アメリカ人と結婚した日本人で、国際転勤族になっている人たちの集まりに行ってきた。

国際結婚だけでなく、第三国での子育てや仕事にがんばる人たちの情報交換や助け合いのきっかけにしようと、ある日本人女性が呼びかけたもの。

数ヶ月から数年間はアメリカ勤務になることがあり、今回の集まりは現在ワシントンDCにいる人たちが集まった。

行ってみたら予想通り男性は少ないし、俺は最高齢クラスだしでアウェー感満載かいと思ったが、みなさんとても優しくしてくれ、持ち寄った昼飯やデザートをつつきながら歓談に花が咲いた。

ある30代とおぼしき女性と話していたときのこと、安い買い物ができた話題になったのだが、そのとき俺が「その店は共済会みたいなもので…」と言いかけたところ、相手はきょとんとした表情になった。

キョーサイカイ...?

周囲はガヤガヤとうるさいし、俺の発音が悪かったかと思い「そうです、共済会」とオウム返ししたが、彼女は相変わらずいぶかしげな目をしている。

あの、大きめの企業や役所や大学なんかにもある共済会とか組合とかいうので、よく売店を出してますよね?

売店、ですか...

ここまできて俺は、概念がまったく伝わっていないことに気づき、いささか慌てた。なぜ商品を安く買えたかという話題だったので、共済会の売店という舞台が理解できないと話がオチない。

あっえーと、あの、キョーサイカイってのは社員・職員の福利厚生ぜんたいを扱う組織で、たとえば健康保険や厚生年金、住宅ローンのめんどうなんかも見てくれたり...

と必死に説明しかけたところで、俺は急停車した。

この方は日本人の名前を持ち、ふつうに日本語を話しておられるが、日本での生活経験がごく少ないんじゃないかと思ったからだ。

集まった人たちのなかには、幼いころ親に連れられて渡米し、アメリカの普通の学校に通いながら成長し、途中で日本へ帰りはしたが、すぐにアメリカへもどって大学入学、就職、結婚、国際転勤族という経歴の人が何人かおられたようだ。

日本で社会人経験をしたことがなければ、俺たちが常識と思っていることの多くについてご存じなくても不思議ではない。


思えばうちのかみさんは、そのアメリカ人版だ。

幼いころはアメリカにも暮らしたが、その後は父親の転勤で各国を渡り歩き、外国の大学をでて就職し、アメリカにもどって来たのは30代なかばになってから。

祖国とはいえオトナの暮らしをするのは初めてだったから、銀行の使い方にはじまり、公共料金・税金・保険の支払いからといった生活基盤から、クレイグズリストの使い方といったアメリカなら誰でも知っている事情にうとく、最初のころは予習してこなかった宇宙人のようになんでも人に聞いていた。

たとえば銀行に込み入った問合せをするとき「チェッキング口座とセービング口座の使い分け」みたいな常識をよく理解していないでしゃべっていると、相手から軽蔑されるだけならまだしも、無用な警戒感をいだかれて難儀するリスクもある。

だからかみさんは「私は20年ちかく海外に住んでいたので」と素早くことわりを入れながら基本的な情報を確認することが多かった。

なんちゃってアメリカ人も大変やなあと俺は笑ったものだが、本人はそれなりに苦労していた。


キョーサイカイの話だ。

そんな相手にとってはどうでもいい概念を展開して困らせるのをやめ、俺はすみやかに話題を切り替えた。

「次の任地が決まるのはいつころですか?」

会話を安全地帯に引き戻し、どなたの迷惑にもならないよう、いい子で過ごした(と思う)。

おかげで年若い先輩方からいろんな話を聞くことができた。

国籍をめぐる興味深い話題もあったが、けっこうセンシティブな件でもあるので、機会をみつけて記してみたい。


↓ ↓ ポチ大歓迎っ 人気ランキングのアップがとても、とても励みになるのです

にほんブログ村 海外生活ブログ アメリカ情報へ
にほんブログ村 
   

アメリカ合衆国ランキング