アメリカのエリートはよく働きよく儲けるが、下層の労働者には堅い信念があるのかと思うほど徹底して働かない人が多い。

うちのアパートの受付けにそういう人がいて、彼女がシフトに入っているところに行き当たるとひどい目にあう。

きのうは宅配ものを受け取りに行ったら彼女がいて、いやな予感がしたが、丁寧に部屋番号を伝えて箱を探してもらった。

「せん、ろっぴゃく、にじゅう、ご号室です」

俺の英語でも間違いなく伝わるよう心をこめてお伝えし、彼女はわかりましたといって受付けの背後にある荷物置き場へ入っていったが、やがて手ぶらで戻ってきてこう言った。

「1608号室には届いてませんよ」


この人の性能を考えれば4桁の部屋番号は難しかったかもしれない...

なんて言ったら性格悪そうに聞こえるかもしれないが、ふだんの動作を見ていれば大抵の人がこう思うだろう。

だがここで彼女の機嫌をそこね、事をめんどうにしたくないから、「うんうん、ふとした間違いって誰にでもあるよね~」みたいな柔和な表情をつくりながら部屋番号を訂正。もう一度探しに行ってもらった。


最初のときは30秒ほどかけて探しに彼女が、今度はその半分もたたないうちに戻ってきてこう言った。

「ないわね」

いやいやいや、ないはずはない。なぜかといえば、郵便局から「前日の夕方に配達済み」のメールが来ている。

追跡番号で配達状態がチェックできる郵便局サイトを見せながら状況を説明したところ、彼女はにわかに態度を硬化させた。

「郵便局がどう言おうと、ここにないものはないんです」

出たあ、怪獣ナイナイゴジラ


彼女が絶対にないと言い切った荷物が、別の人に探してもらった瞬間に出てきたことが過去に二度あるから、俺はこの人をまったく信用していない。

宅配荷物は、部屋番号や形状・重量などによって仕分けられており、数が多い時期には優秀なレセプショニストでも探すのに手間取ることがあるが、どうやら彼女の場合まったく歯が立たないらしい。

それは能力の問題だから文句はないが、彼女の場合、すぐにあきらめて「ないない」と言い張ることがトラブルのもとになっている。

配達の証拠があるんだからと主張しても、彼女は絶対に引かず、受け取った人が部屋番号を間違えて登録した説やら、郵便局の配達員がミスをした説をとなえるばかり。

そして最後には、荷物の履歴をチェックをする権限が自分には与えられていないから、明日になって別の人がいるときに来て相談してくれというのが定番の逃げ口上で、今回もそうだった。


手ぶらでもどった俺を見るなり、かみさんは郵便局の相談窓口に電話をかけ始めた。

全米から殺到する相談を3~4人のオペレーターが受けているのか40分待ちになっていたが、辛抱強く待つ。

なにしろこっちはナイナイゴジラを相手に戦っているところ、きっちりとした証拠を手にするまでは一歩たりとも引けぬ。

粘った甲斐あって郵便局から「確かに配達した」との確証を得ることができ、戦いの準備はととのった。


翌朝、荷物の所在について思わぬ方向から連絡があった。

それは郵便局からだった。朝いちばんで配達員がアパートを訪れ、配達のとき受付けでもらったサインを示して確認を求めたところ、荷物はあっさり見つかったという。

もちろんそのとき受付けにいたのは「彼女」ではなく、別のひと。普通に探せば見つかるのだ。郵便局の人もとんだ濡れ衣を着せられそうになって慌てたのかもしれず、たいへん気の毒ではあったが、的確に動いてくれて助かった。


夕方、あらためて荷物を受け取りにいったかみさんは、彼女の上司に事の経緯を説明した。

上司は「ああそのことはわかってます」と、他の住人からも苦情が来ていることを伺わせたが、「彼女には言っておきますから」と軽い調子。

いやいやそうじゃなくてさあ...

と、正式なクレームとして会社に伝えたかったが、それはやめておいた。そういうかたちで本人に伝わると、こっちが意地悪されることが目に見えているからだ。

まったくアホくさい話だが、まあ上司にはハッキリ言っておいたから、とりあえずよしとするしかない。


仏の顔も三度まで。

いや、うちの場合3回目で噴火しちゃったな。

能力が低いことに文句はないが、テキトーな逃げ口上を言うばかりで顧客に誠実にこたえようとしない態度は許せない。

荷物ばかりでなく、電子キーの不調など問題がおきるたび彼女の無責任な対応に何度も腹を立ててきた。

すぐにでもいなくなって欲しいのだが、それは果てなき夢。

アメリカにはこの種の事故物件が多く、日々サバイバルだったりするからたいへんだあ。


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