外国籍をとった日本人が日本国籍を剥奪されることの理不尽さについて議論がもちあがるたび、多くの同胞から「剥奪は当然」という意見が出るのは何故だろう。

ひとたび日本国籍を失ってガイジン扱いになると、親の介護のためでもビジネスや文化活動のためでも日本での滞在・活動は大きく制限され、はなはだ生産的でない。

これは本人だけの問題ではない。
海外に出て活躍する同胞が祖国との変わらぬつながりのなかで縦横に活動することは、我が国にとっての利益だと思う。


有用な人材の代表格は、米国籍をとった「元日本人」のノーベル受賞者だが、もう少し身近なところにも有用な人材はごろごろしている。

今年アカデミー賞のメークアップ賞を受賞した辻一弘さん(96年に渡米)はみずからの国籍の今後についてどのように考えておられるか知らないが、仮に米国籍を取得して日本国籍を失うのであれば、彼はそのぶん日本とは縁が薄くなってしまうだろう。

日本の生き残りのため、これからは大勢の日本人が海外へ飛び出し、多くを吸収して持ち帰り、新しいものを生み出す必要がある。

アメリカは移民で発展した国だが、日本にその真似はできない。そのかわり、海外で活躍した日本人が「Uターン移民」として帰国し、活躍する余地はおおいにあるだろう。

ただし海外に腰を据えて頑張るうえで、単なるビザ持ちの身分では制限が多く、その国の国籍は重要。

外国籍をとった瞬間に日本国籍を奪われることは、繰り返すが生産的ではない。今の日本には、明治維新のときのようにふたたび国を開くことが求められていると思う。


ところが我が同胞は、多重国籍といった瞬間に警戒感のかたまりになり、外国籍を持った人をスパイかなにかのようにを排除する姿勢になる人が少なくない。

ムラの外に出たやつへの嫌悪感をおさえられない土俗感情? そういう人は、自分の家族が多重国籍だったら敵視するんだろうか。

あるいは、年金や健康保険制度の「いいとこ取り」だといって多重国籍を否定する意見も多い。だが、なにか不正でもしない限り本当のいいとこ取りなんて不可能だし、実際には国境をまたいだ諸手続きはカネも労力もかかるばかりで、決してオイシイものじゃない。

それとも多重国籍者は二か国の制度をいわばセーフティネットとして持ち、選択可能だからズルイというのだろうか。

他者との細かな差をあげつらって足を引っ張りあうクセからそろそろ卒業しようよ。

それと、「俺は外国籍なんて取る予定ないから無関係だが、多重国籍はなんとなく気に食わないので反対」式の思考停止もけっこうあるんじゃないか。

社会は自分以外の誰かが支えてくれているから関与しない、という丸投げ姿勢のことだ。

多重国籍問題は、俺たちが抱えるいろんな課題の写し絵のように見える。


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