私は日本のフィットネス業界はかなりのポテンシャルがあると思っていますが、好ましくない気質もいくつかあります。

インストラクター・トレーナーのキャリアマガジン、NEXTのインタビューで語っていますのでぜひご覧ください:
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月刊NEXT 2015年12月号No.105 世界から見る日本のフィットネスより

世界最新の栄養とエクサイズのリサーチから見る日本のフィットネス・トレーニング

アメリカに広いリサーチャーネットワークを持ち、最新の研究や革新的商品・サービスについて、高い感度で情報収集を続けるデービッド・ホルトンさん。日本では、栄養とエクササイズを通じて健康的なライフスタイルを送る人を増やそうと2002年にボディプラスインターナショナルを創業。妥協なく開発してきたサプリメント「HALEO(ハレオ)」は、命をかけて戦う格闘家や、トップアスリートたちに強く支持されるブランドとなっている。ホルトンさんから見る日本のフィットネスとその可能性について訊いた。

■お話を聞いた方■
デービッド・ホルトンさん
株式会社ボディプラスインターナショナル代表取締役
カナダ人と日本人のハイブリッド。「世界最高の品質で、最大の効果をもたらし、世の中にいい影響を与えること」をライフミッションとしている。主力のスポーツサプリメントブランド「HALEO」「バルクスポーツ」ブランドに加えて、2012年には代官山に直営のクロスフィットジムサプリメントショップをオープンし、多角的にアスリートを支援。2016年にはプロテインバーやドリンクなど食品分野の商品を新しいビジネスモデルで一般市場に提供することを計画している。


予防や治療としての栄養とエクササイズと「レジティマシー」

 デービッド・ホルトンさんは、カナダ生まれ。日本語とビジネス文化を学ぼうと19歳で来日。
21歳のときにサプリメントの開発をスタートし、ボディプラスインターナショナルを設立して15年が経つ。

「自分に必要なサプリメントを開発してきた」というホルトンさんだが、日本に製造工場を持つオリジナルサプリ「HALEO」は、格闘家やアスリートに強く支持されるサプリメントブランドとなり、先日のラグビーワールドカップで日本代表の主将を務めたリーチ・マイケルさんも、ハレオファンの一人。その効果の高さも実証されている。
ホルトンさんは、自身で情報収集し、商品開発からブランディングまでを手掛けているが、今、世界のフィットネス市場動向として注目するのは、栄養とエクササイズが多くの病気や精神疾患の予防にも、治療にもなることが、多くの研究や商品・サービス開発で明らかになってきていることだという。日本では、未だメタボリックシンドローム、糖尿病、うつ病といった病気や疾患が蔓延している。ホルトンさんは、それを「適切な栄養とエクササイズが足りていない兆候」として、ここに大きな社会的ニーズと可能性があると話す。

「日本は国民皆、保険で病気になっても医師の治療が受けられますが、米国では健康保険に加入している人は、国民の30%と言われています。保険に入っていない人は、治療費や薬代が高額になったり、治療が受けられないケースもあります。だからといって保険料も高いため、保険に入るより安価に病気を予防しようと、サプリメントを選ぶ人が多くいます。米国のフィットネス参加率が高いのも、ここに一つの理由があります。サプリメントの利用率は、米国では100%に限りなく近い。食事の内容も日本食は栄養的に見てもベストですが、欧米人の食事は加工品が多く栄養価も偏りがちです。それもサプリメント市場が発展進化する背景にあり、そこでは膨大な研究開発投資がされているわけです」

 ホルトンさんは、その凌ぎを削る市場での研究や商品開発に関する情報を、日本の市場に合う商品開発に活かしているのだ。日本では、人口の高齢化も、業界にとってチャンスだと話す。高齢者の中には、様々な病気や疾患を抱えている人や予備軍が多い。そこには、予防・治療としての栄養やエクササイズの価値が提供できる可能性が広がっており、フィットネスやサプリメント市場がさらに大きく成長する可能性があると見ている。


パーソナルケアができるマイクロジムに、大きなポテンシャル

本質的な健康的なライフスタイルに、栄養とエクササイズが欠かせないことが日本でも一般生活者に浸透してきているが、依然として、誇大広告やメディアでの話題に流されがちな人も多く、フィットネスの流行り廃りも激しい。そうした日本の環境でホルトンさんが大きなポテンシャルを感じているのが、パーソナルケアができるマイクロジムだ。その理由をこう話す。

「米国人と日本人では“トレーニング”に対する考え方に大きな違いがあります。今米国で大流行しているクロスフィットは、米国では『キツそうだけどやってみたい』と捉えますが、日本では『キツそうだからやめておこう』と捉える人が多い。日本で流行するのは、フォローしやすいメソッドや、極端なメソッドばかり。ストレス解消にしても、欧米人は心理カウンセラーというプロに話を訊いてもらいますが、日本はナイトクラブのママがその役を担っているという記事を読んだことがあります。身体づくりもメンタル面のケアも、日本の人のほうが、より手厚いサポートを必要としていると感じます。パーソナルトレーナーは、心身ともに科学的根拠に基づいた知識とスキルを持って、手厚くサポートしてくれる存在として、今後需要が高まっていくと思います」

 また、ホルトンさんは日本人トレーナーにしか教えられない貴重な精神性を持っていることにも注目している。
それは“根性”と表現されるもの。日本ラグビーチーム主将のリーチ・マイケルさんが「根性練」を重視していることに深く共感したという。

「欧米ではトレーニングに効果効率を追うために根性を鍛える練習は存在しません。ですが、科学的トレーニングやテクノロジーが進化した今、究極のところで強さが発揮できるのは、決して妥協しない、ぶれない気力だと思うんです。リーチも、キャプテンとしてメンバーを敢えて苦しい環境に連れて行き、そこでこそ培われる強い絆こそが、最後のギリギリの戦いで勝てる力になると話していました。今後、日本のトレーナーは、日本ならではの“根性”を、科学的トレーニングと組み合わせて提供していくことで、世界でも際立った存在になれると感じています」