初回だから、ということもあるのかもしれませんが、事件と犯人の心の闇が、十分に描かれていなかったこともあるのではないかと。10年前の事件が、あれよあれよという感じで、一気に、呆気なく解決してしまうのが妙な軽さとなって、「特命捜査対策室」が未解決事件を検証し直す専従捜査部署のようには見えず、設定のユニークさが、今ひとつ、活かしきれていなかったように思えます。銀行員が拳銃を使って部下の女性を撃ち殺すという事件という設定も、違和感のほうが大きいですし。
新人の主人公から叩き上げのベテラン刑事まで、広い年齢層と異なるキャリアからなるチームメンバーでは、丸山智己さん演じる深沢ユウキの口の悪い皮肉屋ぶりが、組織の人間関係にひと波瀾を呼びそうな=ドラマを盛り立ててくれそうな予感です。上戸彩さん演じる主人公の桜木泉は、設定が似ているわけではないのに「ホカベン」(2008年4月〜6月/日本テレビ系)で上戸さんが演じた主人公・堂本灯とイメージが重なって見えました。「新人=まっしぐら」というのは、この種のドラマの定石なのでしょうか。
PS.
◆北大路欣也さん、今回は、裏のない、いい人(いい上司)のようですね。
◆タイトルの「絶対零度」からか、番組ホームページのURLは「C-273」。こういうセンス、好きです。
◆ビデオリサーチの調査による関東地区の視聴率は「18.0%」と、なかなかの滑り出しです。
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■第1話のあらすじ(番組ホームページより)
未解決事件を専門に扱う「特命捜査対策室第4係」に勤務する新米刑事・桜木泉(上戸彩)は、今日も調べものをしている途中で寝てしまい、庁舎に泊まっていた。 4係係長の倉田工(杉本哲太)は、室長の長嶋秀夫(北大路欣也)から、前日に山の中から白骨化した人骨が発見された事件の資料を渡される。人骨が10年前に起きた「東都銀行3億円事件」の容疑者のひとりであることから、4係が再捜査することになったという。
3億円横領事件の容疑者は、当時銀行に勤務していた大貫清美(宮下ともみ)、飯島友江(松岡恵望子)、迫田麻衣(小松彩夏)の3人で、いずれも事件直後から行方不明になっていた。白骨死体は麻衣で、死後10年が経っていることが判明。遺留品のメモには恋人だった宮本弘史(徳秀樹)の口座番号が書かれ、口座には横領事件の半年後に500万円が振り込まれていた。
宮本は、話しを聞きに来た泉と深沢ユウキ(丸山智己)に、事件発生時に清美が支店長の木村行信(渡辺憲吉)に電話しているのを目撃したことを告げる。同じ頃、4係では、白石晋太郎(中原丈雄)が倉田にインターネットの裏サイトで発見した、山の中で逃げまどう女性が拳銃で撃たれる映像を見せていた。その女性は横領事件の主犯とされていた大貫清美だった。塚本と高峰涼子(山口紗弥加)は、木村を訪ねるが、事件との関係を否定する。
高峰と泉は、清美の母親・聡子(朝加真由美)の聞き込みに行くが、聡子は、麻衣を殺したのも娘だと決め付ける。10年前は娘の無実を信じていた聡子の変化に驚く泉だが、そうさせたのは警察だ、という高峰の言葉に愕然とする。
ほどなく、清美が映っていた場所と、宮本の口座に500万円が振り込んだのが清美の恋人だった田神慎二(塚原大助)であることが判明する。田神は、別の女性と結婚するために大学の後輩である宮本に清美の浮気写真を撮らせていて、お金は口止めで渡したものだった。
次々と新しい事実が発覚するなか、泉は、純粋に幸せを望んでいた清美が事件を起こしていたことを不審に感じ始めていた。そんななか、飯島友江が10年前に銃殺されていたことが判明。3人とも殺されていることがわかり、宮本に容疑が掛かるが、宮本は、映像は清美の偽装工作であることを告げる。その証言のなかで、麻衣が清美の体を心配する発言が気になってしかたがない泉は、再び聡子を訪ね、清美が消息を絶つ前に謝罪の言葉を口にしていたことを知る。
映像をもとに山の中で清美の行動をたどっていた泉は、清美が本当に殺され、さらに妊娠していたことを突き止める。映像の出所が木村であることがわかり、取調べを行なうが、木村は否認するばかり。そこにやって来た泉は、清美が妊娠していたことを告げる。さらに白骨とともに発見された音声から木村が犯人である証拠も出る。ついに諦めた木村は、3億円横領の計画をしたことと3人の殺害を認める。
再び山中を捜索した結果、泉は清美の白骨死体を発見し、事件は解決。泉は、聡子に真相を告げた。
>> 「絶対零度 〜未解決事件特命捜査」番組ホームページ