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フジテレビ「白い春」春男が、自分の人生と引き換えに真理子に残した800万円は、竜也がネコババしていました。それを知った春男は、こんなバカヤロウでも、たったひとりの友だちだったと悲しみつつも許します。許すことができたのは、竜也(の愛する女性)に子供ができたから、そして、さちと過ごした時間があったからでしょう。子供をもったことで、子供をもった相手が許せたと。序盤では、春男と康史の間で、くどいくらいに登場していた真理子の800万円が、途中からは、急に忘れ去られていたかのような扱いでしたが、最後の最後で登場。作者は、子供をもったことを知り、我が子と過ごした日々を経ての春男に、800万円と真理子の死を向き合わせたかったのでしょうか。
 
それと対比するかのような、春男の死。春男からのプレゼントで描いた、さちの絵は、ふたりの父親と自分、それを天から眺める母親の姿。最終回も半ばを過ぎて、春男が、これほどまでに穏やかに、幸せを感じつつ、ドラマが終わるのかと思ったところで、ちらつく死の影。まさかとは思いましたが、そのまさかでした。子をもった春男が、殺した相手の子に復讐されて…。子をもって初めて身をもって知った、自分が犯した罪の深さ(「アイシテル」にも「スマイル」にも通じるものがあります)。事件を起こしたその頃は、殺した相手に家族や子供がいるかなんて、考えもしなかった春男だと思いますが、子をもち親になり、自分がしたことの重さに気づき、自らを犠牲にして康史を守ります。ハッピーエンドを含めて、さまざまなエンディングの可能性があったと思いますが、僕は、これはこれで納得できる終わり方だったと思います。
 
個人的に違和感を憶えたのは、春男を訪ねたさちのセリフです。どうして、おじさんを書きたくなるのか、お父さんだからかと。栞にそのことを言われたとはいえ、康史という父親がいて、父親ともうまくいっていないわけではないのに、この歳の子供が口にするセリフでしょうか。そうは思えません。本能的に何かを感じて? それも違うのではでしょうか。僕はそう感じました。ただ、それに続く、そんなさちに、穏やかな笑みを浮かべながら、涙を流して、優しく諭す春男の姿には心を打たれました。それ以上言ったら怒るぞ。お前の親父は、毎日汗水垂らして働いて、お前を守ろうと、必死で戦っている。あんないい親父、どこを探してもいないぞと。
 
栞が、自分にとって春男は何だったのだろう? と口にしたように、自分にとって、春男の物語は、何だったのだろうと。ストーリーそのものは、2時間ドラマでも描ける内容だったと思いますが、11話を費やして描かれた深さが、見終えた今になって、じわりじわりと心に染みてきます。いいドラマでした。
 
 
PS.
◆真理子の隣に春男の墓。隣にあんなスペースが空いていたなんて、気づきませんでした。
◆春男の墓参りの後、佳奈子に「協力してくれるか?」と声を掛けた康史ですが、あれは、プロポーズの言葉でもあったのかと思ったのですが…。
 
 
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■第11話のあらすじ(番組ホームページより)
 
パン屋を辞めるという佐倉春男(阿部寛)を引き留めようと、村上さち(大橋のぞみ)は追い駆ける。だが、春男は、さちを振り切り行ってしまう。
 
落ち込むさちを偶然見つけた西田栞(吉高由里子)は、その様子を見兼ねて「おじさんは、さっちゃんのお父さんなんだよ」と切り出してしまう。
 
しばらくして帰ってきたさちに、父・康史(遠藤憲一)は、「春男を引き留めるのはかえって迷惑なんだ」と、優しく諭す。意外にも素直にうなずくさちに驚きつつ、安心する康史と高村佳奈子(白石美帆)だった。
 
数日後、さちと康史は、海に来ていた。砂浜に座り、春男からもらった水彩画セットで絵を描き始めるさち。康史は、そんなさちを見ながら、親子の時間が過ごせたことを喜ぶ。
 
一方、いつかの定食屋で働き始めた春男は、安岡竜也(デビット伊東)のスナックの開店が9年前だと聞き、真実を確かめようとする。
 
その頃、部屋で海の絵の仕上げをしていたさちは、ふと新しい画用紙を取り出し、春男を描き始めた。
 
そんなある日、プレハブ小屋を訪ねたさちは、「春男に絵を渡したい」と言うが、栞は、「ここにはいない」とだけ告げる。がっかりするさちは、そこで春男の住所が書かれた宅配便の伝票を見つける。
 
 
>> 「白い春」番組ホームページ