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柴咲コウ(「ガリレオ」第4話)視聴率20%をキープ、秋ドラマ一番の話題作&人気作なのに、今ひとつ楽しめないのは、物理学のフィールドからの理詰めで犯罪を解き明かすとの設定とは裏腹に、その理詰めの具体性の描写が大雑把で、ドラマ内リアリティが弱いと感じるからです。たとえば、数式を書きまくる、おなじみのシーン。ひらめきが走るようなイメージ映像で終わらせずに、湯川自身が数式をひもといていくようなくだりがあってもいいのではないかと。前話でいえば、家の地下のマンホールの重さがこれこれで、それに対して下水管を伝わって工場から来る蒸気量をこのように仮定すると共振周波数がこうなるが、マンホールにこれこれの重さのコンクリートが加わると共振周波数がこのように変化し、結果としてこういう建物の振動モードがこうこうして……というような、耳を傾けていても本当かどうかはよくわからないけど、思わず「そうなんだ……」と言いたくなるような、それらしい説明があってから、現場での実証シーンが重なるような構成です。今回、講演後の湯川にサインを求めた女性が、これこれの理論について湯川と語り明かしたいと言っていましたが、その延長みたいなものです。そんな、一見もっともそうな隙のない論理展開があればと。第3話までのところは、謎解きがエピソードの肝になっているのに、そのあたりの理屈の扱いが中途半端で雑に映るので、肝心なところでストーリーにのめり込めずにいました。が、今回は、そんな違和感を感じさせないストーリーでした。といっても、理詰めの部分が緻密になったからではなく、死因の謎解きよりも、湯川と田上の駆け引きのほうをメインに据えられた脚本と役者と演出のバランスの妙というところでしょうか。
 
今回の一件のように、物理学の領域外のものまで湯川の元に持ち込むとは、「すっかり心を許して」という“恋愛モード”からではなく、科学者・湯川への絶対の信頼感からでしたが、一方的に相談相手にしてしまった内海が、いい感じでした(以降はこのパターンが続きそう?)。湯川が言うまでもなく、人を頼り過ぎな内海ですが、そう言う湯川も、口で言うほど迷惑には感じていないようにも見えます。内海に対する説明不能な自分の感情に、自ら戸惑いを感じているからなのか、そのあたりはうかがい知れませんし、草薙へのグチも、どこまでが本心なのかわかりません。迷惑は迷惑でも、ただの迷惑とは思えない気持ちに困惑していたかのようにも見える湯川です。
 
そんな湯川の前に現われた、今回の犯人・田上。湯川曰く、才能のある気持ちのいい若者に出会ったと思ったち、その内面は、見るに耐えない醜さにやるせなさを感じて……。ストーリーは、それを科学者としての「モラル」という、単純な善悪で片づけず、「科学者なら研究テーマに対して誠実に取り組むべきだ」と、一瞬「何を言っているんだ?」なセリフを口にする湯川ですが(「医龍2」第2話で、野口の構想を正しいと同意しつつも、それ以前の問題として「医者じゃない!」と否定する展開を思い出しました)、自慢の“殺人ツール”が、胸にあざを残してしまう気にも止めない田上の思い上がりを突くとともに、「ばかげたこと」とカチンとさせつつ、田上が5年掛けてつくりあげたものを、わずか数日で、あざを残さない完璧な設計を行なうという、相手の土俵で、相手が及ばないほどの結果で打ち負かすという、「結果には必ず原因があるとともに、そのふたつを結び付ける合理的な理由もある」をモットーとする湯川にふさわしい展開だったと思います。田上のような人間は、証拠で追い詰めても(逮捕にこぎつけても)、すべては語らないような気がしますが、今回のように、本人をも驚嘆させる圧倒的な才能を見せつけると(挑戦に対して挑戦で応えて打ち負かすのが)、意外にも素直に自供することに転じるのではないか、そんな余韻も感じさせます。もっとも、もう少し田上と湯川の駆け引きを見せてほしかった口にしてもところですが、スペシャルにでもしないと、時間的に無理でしょうけれど。湯川と田上の直接対決はもちろんのこと、内海を挟んで、同じ捜査情報が、自然死ではないことを究明しようとする湯川と犯人・田上に提供される構図も、ドラマを引き立てました。
 
内海への魔の手は自然な展開ながら、田上自身が手を下さなかったのは、意外な気がしました。田上のキャラからすると、こういう危ない綱を渡る際には、他人を信用しないような気がします。直接手を下すには、内海を知り過ぎたためなのでしょうか(実は、単に湯川と田上のやり取りのシーンを入れたかっただけ?)。
 
あざを見る目があっても、男を見る目がないと、湯川の研究室を事件が終わったあとの愚痴りの場にしてしまった内海。犯人に宿泊券をもらって、ちょっぴりウキウキしながら、ディナーをともにして、睡眠薬によるものとはいえ、バスタブで眠ってしまい、殺され掛けてたことにも気付かず、現場に踏み込んだ上司・同僚たちに夢うつつの裸を見られてしまったら、しぶとく追い続けたその心意気(と手柄)ともに、署内で長く語り継がれること必至でしょうね(笑)。湯川が田上のブローチを捨てたのは、内海に対する湯川なりの優しさのつもりなのか、惜しい才能を持ちながら道を誤った田上への、湯川の決別の念なのか(実は単なる嫉妬?)。余韻を残すエンディングも、いい感じでした。
 
「週刊現代」11月3日号によれば、原作にはない新米刑事の内海薫役は、説得力と演技力の点から、当初は竹内結子が予定されていたそうですが、離婚問題がネックとなって流れるものの、竹内の所属事務所スターダストプロモーションは、せっかくの内海役を他に渡してなるものかと、役に自分のところの沢尻エリカを押してきたそうですが、役柄のイメージが合わないとのことで再検討となり、3番目の候補として柴咲コウの名前が浮上したそうです。個人的には、役柄が違っても同じキャラに映る柴咲コウよりも竹内結子のほうが、福山雅治とのやり取りのシーンなど、より味わいが出たような気もしますが(竹内は1980年生まれ、柴咲は1981年生まれと1歳しか違わないのに、竹内のほうがずっと大人な雰囲気があり、天真爛漫さから大人っぽさ、色っぽさまで、演技の幅も広いように感じます)、今回のようなストーリーでは、柴咲コウのストレートさが、うまくはまっていたと思います。湯川との掛け合いも気持ちよかったし……。
 
 
PS.
◆新聞テレビ欄のサブタイトルは「壊死る(くさる) 美しき天才殺人者の危険な誘惑」でした。
◆今回は、スポーツに興じる福山雅治のサービスカットはなく、代わりに、蒼井そらの水着シーン、香取慎吾の全裸シャワーシーン、柴咲コウの入浴シーンの3連発でした(笑)。
◆湯川が研究室で田上と向かい合っていたシーンで、バックの黒板にあった「円端具流」という言葉は、どのような意味なのでしょう? ググッても引っ掛かりませんでした。
◆今日の湯川は机に数式を書いていましたが、机の上を払い飛ばすよりも、すぐ後ろの黒板に書いた方が手っとり早いのでは?
◆四ッ谷工科大学で開かれた物理学会での湯川の講演演目は「ユビキタス時代を拓く 先端量子ナノデバイス」でした。理工学部物理学科ということで、どのような研究をしているのかと思ったら、「ナノデバイス」ですか。物理学というよりも、機械工学というイメージの発表です。
◆ビデオリサーチの調査による関東地区の視聴率は、第1話「24.7%」→第2話「22.1%」→第3話「21.3%」→今回「23.6%」と4週連続の20%超え(23.6%うちの数%は“香取効果”分?)。4週連続で秋の連続ドラマ、視聴率トップを独走中です。
 
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■第4話のあらすじ(番組ホームページより)
 
ある豪邸の室内プールで若い女性の水死体が発見された。両親が旅行に出かけていた間に起きた出来事らしい。検死の結果、死因は心臓麻痺によるものと思われた。だが、なぜか胸の皮膚の一部だけが壊死していた。そのことが気になって帝都大学物理学科の准教授・湯川学(福山雅治)のもとを訪れた貝塚北警察署の刑事・内海薫(柴咲コウ)は、「なぜ皮膚が壊死したのか」と湯川に尋ねる。しかし湯川は、「それは物理学の範疇ではない」と言って、薫を追い返してしまう。
 
四ッ谷工科大学で開かれた物理学会での講演を終えた湯川は、ひとりの学生に呼び止められる。「講演の内容に感銘を受けた」というその学生の名前は、田上昇一(香取慎吾)。その大学の院生だった。田上の名前に覚えがあった湯川は、記憶をたぐり、ひとつの論文を思い出す。その論文の内容に興味を持っていた湯川は、田上に名刺を手渡すと、「いつでも連絡してくれ」と言って彼と別れた。するとそこに、薫が現れる。水死した女性・篠崎怜子(蒼井そら)は、この大学の学生だったのだ。湯川の姿を見つけた薫は、再度彼に相談を持ちかけたが、まったく取り合ってもらえない。そのとき、ふと掲示板を見た薫は、そこで「皮膚疾患の先端技術」という文字を見つける。皮膚が壊死した原因がわかるのではないかと思った薫がその研究室を訪ねてみると、そこにいたのは白衣姿の田上だった。薫から事件の話を聞いた田上は、「心臓麻痺とは関係ないのではないか」と答えた。そのとき薫は、シリコンウエハーという半導体の材料を自分で削って作ったというブローチを田上からもらった。
 
そんなある日、湯川の研究室に田上が訪ねてくる。そこで田上は、「海外に出て研究をするつもりはないのか」と湯川に問い掛けた。田上は、「社会で実用される研究をして、それに見合うだけの報酬を受け取りたい」という考え方の持ち主で、軍事産業に進むことを視野に入れているようだった。「誰も存在しないような兵器を考えるのは楽しいと思う」などと笑いながら話す田上に、湯川は何かを感じたようだった。
 
同じ頃、薫や弓削(品川祐)たちは、心臓麻痺と胸の痣の因果関係がつかめず、捜査を終わりにしようとしていた。するとそこに湯川から電話が入った。もう一度、事件の詳細を教えてほしいのだという。薫とともに監察医務院を訪れた湯川は、監察医の桜子(真矢みき)から検死結果や壊死した細胞などを見せてもらう。薫は、事件性を匂わせる湯川の言葉に困惑しながらも、彼の指示で、この半年の間に心臓麻痺で死んだ人間を調べ始める。
 
あくる日、薫は、湯川の研究室を訪れる。他殺説の根拠を聞くためだった。だが、湯川の姿はなく、助手の栗林(渡辺いっけい)が、プラスチックウェルダーを使って溶接作業をしていた。そのとき薫は、田上のことを栗林に話していた。同じ頃、湯川は、学内の図書館で、医学書などを調べていた。そこにあった専門雑誌には、田上の記事が掲載されていた。
 
田上の元を訪ねた薫は、「怜子の死は他殺の可能性がある」と彼に伝えた。そこで初めて湯川が捜査に協力していることを知った田上は、一瞬表情を変えるが、すぐに「自分も心臓麻痺を起こす方法を考えてみる」と薫に告げた。研究室に戻った湯川は、村瀬(林剛史)らゼミの学生を総動員して、世界中のWebサイトを対象に、「暗殺」「心臓麻痺」「兵器」といったキーワードを調べさせる。やがて、キューバのあるサイトが浮かび上がった。そこには、「心臓麻痺にしか見えない暗殺方法」「暗殺に最適」「すでに数回の実験で効果確認済み」という売り込みの言葉があった。
 
一方、薫は、ここ半年間で、怜子と同じような不審死を遂げた2件の記録を見つける。湯川の元に報告に行った薫は、田上からもらったブローチを床に落としたことに気づかなかった。薫は、その足で田上を訪ね、「今回の一件が連続殺人事件に発展するかもしれない」と彼に告げる。その際、田上は、湯川が悩んでいること、怜子の事件を追っているのが薫だけであることを知る。すると田上は、薫に高級ホテルの宿泊券をプレゼントする。
 
その夜、湯川は、久しぶりに草薙(北村一輝)と飲みに行く。その席で、「薫のせいで自分の研究が進まない」と草薙に告げる湯川。すると草薙は、「薫もストレスを溜めているらしい」と答えた。薫は、3週間ぶりに休暇をとり、高級ホテルでリフレッシュすると言っていたらしい。
 
あくる日、湯川は、田上に電話し、「会って話がしたいから食事でもどうか」と誘った。田上は、ある高級ホテルのロビーにいた。田上は「今日は人と会う約束がある」と答えた。すると湯川は、「殺したのは君だろう?」といきなり切り出した。が、湯川が殺害方法までたどり着いていないことを知った田上は、笑いをこらえながら、「解けない問題は諦めて、ゆっくり休んだほうがいい」と言って電話を切った。そのとき湯川は、田上の背後で鈴のような音を聞いていた。
 
薫は、田上からもらった宿泊券を使って、ホテルでの休暇を楽しんでいた。薫がレストランで食事をしていると、そこに田上がやってきた。田上も、このホテルで週末を過ごすことにしたのだという。
 
湯川が研究室で田上の考案した殺害方法について考えていると、栗林がやってきた。栗林は、薫が落としていったブローチに気づき、それが田上の手作りであることを湯川に告げた。田上がシリコンウエハーを超音波加工機で彫ったことを知った瞬間、湯川の頭の中に何かが閃いた。
 
湯川は、薫に電話を入れ、犯人が超音波を使って被害者を殺害したことを告げる。超音波を水中で発射すると負の圧力が生じ、水中に空洞や気泡が発生する。その圧力が負から正に変わる瞬間、空洞が消滅することによって破壊作用が起こるというのだ。電話の最中、湯川は、鈴の音を聞いていた。それは、ホテルスタッフが持っていた、プラカードについている鈴だった。田上と食事中だった薫は、「明日から早速捜査する」というと電話を切り、携帯電話の電源も切る。
 
食事を終えた薫は、田上に支えられながら部屋へと戻った。田上がワイングラスに入れた薬のせいだった。風呂に入った薫は、そのまま眠ってしまう。すると、薫の部屋に何者かが侵入し、怜子を殺害した超音波ツールで薫を殺害しようとした。その瞬間、バスルームに弓削たちが飛び込んできて、男を取り押さえた。だが、その男は田上ではなかった。
 
ホテルを後にしようとしていた田上は、ロビーにいた湯川の姿に気づく。湯川は、田上をホテルのバーに誘うと、薫が無事であることを田上に伝えた。湯川は、「科学者なら研究テーマに対して誠実であるべきだ」と田上に告げた。田上は皮膚の壊死を軽視していたが、薫はそれを見逃さなかった……。ゆえに、「田上のつくった超音波ツールは失敗作だ」というのだ。湯川は、田上に手書きの設計図を手渡すと、「自分の考えた方法なら痣は残らない」と告げた。その設計図を見た田上は、ショックを隠せない。
 
あくる日、薫は、湯川の研究室を訪れた。田上は罪を認めたのだという。しかし薫は、肝心なときに眠ってしまったことや、同僚たちに裸を見られたことで激しく落ち込んでいた。湯川は、そんな薫を横目に、彼女が落としていったブローチをそっとゴミ箱に捨てる……。
 
 
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