容貌がさえない女性には人権がないという意味のツイートをしていたモデルで俳優が「炎上」し、事務所を解雇された。

ツイートは数年前、彼が16歳のときのものであることから、そこまで責めなくてもという声もあがる一方、「妊婦さんに膝カックンして絶望させる遊び」という、若気の至りでは済まされないレベルのツイートもあったことから、彼に同情するむきは少ないようだ。

ともあれ「〇〇に人権はない」のほうだけでも炎上の燃料としてはじゅうぶんだったと思われ、ここまでやるとさすがに日本でもアウトかと思った。

さすがに日本でも、なんていったら失礼なと叱られるかもしれないが、これにはワケがある。

俺の目に映る日本は、容貌がさえない人の人権をけっこうないがしろにしている国だ。

ふつうの市民どうしが「おまえはブ〇」「ブオ〇コ」という言葉をぶつけあうことはないと思うが、テレビではそれに近いことが頻繁に行われている。

芸人のなかには自分の見かけがさえないことを売り物にしている人がけっこういて、そこを突っ込みどころとする笑いが多くの日本人によって共有されている。

NHKですら、最近はガードが下がってきたからか、震災復興がテーマの番組でその種のギャグを放送していた。男性芸人が女性芸人のアゴの長さをネタにしていじくっていた。


アメリカでは、テレビのような公共空間であれ、個人のコミュニケーションであれ、容貌をネタにすることは完全にアウトだ。

人さまを茶化すのはもちろん、「俺みたいなチビが」のように自分を卑下することも、異様で恥ずべき行為だとされている。

よく知られているようにアメリカ人は幼いころから「あなたは素晴らしい、かけがえのない存在」と言い聞かせられながら育っており、自己肯定感がとても強い。

だから日本人がうっかり(もしくはウケねらいで)自分の容貌を卑下する発言をしたら、周囲のアメリカ人は真剣な顔で「そんなこと少しもないよ、君は素晴らしい人なんだよ」と言ってくるだろう。


そういう国に9年も暮らしていると、日本のテレビに頻繁に登場する自虐ネタに敏感になってしまう。人間の常識は環境しだいでどんどん変わっていく

以前から好きで見ていた「世界の果てまでイッテQ!」も、いくつかのコーナーはあまり楽しめなくなってきた。

ひとつは太目の人が多い女性芸人グループが浴衣を着て体当たりのゲームに挑戦するもの、もうひとつは短躯にぼさぼさの長髪の男性芸人が面白映像の制作に挑戦するもの。

彼らがボコボコにされるほど盛り上がるわけだが、俺にはなんだか単なるイジメにしか見えなくなってきたのだ。

こういうネタは美人やイケメンにやらせても盛り上がらない。容貌がさえない人の難儀だからこそ、皆が心置きなく笑えるのではないか。

「ブ〇には人権がない」というツイートはさすがに日本でもアウトだが、それを何倍かに希釈して芸として見せるぶんには許されるということだろう。


アメリカが正常で日本がおかしいとは思わない。

いろいろ影響されているとはいえ、ひとりの日本人として容貌体形の自虐ネタすら口にできないアメリカの清潔ぶりをどうかと思う感覚もある。

同時に、自虐とイジメが笑いのもとになりやすい日本という国で、複雑な思いをしている人の多さも想像できるようになったという、まあそんな感じかなあ...


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