
ラストシーンを含めて、意外性に欠ける展開でしたが、時子が売れっ子になっていく過程の描写がもう少しあってもよかったように思います。仕事の姿勢が変わった時子と、夫を処分してしまった時子が、今ひとつ、ひとりの人格として結びついていないようにも映りましたので。それぞれを捨てずに生きていたら、時子は、どのような人生を歩んでいたのでしょうね……。
 
 
●48%の恋 〜人としての相性よりも、互いの思いの強さが幸せな人生を切り開く
 
脚本:相沢友子
演出:村谷嘉則
出演:白石美帆、岡田義徳、山下徹大、山崎勝之、西村雅彦、ほか
 
ひとりの見習い天使(岡田義徳)に、天使になるための最終テストが行なわれます。テストの内容は、運命で決められた1組のカップルを無事に結びつけるというもの。ターゲットとなる人間を知らされ、下界に降りて行く天使。ターゲットは上原菜摘(白石美帆)と川島靖之(山崎勝之)のふたり。彼らの相性は「99%」と抜群。とはいえ、どんなに相性がよくても、知り合うきっかけがなければ永遠に他人のまま。そのきっかけをつくり、互いに抱いた好意の気持ちをほんの少しだけ後押しするのが、天使の腕の見せ所です。ふたりの出会いをうまく演出し、男のプロポーズにまでたどり着いたのですが……。
 
菜摘の思いは、今も幼なじみの佐竹宏太(山下徹大)にありました。しかし、ふたりの相性は「48%」。天使は悩みますが、宏太に対する菜摘のひたむきな気持ちを知り、テストに落ちることを覚悟のうえで、菜摘のためにひと肌脱ぎます。天使になれず、人間からやり直した見習いの前に、結婚して子供と3人、幸せそうに過ごす菜摘の姿がありました。
 
そんなバカな(笑)と思いつつも、菜摘が宏太に送った携帯メールをすんでのところで止めてしまうくだりがいい感じでした。消されたのではなく、止められていただけで。自分の思いは伝わらなかったものの、精一杯やって満足した菜摘の姿を見た天使が、それを送ることで、最後の最後で大逆転となって。
 
 
PS.
関東地区の視聴率は「16.2%」でした。