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テレビ朝日「最後の仕事」このドラマの設定上、孫を連れた菊地が下嶋を見舞う場面では、菊地が下嶋よりも年上か、同世代に見えることが、演出上の最低条件にはならないのでしょうか? 見ている側にとって、映像的には、この部分が、物語の肝=説得力をもって騙されるか、ある種のがっかり感につながる“分かれ道”にとなると思うのですが…。
 
テレビ朝日が2000年7月に創設した「テレビ朝日 21世紀新人シナリオ大賞」の第12回大賞受賞作品のドラマ化です。「名優・北大路欣也が、引退した、元“殺し屋”を熱演! 老人ホームに入居した元殺し屋に舞い込んだ“最後の仕事”とは!?」と番組宣伝コピーに惹かれて見ることにしました。
 
2012年の第12回は、応募総数1436篇、第1次・第2次・第3次の選考を経た作品後、脚本家の井上由美子さん、岡田惠和さん、両沢和幸さんの3氏が最終選考を行ない、戸田幸宏さんの「最後の仕事」が大賞に選ばれました。大賞には賞金800万円が贈られるとともに、1時間ドラマとして映像化されるということから、「脚本料800万円のドラマの出来は、いかほどのものか?」という目で見てしまいます。
 
北大路欣也さんを始め、力のある役者さんの存在感と演技によって最後まで見ることはできましたが、ストーリーは、正直、「これが大賞作品なのか?」という印象です。不遜な言い方で申し訳ないのですが、「1436の応募作の頂点が、これなのか」と。
 
「仕事とは!? 老いとは!? 元殺し屋の最後の仕事を描く大人のミステリー」「男にとって“仕事”とは何なのか…!? 人間にとって、“老いる”とはどういうことなのか…!? ミステリアスなストーリーの根底に、普遍的な問いが投げかけられた意欲作」と宣伝文とは、ずいぶん掛け離れた作品に思えます。
 
仮に、病により妻への感謝の思いを伝えることができなくなってしまった、仕事一筋だった男の叶わぬ想いがテーマだとしたら、エンディングに至るまでの、あまりに長過ぎる幻覚による「殺し屋」の場面は、もっと刈り込むべきではないかと(「世にも奇妙な物語」のような短編作品だったらよかったのに…)。
 
というよりも、下嶋が、自分が殺し屋であると思い込んだ理由は、病ゆえではない、もっと説得力のある嘘にしないと。初めに「殺し屋」ありきの、独りよがりのストーリーテリングに映ります。
 
 
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■ストーリー(番組ホームページより)
 
“殺し”を生業とし、これまで数えきれないほどの命を奪って生きてきた下嶋栄治(北大路欣也)は、仕事を引退し、海に近い老人ホームに入居した。
 
ある夜、栄治の個室に、菊池隆(勝野洋)の幽霊が現われる。菊池は栄治に“殺し”のイロハを教えた兄貴分だったが、皮肉にも栄治の手によって命を奪われていた。
 
驚く栄治に、「あんたに仕事を頼みにきた」と話す菊池。仕事の内容とは、栄治に優しく接してくれるホームの看護師・原口沙織(木南晴夏)の命を救うため、不倫関係にある医師・川西静雄(萩原聖人)を殺す、というものだった。
 
菊池の調べによれば、川西は義父の病院を継ぐため、不倫を清算しようと考え、沙織の殺害を計画しているという。だが、いったい、なぜ菊池は沙織を守ろうとするのか!?
 
この奇妙な“最後の仕事”を引き受けることに決めた栄治と、鬱蒼とした森の中に川西を誘い込むが、そこで川西から思いもよらない言葉を聞かされる。いったい何が嘘で、何が真実なのか、栄治はわからなくなる。