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「機動戦士ガンダム00 セカンドシーズン」第25話2シーズン50話にわたる物語の結末は、いかに? 遂に迎えた最終回。しかし、その内容は、「ソレスタルビーイングは終わらない」、そして「機動戦士ガンダム00も終わらない」、結末は「2010年公開予定の映画」に持ち越しというものでした(苦笑)。
 
それどころか、登場人物たちのセリフとして何度も登場した「来るべき対話」の意味することも、最後までわからずに終わってしまいました。それどころか、最後の最後まで、主人公たちにも、彼らと敵対する存在にも、いずれにも共感できないまま、ストーリーが展開し、閉じられました。
 
主人公たちが戦う目的としている、「未来のために」は、もっともながら、ストーリーとして詳細不明でつかみどころのない設定、ならびに展開のため、見ているこちらは、いつも置いてきぼり状態。
 
リボンズは、人類を支配して、何をしたかったのでしょうか? そして、リジェネがリボンズに代わってやろうとしたことは何だったのか? それは、リボンズが目指すそれと、何が違うのか?
 
刹那は、リボンズのエゴが世界を歪めたと言いますが、世界から見たら、ソレスタルビーイングの存在は、頼まないのに、どこからか勝手に送られてきて、勝手に開いた「パンドラの箱」に等しいもの。
 
対話もなしに、戦争根絶を唱えて、一方的に、武力介入を行なう、困った存在。必要悪な戦いを行なうソレスタルビーイングが、必要悪な戦いを裁くような図式に違和感を感じるとともに、それが、作品に込められた制作陣の挑戦であり、作品の見応えになっていましたが、そのコンセプトに脚本が見合っているようには思えませんでした。
 
その一方で、リボンズ言うところの「純粋種」という刹那ですが、なぜ刹那が純粋種なのかもわからず仕舞い。たとえば、イオリアは、刹那のような存在の出現を予測していて、それに備えて…というような、フィクションなりの「なるほど感」がありません。
 
なので、自ら革新を叫ばれても、それがGN粒子によるものだと言われても、見ていくこちらはわくわくさせられませんし、熱くなれません。戦闘シーンで熱くさせるのではなく、ストーリーそのもので、ストーリーを効果的に、そして魅力的に見せるための構成において、熱くさせてほしかったところです。
 
リボンズと刹那の最終決戦にしても、バトルとしてはおもしろく見ましたが(オーガンダム対エクシアは、うまい見せ方・使い方だと思います)、刹那自身のパワーアップに次ぐパワーアップに、制約がないかのようなトランザムに次ぐトランザムでは、かえって寒々としてきます。
 
ここでの描かれ方は、結局のところ、モビルスーツの性能勝負な展開ばかり。ストーリーのなかで描かれるように、人は限界を超えられても、マシンは、マシンが持つ限界を超えられません(もちろん、それを使いこなす者の能力はあるにしても)。その、人の部分にしても、リボンズに言わせれば、オリジナルのGNドライヴの恩恵ということですし。
 
リボンズと刹那、どちらが真のイノベイターなのかというようなことを言い出すなら、モビルスーツではなく、肉弾戦で決着をつけたらいいのに。ビジュアル的には、たとえば「仮面ライダークウガ」の最終回のように。そんなふうに思ってしまいます。
 
というか、それ以前に、イオリアは、これだけの技術力があるのなら、回りくどいことをして、刹那を革新させるのではなく、秘密結社「ソレスタルビーイング」を地球の各地に立ち上げて、秘密裏にGN粒子を放出して粒子で地球を包み込み、数世代にわたって人の意識や身体を変えていくほうが、はるかにスマートなプランではなかったのでしょうか? 事態は一刻を争うものではない=イオリアの予言は、「来るべき対話」まで、これこれの時間しか残されていない…という前提からのストーリーではなかったのですから。
 
人類であるイオリアにつくりだされた(との理解でいいのでしょうか?)イノベイドであるリボンズたち。ティエリアは、イノベイドの役目は、人類とともに歩むこと。人類を見下していては、わかりあえないとリボンズに説きますが、それはまんま、ファーストシーズンの、自らがイノベイターであることを知らない昔のティエリア。どうして、もっとうまく登場人物をつかって、ストーリーを紡がないのかと思わずにはいられません。
 
このエンディングなら、クラウスとは何者なのか? その生い立ちは、その考え方は…といった部分を、どうして、これまで、きっちりと描いて来なかったのでしょう?
 
最終回でどう動くか注目されたマリナにしても、またもや手紙による、しかも今回は、マリナの独り語りで終わってしまい(ファーストシーズン最終回の、刹那からマリナへの手紙に対するアンサーなのに、マリナの手紙は、刹那には届いていない)。こうするなら、こうするだけの、それが効果的に使われるシチュエーションなり、事前の展開なりが必要だと思うのですが、それが行なわれてきたようには思えません。自らの命を省みず、世界のために戦っている人たちがいるところでのこの手紙の内容、この展開では、この後に及んで何を説教しているんだろう、と映ります。
 
そんな不完全燃焼感も、肝心の「来るべき対話」も、すべては「2010年公開予定の映画」に持ち越しですか? 《The Childhood of Humankind Ends.》 そして人類の幼少期は終わった…。次は、人類みな、イノベーターに進化ですか?
 
 
<声の出演者>
刹那・F・セイエイ … 宮野真守
ロックオン・ストラトス … 三木眞一郎
ティエリア・アーデ … 神谷浩史
アレルヤ・ハプティズム … 吉野裕行
スメラギ・李・ノリエガ … 本名陽子
ラッセ・アイオン … 東地宏樹
フェルト・グレイス … 高垣彩陽
ミレイナ・ヴァスティ … 戸松遥
イアン・ヴァスティ … 梅津秀行
王留美 … 真堂圭
紅龍 … 高橋研二
ネーナ・トリニティ … 釘宮理恵
リボンズ・アルマーク … 蒼月昇(古谷徹)
リジェネ・レジェッタ … 朴 (王路)美
イオリア・シュヘンベルグ … 大塚周夫
沙慈・クロスロード … 入野自由
ルイス・ハレヴィ … 斎藤千和
マリナ・イスマイール … 恒松あゆみ
シーリン・バフティヤール … 根谷美智子
クラウス・グラード … 川島得愛
ソーマ・ピーリス(マリー・パーファシー) … 小笠原亜里沙
セルゲイ・スミルノフ … 石塚運昇
アンドレイ・スミルノフ … 白鳥哲
カティ・マネキン … 高山みなみ
パトリック・コーラサワー … 浜田賢二
グラハム・エーカー … 中村悠一
ビリー・カタギリ … うえだゆうじ
ホーマー・カタギリ … 大友龍三郎
アーサー・グッドマン … 江川央生
アーバ・リント … 矢尾一樹
 
 
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■第25話のあらすじ(番組ホームページより)
 
リボンズの操るモビルスーツ、リボーンズキャノンと対峙する刹那のダブルオーライザー。人類を導くのは自分だと奢るリボンズに、刹那は刃を向ける。一方、プトレマイオスは、復調したラッセがブリッジに戻り、刹那を援護するため再発進。マリーの容態を心配しながらも、アレルヤはアリオスで、サーシェスとの因縁に決着をつけたライルは、中破したケルディムで、再び戦場へと赴く。
 
近接戦へと持ち込み、自分の有利な間合いでGNソードを振るおうとした瞬間、リボーンズキャノンの強力な反撃を受けてしまうダブルオー。振り向いたリボーンズキャノンは、変形し、リボーンズガンダムとなった。さらにヒリングとリヴァイヴのガデッサ、ガラッゾが現われ、苦戦を強いられる刹那。だが、そこにハレルヤを覚醒させたアレルヤとライルが援護に駆けつける。アレルヤはヒリングを、ライルがリヴァイヴを引き受け、撃破。刹那とリボンズも、相討ちとなってしまう。
 
しかし、リボンズの執念がダブルオーの片方のGNドライヴを強奪、放置されていたOガンダムを奪取して再出撃。同様に、刹那もまた、スメラギの先見により射出されていたエクシアR2にドライヴを換装して乗り込み、すべての始まりであったOガンダムと、最後の戦いを繰り広げる。そして、広がる光の中で2機のモビルスーツが爆散する。
 
戦いを否定し、戦いを駆逐しようとする刹那。戦いを否定し、非戦を貫いたマリナは、かつて送られたメッセージに答えるよう、刹那への想いを復興したアザディスタンで綴っていた。アロウズを弾劾し、新たに統一された世界。しかし、その平和を脅かすものが現われたとき、再びソレスタルビーイングは、立ち上がる。戦争の根絶、そして、人類の意思の統一が、彼らの理念なのだから…。
 
 
>> 「機動戦士ガンダム00」公式ホームページ