近所の路上に妙なチャリンコが出現した。

colored bicycle (5)

歩道や中央分離帯のあちこちに置かれた自転車、近づいてみるとスゴイことになっている。

colored bicycle (3)

フラメンコダンサーもびっくりの派手な花飾り。

どういうことかと思ってあたりを見回すと、こうなっていた。

colored bicycle (2)

花と自転車によるアートなのだろう。


これを見てなんとなくいい気分になるのは、自転車という、機械のうちではもっとも人間くさい存在のせいかもしれない。

colored bicycle (4)

オブジェのなかには、自転車に小さな三輪車が寄り添っているものもあり、はしゃぎまわる子供の影がそこに見えるような錯覚すらおぼえた。

この界隈は四角いコンクリートの塊がたちならぶ不愛想な街だが、こういうのがあるだけでちょっと優しい気分になれる。


街は人によって変わるが、人もまた街によって変わる。

かつて犯罪都市として恐れられたニューヨークは、犯罪多発の原因が街の風景の荒廃にあると見抜いた市当局が、まず地下鉄の落書きを消し、続いて路上のポイ捨てや酔っ払いの徘徊を厳しく取り締まることで犯罪が激減した。

さまざまな軽犯罪を駆逐し、街のアウトローな雰囲気を一掃するだけで人びとの気分が変わり、犯罪者予備軍でさえ行動を変えたのだ。


そういう「風景の力」というものを、俺たちはもっと利用したほうがいいと思う。

21世紀の世界は人類の調和と安定に向かうどころか、宗教やナショナリズムの上に立った争いが増え、そのことが俺たち庶民の気分や暮らしに影響し始めている。

今後は、経済格差がいっそう広がったり、外国人が嫌いな人が一定数いる社会で移民が増えたりすることで、人と人との摩擦が強まっていくだろう。

どす黒い空気に負けて社会がギスギスしないよう、街の風景を明るくすることが大切になっていくんじゃないだろうか。


colored bicycle (1)

路上のオブジェは面白いが、道の広いアメリカだからできることかもしれないし、こんなバタ臭いチャリンコが日本人に受けるかどうかわからないから、同じことをやろうなんて言わない。

むしろ同様のことは日本でも以前からあちこちで行われてきているが、なんというかアーティスト自身は満足しても一般人には難しすぎて邪魔に思えることも多く、都市計画のなかに恒常的に組み込まれるところまでは行きづらい印象がある。

そこのところをうまくやれるプロデューサーがいれば、大きなコストを必要とせず、アーティストが満足し、街の風景が変わるプロジェクトは難しくないと思う。

アヤシイ自転車を眺めながら、そんな孟宗竹にふけっていた。


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