2007年08月02日

国際情勢真相 <FBI未公開ファイルと、プロパガンダの原理>

 ニューヨーク・タイムズやCNNの報道によると、ペンタゴン(米国防総省)は、ロシアの新型生物兵器爆弾の性能を調べるために'95年頃、CIAに対して武器商人などを装って、買い付けるよう依頼したが、CIAhttps://www.cia.gov/index.htmlはその仕事を達成できなかった。そのため、ペンタゴンhttp://pentagon.afis.osd.mil/facts.cfmは この爆弾に関する情報をもとに、同じものを米国内で作ってみることにした、というのである。
 そして、その中に入れるための炭疽菌も製造していたという。

 企業や政治団体は、各地域 (国家、州、県) の ルール(1.判例 2.慣習法)の中で、目的を遂行していく。 立法(議会) や 司法(裁判)への投資によって、目的達成のために 有利なルールへと 変えていくのも重要だが、基本ルールから あまり離れたルールを押すのは不採算だ。
 また1.も 2. も、先進地域である 米・独・スイスなどの 「歴史的事件」 が指針となる。多くの 「歴史的事件」 は非公開だが、それらが米連邦政府情報公開法などによって公開されたとき、それまでのルールが根底から変わることも少なくない。「歴史的事件」 の真相を知ることは、ゲームの参加者にとって重要なのである。(※当サイトの「二人のアドルフ」 http://blog.livedoor.jp/dd_freak/archives/50372105.htmlが歴史的事件の未公開ファイルの概要をまとめているので、参照されたい)
 中小団体はそれによって運営手法や組織形態を変えなければならないし、大手なら、子会社法人の所在地や登記地を変えなければならない。(※当サイトの「騎士たちの誓約」 http://blog.livedoor.jp/dd_freak/archives/50811932.htmlに掲載した社会学者アルビン・トフラーの発言や、「神々の香りの中で」   http://blog.livedoor.jp/dd_freak/archives/50373867.htmlに掲載した騎士たちの基本習性などを参照していただきたい)。
 ルールだけの問題ではない。例えばイラク戦争で、米政府のシナリオに投資した連中は、真相を知っていても 同じように投資しただろうか? 旧ソ連と取引していた連中は どうだろう?

 その後、’01年に起こった炭疽菌テロ事件 (9.11直後) は、死者数こそ少なかったものの、アメリカでも初のバイオ・テロであったこともあり、当時、世界の話題を独占した。だが、この事件の裏では、あまり報道されない、もっと恐るべき事件の数々が起こっていた。
 FBIhttp://foia.fbi.gov/の命令によって、アメリカ政府が持っていた炭疽菌のサンプルが、すべて破棄された ことは、あまり知られていない。もっと知られていないのは、まったく可能性のない容疑者を「重要参考人」としてマスコミにリークし、「吊るし上げ(みせしめ)」 を行なうことで、抑止のプロパガンダを行なったことである。
 この事件により、FBIは 「フーバーの亡霊」 が健在であることを、明確に示した。
 「フーバーの亡霊」 とは、FBIの創始者にして 死ぬまでの半世紀、FBI長官であり続けたエドガー・フーバーが、生前、遺言的に残した取り決めについての隠語である。(死者であるにも関わらず)フーバーにとって不利な情報や、フーバー自身が 「公開するな」 とした情報に触れようとする者に対しては、他の案件とはまったく異なる結束と迅速をもって対処が行なわれることから、この言葉は生まれた。炭疽菌テロも、もちろんフーバー死後の事件である。では、なぜ 「フーバーの亡霊」は作動したのだろう?

 まず、アメリカには3つの巨大なロビー(勢力団体)、すなわち武器ロビー(多くはWASP=アングロサクソン系支配階層)と、ユダヤ・ロビー(マスコミを支配)、そして石油ロビー(多くはWASP)、があり、それらがしのぎを削っている。その戦いは米ソ冷戦や太平洋戦争のような、「一方の戦力が圧倒的」な戦いではなく、加えて「完全な本気」である。
 世界のあらゆる国の政権与党も、このどれかの勢力と組んでいるのであり、だから、アメリカの選挙(ロビー闘争の一端)は常に熱いのだ。詳細はhttp://www.opensecrets.org/またはhttp://www.publicintegrity.org/lobby/などを参照されたい。
 以前は権力者の自宅でしか開かれなかった彼らの会合も、今ではワシントンのKストリートにある彼らのオフィス(ロビイスト名義よりシンクタンクの形式の方が多い)で公然と行われ、ヘッジファンドや財閥の幹部からの通達を待つ。

 ロビー活動公開法や、連邦ロビイング統制法、外国代理人登録法の規制をあざわらうかのように、彼らの命令系統が秘密結社や友愛団体を迂回していることは広く知られており、それを一般公開しようなどとするのは「不可能であると同時に自殺行為である」、と考えられている。実際、ロビーの末端は単に指令を受けて選挙対策や不買運動を行うだけで、「ビジョンや目的」までは知らされないのが常だ。マスコミに露出する議員などは、幹部になることさえも稀となった。

 20年前では考えられなったことだが、議員出身のロビイストは敬遠されている。
  /ワシントン・ポスト

 例えば、クリアビジョン計画(http://blog.goo.ne.jp/breguet_dd/e/0852e057da0801b09775091a5b9ed159)は、当時のクリントン大統領にも全貌を明かされないまま、秘密裏に進められた。ペンタゴン(国防総省)はネバダ州の砂漠の中に生物兵器の爆弾の外側を作る工場を作ると共に、オハイオ州のバイオ製品メーカーに炭疽菌の製造を発注した。
 ホワイトハウス(大統領府)は こうした計画の進行を後から知り、無断で進めたペンタゴンを批判したものの、ホワイトハウスとペンタゴンの法律担当者などが再度、条約違反かどうか検討したところ、結局違反していないという結論になり、炭疽菌などの開発はそのまま続けられた。
 このような現象が起こるのは、「クリントンのバックが(民主党の議員の多くはそうであるように)ユダヤ・ロビー」であり、「ペンタゴンは完全なるウェポン・ロビーの一員である」からだ。そして、ユダヤ・ロビーはマスコミを持つために大衆に強く、したがって選挙に強いが、交渉はいたって弱いのである。

 このような背景を理解した上で、この事件の真相に立ち会っていただこう。

 炭疽菌テロが起こるとすぐに、FBIはスティーブン・ハトフィル氏が重要参考人であることをマスコミにリークし、ハトフィル氏を社会的に抹殺した。
 FBIのリーク内容は、次のようなものである。
 1.炭疽菌テロが起こる直前に、炭疽菌に対する抗生物質である「シプロ」をハトフィル氏が服用していた。
 2.警察犬がハトフィル氏の家に反応を示した。
 3.ハトフィル氏が陸軍の研究所に勤めており、炭疽菌を手に入れられる立場にあった。

 1.だが、ハトフィル氏は、炭疽菌テロの起こる5週間前に、副鼻腔炎の手術を受け、医師から「シプロ」を処方されていた(この事はカルテにもしっかりと残っていた)。
 2.警察犬は、ハトフィル氏が勤務する事務所の他の研究員に対しても、反応を示していた。それ以前に、「犬が間違う事もある」、というのは、カリフォルニア州での著名な冤罪事件(DNA鑑定で冤罪が晴れた事件)でも実証済みである。
 3.は、最も、「それらしい」ので、多めに証拠を挙げると、同研究所でハトフィル氏は炭疽菌を扱ったことがない。しかも、その炭素菌を扱っていたフォート・デトニック生物兵器研究所の所長は、「これまでウイルスが紛失した形跡はまったくありません」と宣誓証言している。
 それ以上に、原理的な問題がある。その研究所にあった炭疽菌は粘土状であり、粉末状ではなかったことである。テロに使われた炭疽菌は粉末状だ。粘土状のものを粉末状のものにするには、精巧で大がかりな装置が必要である。それらをハトフィル氏がそなえていたら、24時間監視されていたハトフィル氏でなくても、すぐにその装置が見つかっているハズだ。
 第一、学歴を詐称して陸軍に入ったハトフィル氏が?!そんな大物だったりする?

 炭疽菌兵器には、皮膚から入れるもの(粘土状)と、肺に吸い込ませるもの(粉末状)がある。肺から入れる炭疽菌は非常な微粒子にしなければならない。「ものすごく」高度な技術が必要だよ。
  /ビル・パトリック(元国防総省主任研究員)

 そして、このようなことは、たとえFBIでなくても、つまりネブラスカ州警察や栃木県警でも分かるハズだ(ちなみに栃木県警の2005年度平均リスポンスタイム=通報から現場到着までの時間は全国最下位で、なんと北海道警さえしのぐ。少しだけ心配かも)。つまり、FBIは 「わざと」 偽情報をリークしたである。その理由は、2つしか考えられない。1つは、単に、「みせしめ」を作り、巨大なテロを未然に防ぎたかったため。2つ目は、WASPによる「自作自演」だ。
 本当はどっちなのか? 私はこう思う。「どっちでも一緒」と。重要なのは、「そのような行動原理でFBIが動いた」ということと、「それを止めることは誰にもできなかった」ということである。
 
 「誰が情報をリークしたか、つきとめるべきで、そのためには、全捜査員を嘘発見器にかけるべき」との提案を、モーラーFBI長官は却下しました。
  /ロバート・ロス特別捜査官

 当時、炭疽菌調査班と容疑者追跡班がコミュニケーションをとることは、禁止されていた。9.11と、まるで同じだった。
  /リチャード・ランバート特別捜査官

 後に、「司法省の高官やFBIが犯人を示唆した」ことに非難が集中したが、アシュクロフト司法長官は4時間半の宣誓証言の中で、質問に対して85回、「I don't know」と繰り返した。バックがよほどしっかりしていることを表す行動だった。

 実は、ダシュル上院議員に届いた炭疽菌などは1グラムあたり1兆個の胞子からなる高密度のもので、人類の科学水準では上限だろうと思われる密度だった。つまり、冒頭に出したロシア製の兵器をも、上回っていた。名も知られていないテロリストが開発しうる炭疽菌となると、せいぜい二十分の1程度(1グラムあたり500億個)の密度がせいぜいと言われる。
 仕掛け人は世界的な著名テロリスト組織(先進国政府並みの人脈と資金力を持つ)か、先進国政府ということになる。

 ロシアが兵器として開発できる炭疽菌は、1グラムあたり1000億-5000億個の胞子のものが上限だ。
  /ケン・アリベク(旧ソ連の炭疽菌開発者)

 このような事から、ニューヨーク・タイムズや英インディペンデンスhttp://news.independent.co.uk/business/は 「アメリカ当局の自作自演説」を繰り返し報道したが、そうは言い切れない。優れたジャーナリストは状況証拠から真実をつき止めるが、論理上、「情報を隠し、偽情報を流したから犯人だ」 とは言い切れない。
 同じことは9.11テロにも言える。確かに旅客機の激突程度で崩落する近代ビルなど有り得ないし、世界に無数にあるビル火災を見ても、10時間以上燃えていても骨組みはいつも残っている。ジェット燃料が燃えている程度で溶ける鋼鉄など、存在しないからだ。例えば一昨年、マドリードのウィンザー・ビルが火災となった際も(20時間燃え続けていたが)、骨組みはそのまま残っていた。
 ビルの崩落スピードが空気抵抗さえ受けないスピードなのも、崩落のシーンを見れば、あのスピードで天井が200メートルも一気に落下していることで分かる。腕のいい解体職人によるビル解体よりも早く、崩落しているではないか! 同じ同時テロで、ソロモンBRsビルも、たった6.5秒で崩落した。
 さらに、天井が落下する途中で、まだ崩落していない下部から煙が噴出している様子や、テルミット系爆薬が使用されなければ溶けるはずのない金属が溶けていること、サウスタワー81階から溶けた金属が流れ落ちていた映像などから、内部協力者がいるのは確実で、彼ら(ビルに勤務する内部協力者)による爆破テロであったことは明白だ。だからといって、当局の仕業だとは言い切れないのである。当局が動いたとすればDIAやNSAといった機関が動いていることになるが、「その線は論理的に薄い」、と私は考えている。

 論理的に薄かったり、言い切れないだけでなく、そんなことは 「どっちでも一緒」 なのだ。
 ハッキリしているのは、「FBIが偽情報を流し、本当の情報を未公開ファイルのコレクションに加えた」ということだ。そしてその手法が、冷戦時代の 「赤狩り」 以上の強引さであった、ということだ。

john_edgar_hoover(←若き日のエドガー・フーバー)

 アメリカは移民の国だが、後にFBIの半永久長官となるフーバーが生まれた頃には、すでに、その盟主が武器ロビー(多くはWASP)とユダヤ系(マスコミ・ロビーを持つ)、そして石油ロビー(多くはWASP)とに集中していた。そしてこの体制は今に到る。
 ワシントンに生まれ、貧しいながらもWASPの中で育ったフーバーにとって、WASP系ロビーである武器ロビーと石油ロビーこそが「アメリカ」であり、ユダヤ・ロビーを 「外敵」 と捉える価値観は、ごく自然に生まれたのだろう。
 多くのWASP(アングロサクソン系支配階層)は、生まれながらのWASPである。だが、社会の底辺から這い上がり、少ないチャンスとコネを逃さずにWASPの仲間入りし、逮捕権もなく、拳銃の携帯さえ許さていなかった(つまり日本の警備会社程度の権限しかなかった)司法省捜査局を現在のFBIにまで育て、同時にWASPのトップにまで上り詰めたフーバーにとって、「WASPは努力と鍛錬の結果としての階層」であり、どこにも穴のない、誰にも文句の言えない存在だった。マスコミや映画界の大物を重点的に攻撃する所にも、ユダヤ・ロビーに対する敵対意識が現れている。
 また、差別に苦しむ黒人やヒスパニック系など少数民族も、徹底して嫌悪していた。
 吃音症を努力で克服し、後に「スピード」と呼ばれるほどの早口で、頭の回転をアウトプットするようにまでなるフーバーにとって、彼ら貧民層は 「努力せずに環境のせいにする連中」 と映っていたのである。 WASPの「AS」は、「アングロ・サクソンの略が語源」 とする説と、「アングロサクソン・サブアーバンの略が語源」 と解釈する説がある。なぜ 「郊外」 なのか。アメリカ社会の成熟と共に、都市部に集まりだした黒人を嫌う中流階級以上の白人世帯が、こぞって郊外に居住地を移したからなのである。これは現在では白人やアメリカに限った傾向ではないが、当時は、アメリカと白人にだけ見られる現象だった。
 同性愛者に対する彼の差別意識と同じく (彼が他のFBI幹部と同様に生涯独身を通したからといって、「彼がホモだった」などとする誇大妄想家がいるが、理論的にも 「安全面でも」 間違いである)、努力しない有色人種に対する彼の憎悪と嫌悪感は、激しいものだった。ただし、彼の嫌悪はあくまで「努力しない人間」に向けられていた。戦時中、アメリカで要職にある人物では彼だけが、日本人の強制収容に反対したことはあまり知られていないが、その考え方の一例であろう。
 フーバーの死後、遺言によって秘書のヘレン・ガンディーが多くのファイルを破棄したが、事実が消えるわけではない。だが、FBI本部ビル(正式名称はJ・エドガー・フーバーFBIビル)に現存する多くの未公開ファイルもあわせ、「パンドラの箱」 にカテゴリーされるファイルはすべて、公表されない方針、または「紛失する方針」となった。それらファイルの指定は、生前のフーバー自身が行なっている。
 それらと同じく具体的な指令として、WASPの利権をユダヤ系から守ったり、保守主義を共産主義から守ったり、という、フーバーの定めたFBIの行動原理・行動理念があったのである。そしてそれは、「フーバーの亡霊」 のまさに、バックボーンなのである。
 だからこそ、緊急時、つまりWASPや保守主義にとって危機的な状況下では、いわゆる 「でっちあげ」 や 「戦略的プロパガンダ」 を使うのも、「やむを得ない」、ということになる。公開されていない こうした 「規定(フーバーの亡霊)」 がなければ、今回、プロたちがこのような行為に及べるはずがない。彼らにとって、発動するのに充分の 状況 だったのである。

 覚えておかねばならないのは、ハトフィル氏を最も苦しめた報道は、「犬」だったことだ。
 ニューズウィーク誌が、「FBIの派遣した優秀なブラッドハウンド純血種3匹が、ハトフィル氏の家で激しい反応を示した」と報道した分だ。これをテレビ局なども多用した。
 「ブラッドハウンド純血」 だろうが 「柴犬」 だろうが、「3匹」 だろうが 「76匹」 だろうが、「家で激しく反応」 したことなど、証拠にならない。と、当サイト読者なら、分かるハズだ。だが、頭の悪い連中が9割である以上、それを1日に15回ぐらい聞くと、「ほーぉ……」 となってしまう連中が 9割なのである。
 プロパガンダは基本に忠実であるべき、という例の典型であろう。何かを隠すとき、核心を隠蔽するよりも重要なのは、核心を外す、ということなのだ。ネバダの「エリア51」を隠蔽するのに当局が使ったのは「宇宙人」というバカげた「ガセ」だったにも関わらず、情報量でしっかりだまされた大衆がいたのである。
 今回のケースでも、確かに旧ソ連は炭疽菌の開発をしていて、ソ連消滅後、ロシアはその技術を使った生物兵器(小型爆弾)を開発、武器の国際ブラックマーケットに流していた。だからといって、当局に有利なこうした材料を使っても、冷たい「核予算」戦争や、ベトナム「武器販売」戦争で戦い方を知っている反戦ユダヤロビーには、論争で勝てない。
 彼らは論争を避け、「プロパガンダ」を選択したのである。完璧っ! 

 個人的には、腹が立ったりしない。ひたすら、「いい仕事だ」と思うだけだ。

 たとえ5000万人の人間が、口をそろえてバカなことを言ったとしても、それはバカなことでしかない。
  /アナトール・フランス(ノーベル賞受賞作家)

 私が示唆した時期から数年で、報道機関も検索機関も、「アルゴリズム(言語選択習性。同じことをどのように表現するかという特徴法則)」や、「思考の角度」こそ最も重要であると認識するようになった。(※当サイトの メディアの明日‐3 <テレビと新聞のニュースが死ぬ日> http://blog.livedoor.jp/dd_freak/archives/50451282.html を参照されたい) しかし、プロパガンダにおいては普通、高度なアルゴリズムは用いられないことが多い。レベルの低い相手には、アルゴリズムなど理解できないから、「情報量でマクれ」、というワケだ。
 世界全体では、着実に 「プロパガンダが通用するような人間の割合は減っている」 と言えるが、プロパガンダの影響を受けまいとする連中よりも、プロパガンダを仕掛けようとする連中の方がレベルが高い、という図式が続いているため、まだまだ有効性を保っているのである。

 私は、そのような状況を打破したいと願っている。つまり、「もはやプロパガンダは世界のどこでも通用しない」、という世界を見てみたい と思う、今日この頃なのである (←気が変わる可能性もある)。

 歴史は常に不思議な因果を生み出す。’78に成立した外国諜報監視法では、米国内にいる人物の通信傍受を行なうには、専用法廷から令状をとるよう定められていたが、当局の判断で通信当事者の一方に疑いがかかれば令状なき傍受を認める改正案を、米議会はまさに明日 (8月3日)、採決にかけるようだ。恐らくこれは可決し、減りつつある「愚鈍な大衆」を、より強固に束縛・支配・洗脳できる環境は整う。「愚鈍な大衆」が減りつつある以上、当局としては、より彼らを完全なる「奴隷」にしなければならないのである。もちろんこれはCIAよりもFBIに有利な法案となる。大方の予想に反し、フーバーの死後もFBIの権力は失墜しなかったわけだが、それどころかフーバーの存在感は一層強化され、FBIの牙城を守っているのだ。

 一方で、フーバーの死によって権力の集中が懸念されたCIAは、ストラテジックな失態を繰り返し、権力を削減、公的予算も削減される傾向にある。
 今月('07年8月)末までに、CIAは、ある未公開ファイルを公開する。 機密解除されるファイルは 当サイト '06年3月の 「CIA vs FBI」(現状は削除状態) でも 「2年以内の公開が確実」 と予告していたものだが、当時のCIA長官ジョージ・テネットが 同時テロ・炭疽菌事件発生前に 「十分な予算や労力を広範な国際テロ組織対策に割かなかった」 とする 「内部監査報告要旨」 である。ユダヤロビー主導の 「情報機関改革に関する9・11委員会勧告」 の完全実施を求める法律 (「情報開示条項」) に沿って、要旨の機密解除を迫るものだ。恐らく 後任のポーター・ゴス前長官は機密解除勧告を拒否するだろうが、米有力メディアは すでに有力筋の爆弾ブログなどから充分な裏付けを獲得しており、逃げ切ることはできないと予想される。当然、今後の世界情勢・国際情勢に強い影響を与えるだろう。

 当サイト系列で、CIA・FBI・ペンタゴンなどの 未公開ファイル を公開するとき、多彩な媒体、無数のURL・ミラーサイト で一斉公開し、多くは一斉削除しているが、その読者数の多さには、いつも驚かされる。

 読者たち(多くは経営者兼ディーラー)は言う。 「何をためらう事が? 我々が支配できないニュース分野なんて、この世に無いのに」。 すでに、「世界情勢・国際情勢の真相に迫るには 当サイトの系列媒体以外では不可能」 と考えられる状況が、多くの分野で見受けられるのだから、読者たちの言い分はもっともに聞こえる。だが、これは話が違う。その使命を課されているのは私のナイトたちであり、私ではないのだから。当サイトの記事をリンクするなどの増殖工作を系列サイトにしか許していないのも、この理由からだ。

 いずれにせよ、情報と目的に飢え、世界を胸に抱く 「ヒト」 は、確かに存在する。
 「ヒト」 よ。 世界に存在するのは、(必ずいつか死ぬのに)生きるために食べて生き、死ぬだけの、彼ら家畜ばかりではない。知的好奇心と野心を持つ 「ヒト」 は、冷戦時代(多くの人々が歯車と化した)の壁を壊し、いま、急激に 増殖しているのだ!
 「ヒト」 よ。いまだ多数派である 彼ら家畜の批判や嘲り(あざけり)を、哀れみ、飛び越え、自らの欲求を満たす勇気を持て!

※稼働中のミラーサイト(同一内容の別URL)・衛星サイト(所属の騎士たちの運営)については、最適エンジンなど紹介しています。



2007年07月25日

国境も鉄格子も越える、騎士たちの誓約

judicium※この記事は’06年3月に公開した記事である。削除後、リクエストが多かったので再公開の運びとなった。今回の記事URL(再公開分URL)永久残存予定 (衛星サイトは記事リンク可)。
 
 1. 事実は小説より奇なり。
 2. どこかで 蝶が舞えば、世界の裏側で 嵐が起こる。
 
 近年、上記の (誰が言い出したのか分からない) 有名な 2つのことわざ が、日々、説得力を増している。 まず 、1.  2. を 際立たせているのは、旧史以来の 民族大移動 だ。
 かつては 軍事の結果 が決定した 民族移動 (植民と難民) が、現代では 産業競争の結果 やルール(法律・慣例) の変化によって起こる。
 
 CBSの報道によると、アリゾナ州だけで、1年で、 23万人!を越える不法入国者が摘発された。これは入国失敗者 の数である。アリゾナ州の国境は 東京-大阪間 ぐらいの砂漠地帯であり、まず失敗は しない。入国成功者は アリゾナ州だけで、年間 200万人を越えるのではないか。アメリカ全土では 年間どれぐらい いるのだろう? 1000万人? 2000万人?
 今後10年では? 1億人? 2億人程度 (元々合衆国民の95%以上が移民) だろうか?
 
 ドイツでは、2005年1月の移民法で年間50万人、計2500万人の移民受け入れを目標設定した。今後、確実に2500万人が流入するが、その数倍が不法入国するのではないか。ドイツではすでに、不法入国者に仕事を奪われる合法入国者が急増しており、「ドイツ国民」の中で失業者認定を受ける 500万人のうち、多くは「トルコ民族」である。
 だが、どちらが 「善」 で、「支援する価値」 を持つのだろう? アメリカ国民であるドイツ民族と、ドイツ国民であるトルコ民族と、どこの国の国籍も持たないドイツ住民は、誰が一番ドイツ的で、ドイツ政府は誰を支援する法を作るべきであろう?
 また、ドイツでは 歴史を理由に ユダヤ民族の入国規制 が緩やかだったが、新法で 再び迫害されているのが運命的だ。
 その本拠 イスラエル では、選挙・軍事対策で、エチオピアで 黒人に同化したユダヤ民族 の受け入れを決定した。旧約聖書 (ユダヤ経典) に出てくる 「シバの女王」 は エチオピアの女王 だが、 その当時から 数千年の時を越えて 黒人に同化したユダヤ人が再び安住の場所を求める様 は、 旧史以来の民族大移動を象徴している。 イスラエル政府は同時に、 人工授精を国庫負担 で推奨する。
 
 日本では 移民拡大策が まだ不十分だが、かつてのドイツと同様、不法入国 に関しては しっかりと先行拡大している (←これが どの国でも 移民法の制定を 急がせてきた)。
 外国人が1日数千人も入国する 16時の成田や関西、中部、福岡空港で、不法入国者を摘発するのは 「不可能」 と入国審査員は言う。
 海港 にいたっては、国交のない国 (例:北朝鮮) からも 船が入港するように、無審査に近い。犯罪でも絡まない限り、偽造ビザが 追求される理由はない。
 日本橋のコンビニ店員は大半が中国人だが、単純作業なのに 「月給10万円!」 という高給で迎え入れる国など、ほかにない (平均で月給3千円程度) 。ごく自然な「移動」だ。
 
 これらの 民族大移動 を、日本人、ドイツ人、アメリカ人 が理解しようとすれば、逆の立場でシュミレーションすればいい。
 飛行機で数時間 の所に (中国→日本、トルコ→ドイツ、メキシコ→アメリカ)、給料が50倍もらえる国がある、という話。
 日本を基点にするなら、「月給2500万円!」 の国が、飛行機で1時間の所にある、ということだ。
 しかも コンビニや工場の単純労働で!だ。
 「物価が世界中で大きく違う」 と 錯覚 している人も多いが、現実には 世界の物価は さほど変わらない。所得水準の高い国では 「贅沢なモノ」 を消費し、所得の低い国では 「粗悪なモノ」 を消費しているに過ぎず、違うのは 「物価」 ではなく 「生活費」 である。
 行かないバカ がいるだろうか?
 何十年か前は、日本からブラジルからペルーへの移民が絶えなかったが、いまでは逆に、ブラジルとペルーから日本にきて働く人が、合法入国者だけで30万人もいる。
 
 彼らの立場は弱い?とんでもない。
 移民研究センター(ワシントンの民間研究団体) によると、最低でも 「93ヶ国が二重国籍を容認」 していると言う。2005年には メキシコ移民のアメリカ国民が、メキシコの大統領選挙の投票権を獲得した。
 拡大する権利は市民権(投票権)だけではない。参政権までもが拡大している。
 南米コロンビアの上院選挙に、アメリカのニュージャージー州の市会議員が立候補した。アメリカのイリノイ州でパン屋を営むイタリア移民のアメリカ人が、イタリア国会に立候補した。イタリア国会は上院6議席、下院12議席を移民の特定割り当て議席に設定した。
 世界で最も権威ある社会学者として知られるアルビン・トフラーは、「なぜ2重が前提なのだろう? 3重や7重ではいけないのだろうか? 明日の地球市民は、税金が有利だから、政治的な連帯を示したいから、などの理由で、ますます一連の国籍を使い分けるかもしれない」 と語る。
 世界銀行 によると、労働者の海外送金 (資本取引などは除く) は、2004年の1年間 だけで1260億ドル (約15兆円)。
 世界全体では現在、外国人労働者が 2億人以上いる。もっと驚くべきことに、諸事情により、「どの国の国籍も待たない人口」 が1100万人もいるのである。
 
 アメリカとは思えないほどヒスパニック系の多いカリフォルニア州では、スペイン語のTV番組の視聴率が英語番組を越える事が出始めたという。
 「同じ本人証明(社会保障ナンバー)を持つ人間」が 4人いた!ケースもあった。実態調査目的で当局が 科学力・組織力を駆使して調査してみると、1人は マフィアから買った本物の本人証明 (社会保障ナンバー) を持つ不法入国者 で、後の3人は 偽造を持つ不法入国者。 その社会保障ナンバーを 「元々持っていた人物」 は浮浪者で、「本人証明を取り返す予定はない」 と言い、逆に偽造しか持たない 不法入国者の使用者 (経営者) は、「彼をクビにするのかって? 冗談だろ。そういうやつの方がよく働くのさ。いざとなりゃ、市民権を取れるように力を貸すつもりだ」  と笑う。
 それ以前に、このように 科学力と組織力を駆使しなかった場合、彼ら5人の 誰がどうなのか、確認する手段もない。
 
 いまや、彼らの受け入れ先は、マフィアやテロ組織 ではない。
 「映画の都」ハリウッドの某大手スカウトマンは、「不法入国者以外のモチベーションは信用していない」 と語る。「不法入国はリアル・ディールへの一歩」 と語る諜報員もいる。
 人一倍 民族意識の薄い 彼ら映画俳優たちは、アンジェリーナ・ジョリー のように エチオピアやカンボジアの難民キャンプの孤児を実子にして 未婚の母 となったり、人工授精 (父親は明らかにされない) で ジョディ・フォスター が 未婚の母 となったり、、シャロン・ストーン が シングル・マザーとして 2人目の養子 を迎えたり、メグ・ライアン が 離婚後、中国で養子をもらったり、と、実生活でも 「ボーダーレス」 を体現する。
 
 世界最大の非公開会社 カーギル(社員約10万人) は、盗難だろうが強奪だろうが 社会保障ナンバーさえ持っていれば、(中小企業並みに) 採用 することで知られる。CBSのインタビューで カーギルの人事担当者は 「面接で英語が話せないからといってアメリカ市民でないと結論付けるのは差別では?」 と豪語した。英語の話せないアメリカ市民なんて居るはずがないのに! 
 
 私は ドイツの某大手銀行 が行った、ブローカー魂 炸裂記者会見 を思い出した。
 
Q: 「あなたは 顧客が違法な取引をしている と知っていて、当局に 報告しませんでしたね?」
A: 「どこの法律です?」
Q: 「ドイツのです」
A: 「知っていました (黙秘権がある)」
Q: 「あなたの銀行の業務規定は 大変に厳しいものですね?」
A: 「そうです。あらゆる国家の法律に 優先します (黙秘権がある)」
Q: 「ドイツ連邦法上では違法であっても 顧客の情報をリークしない、というのは、御社の業務規定ですね?」
A: 「いえ、言いたくないだけです (黙秘権がある)」。
 
 質問は止まり、まばらな拍手と沈黙の中で ブローカーが話し始めた。
 
A: 「私はブローカーです。この世界では 知られているように、法律は よく変わります。契約の後で、変わることもあります。そのたびに 契約を破るのですか?契約は絶対ですし、変わることもありません。それを守るために 檻(おり)に入った者は、英雄的に 迎えられます。逆に、信用を失くせば、二度と 取り戻せません。ドイツの法律を作る人の価値観 は知りませんが、それが 我々の価値観 であり、少なからず、そうした価値観に対するプライド  もあります。私は今、ここで、そうしたことを 言わなければならない立場にもありませんし、言うように求められても いませんが、それについては、なんと言いますか……言いたかっただけです」。
 
 1. 事実は小説より奇なり。
  (意味:映画俳優や小説・マンガのヒーロー よりも、本物は 無茶苦茶にカッコを付ける。そして 映画や小説・マンガ より、人々の心を動かす。このページもまさに、その一端 を担っている)
 
 2. どこかで蝶が舞えば、世界の裏側で嵐が起こる。
  (意味:人の移動スピード は速度を速め、現代においては 江戸時代の藩境 より簡単に、国境を越えられる。 さらに、非公開だった ヤルタ会談の内容 が世界中の クラブやバー で話されたように、どんなに高度な情報も隠せず、事実は一人歩きし、人々の生活や夢、行動に影響する。 その伝達速度は、人の移動速度と同様、加速している。このページもまさに、その一端 を担っている)
 
 
 そして、「有史以来の民族大移動」 以上に、1. 2. に説得力を持たせているのが、ロシアを舞台とした 『ロマンスの行方』 (←拙著メールマガジンの題を借用)。
 
 
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 3兆円以上の追徴課税!(1億円入ったトランクが3万個。トヨタグループの3年分の利益) を請求されている ミハエル・ホドルコフスキー (ユーコスからロスネフチへの移行を バイカル・ファイナンスを通じて説明する機会は、衛星サイト運営者に任せよう) 。 彼が陣頭指揮をとる該当企業グループは、 「ジェンティーレに 契約 によって 死後の魂 まで売り渡した男たち」 が、たった10年ほど!で形成した (世界中の経営学者を愕然とさせた 彼ら怪物たちの生態もまた、別のサイト経営者たちに題材を譲ろう)。
 戦いの発端は、周知のように、ロシア最強の権力者 ベレゾフスキー (ユダヤ人) の 「彼女 (決して奥さんではない!)」 タチアナ と、グレッグの騎士 の一人である バヌエコ (スペイン国籍) の 「彼女 (こっちも負けずに奥さんではない!)」 ステファニー (アメリカ国籍) の口ゲンカ。                 
 
 世界中の話題を集めていたにも関わらず、国家の明暗とエネルギー情勢に影響を与えるため、ほとんどの国で、このソースには報道規制がかかっている。
 報道規制 の及ばない完全会員制の各高級誌は、みずからの存在価値を知らしめるかのように書き立てる。
 
 バヌエコの指揮を受けるプーチンは、自分が KGBのデジンフォルマーティア担当第一管理本部初代局長イワン・イワノビッチ・アガヤンツの末裔人脈の1人であることを 思い出していただろう。それと同じか、それ以上に徹底的なプロ集団である、あの 「Gの騎士団」 に組み込まれたのだから。それが 追い込まれた結果であっても、そして厳しい仕事であっても、たとえようもない快楽であったに違いない。
  /レオン・プリーストリー (ペルセピオン主席)
 
 釘止めされる軍。あまりにも迅速な 内務省と大統領府の統制 と 国会の制圧。スペツナズ並みの武装集団 を用いて令状なしで飛行機の給油中に突入させる苛烈な手段。背後に、 「特殊な洗脳によって極限まで鍛えられた、末端の戦士に到るまで怪物化している集団」 のオペレーションが作動 している事は明らかだった。 
 すなわちそれは 「Gの騎士たち」。「クーデターだ」 と 誰かが叫ぶヒマさえ与えなかった。
  /ザ・リアル・ボーディ(ザ・ヴォイス主席)
 
 「Dの騎士団」 による逆襲も迅速だった。オーナーが拘留中にも関わらず、「悪魔の風」に吹かれてハリー・エンタープライゼス社 (ジェンティーレの流れをくむメテナップ系企業) などの得体の知れない企業群に株主名義が変更、各国政府は拘置所に石油取引を打診する。
  /ダリル・コナー(ル・モンド・ノワール記者)
 
 拘置場所は独房ではなく!、その理由と結末は よく知られているが、(暗殺は) 成らず。沈黙を破ったジェンティーレ が背後で始動。エクソンの3兆円のオファーを蹴り、遠大なオペレーションが続行 していることを市場は再確認する。 誰もが知る シチリアでの 「前職」 を彷彿とさせるような 揺るぎない結束 が組織を覆い、「いつも通り」 、効果的に国境をまたぐデスクドローアー (トンネル会社) が 猛烈な逆襲を開始する。 ユーコス本体も、役員の半分以上を アメリカ国籍取得済の直系騎士 で固め、バヌエコや 現場の検察を あざ笑うように、単体で20億ドル(約2500億円)という途方もない配当を実施(三井物産の連結経常利益よりも巨大である)! そして、たたみかけるようにホドルコフスキーは獄中から下院補選への立候補を表明!
 
 だが 戦いは決着どころか激化。電撃的に今度は 「Gの遺伝子」 が逆襲。禁固8年判決で下院補欠選挙の立候補資格はく奪、’05年10月には、モスクワの未決囚拘置所から シベリアのヤマロネネツク自治管区刑務所 (同刑務所1月の平均気温は 零下20度以下) に移送、戦いの裏時間で ベレゾフスキーは ウクライナの オレンジ革命 を指揮 (これは一般プレスにも最近リーク)。バヌエコの頭上からは、高波のように ドミニック・コーバイシス (Gの最強騎士) が ボードの日経ダウ に参入。 激動する世界経済と日本経済を根拠にロング・ストラングル (上がっても下がっても利益の、変動率買いポジション) を組んだ日本の 都銀や証券会社 のポジションを、無情にもボラセル (変動率が小さければ利益) と ターゲット・バイイング (ある価格に、契約された期間推移すれば利益) で粉砕する。
 
 「ロマンスの行方」 は ノン・フィクションだけに、「面白い」 だけでなく、世界経済を動かす 最大の要因 である。
 数年前に日本で10円台(税抜1リットル) だったレギュラー・ガソリンが、いまや60円(税抜1リットル)を越えている。税金の53.8円(1リットル) や 輸送費を入れると、スタンドの小売が かつての70円台から125円(1リットル) に上がっているからといって、スタンドに文句を言うのは 「筋違い」 というものだ。彼らは赤字で石油製品を提供 してくれている。
 代替エネルギーのエタノール需要 急拡大で、数年前に 1kg17円台だった粗糖も1kg50円を越え、今後 コーンにも波及すると思われる。
 エネルギーだけではない。化学製品を含め、現代世界で石油を使用しないで作れるモノなど、ほとんど何もない。TV番組で 「この部屋で 石油を使わずに作れるモノだけ残したら」 というのがあったが、残ったのは海外旅行で買った という 木の彫り物 ぐらいだった。その彫り物にしても、買いに行った 部屋の主人 は歩いて 東南アジア には行けまい。飛行機か船で、石油の力 を借りて行ったのだろう。それ以前に、その部屋 (建築物) 自体が、石油 なしには 存在しない。
 日本が 国家の将来 を託すメイン・プロジェクト (サハリン機Ν供法▲▲献 をゆるがすアンガルスク・ライン、各国が争うリビア利権、オイル・メジャーの再編……といった ビッグ・ビジネス だけでなく、あらゆる国家・業種 の中小企業まで、この戦いの行方 に影響を受ける。
 
 〇実は小説より奇なり。
  (意味:小説なら無理があるほど、現実では奇跡が起こり、運命的。騎士たちの古い密約や 王への忠誠、固い意志が、世界を動かす)
 
 △匹海で蝶が舞えば、世界の裏側で 嵐が起こる。
  (意味:130年前から 世界は1つであり、誰もが世界の一員であり、世界が回転すれば 誰もが影響を受ける。そんな中、騎士たちは 独特の価値観で、どんなに遠くても 約束を果たしにいく)


2007年03月28日

国家破産と債券 <Time Is Money....日本政府の現状>

 日本の債券取引量が1京円(1兆円の1万倍)の大台を超えた。
    /日本経済新聞社
 
 日経新聞社は、「2006年の日本の債券取引高が、現物と、東証に上場する先物だけで1京358兆円となった」、と報道した。
 
 数年前、アクセス数で1万位にも入っていなかった我々は、今や月に25億PV(ページビュー。アクセス数の事)、世界30位にランクするサイトとなり、人類史上最大の百科事典となりました。
  /ジミー・ウェールズ他(ウィキペディア・スタッフ一同)
 
 たった数年で世界最大の百科事典となったスーパーサイト「ウィキペディア」。その「定義」こそは世界的な「一般認識」だろうから、今後たびたび使う予定であるが、その定義の中でも、「債券は、発行体、償還期間、残存償還期間、償還順位などの組み合わせで、商品数が株式よりかなり多いため(流動性を有す国債を除くと)、市場取引が向かず、基本的に相対取引である」、とあり、そう考えると、1京円というのも氷山の一角 であることが明白である。
 先月、世界で初めて、「もどき」ではない本格的なヘッジファンドが株式公開した(フォートレス)。一般プレスは、「未公開企業への投資で急成長。06年9月末で運用残高約3兆1600億円(MSN毎日)」などと報道しているが、誰もが知るように大手ヘッジファンド「オーファン(R・ステファン。推定27兆円))」の系列ファンド(未公開株部門)であり、コア・ファンドは平均ギアリングを考えると平均500兆円のポジションを取る。単独で約10兆円規模のクラビスやカーライル、ブラックストーンといったファンドも、「すでにポジションやディーラーの陣容がリークしている」 ことを主因に上場を模索中のようだ。
 そのようなファンドにとって、日本の債券市場は格好の主戦場と成り得る。
 だから日本の債券がいいというわけではない。むしろあまりに悪いから取引が増えているのだ。
 
 債券の代表はもちろん国債である。
 
 国債は国の借金である。23日に財務省が発表した数字では、現在の日本政府の国債発行残高は676兆円。ちなみに政府の借金は、その他にも政府短期証券が約100兆円、直接的政府借入れが約60兆円、さらに、総務省発表の地方自治体の債務残高は201兆円、それに政府保証債務などのようにまだ確定していない債務や、数字が公表されないものを含めると、「政府の金融資産と差し引きして正確な純債務を計算してみよう」 などという気はなくなってしまう。
 財政融資資金・社会保障基金・郵貯・簡保、日銀などの公的部門がある程度保有しているといっても、それらの機関の他部門が運用成績を満足に出していない以上、1. 増税、2. 債務不履行、3. 国家破綻 が、秒読み段階に思える。
 50兆円の予算で支出が80兆円、1000兆円を軽く超える借金の金利だけで年間10兆円以上払っている状態(http://www.kh-web.org/fin/ ←クリックでリアルタイム化)とは、数字を小さくすれば、月収50万円の人が子供がたくさん居て月に80万円の生活費がかかり、1億円借金していて、金利だけで月に10万円以上払っている状態 である。
 しかもこれは、現在の過去最低金利が続いたら、という条件での話。
 金利が10年以上前の高水準に戻れば、月に60万円ぐらいの金利になる(日本国だと年間60兆円)。こうなると即、破産である。
 藤原紀香ちゃんや小雪ちゃん といった完全無欠型イメージのタレントで宣伝し、国会議員を中心に厳しく言論を統制しているが、数字が改善するわけではない。
 また国債、政府保証債、地方債などの場合、財務上の特約などがあるケースは少ない。したがって発行体が倒れれば普通に紙切れとなる。国家破綻すればまず円が紙切れになるが、同時に円建て債券も紙切れとなるのだ。
 
 いずれにせよ債券取引とはすなわち「時間」の売買であり、時間が経っても改善し得ないような国家や会社の債券には投資できない。崩れる時は劇的だろう。
 あまり言いたくはないが、上記に紹介したような債券市場は、世界で最も巨大な 「金利=時間市場」 の中において、プロの市場ではない。実際には ユーロ市場(ここでいうユーロは欧州通貨のユーロと関係ない)で取引される.罅璽蹈疋襦↓▲罅璽蹈罅璽蹇↓ユーロ円 という三通貨が金利取引の中心である。ここを簡略にスルーしなければ「ユーロ市場」の説明で今号が終わってしまうので、ユーロ市場については別の機会に説明するが、バランス感覚が狂わないよう、念頭には置いて欲しい。
 例えば 同じ円でも、「日銀の円」より「ユーロ円」 の金利取引が、金利取引の大半だ。そしてそれらのマーケットでは、クラッシュの直前にプロがやるような、典型的な買いオペ(金利ベースでは売りオペ)が確認されている。
 
 国債の誕生は、近代から現代への脱皮だった。
 王が発行する公債は、王の私的債務か国家の公的債務かの区別が曖昧 で、償還の原資が必ずしも保証されておらず、資金繰りに困った王により恣意的に債権放棄させられる危険性ばかりでなく、次代の王が先代の債務を引き継がないなどの原因で、しばしば債務不履行(デフォルト)に陥った。そのために公債は償還期限が短期でリスクを反映して利率が高く、王が返済に困ってデフォルトを繰り返す悪循環が繰り返された。絶対王政の時代、欧州の王はしばしば戦争を行い、それらの戦費はこうした公債で賄われた。
 ネーデルラントを「オランダ」と発音するのは日本だけだが、これは日本人がホラント州出身のネーデルラント人に「どこ出身?」と聞いたためだ。そのホラント州の議会が、償還期限が長期で利率の低い(すなわちリスクが低い)国債を安定して発行するため、恒久的議会が国家の歳出・歳入・課税に関する権利を国王から奪取、君主の私的財政と国家の財政(国庫)を分離する先鞭を付けた。
 オランダ国王はその後、ホラント州議会の保証を裏付けとして公債を発行するようになった。
 イギリスはオレンジ公ウィリアムの時代に、このホラント州の制度を導入、国債の発行時に返済の裏付けとなる恒久的な税を創設するようになった。
 名誉革命と権利章典により、議会が国庫と課税を管理し、王は議会の同意なしに課税も国庫からの支出も行えなくなった。イギリス議会はコンソル債とよばれる単一の国債に既に発行済みの複数の公債を一元化し、金利の安定化と流動性の確保に務めた。それにより、コンソル債は欧州で最も低リスクな債券として信用され、各国の国債ベンチマークとなった。
 この過程で、イングランド銀行は国家の歳出・歳入口座をもつ唯一の銀行、すなわち中央銀行としての地位を確立 するのである。
 
 もちろん、国債をどのように王と切り離しても、国家 (政府) とは切り離せない。
 破産したことがない政府として知られるアメリカも、1800年代はモルガンの援助がなければ破産していたし、二次大戦時も、硫黄島のヒーローを仕立てたプロモーション (映画 『硫黄島からの手紙−父親たちの星条旗』 でも描かれた) が失敗し、国債がさばけなかったとすれば、日本政府よりも先に破産していた可能性がある。
 
 日本国債の場合、政府からシンジケート団が引き受けるか(この方式は平成17年度末に廃止)、入札方式により銀行・証券会社・生損保等の金融機関が購入し、これがその他の機関投資家や個人に販売されたり、財投債という形で郵貯・簡保・年金資金運用基金に引き受けてもらう、というシステムである。流通においては、通常の売買、レポ・現先といった貸借取引の他、日銀によるオペレーションも大きな役割を担っている。
 最近では、短期市場の支配者としても君臨し始めた欧州系大手ヘッジファンドなどが、大手プレイヤーとなりつつある。
 
 これ以降の内容は口頭で。だって怒られちゃうもん。


2006年04月04日

メディアの明日 - 3 <テレビと新聞のニュースが死ぬ日>

60159a8b.jpg 「ブログは新聞を殺すのか」……ニューズウィーク誌 3月15日号の カバー・ストーリー である。そして翌週の 同誌 (3月22日号) カバーは、「ネットはテレビを殺すか」 というものだった。最近多くのメディアが、「メディアの再編成」 を みずから特集している。
 
 結論から言えば、
 1. ブログは、テレビや新聞のニュースを確実に 殺す。
 2. インターネットはテレビを殺さない。
 
 まず先に 2.
 
 これを読む読者や我々は、ネオ・リベラリズム(世界の自由化・規制撤廃を求める 純粋右翼主義) の旗手であり、同志たちによる ここ数年の、めざましい成果に満足すると同時に、「ここで 敵対者の心の根まで へし折っておきたい」 と考えているハズだ。
 
 ネオ・リベラリズムの妖怪が、世界を徘徊している。
  /『ル・モンド・ディプロマティク』誌のカバー・ストーリー
 
 資本の完全なる 自由化 と 規制撤廃 を求め、世界を 自由市場 にすることを目的とした 「ネオ・リベラリズム」 は、新しい 「世界資本市場」 の形成を目指す 革命的思想 だ。
 ある国民国家は解体され、そこの国民は脱国民化するかもしれない。つまり その国の国民ではない 「地球民」 となる。
  /柴山哲也 (元朝日新聞記者、元米国立シンクタンク研究員)
 
 我々ネオ・リベラリスト側についたのは フォックス系の弱小ニュース局ぐらいであり、メディアの大半は驚くほど露骨に、世界中で、我々の敵対者となった。
 にも関わらず、我々ネオ・リベラリストは 1990年代のように相手を力でねじ伏せるだけでなく、しっかりと議席を獲得し、先進国の ほぼ すべての内閣 を支配している。世界最大の政府 であるブッシュ政権 にしても、個別の場面では保守派の価値観を守りながらも、経済政策では 完全にネオ・リベラリストの言いなり である。
 既存メディアを敵に回してなお、我々の側が あらゆる地域の選挙に勝つ状況 が示唆するように、人々がいかに 新聞やテレビを信用しなくなっているのか、という事実を、浮き彫りにしている。
  日本でも、郵政選挙での執行部圧勝には 様々な政治学的側面があったものの、「新聞やテレビは色々言うけど、現実論では……」 という感じで、今回は(珍しく)、国民与論も確実に マスコミのバイアスの逆に動いていた。与論が我々を支持する、という 「異様な」 感覚の中で、我々は戦局を見守った。
 
 メディア界は今、まるで総合格闘技ルールで 戦っているかのようだ。
 総合格闘技では、よほど苦手な分野がない限り、相手が 打撃で仕掛けてくれば、タックルで崩してサブミッションで 関節の破壊を狙うか、頚動脈を絞めて 失神を狙いにいく。相手がタックルにくれば、それを切って打撃で 脳震盪を狙いにいく。
 これは 戦争の掟でもある。どんなに強力な 大和型の戦艦も、航空機の編隊に襲われれば ひとたまりもない。しかし 航空機を載せる空母は、戦艦どころか、小さな駆逐艦と遭遇しただけで 撃沈される。空母も戦艦も 潜水艦に狙われるが、潜水艦は浮上したら 機関銃を2〜3丁装備した漁船に白旗をあげる。陸上のすべての兵器は、海から、戦艦の艦砲射撃を46冕い膿らえば無力。ただし戦艦は 莫大な燃料と数千人分の食料を必要とし、歩兵に持久戦を挑まれれば 黙って後方へ帰るしかない。
 メディア界では、新聞は雑誌化・ブログ化し、ネットはテレビ化し、テレビはブログ化している。
 2003年度のワールド・プレス・トレンドの調査では、アメリカで発行される新聞は1456紙 にものぼり、それらの新聞を大手メディア・グループが効果的に配布する。ニーズごとに細かく発行される新聞は表紙のない雑誌だ。
 雑誌的な新聞が志向され、アメリカ最大の新聞社であるガネット・グループの総合発行部数のうち、最大の新聞である 『USAトゥデイ』 が占める割合は35%に過ぎない。2位のトリュビューン・グループの最大新聞 『シカゴ・トリュビューン』 も、世界の20位にすら入らない。3位のナイト・リッダーの主力紙 『(フィラデルフィア)デイリー・ニュース』 は、アナリストに廃刊を勧められている。雑誌化を遅らせた新聞は衰退をたどる一方である。
 その雑誌界にしても、イギリス、フランス、日本、ドイツ、イタリア、ロシア、スイス、カナダで最大の発行部数を誇る 雑誌 は、今やなんと、テレビガイドである。世界のほとんどの主要国で、最も売れている雑誌はテレビに関するコメント・紹介雑誌なのである。
 各メディア界の境界や規制はかつての金融界と同様に、消えつつあるのだ。
 
 いずれにせよ 最強兵器はブログだが、ブログが ネット界のみの武器であった時代は終わった。放送形式や発行形式に関わりなく、あらゆるコンテンツが、あらゆるメディアで報道されるようになったからこそ、インターネットはテレビを殺せないのである。いずれ多くのテレビ番組や新聞紙面が、「ブログの公開部門」となるだろう。
 ブログは 総合格闘技で言う パンチだ。グラウンドになれば、キックの威力は軽い嫌がらせ程度でしかないが、三角筋、広背筋、大円筋を使えるパンチは、座った状態からでも、それほど破壊力が落ちない。相手はフットワークを使えないから、かえって立っている状態より、脳震盪のリスクは高まるというワケだ。ブログはあらゆるメディアに対応能力を持ち、あらゆる方向性を、自動的に模索する。
 リアルタイムでニュースを報じるブログだけでなく、映画のように リピート需要を形成(テレビは通常15%程度しか同じコンテンツを再利用できていないが、映画界は300パーセント前後再利用できている)するようなブログも、出現している。
 
 こうした傾向を、ブン屋やテレビマンたちが捉えていれば、テレビはネットに殺されないで済む。往年の大女優のように、自分たちの役割が変化していることに気付き、主役を降りる覚悟さえあれば、だ。
 もちろん、ブン屋やテレビマンたちが、そうしたことを完全に把握し、完璧に対策を練っていても、報道ニュースなどの特定分野は急速にネットへ傾倒していく。
 2005年5月31日。この日 発売された『バニティ・フェア』は、ニクソン大統領の ウォーターゲート事件で使われた匿名情報源 「ディープスロート」 の正体を明かす記事を掲載しており、それが事実であるのかどうか という返答を、ワシントン・ポスト は迫られていた。33年間 封印されていた秘密 が明かされるのかどうか、ポストの返答に世界が釘付けとなった。
 
  とにかく興奮したよ。
     /ジム・ブレーディー (ワシントン・ポスト・インタラクティブ副社長)
 
 『ポスト』はなんと、紙面よりも早く、ネット上で、記事が事実であることを認めたのである。「ボブ・ウッドワード記者(当時、ディープスロートから情報提供を受けた本人)が、それを認めた」、とポストはネット上で報じた。
 
 ニュースペーパー・アソシエイションによると、アメリカの新聞(日刊紙)の統計発行部数は 1985年の6277万部をピークに 歯止めなく減少を続けている。しかも、読者の高齢化が進み、いまや新聞しか読まないヘビーユーザーの大半が、デジタル機器に弱い老人だ。
 ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポスト、ウォールストリート・ジャーナルのような新聞が さえない中、ウォールストリート・ジャーナルは 部数を飛躍的に伸ばしている。結局、「株式欄以外のニュースは紙じゃなくていい」 という我々の潜在意識が、統計に表れているわけだ。しかも、プリンタの低価格化が進めば、ネットの記事はいつでも紙にできる。最後の砦と思われている株式欄さえ、いつの間にか征服されているかもしれない。
 ヨーロッパで発行部数を急拡大する、『メトロ』や『20ミニュット』といった無料新聞(フリーペーパー)も、それらの動きに拍車をかけている。
 気付いたら、すべての新聞が無料新聞となっている可能性もある。
 
 もっと厳しいのはテレビである。一定の購読料収入などでコストをまかなえる 新聞や雑誌と違い、収入のすべてを広告に依存するテレビは、コンテンツ制作を 番組製作会社やCM製作会社、局本体などに分けていながら、それらをセットで視聴者に提供し、広告収入は別の企業体などから受け取っている (しかも広告会社を仲介して)。このようなビジネス・モデルが、今後通用し続けるはずはない。
 情報操作が、国際政治・国際ビジネスにおいて重要なことは解っている。国連でフランス代表に送られた熱烈な拍手は、確かにCNNによってカットされた。だからといって、根に持って国際ニュースを国費で作り始めたフランスは、本当に政治的な成果を出せるだろうか?
 米CNNや英BBCですら、国際ニュース部門は年間数十億円の赤字なのに? BBC国際ニュース部門の年間赤字だけで、日本のNHK国際ニュース部門の年間総経費に匹敵する。CNNは数字を公開していないが、赤字額はBBC以上と言われている。世界最強のTV局である彼らですら、この有様だ。いずれ、国際ニュースはブログのみで見て、テレビは バラエティとスポーツだけを、バック・ミュージック的に流す役割に なるかもしれない。
 第一、フランスには、英米のように、赤字を押してでも国際情報を操作しようとするスポンサーがいるのか?
 むしろ、高額の契約料を払わなければ読めない、同じフランス系の高級雑誌に倣って、「有料放送」をこそ、彼らは目指すべきではないだろうか。思えば、武器ロビーの完全支配下にあったフランス・メディアから独立した情報ソースを求めて、ル・モンドと読者・編集部が出資して『ル・モンド・ディプロマティック』が作られ、それにすら飽き足らない市場は「ザ・ヴォイス」や「ペルセピオン」、「ル・モンド・ノワール」といった、メディア・コンプレックスの怪物たち(シンクタンクや討論会・有識者会議を兼ねた存在)を生み出していったのだった。今ではフランスはかつての逆、つまり 「真実が最も入手しやすい国」 となっている。
 
 高度な情報入手ルートを持たず、もし入手できても、報道することは許されていないテレビ局や新聞社が、国家や大企業の利権が絡む、重要な国際ニュースを報道しようなんて、始めから 考え方がおかしい。
      /『ル・モンド・ノワール』社説
 
 ニールセン・メディア・リサーチによると、平日夕方のテレビ・ニュース視聴率は、80年代には、3大ニュース局(NBS、CBS、ABC)で 「最低」でも10%を切る局がなかったのに、今では「最高」でも7%台を下回る。
 悪あがき的に、テレビ局は、自分の持てる人材と技術資産を駆使してネット・メディアに生き残りを賭けている。
 ABCは2004年にネットを利用した「ABCニュース・ナウ」を開始、2005年にはCNNがネット向けライブ・ニュース・チャンネルを開始したが、これらの試みはいずれも、まったく成功するとは思えない。彼らには、テレビ以外のメディア媒体に関する技術的蓄積がないのだ。
 日本の大手民放はそれ以上に、馬鹿げた挑戦を準備中であり、テレビ画面でインターネットを利用できるようにするのだと言う。逆なら分かるが、あんな大きな画面で、ノートパソコンと競争するのだろうか?
 それ以前に、技術的な部分で、特にテレビ局が得意とするキラー・コンテンツの映像流通にインターネットが弱いことは周知であり、広告・ソフト面も弱い。
 TBS、フジ、テレ朝が共同設立したトレソーラ(動画配信会社)が人気ドラマなどをイベント配信した時も、事業化を早期断念するしかない極端な不振であった。ちなみにトレソーラ(今も存在するかは知らない)の社長だった原田氏(TBS執行役員メディア推進局長)自身、インターネットが映像コンテンツの流通に弱いことを認めていた。
 テレビ局のこのような不甲斐なさは、広告主が直接メディア界に参入するという事態を招いている。これまで広告主であったP&Gが 自社直営で「ホームメイド・シンプル」というオンライン雑誌を運営、コカ・コーラも自社で「マイコークミュージック(www.mycokemusic.com)」という音楽ダウンロード・サイトを運営し始めた。
 
 クライアントとメディアと広告会社を隔てるバリュー・チェーンの境界線は消えつつある。
       /ランドール・ローゼンバーグ(広告アナリスト)
 
 そんな連中よりもずっと重要なのは、世界最大 (というより 「すべて」 と言ってもいい) の検索サイトである グーグル の存在である。いまのところグーグルは独占禁止法の作動を恐れて多くを語らないが、その立場はかつてのマイクロソフト(コンピュータ・ソフト)、ロックフェラー(石油)、AT&T(電話回線)、グラマン(航空管制システム)以上に、「無敵の状態」である。ネット会の弱者集団であるマイクロソフトやYahooが定石通りに手を組んだとしても、まったくライバルにはならない。
 グーグルは他人に 「選んでもらうコツ」 に通じた彼らならではの理論で、最強の男たちと水面下で 「白騎士」 「黒騎士」 契約を取り付け、アマゾンと同様、株主やホワイトナイトを大手ヘッジファンドの系列で固めている。
 技術買収やM&Aにおける騎士たちの支援は絶大だった。資本規模からは想像できない工作を続ける背景には、強力なナイトたちの顔ぶれがあった。例えばAOLはワーナーの完全子会社と思われているが、グーグルは昨年末AOLの大株主となっている。これによってAOLのコンテンツをGoogleのWebクローラーがよりアクセスしやすいようにできるほか、動画検索においても協力を迫られるのは必至。AOLのプレミアム動画サービスをGoogleVideo内で展示することも可能だ。さらに水面下でアメリカの衛星テレビ放送大手のエコスター・コミュニケーションなどと急接近、テレビ広告の仲介事業に参入すべく着々と効果的な提携を準備中だ。こうして、インターネット、新聞、ラジオ、テレビ、つまり主要媒体すべてに広告を配信する体制が整う。彼らは満を持して2006年1月。ラジオ広告会社を買収した。みずからの手で広告し、自らの手でニュースを報道できる体制を、着々と進めている可能性がある。
 最も侵食がj簡単なのはテレビだろう。彼らはインターネット広告で培ったノウハウを活用し、競売方式で広告枠を販売するかもしれない。
 だとすればテレビ広告のシステムそのものが完全に崩壊する。広告主は放送地域や番組名などを特定して競売に参加し、最も高い広告単価を提示した企業が広告枠を取得するシステムが、未来の広告システムとなる。視聴回数の計測には、衛星放送の加入者宅に設置された受信装置が使用されるだろう。広告主に視聴回数など広告効果を報告し、広告料を、広告仲介会社や番組供給会社と分け合う未来が、はっきりと見えるではないか。
 
 私たちのサイトを訪れた人々を、いかに素早く、的確に、目的の場所へ辿り着かせるか。それ以外のことに関心はないよ。
     /ネイサン・ストール(グーグルニュースのプロダクト・マネージャー)
 
 Googleが、みずからの手でニュースを報じようとしても、どうして驚くことかね?
        /メリル・ブラウン(メディア・コンサルタント)
 
 Googleの株主や騎士たちの顔ぶれを見れば、Googleが30文字以上の社名のアンシュタルトでないことに驚きを感じるわ。逆に、いつGoogleがクレディ・スイスやUBSのような事態になっても、つまりBZやD&F、D・B、G&Oの幹部たちが実名で株主になっても、わたしは、いえ世間だって、少しも驚かないんじゃない?
        /ダリル・コナー(『ル・モンド・ノワール』コラムニスト)
 
 結局のところ、通信業者(携帯電話会社、テレビ局、プロバイダー業者)にとっても、「コンテンツ(メディア媒体を通じて伝えられる作品。映画、音楽、小説、スポーツの試合、バラエティ、ニュース)」 提供業者にとっても、最も重要なのは「アルゴリズム(言語選択習性)」だ。特に、国際ニュースや検索サービスといった世界的なビッグ・ビジネスに、この傾向が顕著である。
 グーグルはニューサウスウェールズ大学(オーストラリア)の学生が開発したテキスト検索技術Orionを買収し、その開発者を登用してOrion開発プロジェクトを進めている。昨年9月のプレスリリースでは「Orionは検索サービスを補完するために設計されている」というだけだったが、このエンジンは重要な武器となる。通常の検索エンジンは検索キーワードを含むWebページを抽出するが、Orionは検索キーワードと関連性の高いトピックを持つコンテンツを特定、ページのセクション単位で検索結果を返す。また、検索キーワードに関連するトピックもリスト表示する。この技術により、ユーザーは検索エンジンから個々のWebページにアクセスしなくても情報が取得できるようになるという。
 恐らく2011年頃には、特殊なアルゴリズムを用い、サイトやブログ、ブログのコメントなどを抽出してそれを新たな記事にするというロボットを、現在の検索ロボットと同様に、完成させてしまうのではないか。
 そして、もう一人の独占者であるアマゾンのベゾフ会長の思考回路はどうだろう。ヘッジファンド・グループに勤務した経験を持ち、ヘッジファンドやインベストメントバンクのM&Aスタッフに強力なコネクションを持つベゾフ会長は、自分たちが持つ独占的分野と、グーグルが持つ 「検索」 などの独占的な分野を提携すれば、夢の (あるいは恐怖の)「進化型パーソナライズ情報構築網」の形成を、2016年頃には期待できるとのグランド・ストラテジーがないだろうか? そしてそのためには2009年までに……。
 
 私の悪いクセが出てしまった。 「過去からの狙撃手」 は、気軽に未来を撃ってはならないのだ。……ゆるして♡
 
新型ブログの蹂躙! そして 1.
 
 驚異的に勢力拡大するブログが、マスコミのルールを根底から変えつつある。
       /ニューズウィーク誌
 
 ブログが、ニューヨークタイムズのような大手メディアと対抗できるようになったのは重大な変化だ。
   /ジェフ・ジャービス(メディア企業オーナー)
 
 ブログはその破壊力を、既存メディアに赤っ恥をかかせる形で示し続けている。
   /ニューズウィーク誌
 
 法律的には 日記 であるために 報道規制 を受けない ブログ が、テレビ・ニュース や 新聞 を殺すのは、まさに 時間の問題 である。 
 
 2004年9月。CBSがブッシュ大統領の軍歴詐称疑惑を報じた際、その証拠となったメモが 「ガセ」 であることを ある強力ブログが ブログ上で立証・責任追及し、看板キャスターのダン・ラザーをプライムタイムのニュース番組から降板させる。
 2005年2月。CNNのニュース部門最高責任者のイーソン・ジョーダンは、世界経済フォーラムでの失言を、ある強力ブログによって執拗に追求・非難され、辞任に追いやられた。この発言は非公開の場でのもので、しかも軽口的な内容だっただけに、強力ブログの破壊力をまざまざと見せ付けられる結果となった。同じように、攻撃的な強力ブログの「スモーキング・ガン(www.thesmokinggun.com)」も、些細なウソを追求して人気トークショー司会者のオプラ・ウィンフリーを謝罪させたりしている。
 2005年3月。ホワイトハウスの定例記者会見 に、ついに、強力ブログ「フィッシュボウルDC(www.mediabistro.com/fishbowldc/)」の運営者、ギャレット・グラフが出席した。記者証申請の段階からホワイトハウスはおびえまくり、大手メディアの担当記者が数多く所属するホワイトハウス特派員協会に相談、記者証を発行した。グラフは5回ほどホワイトハウスを訪れたが、「退屈だな。記者発表はラジオで充分」 と一蹴、もうホワイトハウスには行かないと言う。
 
 30年前にブログが存在していたら、ディープスロートの正体はとっくに彼らの手で明らかにされていただろう。
    /ニューズウィーク誌
 
 アメリカはおそらく、世界で最も自由な国だ。言論統制など どこにもない。
  だが、大衆心理は簡単に動かせる。彼らを テレビの前に座らせ、スポーツや コメディや 暴力映画を見せておいて、時々、ただし繰り返し、誘導したい方向にニュースやメッセージを 流せばいいだけだ。
 反面で、そうした事を知ってしまっている人間には、なんの効力もない。
    /エイブラム・ノーム・チョムスキー(マサチューセッツ工科大学教授)
 
 1961年、ニューヨークタイムズが、ケネディ大統領の要請でキューバ侵攻作戦に関するスクープ記事の掲載を見送ったことは、広く知られている。2004年にピュー・リサーチ(シンクタンク)が行なった調査では、アメリカで 「新聞やテレビのニュースが信用できる」 と答えたのは たった9%だった。
 アメリカですらそうなのだから、日本やイタリアといった情報後進国 (闇社会の人間が正体を隠さずに生活できている理由でもある) では もっと、テレビや新聞の信頼がない。
 TBSでキャスターだった田英夫は例の 「ハノイ・レポート(反米論調)」 で自民党にクレームをつけられて降板させられたワケだし、日テレが制作した 「南ベトナム海兵大隊戦記」 は、第一部が放映された後に自民党からクレームがつけられ、以降が放映停止となった。
 イタリアのメディアは イラク戦争をめぐり、テレビ局8局(公共3社、民営5社)のうち7局までが 完全なアメリカ寄りに 「宣伝」 活動を繰り返す一方、大手新聞の 『イル・コリエル・デラ・サラ』、『ラ・スタンパ』、『レ・パブリカ』は、いずれも反戦一色で、互いのオーナーの利権と意向を宣伝しあった。
 オセアニア (オーストラリアのニューズ・コーポ) のルパート・マードックと、アメリカ (CNN) のテッド・ターナーが 「TVメディアの覇権」 を争う様子は 世界中に報道されたが、戦う相手に有利な報道をする会社など、有り得ない。
 
 人々の、リアルディール(正真正銘の本物を示す諜報世界の隠語。反対語で一般世界をワンダーランドと呼ぶ)の情報を渇望するスタンスは、いまや爆発寸前にエスカレートしている。
 高級雑誌、高級メルマガはもはや、株や穀物の世界だけの ものではない。
 2003年3月に 『ル・ヌーブル・オプセンドール』 が、「ブッシュとシラク、離婚確実」 と報じたことは その後のヨーロッパの政局や米仏関係を決定づけ、「ザ・ヴォイス」 や 「ペルセピオン」は大手ダークサイド・ヘッジファンドの生態に 鋭く切り込む。ちなみに 『ル・ヌーブル・オプセンドール』 はイラク戦争当時、各国政府をマトリックス的に採点していて、その中で日本について、「唯一アメリカを支持した国。ただし国民は戦争に反対した」 と的確で明快な説明をしているのが印象的だ。
 そして これらの高級誌が 「日記」 である ブログ にリークしている場合、面白くないハズが ないではないか。
 
 ブログが真に怪物化する時とは、我々がそれを手掛けた時さ。
    /ザ・リアル・ボーディ(「ザ・ヴォイス」コラムニスト)
 
 NBCニュースの副社長マーク・ルカシェビクスは、「わが社の経営陣の一人は、自分たちの仕事はTVニュースを作ることだと考えるのは、もうやめようと言っている」  と語る。
 実際、NBCを代表するニュース番組 「ナイトリー・ニュース」 の看板キャスターであるブライアン・ウィリアムズみずからが、ブログを執筆しているのだ(http://dailynightly.msnbc.com/)。
 ニューヨーク・タイムズのニーセンホルツは、「ブログにはイラク戦争を取材したり、役人の腐敗を追及したりする組織力や資金力がない? なるほど。じゃあ、そうしたものを持つブログが現れたら?」 と 既存メディアに警告する。
 いまや、マンハッタンに通勤するモントクレアやブルームフィールド、グレンリッジの人たちが最も信頼するニュースは、元ニューヨークタイムズのコラムニスト、デビー・ギャラントが2004年の5月に開設したブログ 「バリスタネット(www.baristanet.com)」 のニュースであり、テネシー州ナッシュビルのテレビ局WKRNの総支配人マイク・セクリストは、地元の強力ブログ運営者であるブリトニー・ギルバートに、テレビ局直系サイトの運営を一任、他局を おびやかしている。
 全米最大手クラスの新聞、(フィラデルフィア)デイリー・ニュース紙は、「瀕死の状態」とアナリストにレッテルを貼られているが、先月(2006年2月)の12日、同紙オンライン版エディターのバンス・ラムキュールが 日曜の数時間のヒマに、「ディック・チェイニーとウズラ狩り」というゲーム的サイトを作ると、木曜日までにアクセスが20万件を越えた。
 同紙シニア・ライターのウィリアム・バンチは、「80年の歴史を持つこのタブロイド紙は、生きるか死ぬかの瀬戸際だ。人員削減で空いた机が目立つ編集部は、まるで中性子爆弾でも落ちた後みたいだよ」 と語るが、1年前にスタートした自分のブログ(www.pnionline.com/dnblog/attytood/) が早くも 1日に約1万件のアクセスとなっており、親会社のナイト・リダーを、臆することなく 過激に攻撃する。
 
 情報レベルだけの問題ではない。
 新聞やテレビに出る程度の情報であれば、少しぐらい情報が伝わるのが遅くても、構わないはずだ。同じニュースソース (情報源) でも、よりシュールな視点で、卓越した角度と独自のアルゴリズムで切り込み、そして血沸き踊る文体と技巧的文法テクニックで語りかけてくる、「新型の爆弾ブログ」 がある場合、そうでもない新聞やテレビが、勝てる道理はない。
 
 書き手が匿名のまま一大ムーブメントとなった「TVニューザー(www.mediabistro.com/tvnewser/)」にしてもそうだが、今、最も人気のあるサイトの多くは 「ニュース・アグリゲーター」 と呼ばれるサイトだ。独自の視点でブログや新聞、雑誌からニュース記事を集め、トピック整理したサイトである。
 こうした流れに いつまでも逆らうのは、既存メディアにとっても得策ではない。特に アメリカにおいては、得策でない手法を経営者が続行すれば、株主たちによって経営者はクビにされる。
 ニューヨークタイムズは、新聞そのものにブログ機能を取り入れ、「セレクト」という有料会員がコラムの意見を書き込めるようにした。
 ワシントン・ポストも新聞にブログ機能を取り入れ、一部のコラムニストのコラムを連載ブログ形式にし、読者からのコメントなどにも返答する。そして2005年1月には最初のブログを開設、いまや自社のサイトに30本のブログを運営する。
 いまやシカゴ・トリビューンやLAタイムズも、コラム欄とは別に公式ブログを運営しているのである。
 
 私の このブログと同様、ブログの読者が、株主のように強力なシンパとなって運営者と共同体を形成する部分も、ブログが他のメディアと違う部分だ。IT関連ニュースを扱う「ディグ(www.digg.com/)」などは、どの記事を先に掲載するかを、読者の投票で決める。
 
 先月(2006年3月)NBCは、登録者が1500万人を越える有力サイト、「i ビrッジ」を6億ドル (約700億円) で買収した。
 昨年10月には、AOLがウェブログズ(複数のブログを運営)を買っており、7月には世界最大のメディア・グループである オセアニア (オーストラリア) のニューズ・コーポが、5億8000万ドルで 「マイ・スペース(登録者2000万人以上)」 を買収した。
 NBCはその 「マイ・スペース(ティーンに強い)」 を、ニュース番組の中で  「テクノロジーに弱い両親が知らない、サイバー上のティーンの秘密空間となっている」 と紹介し、多くの学校が、ファイアー・ウォールでアクセス遮断措置を進める。だが 「テクノロジーに強い」 ティーンにとって 「空き地のロープ」 程度の存在でしかないのではないか。
 冒頭文で言葉を拝借させてもらったジェフ・ジャービスは、自らのブログ 「バズ・マシーン(www.buzzmachine.com)」 で、「メディア論」そのものを 高らかに発信し、メディア企業の戦略を指南する(このページのように)。
 もはや 新型の爆弾ブログと、それを取り巻くムーブメントは、かつて 我々が起こしてきた数々のムーブメント同様に、すべてを吹き飛ばすように設計されている。
 
 我々は、既存メディアのニュースを殺し、その功罪を、子供のように一切省みることなく、「現在」 と、「明日」 を、模索する!
 破壊の影に出現する 弊害と、数々の憎悪、そして反論を、力づくでねじ伏せ、我々の哲学とフォースを、提示するのだ!
 
※この部分に入っていた、石油・穀物・債券・為替・貴金属などの推奨ポジションは、http://blog.goo.ne.jp/breguet_dd/e/4b76dc046bb2dc0c74f17e58b3bcb20dに移動しました。
 
 また、今回の投稿分を参考に、ブログやwiki、テレビのクロスパワーについて議論すべきだ。株式会社化する必要は無く、無限責任会社形式で手がけるべき分野であろう。
 
 株式会社化、ミューチュアル・ファンド化、カントリー・ファンド化すべき業務に関しては個別で質問を受け付けるが、忙しいので返答確率は約2%と覚悟し給え。


2006年01月15日

神々の煙の中で  <騎士たちのデジャ・ヴ>

 グラス密約書・2
グラス その日、 歴史的な集中度で、ヘッジファンドの流れを汲むインベストメントバンカーたち が名古屋のS氏自宅に集結していた。多くは 私の配下の騎士か弟子だ。
 私はその濃密な時間と空間を、空(札幌→広島)で回想していた。日本の空は、空想以外に何もできない。
 私の配下の騎士は人に 「最近のDはどこにいることが多いんです?」  と聞かれると、こう答えているらしい。「だいたい空だね。地上に降りてくることは滅多にないよ」。
 最初は笑っていたが、最近では 「当たっているかも」、と思う。
 
 男たちは平均14社のデスク・ドローアー(トンネル会社) を経由し、あらゆる国家の法律で舎弟関係でないことを証明できる企業支配システム を構築、どんな行政単位にも報告義務のないインフォーマル組織 を求心力としている。
  株式会社、有限会社、ミューチュアルファンド、アンシュタルト、財団、シンクタンク、第三セクター、ヘッジファンド、カントリーファンド 、といった多彩な法人格 を駆使するだけでなく、英語や日本語の 「訳語」 すらない 各国の特殊法人格 や、超高度デリバティブ による ほとんど 「哲学的」 と言ってもいいほど複雑な権利機構 を、背筋が凍るような精密さ で組み合わせて 1匹の恐竜のように機能させていく。それでいながら鋼鉄の結束を誇り、一般の単独企業1社の1部署よりも 迅速な意思決定速度 をあわせ持っているのだ。
 
 一連のトンネル過程で 国境を平均2回またぎ、目的に応じて 最適な企業国籍が選択される。介在する ダミーのレジェンド (個人履歴)  は迷彩のように男たちをカモフラージュし、無数のコールセンターを経由して取引・指令の執行 が行なわれるのである。それはまさに ザ・ヴォイスの称する所の 「暗闇からの狙撃」。
 そのような、音速のスピードの中で 精密射撃を繰り返すことを日常とする、能力と野心に満ち溢れた男たちが、プレスに付けられた「ハゲタカ」の名に恥じない貪欲な利権を主張しあう頼もしい姿を、私は ガラス張りの別室で傍観していた……会議は踊る。
 
 その日、葉巻の世界中で 「神々のシガー」 と崇められる ラ・インペラオーサ、セヴァンスィック・クバーナ、ホヨーデュモントレー・レガーリアが、一同に会していた。世界の権力と資本が集中する シカゴであれ、ケイマンであれ、こうしたシチュエーションは考えられないほど、「神々のシガー」 のルートは限りなく限定的である にも関わらず、そこには神々が静かに、確実に 横たわっていた。彼ら神 は、どれだけの資金を積もうが、自分の認め得る研鑽された騎士 にしか、自分を与えたりしない。その神々が、そこにいる選ばれし騎士たち を確かに認め、自分を与えようというのだ。
 先行して 「神の香り」 が充満していたガラス張りの部屋 を私が開放した瞬間……あらゆる「踊り(ゲーム)」は 止まった。
 
 如何に若い葉であろうとも1本1000ドル(十数万円)を切ることのない 「神々のシガー」 は、その きめ細かい深遠な煙の粒子 の中に、歴史と物語を内封し、騎士たちに 壮大なビジョンを描かせるに充分な 何かを語りかける。コカインですらシンジケートはなくなっているこの時代に、ダイヤモンドと高級シガーはいまだシンジケート管理だ。どれだけ資金だけあってもルートと顔がなければ入手できない。それぞれの騎士たちは、世界で最も危険で崇高な香りの中で、配下の傭兵ディーラーたちと作戦手順を無言で再確認しあい、重大な使命 に立ち返る。
 男たちは その使命の崇高さを思い知り、それぞれの使命を想い、静かに黙想を始めた。神々の煙の中で まぶたを閉じれば、そこにはいつでも誰でも、孤独を用意できる。その逃げられない真実の世界の中で、男たちは物事の本質を探る。それは崇高な儀式のようなものだ。

19ad674d.(←写真は ジョニー・トリオ。 アル・カポネ の ボス として知られ、『ル・モンド・ノワール』 は 「思想的歴史の浅い アメリカ において、彼こそが最初の 黒幕 であった」  と論ずる。 誤解 されることが多いが、カポネ も トリオ も、シチリア の 「マフィア」 ではなく、ナポリ の 「カモッラ」 だ。今も残るシカゴのバー「グリーン・ミル」では、カポネがクバーナの癸垢鵬个鬚箸發靴申峇屐△匹鵑紛覆流れていても中断し、ラプソディー・イン・ブルーに切り替わった)

 ジョニー・トリオに仕込まれて、オレはジャズとシガーの虜(とりこ)になったのさ。 高級シガーの味? おまえは知らなくていい。 オレの吸う分が、一本減っちまうからな。そこがジャズとは違う所さ。
   /アル・カポネ(カモッラのシカゴ統括責任者)
 
 忘れろって言ったって無理ね。昔、付き合っていた男性がいつも高級シガーを吸っていて、炎が灯った瞬間、独特の空間が出現するのよ。私は吸わないんだけど、とにかく今でも、その空間が恋しくなる。そこに居たことがある人にしか分からない、独特の空間よ。とにかく普通のシガーでは 出来ない、特別な空間。経験のある人以外には、説明できないわ。
   /リーナ・リッフェル(映画女優)
 
 彼らの組織形態は、諜報組織や中世の騎士団のそれに近い。横の連絡網はなく、すぐ近くの横の騎士に伝達を行う際でも、確実に一度、上に情報を持ち帰って正式な使命を待つ。もし、敵対国家と決定的に衝突して拘束されても、別の国家にいる、他の騎士が着々と仕事を遂行する。
 それでいて、騎士たちは自分と同程度の地位にある同門の騎士に対し、異常なまでのライバル心を燃やし、日々、そのポジションを奪おうと虎視眈々としている。競争はするが、互いのために「命を投げ出すのもいとわない」とも公言する。仕事以外でもライバル同士が交友関係を持ち、配布される秘密の文書や高級シガーが洗礼の役割を果たす。義兄弟のような関係なのである。まさに中世の騎士。
 その鋼鉄の信念を持つ中世の騎士が、我々には構造すら理解できない、未来から来たかのようなハイテク兵器(デリバティブ)を駆使する。それ以前に、彼らはしばしば利益を度外視した企業行動を選択することで知られ、目的や理念、価値観そのものすら理解不能である。そのような理由から、オペレーションが始まったら、その幻想的なゲームを語り継ぐ以外に、一般企業はすることがない。近年では、常に彼らの参入と共に一般企業が緊急避難、複数の騎士団同士のゲームとなることが多い。
   /ペルセピオン社説
 
 彼らが攻撃目標を破壊するまでの間、通貨当局であれ、司法当局であれ、ただ待つ以外に手はありませんよ。事が終わるのを待って、「防げませんでした」と国民に言うのです。国民は「彼らは儲け過ぎだ」などと言いますが、私に言わせれば、彼らと一般的な国民に与えられた条件や能力、意志の強さがまず不公平なのであって、結果だけ公平にしろというのも、「わがまま」 というものでしょう。
 例えば彼らの代名詞となっている高級シガー。その昔、彼らの関係筋から少しだけ、確かあれは8分の1ぐらいだったと思いますが、ラ・インペラオーサという伝説のシガーを吸わせてもらったことがあります。私は倒れ、その日はもう起き上がれませんでした。あれを一本まるごと吸ったら、おそらく死にますよ。
   /ブンデスバンク(独中央銀行)元幹部
 
 神々の香りの中で、「ゲーム」は、緩やかに再開した。
 だが、私は知っている。明日から始まる、それぞれの世俗にまみれた戦いの中で、戦士たちが、あの偉大な瞬間への崇拝を忘れることなど決してない、という事を。偉大な 「神の香り」 は、騎士たちが その魂を捧げた研鑽 に対し、余すことなく 正当な対価 を与え、戦いの決定的な場面 で彼らを救うのだ。
 そして、まるでそれらを証明する証拠のように、騎士たちはそれぞれの局面で、デジャ・ヴを感じる。
 ブランデーグラスの中から 騎士たちを見つめ返す年代物のD-ジョイスやレオポルド・グルメールが、マグマのように熱く重いボディ で、それらのことを 雄弁に語りかけていた。そして騎士たちは、永久に自分を裏切ることのない それらの盟友を、自分たちの肉体と魂に 迷うことなく同化させ、勇敢に、困難な 「明日」 を見つめる!
 いずれ必ず訪れる死 と、滅び行く命・肉体。それらの 限りある虚しい宿命の中で、それらとは違う何か を、見つけ出すのだ!


2039年と、1939年....黄色作戦と、二人のアドルフ <世界情勢真相>

 拙著“ロマンスの行方” で描いた 2000年以降の「石油を巡る冒険」 は、今後の半世紀、世界の枢軸となるだろう (ただし国際的には公開時期未定、永久封印の可能性も)。

 続いて我々は、半世紀ぶりに 世界が 回転している事実を認識しつつ、現代の世界体制 を決定した、1939年の 国際協定・多国籍企業協定 の内容を 検証する必要がある。
 
 1939年の世界情勢に係る機密文書は、多くが 「1990年代に公開」 とされていた。このシリーズで何度か公開してきた密使ダルレスと外相ハリファクスの会談内容 (英国側公式記録) もその一つ。だが、フタを開けてみれば封印されたままだ。そうなると 「2039年公開予定ファイル」 も、公開されない可能性を感じてしまう。
 実際、2039年の真実を隠蔽するためのプロパガンダ(宣伝工作)は、これまでにも充分な成果を収めている。例えば1993年夏、国立公文書館はそれまで非公開だった政府文書80万ページ以上を公開したが(主にケネディ暗殺資料)、内容は予想通り、マスコミや大衆が公開を期待していたディープなファイルではなく、驚くほどチープなファイルだった。当サイトの読者なら口をそろえてこう言うだろう。「あたりまえだろ!」。
 なぜ43年も前倒しでコア・ファイルを公開する必要がある?
 日本では、ディープ・ファイルを断片的に利用してアクション小説を書く落合信彦氏なども、アメリカにおけるエリア51の「UFO」と似た形で、プロパガンダの一翼を担った。
 「2039年の真実」 については、「2029年になるかも……」 という誤った認識の人がいるが、これは 「下院暗殺事件調査特別委員会による資料の公開」 が禁じられているのが2029年までのために生じている勘違いで、ウォレン委員会による調査関連記録や多くの重要資料公開は、やはり2039年まで禁じられている。
 
 「2039年の真実」以上にディープな「1939年ファイル」だけに、しっかりと当局が「紛失」するのだろう。忘れないうちに重要なポイントのみ、残存予定のこの記事URLhttp://blog.livedoor.jp/dd_freak/archives/50372105.htmlに残そう。
 
 1930年の今日(1月13日)、ドイツ・ヴァイマール共和国の大統領(極めて皇帝に近い役職)ヒンデンブルクは、11日にドイツ国会で可決された法律案、ヤング案を裁可(ヤング法成立)。
 ここにヤング体制が発足 する。
 翌1月14日、ドイツをさらに回転させる、重大な一連の暴力事件を利用したオペレーション(娼婦エルナの勤務態度を巡ってスタートする)が行われるのだが、こちらはすでに充分な角度から検証し尽した。ヤング案は、ドーズ案からすればドイツ側に極めて有利な条件で独外相シュトレーゼマンが勝ち取った外交上の進歩であるかのように、教科書には書いてある。確かに賠償金額は1320億マルクから358億マルクに引き下げられていたし、フランスのラインラント支配や国立銀行の連合国管理も撤廃されていた。だが、実際にはドーズ案には国際法上の抜け道が多く、いずれヴェルサイユ条約第231条撤廃が可能だとドイツの多国籍企業経営者は考えていて、条件はともかく、抜け道のないヤング案(賠償期間は1988年まで!)成立は、彼らを憤慨させる。
 しかも、この3ヶ月前の1ヶ月(つまり1929年の10月)は、まるでこの世の終わりの到来 のような1ヶ月だった。ヤング案の生みの親である前述のシュトレーゼマンが、ヤング案成立をみることなく他界(3日)、ドイツ実業界のやり場のない怒りは国内経済の動揺をさらにエスカレートさせる。24日にはニューヨーク証券取引所で1289万4650株という未曾有の売りが殺到、さらに翌日も、後にブラック・フライデー(暗黒の金曜日)と呼ばれる恐慌相場が世界を襲う。
 
 世界は瀕死の状態だった。
 
 そして黄色計画(ファル・ゲルプ)である。
 もちろん、ヨーロッパを見る際、その枢軸となった 第三帝国の黄色作戦(ゲルプ) だけでなく、ライバルである ロックフェラー・ロビー (現代でもアメリカ三大ロビーである オイル・ロビー) による『オレンジ計画』http://blog.goo.ne.jp/breguet_dd/e/be78019f4e56c42831352d83bc9c2b67を無視視しては いかなる検証も立ちゆかない。
 「1990年解禁予定」 とされていた資料ファイル に収められた、1939年9月28日の英外相ハリファクスと密使ダルレス会談 の英国側公式記録、また、何度かこのシリーズで公開してきた1939年9月29日の英首相チェンバレン と密使ダルレス会談 の英国側公式記録は、何者かの固い意志が いまだリークを止めているが、会談に同席した 英外務次官カドガンの日誌内容などから 独航空相ゲーリングと英陸軍参謀総長アイアンサンド大将 がオランダで会談する案 などが検討されたことが論証が可能だ。これらの材料 から我々が最も的確に知りたいのは アルマネンとロスチャイルドの空中協定 だったが、それについてはすでに検証し尽した。
 そもそも、この時期、下手すれば国際公文書で チャーチルより頻繁に登場する 「スウェーデンの謎の民間人ダルレス」 や 米側資料に登場する 「石油業者デイビス」 は、これら空中協定の可能性 がないなら、出現し得ない ネゴシエーター であり、逆に 空中協定の可能性が残される以上、彼らを通じての空中協定は、1928年のアクナキャリー城の密約 以来の外交上の進歩となるだけに、当時、あらゆる国際協定に優先した。
 そう。お分かりの通り、これまで当シリーズで公開・検証してきた「オレンジプラン」、「ファル・ゲルプ」の概要は、情報源がなくても論証で解明できていたはずなのである。現在の世界情勢やマーケットの真相を読み取ろうとする際も、情報などなくても論証法によってかなりの事実を獲得することが可能なのである(←負け犬のグチへの対処法)。
 この時期、アルマネン も ヒトラー も、等しく 黄色作戦(ファル・ゲルプ)  の成就こそを 至上の命題としており、そのための犠牲は 相応に払う覚悟があった。それは、彼らが 軍事上の圧倒的優勢を保持しつつも、ストラテジー面では 差をつめられ、短期間で 米国最大のロビーが 信じられない犠牲とスピードを以て『オレンジ計画』http://blog.goo.ne.jp/breguet_dd/e/be78019f4e56c42831352d83bc9c2b67  を成就しようとしていた事を 知っていたからだ。結果的に彼らが、この恐るべき意志とスピードによって成就した米国ロビーの『オレンジ計画』http://blog.goo.ne.jp/breguet_dd/e/be78019f4e56c42831352d83bc9c2b67 に敗北する事となるのは後の話だ。
  
 「1939ファイル」から読み取れる最も重要なことは、オペレーションにおける、ストラテジーの重要性である。例えば、戦争を遂行するのは、いつの時代も国力や生産力ではない。軍隊だ。そして、戦士たちのストラテジーを決定するストラテジスト (戦場なら「指揮官」) が、結果を最も左右する。
 もちろん小学校の教科書にあるように「最初から工業生産力が違っていたから」などといういい加減な事由ではなく、第二次大戦の趨勢は、日米戦はミッドウェー海戦、独ソ戦はスターリングラード攻防戦によって決定する。それらのいずれもが、ロックフェラー陣営による「オレンジプランの成就」による副産物だった。
  自国が侵略される中でさえ、決定的なストラテジーを 完成し得なかった ポーランドや 日本、フランスを思うと(日本などは陸軍と海軍の方向すら一致しなかった)、強力なロビー活動によって軍部・国会・産業界・科学会を従属させ、それぞれの角度を 同じ方向に向ける 「決定的なストラテジー」 を成就した 第三帝国と 米国ロックフェラー・ロビーが 世界の覇権を争うに到ったのは、自明の理というべきものだ。そして これらの偉大な ミッション・インポッシブル が、現代の企業闘争における オペレーション理論 の基本となり、学術対象となるのも、ごく自然であろう。
 世界を動かすのは人間であり、それを動かすのは 信念ある緻密な行動 である。そして その行動を支え、遂行させるのは、緻密で、かつ魅力的な プラン であり、オペレーション なのである。
 緻密なだけの計画に、戦士たちは命を懸けない。その計画が、魅力的で、命と魂を捧げるに足る 「物語」 でない限り、戦士は魂を捧げないのだ。「武士道 とは、死ぬことと見つけたり」 。個々のミッションの名前に 神話 までが駆使され、深遠な哲学や思想 が用意される。しかし この日記(←ここ強調ね)、どこまでやるの? ホントに。 オレンジと黄色は あんまり連載したくないなぁ。ルドルフちゃんに遠慮しちゃうよ。


世界情勢 - 6 〜「国家」の賞味期限〜

 

       

      (↑写真はミハエル・ホドルコフスキー受刑囚。背景はユーコスのロゴ。世界の弱者を蔑む不敵な笑みを浮かべ、視線の先には、地球の裏側でシンジゲートを確立しつつある同胞シクローフスキーを見ているのだろうか。3兆円以上の脱税容疑で起訴・投獄されるも、精力的に活動中である)

 現代の世界情勢を動かすのが、政治結社 (多くはフォーラムやシンクタンクの形を採る) や 多国籍企業グループ (財閥系か ヘッジファンド系)  であることは、すでにこの 『世界情勢』 カテゴリーで示してきた。90年代の前半に私が発布した 『インフォーマル組織論』 で示した通りのスケジュールで、「国境」 や 「国家」 の存在感は薄れつつある。
 アメリカ や スイス は元々が 「地域」 であり、各州で法律も違えば、言語まで違う。両国とも、最も多いのが ドイツ人であることは同じ であるが、そのルーツである ドイツ本国でも トルコ人 の割合が数十%に上っており、アメリカにおけるヒスパニック系は堂々と「不法移民規制法反対ーい!」とデモ行進を行っている(全員が「不法」なのに堂々と行進している)。そしてこの光景は世界に伝染、つまり先進国の現状が世界基準となりそうだ。
 日本のコンビニやファーストフード店はすでに中国人に占められている が、このペースでも「国際法に違反している」と糾弾されるほど受け入れルートは細い。これは、日本が 「アメリカやドイツほど豊かではない」 というレッテルのおかげで許されていたのだが、日本の単純労働の給料は間違いなく世界最高。それがバレ始めているわけで、言い訳やレッテルでは拒否できなくなるだろう。当サイトの 『ボーダーレス』 カテゴリーでも扱ってきたように、この動きは所得格差がある場合は加速しやすい性質を持つ。

 そんな中で、近年、ブッシュ政権の主要外交政策の達成能力にマスコミは何かと疑問符を付けている。だが実際には、「国家」 や 「国境」 の存在感がなくなる中で、イラクおよびアフガニスタンにおける目標達成、エネルギー問題、イスラム諸国との関係、不法移民問題……と、どんなスタッフだろうと決して解決できないジレンマを抱えながら、国家の枠を維持している方がスゴいのである。誰であろうと決して解決できない矛盾に囲まれて、消滅しつつある 「国境」 と 「国家」 を何とか維持しているのだから。
 彼らは、存在も意味もなくなりつつある 「国家」 というもので、「もう少し儲けたい」 程度に考えているのであろう。先進各国の政府の財政が救いようのない状況なのも、以上のような現実を理解すれば、不思議なことではない。

 「国家」に焦点を絞って今の世界情勢を見渡すと、強国はロシア、中国、インド、そしてアラブ・アフリカの大国ということになる。先に述べたように、ドイツ、アメリカ、日本は、多国籍企業を無数に所有するインフォーマル組織が各国の政府に効果的に人材を送っており、もはや国家ではない。
 国家として動くときも、基本的には「現在の世界体制・世界情勢を維持したいため」動いているに過ぎない。逆に考えれば、恵まれない者だけが国家や宗教を振りかざす。そして、ある程度の割合を単一民族が占めていなければ、近代国家の運営にはマイナスだ。
 
 これらの 「負の条件」 を備えたグループの中で、それなりのトップランナーである国が、国家としては最も繁栄するのである(物理的な意味でも精神的な意味でも、国民の豊かさとは別)。

 特に 通常軍事力(核以外)と資源を カード として切れるロシアは強力だ。世界情勢は、中国、インドをはじめとする新興地域の経済発展、さらにエネルギー非効率の残る新興地域が経済成長、頻発する地域紛争など、ロシアにとって、極めて好ましいものとなっている。
 こうした追い風による変化は、様々な数値変化で確認できる。91-98年の、年平均経済成長率は、-6.6%と大幅なマイナスであったが、その後の、99-05年では、同+6.7%と大幅なプラスへと転換している。また一人当たりGDPは、99年には、わずか1334ドルだったものが約4倍になっている。ちなみに日本は、3万ドル程度でほとんど変わっていない。外貨準備高の積み上がりも凄まじい。99年末には85億ドルだったものが、もう3000億ドルを超えたようだ。中国、日本に次ぐ、世界で3番目に外貨準備高の多い国となる。
 海外からの資金流入もエネルギー・卸小売を中心に直接投資資金流入が増加している。海外からの直接投資残高は、98年頃は対GDP比で僅か5%程度だったが、15%程度にまで上昇した。また、国内の設備投資に占める直接投資による割合は、98年までは平均4%程度だったが、99年以降は平均8%程度に上昇した。
 そして、以上の数字をすべて忘れさせるほど、株式市場はスゴい。RTS株価指数(95年9月1日=100、ドルベース)は、98年の金融危機後、98年10月5日、38.53まで急落したが、今では1500Pに迫っている。ダウの短期間での5千%上昇は、世界の近代史に残る動きである。
 98年の拙著 『Russian Roulette』 は、まさに、それ以後9年間の世界情勢と 「ロシア経済のテイク・オフ」 を克明に示した作品と言えよう。

 ただし 皮肉なことに、こうした経済のテイク・オフ (離陸) は、先の 「負の条件(強力な国家に不可欠な条件)」 を失う結果となる から、有力な世界的勢力を生み育てつつ、「国家(ここではロシア政府)」 の力は弱体化へと向かうのである。現在のロシアは1800年代のアメリカに近い。今回の記事の直前に投稿したゴールドマン・サックス特集やモルガン特集は、その意味でも参考になるのだろう。関係者筋から多大な反響をもらった。
 拙著 『ロマンスの行方』 を発布した04年以降、この傾向に拍車がかかっている。今やロシアは完全に日本やアメリカと同様の、「世界」 の一部となった。そして、ロシア情勢が 「世界情勢」 の一部となると同時に、世界の関心はプーチンから、ホドルコフスキーやベレゾフスキーに移った。ホドルコフスキーは獄中から世界経済に重要な影響を与える発言を繰り返し、「下院へ立候補する」 と豪語する。
 中国はどうか。「強力な国家に不可欠」 な 「負の条件」 を持っているが、自由主義ではない。加えて、当面の世界情勢のトランプ(切り札)として確定している 「水」 や 「鉱物資源」 の大国でもない。

 そうなると(「国家」や「政府」に焦点を絞った場合)、「インド」と、「アジア・アフリカの大国」に注目せざるを得ない。次回はアフリカ地域について解析していく。

 ここで拙著 『Russian Roulette』 冒頭文を抜粋しよう。多くの未来ある者たちを突き動かしてきた伝説の文書の冒頭だけに、ノスタルジーをかきたてられる。

※この部分は、『Russian Roulette』 ファン・クラブからの熱烈なクレームを考慮し、削除しました。ただし日独英中のニュース部門を支配にかかっている無数の衛星サイトが、引用を多用しています。そちらでお楽しみください。尚、このサイトの歴代の旧題などでGoogle検索すると、各種衛星サイトが上位に表示されます。もちろん 「世界情勢」 や 「マーケット」 に絡む多くの外部サイトも広告目的で旧題を利用しており、それらが上位に入っているケースもありますが、ご容赦いただきたい。

 ところで、さっきテレビを見ていたら、日テレで ̄儻豢軌蕕諒棲欧函↓⊃契人大暴れ、という題材を放映していた。

 戦後生まれの日本人で、多国籍企業グループ・政治結社の求心的リーダーたちを分析すると、12歳までに世界的な名声やコネクションを持つ事が大半であり、こうした分布はドイツに類似している。
 外国語教育は、それに時間を取られ、母国語読解力が落ちる事が広く知られている。母国語読解力がほぼ国際競争力に比例する事も、教育・経済学者などの間では広く知られていて、この番組でも2000年から2003年の3年間で、世界8位から14位まで落ちたことをそこに見出していた(最も悲惨なのはアフリカ諸国だが)。
 たとえば、国際政治や企業交渉において、もし 「どちらかというと母国語より外国語の方が得意だから通訳なしで最大の努力と折衝をします」 などという頭のオカシなヤツが政治家や企業家にいれば、そいつは即刻罷免しなければならない(クビ)。元々草案が決まっていて原稿を読むなら話は別だが(この場合は通訳もいる)。実際、「自分はかなり英語が得意だ」と思い込んでいる日本人大学生の英語力は、恐らくイギリスの小学生程度だろう。
 また、前述の12歳の境界も、かつてほぼすべての学校で、英語が必須になるのが中学からだったことも、一因かもしれない。いずれにせよ、弊害と分かっていてエスカレートしている理由は、「日本国籍には将来に渡って、エリートを雇用するような企業グループが生まれ得ない」 と日本人が考えているか、または「アメリカ政府とイギリス政府、またそれらの支配権を争う世界的財閥グループなどが、遠大な歴史的オペレーションとして遂行しているのか」、であろう。同じ敗戦国のドイツがこの同時期に同じ傾向を辿っている事から推察すると後者か。
 ワンダーランド(死なないために生活して死んでいく家畜系な一般人を呼ぶ。モサドの生み出した言葉)にしか反響のない題材だろうか? 最近リアルディール(正真正銘の本物、の意で、ワンダーランドの対語としてモサドが生んだ言葉)になるか、元々リアルディールという人が大半であるこのサイトの読者相手に、なぜこの題材を登用したのか。

 実は私がこの番組にチャンネルした数分後、教育大臣が英語教育の弊害について追及され、その教育大臣は(恐らく最初の発言)、「私は英語も語学であることは事実ですから」といきなり小学生レベルの文法ミス(事実の後に「と思います」を作って練り直さないと「私」は人間ではなくなるし、どちらかが微妙にウソとなり、最後の「ですから」に至ってはどのようにひねっても出現し得ない)でスタートしたのだ!その後、数十回に渡り、説得するなら、また理解させるなら 「こんな文法とこんな会話順序にすればいいのに」 と高校生程度でも思えるような初歩的なミスを繰り返すのである!
 教育大臣自身が、「何を言っているか分からない人」であり、「気付かないうちに契約違反や公約違反を繰り返す善意のウソつき」であり、したがって「政治の公約やビッグ・ビジネスの契約には使えない人」なのである。
 JR系企業のオーナーが「英語を勉強したければ成人してからも充分可能でしょう」的なコメントをしたり、「音楽で取り入れる程度でいいはずでは?」と一石二鳥の案を出す(音楽は音の学問だから楽器も声も同じで、意味を気にしなくて済む)が、本心は「教育大臣がこれじゃ何を言っても無駄」と考えていただろう。
 いずれ取り上げる予定だが、一部のエリート(政財界実力者)の読解力は、一般人の識字率や計算力以上に重要な、国際競争力(政治・経済)を左右させる要因だ。最も計画的な「被支配国教育」(支配国は英仏)の餌食となっているアフリカのリーダーの悲惨さに、誇り高きゲルマン民族やヤマト民族が追い込まれようとしているとは、アッパレ・きょー・い・く。国内企業比率が30%以上の企業グループや、愛国者 (我々は生粋の右だが、「強いやつが正義」と考える本チャンの右には、愛国者などいない) は憂いているだろう。我々にとっては何も問題ないが……人材が日本人だろうとナミビア人だろうと、会社籍がケイマン籍でもリヒテンシュタイン籍でも、私の騎士たちの一致した意見は、「どうでもいーっスよ!」の一言であろう。本日は 「息抜き」 的投稿である。

※この部分に入っていた「世界情勢」に係る記事 (「2006年の世界情勢に意見・解説」シリーズを含む) は、大手検索エンジンにインデックスされる前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。元来、石油とエネルギーを理解しなければ世界情勢に意見することはできない。当サイトでは、石油・エネルギー情勢の詳細を解説してきたが、話題化顕著のため、メルマガにその道を譲らざるを得なくなった。特に本2006年の世界情勢は我々のビジネスの根幹に係るほどデリケートである。今後の世界情勢カテゴリーは、石油・エネルギー分野はニュース解説程度にとどめ、先進国政府の未公開ファイル系に焦点を移していく所存である。



2005年12月01日

プライドの交錯 <投資銀行シリーズ....ゴールドマン・サックス>

 このようなサックスだからこそ生まれた、TBS陣営との因縁がある。

 1980年代、邦銀は、スシ・ボンド(邦銀が外債保有枠外で扱えるユーロドル建の債券としてギミック・運用した稚拙なデリバティブで、日本人以外が買うことは有り得ないためにこう呼ばれた)や、ハラキリ・スワップ(ユーロ市場での実績を作るため、または顧客流出を避けるためだけに邦銀が出した実効レートでは確実に損の出る稚拙なギミックのデリバティブで、主にユーロ円債へのスワップで使われた)といった、「八百長」に近いデリバティブを扱うことで、大手プレイヤーと「数字上は同じように活躍しているようにさえ見えた」。
 この状況下で、メジャー・プレイヤーのモルガンやウォーバーグ、ソロモン以上に怒りに燃えていたのが、ゴールドマン・サックスだった。邦銀が「公正ではない」ルールで市場に切り込んでいた当時、(邦銀と)同じ時期にデリバティブの世界に本格参入し、血の滲むような努力と、正当な競争で境地を切り拓いていたサックスにとって、邦銀(保険・証券を含む)は、とても許せる存在ではなかった。
 ユーロ市場 (左の 「各種情報」 部分にユーロ市場の円を掲載。ヨーロッパや欧州通貨€とは何の関係もない単語である) については別の機会に説明するが、ユーロ市場におけるデリバティブを長らく邦銀に教授してきた、ある欧州系インベストメント・バンクの日本人ディーラー(技瓠砲任気┐癲◆屬△譴覆蕾燭里燭瓩剖気┐燭里……」 と顔をしかめる。
 分厚い規制で国内市場を海外勢から守り ながら、海外には進出する日本企業。
 中でも銀行(海外では保険・証券を含む)は、やり方も金額も、自動車会社などの比ではなかった。そうして貯めたカネにモノを言わせ、ユーロ市場でも八百長に近い手段でシェアを獲得する邦銀 を、誇り高いサックスはどのように見ていただろう?

 実は今から約1年前、そのサックスが、TBSとホワイトナイト契約を結ぶ方向で話が進んでいたのを知る人は少ない。
 半年の交渉後、破談。直後、TBSは日興プリンシパル・インベストメンツとホワイトナイト契約を結ぶ! 邦銀で、しかも社名には自分たちが血みどろになって切り拓いてきた「プリンシパル〜」が使われている。「カネやシェアよりも人脈が最後の力だ」 というシドニーの主義・哲学と、「研鑽された知識と技術は必ず報われる。それ以外は いずれゴミとなる」 と語ったガスの技術的遺産 が脈々と息づくサックスで魂を鍛えられた男たちは、どんな心境でこうした経緯を追っていたのだろう?
 楽天がTBSに触手を動かした先月(10月)、突如、サックスは楽天のブラックナイトを引き受ける!

 さて、推奨ポジションの推移。日本株とゴールドは鏡のように同じポジションだが、今回のポジション(先物取引でショート、アウトのコール系をロング)に推移した2週間ほど前からで、最も利益を出している人が、日本株で2300%利益(元金が24倍)、ゴールドで1700%も利益(元金が18倍)を出しているのだから、シフトする価値があったことにある(ご自身の会社に関わるM&Aは別として)。ここで驚くのは、今回、日本株とゴールドで最も利益を出したディーラーが、いずれもわずかながらネット・ショート(売り越し)なのである。日経平均は12800円以降から、ゴールドは1760円以降から、ほぼ一貫してショートしてきている(現在はわずかな買い越しとスクウェア)。そこから日経ダウは2200円上昇、ゴールドは150円上昇しているが、「先物取引でショートし、アウトのコール系でロング」、というストラテジーが利益へと導いている。繰り返し言わせていただいたように、インプライドや長短のイールド・スプレッド自体も見くびられていたし、基本ストラテジーに他のモデルは考えられなかった。このポジションで、もしスクウェア(中立)だったら、恐らく資金は45倍以上になっていただろう。ではネット・ロング(買い越し)なら? そういう人(ここ数週間のゴールドやプラチナを買い越しているような素人)が、このようなストラテジーでポジショニングしていた可能性などあるのだろうか? 答えはノー(皆無)だ。神は研鑽しない成功者を戒める。夜、戦わない連中が眠りに就く頃、卓越したストラテジーは犠牲と苦難の末に生み出される。神は その瞬間に初めて、研鑽に対する正当な対価を支払おうと決めるのだ。

※この部分に入っていた「デリバティブ」に係る記事 (「デリバティブ取引における会計処理とヘッジ」シリーズを含む) は、大手検索エンジンにインデックスされる前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。当サイトでは、デリバティブ商品の取引やヘッジ、会計処理、税務の詳細を解説してきたが、話題化顕著のため、頓挫せざるを得なくなった。今後のデリバティブ・カテゴリーでは、買収技術的デリバティブはニュース解説程度にとどめ、天候デリバティブや不動産デリバティブ、デリバティブ預金、店頭デリバティブなどに焦点を移していく所存である



2005年11月17日

ガス・レビーの遺産 <投資銀行....ゴールドマン・サックス>

 1969年にワインバーグが逝った日、ニューヨクタイムズの1面は彼の死亡記事で飾られ、隣には宇宙飛行士が月から帰ってきたニュースが載っていた。ワインバーグが後継者に決めていたのは、なんとグスタフ・リーマン・レビーだった。ワインバーグはレビーを認めない発言を繰り返していたし、なによりレビーは、ワインバーグが忌み嫌う「トレーダー」だった。なにしろワインバーグは「オープン・エンドだろうがクローズド・エンドだろうが、サックスはファンドの運用をしない」と公言していたのだ。

 レビーはニューオーリンズに生まれ、籠(かご)を作って家族を養った父親が亡くなると 競馬で父親の生命保険を使い果たし、証券会社間のランナー(伝票作業や使い走りをする雑用係)を経て、その後サックスに入る。
 大物になってもすぐにどこかへ消えて意外な場所に現れるレビーを、部下たちは「ガス」と呼んでいた。部下たちは彼を崇拝し、その内の1人である ボブ・ルービンは、1990年代にアメリカの財務長官となっても、長官室にガスの写真を飾っていた!
 また、ある日ルービンが難解なワラント債系デリバティブでガスの所に相談に行くと、「こんな簡単なのは自分で考えろ!」と一喝された……といった逸話を、ルービンは外国の要人にまで平気で話したのである。

 1990年代にガスの後を継ぐスティーブ・フリードマンは、M&Aを得意とする人間の属性通り、深夜3時に突然電話してきて、正確に返答できない部下は翌日から表舞台から消す経営者だった。後継者を指名しなかったガスの後、ジョン・ホワイトヘッドが中継ぎを終えてサックスを去り、レーガン政権に参加すると (その後ニューヨーク連銀総裁となる)、ガスの意思を継ぐスティーブが正式にサックスを後継する。
 当時、ガスが着々とサックスに導入してきたトレードの世界では、ジャンク・ボンドの世界でドレクセルがそうであったようにソロモンが君臨していた。
 しかし、怪物的なヘッジファンドが横行する中、200年以上の歴史を持つ ベアリングズ・グループ (アメリカ政府がルイジアナを買収した際のファイナンスを担当した英最古のマーチャント・バンク) が 日経平均のプレーンバニラ (単純なデリバティブ) でギャンブルし、破産 ……多くの(トレード界の)巨頭銀行グループが身動きのとりにくい状況にあった。
 ついにサックスは、ヘッジファンドの怪物的トレーダーたちと組む「ファンド・オブ・ファンズ (ヘッジファンドに投資するミューチュアル・ファンドのようなもの)」 を一個のデリバティブのように駆使し、「プリンシパル・インベストメント(OTCトレードの相対取引部門のようなもの)」 という、無限の世界に参入するのだった。

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2005年11月16日

シドニーの人脈主義 <投資銀行....ゴールドマン・サックス>

 1934年の春にサム・サックスが逝くと、ゴールドマン・サックスは受難の時代の経営者をゴールドマン家やサックス家から出すのをやめ、シドニー・ワインバーグに据える。
 ヘンリー・ゴールドマンもサム・サックスも当初、オフィスの掃除人の手伝い (断じて「掃除人」ではなく、「掃除人の手伝い」) だったワインバーグを ただ「ボーイ」 とだけ呼んでいた。だが、料理人としてゴールドマンの船に従事している頃から、見た目は平凡な この小男が、突出した個性とバランス感覚を持っている事をゴールドマンもサックスも見抜いていた。「中学2年で中退」が最終学歴のワインバーグだが、35才で共同経営者となる頃にはCP(当時は1枚10億というような市場ではなかった)の引受シンジケートを組織するまでに成長していた。

 買収やディーリングにおける「戦い」というものが、経済にいかに貢献するのか ……経済学的に明らかなこの事実を、ロックフェラーがモルガンを弱体化するため、アメリカ国民に隠蔽していた時代だった。その業務をメインにしていたサックスも、モルガン同様に厳しくなっていたのは言うまでもない。当時、魅力的な仕事がないと考えていたサックスの若い社員たちはファイブ・ハンドレッド (ブリッジ。4人2組でプレイするのカードゲーム) ばかりしていた。
 ワインバーグは、「大衆は移ろいやすいもの」 であり、実力者の絶対的な信頼を各所に築くのが先だと考えていた。その証拠に、ワインバーグはルーズベルト、トルーマン、アイゼンハウアーと続く 3代の大統領に実業家を推薦 し、実業家には逆に「年収1ドルで政府の仕事をするよう」勧め、「会社経営を通じて国家に奉仕している」と言い訳する実業家を巧みに脅し、「人さらい」とあだ名される。
 その反面、トルーマン政権下で司法省が上位17位銀行を反トラスト法違反で訴えた時、なんとゴールドマン・サックスは17位にさえ入ってなかった。しかも、政府がメディナ判事に渡した「リーグテーブル」は、サックスが最も得意とするインベストメントバンク部門の引受額ランキング表だった。にも関わらず、皮肉にも、メディナ判事が1953年に「白」の判決を言い渡す際、競争状況が充分に存在する例にあげたのは、リーマンとサックスによる過激な闘争であった!

 彼の周囲は噂していた。「どうやらシドニーと知り合いでない実力者は政財界にいないようだ」。

※この部分に入っていた「デリバティブ」に係る記事 (「デリバティブ取引における会計処理とヘッジ」シリーズを含む) は、大手検索エンジンにインデックスされる前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。当サイトでは、デリバティブ商品の取引やヘッジ、会計処理、税務の詳細を解説してきたが、話題化顕著のため、頓挫せざるを得なくなった。今後のデリバティブ・カテゴリーでは、買収技術的デリバティブはニュース解説程度にとどめ、天候デリバティブや不動産デリバティブ、デリバティブ預金、店頭デリバティブなどに焦点を移していく所存である



2005年11月14日

ナイトたちの今....TBS騒動 <ゴールドマン・サックス参入>

 それを考えるためには、防衛側の戦力も解剖しなければならない。
 TBSの新株予約権を割り当てられた日興プリンシパル・インベストメンツこそ、TBSのホワイトナイト(企業防衛の専門家を白騎士と呼ぶ)である。ホワイトナイトはすべて超人的な個人だと思っている人が多いのではないだろうか。最近ではこのような、「極めて個人に近い集団」であることが多いのだ。
 私が15年ほど前、ホワイトナイト特集をやった頃には無かった現象だ。もっともあの頃は「ホワイトナイト」という単語がまだ隠語的で、これを読んでいる諸氏こそ、この言葉を一般化した本人である。

 何年か前、日経新聞で「上場会社の役員の4人に1人は社外取締役」という記事を見たが、通常の経営業務には参加せず、M&Aなどの「有事」に会社を防衛するホワイトナイトや、競争相手の買収などを目的にしたブラックナイト(攻撃の専門家)を多くの企業は抱えている。
 よほどの大企業でなければブラックナイトを常時抱える事はなく、ホワイトナイトのみと契約している。ただし、ヘッジファンドやインベストメントバンクで勤務した経験を持ち、その中で幅広い超人たちとのコネクションを築いてきたアマゾン代表のベゾス氏や、「世界中で買収を繰り広げる」と豪語し、M&Aが主要業務となりそうなために来年1月からダイムラー代表となるツェッチェ氏のような場合は、例外的に当初からブラックナイトを常時契約しているだろう。
 その契約内容は、複雑なデリバティブを駆使して有事の 経営譲渡や報酬を証文化した高度な契約 から、飲み屋でのまったくの 「口約束」、挙句の果てには 「後約束」 まである。「後約束」とはつまり、ナイトの方から権益などを狙って「以前から親交があって頼まれていた」などと言い出し、介入するケースだ。フジテレビのような小さな会社の防衛に大物の北尾氏が介入したケースなどは、実に最後のケース(後約束)クサかった。余談だが、TBSの場合、今年5月に日興プリンシパル・インベストメンツと正式なファイナンシャル・アドバイザー契約を結んだ後、日興シティ、メリルリンチ日本証券、野村證券とも同様の契約を結んでいる……あれ?と思われた人もいるだろう。日興シティ?(同じ日興グループが二重契約?)
 そう。後で契約した3社はあくまでも付録(おまけ)。
 実際この3社は、安定株主対策(ってどんな対策?)と、裁判になった時に買収の不利益性を主張するために、ワーナーとAOLのメディア統合が失敗したケースの研究(それで裁判に勝ったら相手は許してくれるとでも言ってるの?)を担当 しているらしい。

 騒動が起こった瞬間、ナイトたちの習性が剥き出しになる。ゴールドマン・サックスが10月中旬、突如として 楽天とブラックナイト契約 を交わしたのだ!
 サックスはただのM&Aで済ますだろうか?
 「リベンジ・マッチ(復讐戦)をやる気だ」…… シカゴにまでTBS騒動の噂が走るようになったのはこのせいだ。
 フジテレビの時は まるで噂になど ならなかった。なにしろ どちらも(フジ&TBS)小さな会社だ。TBSの井上代表は、楽天から経営統合提案を受けた際、株価を低迷させている責任を問われ、「いくら一生懸命やっても、劇的に業績を回復された松下さんですら株価は1000円台です」と答え、居合わせた機関投資家の何人かを文字通り 「開いた口がふさがらない」 状態にさせた。松下の時価総額は5兆円だ。「自社(TBS)が情報公開しているのを知らないんじゃないか?」、と思えるほどバカげている。

 そのバカげた経営陣 率いるTBSが、シカゴで噂になっているのだからスゴい。
 それは、確率としては低いながらも、サックスが ただのM&Aとしてこの騒動に係わろうとしているのではなく、リベンジ(復讐)かもしれないからだ。
 そうなると、相手の姿がこの世から消え失せるまでやるかもしれないし、そこに(力を行使する際に)生じる隙を狙って、TBSサイドに(今度はブラックナイトとして)強力なヘッジファンドの介入……と発展する可能性もある。経済用語では、そのように防衛側が強力な攻勢に転じ、買収しようとしていた側を逆買収する逆転攻勢をパックマン・ディフェンスと呼んでいる。それにしてもなぜ、「サックスがTBSにリベンジする」などという噂が流れているのだろう?

 それからポジション。穀物のコンタンゴはここから拡大を狙っても分は少ないでしょうし、逆にバックワーデーションに回帰するようなら、多少の買い越しではカバーできないほどベア・スプレッドが損害を出す可能性も高い。ベア・スプレッドは解消するか売り買い商品の期限を近付けて下さい。さらに保持するなら 期近の売りは先物取引で 持つべきでしょう。 期先の買いはディープ・インのコール買いかディープ・インのプット売りで 持つべきです。独自のストラテジーを構築できるチャンスではあるでしょう。ゴールドと日本株の先物売り、アウトのコール・ロングは持続。まるで鏡のように両者は同じポジションとなります。穀物を先物のみで保有する場合はとにかく売り買い期限を近づける事です。



2005年11月12日

テンダー・オファーの今....TBS騒動

 TBS経営陣は本気で、この時代の企業防衛では死語になったと言ってもいいポイズン・ピル (優先株式を利用)で防衛しようと考えているのだろうか? だとすれば、サイパンが陥落し、B29フォートレスによる本土爆撃が可能となる中、女性 (銃後の戦力) に竹槍を練習させていた大戦中の日本政府ぐらい甘く、方向性も間違っている。
 少なくとも我々人類が「歴史」と呼べるような歩みを踏み出して以来、戦いの結果が富や人数のような「量」によって決定した事はなく、武器の優劣や戦いの「技術」によって決まってきた。

 テンダーオファー (公開買付。英国ではテイク・オーバー・ビッド=TOBと呼ばれる) は時価を上回る価格で買い付ける事を公表して行う買付申込で、一般的には証券取引所法で規定されたものを指す。ちなみに日本の証券取引所法では、不特定且つ10名を超える者に対し、公告により株券等の買付、有償の譲受申込または売付、有償の譲渡申込の勧誘を行い、有価証券取引所外で株券等の買付を行う事 を公開買付とカテゴリーしており、27条の二 - 1、6などで、「有価証券報告書提出会社の発行する株券等の有価証券市場外における買付等は原則として公開買付によらなければならない」とされている (不必要に「等」が多いのがムカつく)。
 この話をしているのが私でなければ、読者諸君は今、嘲笑したことでしょう。

 その通り。デリバティブが飛び交う場合においては、株券などというものは単なる「原資産」に過ぎず、よほどのプレーンバニラ(当サイトの「逆襲するプレーンバニラ http://blog.livedoor.jp/dd_freak/archives/50136457.html を参照されたい)を使っていない限り、この法律で言う「原則」から外れる のである。
 気付かれない間にあそこまでやられているような場合、権利(すなわちデリバティブ)や複雑系証券を駆使・売買する技術が自分よりも上なワケで、そのような場合にポイズン・ピルで防衛できる可能性はない。
 ただし、現段階では圧倒的な戦闘能力を持つ相手が参加しているわけではない。技術が上と言っても、この時点で買収されてないのだから、相手にはそこまで強力な権利売買や権利創出(ギミック)の技術力はない、ということになるからだ。
 では、そうした相手の場合、どんな手段が効果的だろう?



2005年11月10日

買収技術....TBS騒動にみる、国際情勢における「リアル」と「ワンダー」の二極化

 TBSを巡る稚拙な攻防は、ここに極まれり、というほど次元が低い。質問書や回答書をバイク便で交換し始めた段階で、笑わせるためにやってるのか?と思った人もいるだろう。インベストメントバンクやヘッジファンド、そしてアンシュタルトといった法人格を駆使した、プロたちによる熾烈な攻防を見てきた当サイトの読者層なら、そうだろう。
 飲み屋のシノギでセコく食いつなぐチンピラたちが、ニューナンブや改造トカレフで撃ち合っている同じ星の裏側で、一国の軍隊維持に匹敵する金額で各国政府と契約した傭兵たちが、CZ75 (チェコ製) のスペシャル(ブレーキの利かない車が一定比率で出来てしまう逆で、製造過程で生まれる奇跡的に精度のいい銃は 「スペシャル」 とあだ名される)をオーバーホールし、ポイントとなる筋肉繊維の1本1本に、商業ベースでは禁止された危険な薬物を注射する姿がある。もはや リボゾームやゴルジ体が 通常とは異なる形態となり、生物のエネルギー源泉であるミトコンドリアそのものが 通常の筋肉細胞と違った量となった彼らを、科学者は 「微細構造から考えられる可能性は 核酸合成によって作られた新種の筋肉か突然変異体」 と、人間扱いしない。
 世界には レベルの違ったさまざまなケンカがあり、新聞とテレビとインターネットしか見ない、「生きるために生きている (いずれは皆、死ぬというのに)」 人たち は、我々には考え付かないような視点で 物事を捉える。モサドやDIAの連中が 自分たちを「リアルディール」 と呼び、その他の人々を「ワンダーランド」 と呼ぶようになったのは 20年ほど前だが、今では一般的に 使われるようになった。
 企業闘争の世界にも 同じ構図が存在し、100万人が束になっても 1人のスゴ腕戦士には勝てない。まるで中世に もどったかのようだ。数千年前の 呂布やスパルタクスのように、圧倒的な戦闘能力を持つ個人が 戦局を決定するのである。
 我々は かねてより、買収の専門家を「黒騎士」、防衛の専門家を「白騎士」 と呼んできたが、いまや 世界共通語となった。この言葉は、上記の意味で的を得ているだけではなく、このシリーズで今後、紹介するであろう彼らの「習性」が、中世の騎士に似ている のである。とにかくTBSが話題になっているので、これを利用して様々な世界の「現実」を連載 (カテゴリは「騎士たちの習性」) したいと考えています。それこそが、当ブログの アイデンティティである「啓蒙」の真髄だからです。
 
※この部分に入っていた「国際情勢」に係る記事(「国際情勢をブログで分析・解説....1979年以前と1979年以降」)は、大手検索エンジンにインデックスされる前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。中国・アメリカ・インドにからむ国際情勢の分析は、核やガスを抜きにしては語れない。当ブログでは、1979年の中越戦争以降の複雑な中国・アメリカ・インドの関係と、核・天然ガス市場を解説してきたが、話題化顕著のため、メールマガジンにその道を譲らざるを得なくなった。今後の国際情勢カテゴリーは、先進国政府の未公開ファイル系に焦点を移していく所存である。


2005年11月08日

モルガン 〜JPチルドレンの猛攻と、世界の王〜

 だが、それは、後の話である。
 今年のアカデミー賞 (2005年3月。2004年公開分) の最多受賞作は 「ミリオンダラー・ベイビー」 という映画だったが、これは「ミリオンダラー・ベッター(100万砲療卩郢奸法 をひねった洒落だ。それは19歳にして買収の天才だったジョン・ゲイツのあだ名であり、シカゴ郊外の村落から出てきて 専門学校を半年で中退した彼を、モルガンは 自分の企業舎弟にしていた。ゲイツには もう一つのあだ名があり、「カード気狂いの少年のようなオトナ」というものだったが、見た目も子供だった。
 モルガンは後にピッツバーグのアンドリュー・カーネギー(当時アメリカ最大の財閥)や、シカゴのウィリアム・ムーアー(「ムーアー・ギャング」、「インテリ・バッカナー」とあだ名された乗っ取り屋)と対決し、いずれも勝利するが、常にモルガン・サイドの先鋒として華々しく戦ったのが、このゲイツと、ゲイツがモルガン・グループに引き入れた友人ゲーリー(ゲイツと同郷)である。
 ゲイツは、モルガンの舎弟となると同時に頭角をあらわし、中西部の製鉄企業を恐るべきペースで 続々と買収していき、鉄鋼王カーネギー(当時アメリカ最強の男だった) に対抗する壮大な構想を モルガンに打ち明ける。
 傍で 聞いている他人がいたら、誇大妄想 と思えるほど壮大な計画だったが、モルガンは 特に驚く事もなく、ただ 「ブリキ(亜鉛引鉄板)もやれ」 とだけアドバイスする。ゲイツはそれから間もなく、全米のブリキ企業265社をすべて吸収合併! コングロマリットのフェデラル・スティールを創立する。フェデラル・スティールの創立株主総会は ニューヨークで行われたが、そこでモルガンは、創業者ゲイツに何の相談もなく、突然「ゲーリーを社長に」と主張!何も知らされていない創業者ゲイツは……なんと「異論なし」!……。

 とても、外部の競争者たちのついて行けるスピードや意思決定システムや買収技術ではなかった(まるで現代のヘッジファンド)。任命されたゲーリー自身さえ、自分が社長になる事を知らなかった! そして驚くべき事に、果てしない野心を抱くゲーリーは この大企業の社長就任を自分のシカゴのビジネスの将来性と対比して拒否、モルガンは「この会社は 世界を支配する際の中核となるのだ」と説得、ゲーリーが了解、ニューヨークに移る。
 ロックフェラーはすでに シティバンクを支配下にしていたが (現在でもチェース・シティ連合は世界に追随する規模の銀行がない)、世界を舞台にしたゲームでは、当時、モルガンの相手ではなかった。
 たった数十年で、モルガン・グループはロスチャイルド財閥を凌駕するほどの存在となっていたのである。

 アメリカ政府(第25代マッキンレー政権)はスペインとの戦争債2億$を発行、財政危機が噂される中で一般国民への直売方式を採ろうとしていたが、モルガンは即座に額面500$にギミックした債券で全額引き受ける。
 続いて、旧債務のスペインへの返済負担が原因で破産寸前だったメキシコ政府(それでも今の日本政府よりはマシな数字)が不可能と言われながらも計画した1億1000万$の新発国債発行を、ドイチェ・バンクとのシンジケートで石油鉱脈や鉄道利権を担保にしたギミックで成功させてしまう。
 アルゼンチン政府がパラグアイとの6年戦争で国家破産寸前だった頃も(結局は最近破産した)、あのバーリング商会(当時ロスチャイルドのライバル)さえアルゼンチン政府の破産を容認して広大な国土を担保に政府国債を捌く構えを見せる中、新たにロスチャイルド案(金利6%で7500万$)に鉄道利権や酪農産業への投資ポジションをギミックし、破産から救ってしまう。

 当時の通貨価値や、国家間取引が持つ 特殊な恩恵、アメリカへの経済集中度を考えると、モルガンが当時 支配した経済規模は人類史上かつてない、独占的なシェアだったと言われる。アメリカ国内でもカーネギーを駆逐、モルガンは世界を手中にしかけていた。

※この部分に入っていた「国際情勢」に係る記事(「国際情勢をブログで分析・解説....1979年以前と1979年以降」)は、大手検索エンジンにインデックスされる前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。中国・アメリカ・インドにからむ国際情勢の分析は、核やガスを抜きにしては語れない。当ブログでは、1979年の中越戦争以降の複雑な中国・アメリカ・インドの関係と、核・天然ガス市場を解説してきたが、話題化顕著のため、メールマガジンにその道を譲らざるを得なくなった。今後の国際情勢カテゴリーは、先進国政府の未公開ファイル系に焦点を移していく所存である。



2005年11月03日

モルガン 〜JPの死と、モルガンの落日〜

 1902年2月19日夜、セオドア・ルーズベルト大統領はモルガンをシャーマン独占禁止法で告発する。
 3日後に ホワイトハウスに乗り込んだモルガンは、「モルガン傘下のUSスティールを解体するという意味ではありませんよ」 と苦しい言い訳するセオドア (モルガンはセオドアの最大ロビイストだった) の表情から、すぐさま ロックフェラーの影を感じた事だろう。
 ウォール街から出現したモルガンと、規制や政治と共に歩む石油業界から出現したロックフェラーでは、政治に対する考え方がまるで違った。後にロックフェラー財団からは3人もの国務長官(ダレス、ラスク、キッシンジャー)が送り込まれることになる が、1996年以降ヘッジファンドによって完膚なきまでに敗北し、瀕死の重傷を負わされたロックフェラー がサーベンス・オクスリー法 を使う時、(新法なのに) 「伝家の宝刀」 と呼ばれるのも、こうした背景によって理解できる。

 新大陸の覇権争いに ロックフェラーが勝利したのは奇跡だった。
 モルガンは、当時の地球をほぼ隅々まで支配していたロスチャイルドと良好な関係にあったし、社交界でも 「彼の吸う葉巻はロスチャイルドと互角のブランド」とさえ言われていた。また新大陸アメリカは、リンカーン、グラント、ヘイズ、ガーフィールド、アーサーと5代連続で続いた共和党政権 (第17代のみ民主党だがこれはリンカーン暗殺による副大統領の代理政権)が、繁栄する現代のアメリカ(批判も多いが 卓越した政治システムだから 企業も人も集まるのだ) に近い、「小さな政府、自由な競争」を標榜、つまり儲かる国だった。
 モルガンが、ドレクセルをはじめとする 自らの金融シンジケートを召集した秘密会議に 全米の鉄道大手の代表が参加した時など、ニューヨーク・タイムズは「この秘密の会合は、昨年成立した州際通商法に対応するための緊急会議という触れこみだが、カモフラージュだ。全面降伏した鉄道業界が、インベストメントバンカーたちにすべて従属する、陰謀的会議なのだ」と論じた。5代続いた共和党の後、久々に 政権をとったクリーブランド政権(第22代)が、この密会の前年に 州際通商法(インターステート・コマーシャル・アクト。インターナショナルが日本語で「国際」と訳されるためにインターステートを「州際」と訳しているが、要は州境を越えた連邦的通商取締法)を成立させる。
 だがモルガンは 「政府や法がやれないと言うから、私がやってやるのではないか」と豪語、実際に州際通商委員会が連邦最高裁判所まで持ち込んだ摘発事件16件の内、実に15件までが州際通商委員会側の敗訴に終わった。経済学者や歴史学者はこれを 「モルガナイゼイション」 と呼んでいるが、アメリカは繁栄の時代を迎える。

 ロックフェラーは別の角度からモルガンに戦いを挑んでいた。ロックフェラーは この小さな法律の通過と共に、州政府から連邦政府に通商権限を奪回し、そこに権力を保有して企業競争をコントロールしようという壮大な試みに着手しており、モルガンが密会を開いているちょうどその時、グループのリーダーたちを招集し、政府を無視するモルガンとは逆に、政府の利用価値について協議していた。
 そしてこれがシャーマン独占禁止法の序曲となるのだ。ロックフェラーが 周到に自分だけに有利な枠組みを設計している事に、モルガンも気付き始めるが、総合力では互角程度。現代のヘッジファンドのように 法律やマスコミによる逆風を受けてなお 勝てるほどの実力アドバンテージはなく、その後 JPモルガンが逝去することによってモルガン帝国は敗北する(敗北したといっても、いまだ世界有数の企業グループではあり、近年不気味に勢力を回復しているが)。JPは 基本的に死んだ後の事には さほど興味がなかったようだ。ロックフェラーやロスチャイルドのように 財閥的イメージがないのも、そのせいだろうか。現代のヘッジファンドに近いのは やり方だけではなかったわけで、クールを追求する姿もまた、時代を越えて両者の存在にデジャ・ヴを錯覚させる要因なのだろう。

※この部分に入っていた「世界情勢」に係る記事 (「2006年の世界情勢に意見・解説」シリーズを含む) は、大手検索エンジンにインデックスされる前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。元来、石油とエネルギーを理解しなければ世界情勢に意見することはできない。当サイトでは、石油・エネルギー情勢の詳細を解説してきたが、話題化顕著のため、メルマガにその道を譲らざるを得なくなった。今後の世界情勢カテゴリーは、石油・エネルギー分野はニュース解説程度にとどめ、先進国政府の未公開ファイル系に焦点を移していく所存である。



2005年11月02日

ロードメイヤーは笑う−検 曾斌燭寮錣ぁ

 政府銀行 (中央銀行など) シリーズ を円滑に理解し、ビジネスに有効に役立ててもらう ためにも、覚えて いただきたい予備知識が いくつかある。

 今から約60年前、新大陸アメリカの帝王ロックフェラーはグラス・スティーガル法を駆使し、ついにモルガン財閥との死闘に勝利した。ユダヤの王ロスチャイルドは 武器の大量生産に必要なダイヤモンド (デ・ビアス) を握り、ナチスと その高度な科学を、地上から抹殺する。両者はアクナキャリーの密約に代表される石油カルテル(セブン・シスターズ)を中心に世界をコントロールし(なんと1980年代まで石油は市場商品にならなかった)、20世紀の後半になると、世界銀行 の人事や 国際協調政府融資 のメンバーを見るだけで、先進国政府が ロスチャイルドとロックフェラー という世界二大財閥を軸に、いかに一体化しているか 分かるようになる。それはまるで 一つの世界政府であり (途上国の国家システムとは まるで異なっていて)、財閥系金融機関と先進国政府の連携は、かつての政府と政府銀行(中央銀行)のそれを凌ぐまでになった。

 半世紀に及ぶ 二大財閥独裁が 「永遠に続く」 とさえ言われ始めた 1980年代、ヘッジファンドが 突然変異的に台頭。東西陣営の壁を あっけなく破壊し、自分たちの哲学を 恐喝的に世界に浸透 させていく。二大財閥は突然変異の怪物たちを根絶やしにするために先進国政府を総動員するも、凄惨な返り討ちに遭い、瀕死の重傷 を負う。特に87年 (ブラックマンデー)、92年 (ポンド危機)、94年 (バレンタインデーの大虐殺) の攻防 はすさまじかった。財閥系は 手打ちを懇願したが、怪物たちは 容赦しなかった。高度なデリバティブを 魔術師のように使いこなす反面、彼らは 「ディノザウルス」 とあだ名され、行動原理は実に原始的、かつ 野蛮だった。誰かの誕生日だから といって 国家を破綻に 追いやる事すらあった。

 一連の戦闘は、経済学が根本から破壊された 点で 象徴的な戦い であり、「中央銀行は死んだ」 と ささやかれた。自由と規制、スリル(戦い)と安全……相容れない両者の要求と性格は、宿命的な敵対者である事を示していた復讐の機会 を狙う政府系勢力は、2002年に手に入れた 稀代の武器サーベンス・オクスリー法 を頼みに、再び 戦いを挑もうとしている……。この攻防に 二大財閥が敗北すれば 二度と立ち上がれないだろう状況から、中央銀行シリーズを 「最後の戦い」 と銘打ちましたが、市場 (取引所や金融街を含む) 間の攻防や近代経済史 と多くの部分が重なるので、併せて「ロードメイヤーは笑う」 に統合します。てゆーか、どこまでやっていいのでしょうか。このサイト……。

※この部分に入っていた「国際情勢」に係る記事(「国際情勢をブログで分析・解説....1979年以前と1979年以降」)は、大手検索エンジンにインデックスされる前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。中国・アメリカ・インドにからむ国際情勢の分析は、核やガスを抜きにしては語れない。当ブログでは、1979年の中越戦争以降の複雑な中国・アメリカ・インドの関係と、核・天然ガス市場を解説してきたが、話題化顕著のため、メールマガジンにその道を譲らざるを得なくなった。今後の国際情勢カテゴリーは、先進国政府の未公開ファイル系に焦点を移していく所存である。



2005年11月01日

パニック・エクスチェンジ! 取引所の衰退と店頭デリバティブの興隆

 本日は東証がシステム障害によって取引停止、それに伴って主要銘柄の取引が雪崩をうって大証に流入し、モニターがついていかないという緊急事態となった。
 しかし立会い外取引や日経平均先物・オプション市場などプロ相手の取引は円滑に行われており、ブランディングのために東証の内部者が仕掛けたようにさえ見えた。
 今日の騒動から見えた結論は、シカゴ、シンガポールに次ぐ日経平均の取引提供者である大証が、ますますOTCの分野で東証を引き離していき、その差は埋めようがなくなるだろうという方向性だ。大証はリアルディールのプロたちのツボを知り抜いたシステムを完備しており、東証は多くの部分で、その逆だからだ。やはり巽会長の遺産は想像以上に大きい。
 それでもシカゴ、ロンドン、フランクフルトを中心とする大手プレイヤー(世界的な取引所)と比較すればいかにも力不足は拭えないのが現状だ。

 また、上記のような取引所間の競争激化については大手新聞紙面などにも頻繁に掲載されているが、彼らが本当に恐れるのは、他の取引所などではない。店頭デリバティブである。ここ数年で、店頭デリバティブの伸びは急速に拡大、この流れ(取引所離れ)は加速する一方だ。だからこそ取引所間の巨大提携が続いているのであり、かつての銀行業界を思い出させる。
 取引所でのデリバティブ取引が、公共事業に近い業者(取引所など)の提供するデリバティブ取引であるのに対し、店頭では、個々の取引当事者のニーズに即応したデリバティブ取引が行われる。金融・証券取引が高度化する中で、ヘッジやオペレーション、資産運用収益の向上、ギミック等に対する投資家のニーズはますます多様化しているが、店頭デリバティブ取引は正にこうしたニーズの多様化に応える取引として急速に発展している。
 また、店頭デリバティブは、金融・証券業者が創意工夫を発揮して、最新の金融技術を駆使する取引であるとともに、業者(デリバティブ・ブローカー)の競争力が試される取引でもある。例えば店頭デリバティブ取引を提供する事業者が大手であれば、そのブランド力を生かして取引所のデリバティブ商品以上のリクイディティ(流動性)と信用力を提供するだろうが、逆の場合、取引所のデリバティブに対して規制が少ない以上、信用リスクや流動性リスクは高くなることも有り得る。
 いずれにせよ、現在、世界的に金融・証券取引が急速に新たな展開を繰り広げているが、店頭デリバティブはまさにその原動力の中心であり、その発展は将来の金融・証券取引の姿を左右する大きな鍵となっていることは確かである。こうした中で、日本では有価証券を原資産とする店頭デリバティブ取引について法的制約があることから、諸外国に比べて店頭デリバティブ取引の多様性に欠ける、という問題が起こっている。
 今後の世界情勢・国際情勢の中での日本の座標を考えると、また世界の金融・証券取引における店頭デリバティブ取引の重要性を考えれば、店頭デリバティブの健全な発展のために、早急に所要の法的整備を敷き、日本のデリバティブ市場の国際的競争力確保に努めておかなければ、来たるべき時代に取り残されるだろう。月給5千円の国と製造業で競争したり、稲が自然発生し、年に3回収穫できる国とコメ作りで競争したり、という間違った方向性を是正するためにも、構造改革のメイン・ビジョンとするべきであろう。

  日本におけるデリバティブ取引発展のためには、まず法的関係を明確にし、リーガルリスクをなくさねばならない。他の多くの業界・業務と違い、この分野におけるパイオニアは世界最強の企業グループたち(多くはヘッジファンドを中核とするコングロマリット)であり、あらゆる国家に、あらゆる業態のあらゆる法人格を所有している。つまり、法的整備がないなら「他でやればいいだけ」なのである。
 具体的には、有価証券を原資産とする店頭デリバティブ取引を定義付けるとともに、これらを証券会社等の業務(証券取引法第2条第8項各号に列挙されている証券取引行為)として証券取引法等に規定する等の法令整備を行うことが必要である。
 有価証券を原資産とする店頭デリバティブ取引のうち差金により決済する取引については、証券取引所の相場を使った差金授受を証券取引所の外で行うことを禁止する証券取引法第201条の構成要件に該当するのではないか、との意見解釈があり( 法△泙拭⇒価証券の価格は確実に予見し得るものではないことから、刑法上の賭博罪の構成要件にも該当するのではないか、との意見解釈がある(◆法
 ´△脇本で有価証券を原資産とする店頭デリバティブ取引を行う場合の最大の法的制約であり、大手プレイヤーが日本で店頭デリバティブを活発に取引する可能性を潰しているから最初に是正・整備が必要であろう。

 また、その際、デリバティブ取引の健全な発展を確保するため、公正な取引のためのルール、リスク管理、ディスクロージャー等について併せて法令整備を行っていく必要がある。なお、「オプションを表示した証券」的存在であるカバードワラントについては、その証券の性質から考えて、これを証券取引法上の有価証券とすべきであろう。この程度の方向性を示唆できない、または調整できない日本の政策担当には失望するが、これらの方向性は「遅ればせながら」施行されていくだろう。
 ただし、問題はその後だ。法的整備が適正に行われても、リスク管理の問題はそもそも証券会社等の内部体制の問題だからだ。また、店頭デリバティブ取引の特長はその自由なギミックがあることから、各証券会社等の経営戦略の違いが取引内容の違いに反映され、その結果、求められるリスク管理の在り方にも、自ずから違いが生まれてくる。例えば、証券会社等の中にも、グローバルプレーヤーとして積極的に店頭デリバティブ取引を行う者から、エンドユーザー的立場に終始する者まであり、こうした点からも、求められるリスク管理の内容には相当の開きがある。ブローカーに入る業者が成長しない限り、単に法的整備だけしても無意味である。                                                        

 ちなみに証券監督者国際機構(IOSCO。世界の証券監督当局や証券取引所等から構成されている国際的な機関は、世界の監督当局の間で共通認識として最低限必要な指針として、ヾ靄楫戚鷭顱▲優奪謄ング契約、担保徴求等のリスク削減技術を適当な場合には利用すべきである。⊆萃役会又は同等の組織は、店頭デリバティブ取引業務のためのリスク管理の方針及び手続を定め、周知すべきである。リスク管理に十分な経営資源を振り向けるとともに、社内の専門知識を十分に確保するようあらゆる努力を払うべきである。……といったものを挙げている。

 もし以上のような条件をいまだ満たしていない場合、当サイトへの報告をそのまま監督省庁へ渡しますので、ご報告ください。

 ……とにかく今日は疲れましたね。これから私は昨日部下にもらったサマローリー(イタリアのボトラーズ・ブランド)のボウモアを銀座で飲みます。オフィシャルのボウモアが水に思える、まさに天上界の味。



2005年10月27日

ロードメイヤーは笑う- 〜「伝説」の賞味期限〜

 答えですが、まずは逆に、「なぜグリーンスパンは偉業を成し遂げたのか」考えましょう。24日(NY時間)のブッシュ声明が市場に嫌気された理由が、見えてきます。

 92年のあの日(9月16日水曜日)エコノミスト誌が「イングランド銀行(イギリス政府銀行)を破産させた男たち」  と呼んだ集団(中核ディーラーはドミニック・コーバイシスとスタンレー・ドラッケンミュラー、中核ストラテジストは‘G’)、激烈な攻撃で ヨーロッパ全土の政府を壊滅状態に 追いやる。メージャー政権の「ポンドとイギリスの財政を守るためであればいかなる手段もとる」との言葉通り、イングランド銀行はこの日の朝までに大量の介入資金を用意していた。だが、戦いが始まると昼までには綺麗さっぱり略奪された。午後に入ってラモント蔵相は5%!も政府金利を上げるという前代未聞の防衛措置をとるが、その数時間後に敗北宣言する。屈服した英ラモント蔵相の敗北宣言と苦渋の表情が世界中のテレビを駆け巡った。 世界の政府首脳を奈落の底へ突き落とすのに充分なこの事件を期に、日銀(日本の政府銀行)は防衛力強化を繰り返すが断続的に攻撃され、逆にFRB(アメリカの事実上の政府銀行)は防衛力を削減したにも関わらず、攻撃を巧みに回避してきた(数々の密約はあったが)。

 グリーンスパンはまず「プロにしか分からない言い方を慎重に選ぶ」(一)。「難解」と言われてる声明も、あれほどの人物が意図的でなく「難解になってしまう」など有り得ない。そして次に、「市場の反応を見極めてから政策変更する」(二)。これらの特徴的アプローチによって、市場に受け入れられる政策である事を確認(逆に言えば経済学を時には無視)しながら 政策情報を市場に伝えていったため、世界最強の勢力を誇る(しかも行動原理は極めて感情的な)大手ダークサイド・ヘッジファンドとの決定的対立を避ける事に成功 した。92年にヨーロッパが攻撃の対象となり、単独での国家存続が不可能になるまで打撃を受けたただしこれが後に欧州全土の競争力向上を促し、ヨーロッパ統合を現実化したのと対照的 だ。グリーンスパンの偉業が「市場との対話に長けていたから可能だった」との意見は正しい。上記「ポンド危機」 の他、ジョージ・ソロスが現役を退き、クォンタムの運用をドラッケンミュラーに譲るきっかけとなった87年の「ブラックマンデー」アムシェル・ロスチャイルドを自殺に追いやった94年の「バレンタインデーの大虐殺」 ……アラン・グリーンスパンが対応してきた数々の伝説の戦い(いずれも人類史上未曾有の経済規模だった)  を回想すれば、あれがもし「無用の長物養成機関(例えばCEA=大統領経済諮問委員会)」を首席で修了したバーナンキ だったらどうなってしまったのか、想像に難くない。ただしその時は、朽ち果ててゆく既存勢力を尻目に我々が勢力を増殖する時  なのだから、まったく問題はないが……。

  いずれにせよ、グリーンスパンは今度の1月で退任する。彼の伝説とイメージを利用する 初代の「代役」 が誰であれ、伝説の賞味期限は極めて短い  と分析する。



dd_freak at 18:54|PermalinkTrackBack(0)││政府銀行の解剖 

2005年10月26日

ロードメイヤーは笑う−供 腺藤劭多卦陳昂萃蝓〜

 さっきロッテが優勝しましたね。下界でこのようなチープな話題が流れる中、リアル・ディール(「本物」を示す隠語)の男たち の話題は「FRBの次期議長に決定した ベン・バーナンキ とはいかなる男で、そいつは大丈夫なのか?」 の一色。

 ブッシュ大統領は24日(NY時間)の指名に伴う記者会見で大統領として最も大切な仕事の一つがFRB議長の任命だ。何故ならFRBの決定はすべての人の生活や生計に影響を与えるとしながらも、我々が愕然とするような推薦理由を並べ立てた。一、学問に対する高潔な姿勢。二、同氏のスピーチは分かりやすい言い回しで広く尊敬を集めている……。もちろん、彼のような官僚上がり(前任の偉大なるグリーンスパンはメタル業界出身、ルービン財務長官はGS出身)が「市場(騎士たち)と世界政府の対話を仲介できるのか」 という不安は、バーナンキの次期議長内定と共に市場関係者の間で飛び交っていた話題だ。それが、このスピーチで不安がより増長したのは何故か。

 ヒントはブラックマンデーグレッグvsアムシェル というアメリカ建国史上(すなわち近代世界史上)の二大危機(激烈だった南北戦争やロックフェラーvsモルガンよりも危機的であった)である。明日答えます。ポジションはすべてホールド。当ブログにおけるポジショニングやアナリシスの部分はあまり人気がなくなっていますが、もう少し続けます。



dd_freak at 22:08|PermalinkTrackBack(0)││政府銀行の解剖 

2005年10月24日

パワーとプライス……それぞれの支配範囲

 先週末、セミナーに参加いただいた方、ありがとうございます。また直前の布告であったために時間調整出来なかった大多数の方、申し訳ございませんでした。

 「先物取引の基本」第一部 という感じにした今回ですが、ファンダメンタルズやチャートを除いた「取組要因」を解説しています。どの市場においてもほぼ共通して、上げ下げ(価格決定)の最大要因はパワー(面子)とプライス(価格) です。それでいて、ファンダメンタルズやチャートの方が大きく織り込まれているのですから、ポジション決定の際、優先的に確認すべきです。市場・時期・状況別で影響を与える順位が違うので、特に注意を要する(特異な)ものについて解説しました。また、「それらはコンタンゴとバック・ワーデーションの決定要因でもある事も御説明しました。なにしろ、「ストラドルやスプレッドであれば価格差で取れる」 という 考え違いをしている人がいかに多い事か。この考えにハマると、小さく利益が出た時に「神」になった気がして(自分の稚拙な「サヤ取り」が精緻無欠なアービトラージ=国家破綻や取引所の突然閉鎖による取引不履行リスクに対応しているものであると勘違いして)、ある時(しかもたった一回で)、自分を慰める言葉もないほどに、途方もなくやられるのです。

 ポジションはすべてホールド。どの市場・商品もボラティリィティは上がっていますが、すべてフェイク。特筆すべき強烈な変化はありませんでした。これでもか、というほどしつこく取れたガソリンのブル・スプレッドも、何度も言いますが逆のチャンスは涙を飲んで見逃さなければならない。売り買い限月を近寄せて傍観していただきたい。



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2005年10月21日

騎士たちに捧ぐ唄

 ガソリン、貴金属、日本株はホールド。先週末から売り越しているコーンはそろそろスクウェアにして下さい。

 来週はナイト(騎士)たちに捧げる内容(特に白騎士向け)にしようと思っています。特に、敵対的買収、企業買収、買収防衛策、買収ファンド、などといったカテゴリーです。それから 明日は東京で石油を中心としたセミナー(株式と穀物も少しやります)をやりますので、よろしければどうぞ。私が講師をします。



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2005年10月19日

暗黒日に花束を

 ポジションはすべてホールドです。本日は、いわずと知れた偉大なるブラックマンデー の記念日。どちら様も市場に花束を 贈りましょう。

 それから、これまで掲載していたユーロ市場におけるデリバティブのポジション例、オペレーション例についてですが、身内からのクレームが激しいので、公開をやめます。



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2005年10月17日

トリガーの反射光− 〜SF兵器 vs プレーン・バニラ〜

 ポジションはすべてホールド。今回の日本株やプラチナは先物取引の理論が分かっている人ほど大きくポジショニングをとっているようですが、プラチナの場合は債券市場などと違って現物要因にかなり気を使わなくてはならないので、ポジションは最近の穀物や石油ほど大きく築けません。当然、このような場面での期近の買いは先物取引かディープ・インのプット・ショート系が相応しく、先限の売りはオーバー・アウトのプット・ロング

 ゴールドは皆さんアウトのコール・ロングと先物のショートで持たれていると思いますが、持続して下さい。スクウェア(中立)のポジションにしては、ここ2週間で50%〜120%ほど利益が出ているようです。使用する武器はやはり大切という事。ここ2ヶ月のゴールドの損益を見ても、先物だけで組んだと計算すると250%しか利益が出ていませんから、磨かれた武器と研鑽されたストラテジー で行った人の10分の1以下しか利益が出ていないという事になります。印象的なのが、日本株とゴールドが鏡のように同じポジションという事です。それから石油関連と日本株に関しては新たなる武器が続々とカバードを中心にラインナップ されていますので、その美しいEDGEを手にとってお楽しみ下さい。

 先物取引(プレーンバニラ)のみで取引されている人はあまり居ませんが、もう少し、先物取引のみで計算した損益計算は続けます(ご自身が使ったデリバティブとの比較に使えて便利でしょ?)。それから日本株は大証の先物取引の条件が非常にいいので、多用すべきです。巽さんが撒いた種 は確実に育っているのでしょう。



dd_freak at 13:49|PermalinkTrackBack(0)││デリバティブ 

2005年10月14日

暗闇からの狙撃

 穀物、株式、債券、石油、すべてカバードが全盛。莫大な利益が上がっています。「先物とオプションだけで商品取引を行っている人とか、先物と現物のマージンだけで株式をやっている人たちがかわいそうになるよね」と皆さんおっしゃいますが、そうした同情は不要。裸で殴りあう彼らを狙撃するのは我々の使命であり、許してあげるわけにはいきません。敗北した後の彼ら機関銃で掃射して駆逐する行為もまた、我々の重要な使命なのです。

 先物取引だけで計算すると、8月以来のトータル損益は、債券で+230%(1000万円→3300万円)、穀物で+720%(1000万円→8200万円)、株式で+40%(1000万円→1400万円)、石油で+390%(1000万円→4900万円)しか儲かっていない計算になります。これだけ弱者に満ち溢れた市場で、セオリー通りに動いた時期だというのに、この利益幅ではげっそりしますよね。だからといって、理解していないデリバティブに手を出すのは厳禁です。めくるめくデリバティブの世界はどこまでも奥深く、誰であれ、その限界を見た者はいません。戦場の兵士たちと同様、高度な武器ほど畏敬の念を以て扱いましょう。



dd_freak at 16:39|PermalinkTrackBack(0)││デリバティブ 

2005年10月13日

騎士たちの習性−掘 腺味錬韮錬咾貌海れて〜

 本日の石油は小動き。穀物も変わらずですが、こちらは落ち着いた値動きからは想像しにくい著しい取組変化を見せています。コーンはわずかな売り越しかスクウェアに移行して下さい。それから、プラチナをブル&ショート しましょう。チャートは崩れていませんが、LOGOS(神の言葉) に導かれるように自然に動いた人が正解。

 「ギャンブラーの習性」を、今後「騎士たちの習性」に改題します。ホームページの題が決定した事に伴う改題ですので、参照して下さい。 騎士はLOGOSに導かれるように自然に行動する」。 これは供福騎士は使命を遂行するようにディールを行う」)に似ていますよね。

※この部分に入っていた「世界情勢」に係る記事は、大手検索エンジンにインデックスする前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。元来、石油とエネルギーを理解しなければ世界情勢に意見することはできない。当サイトでは、石油・エネルギー情勢の詳細を解説してきたが、話題化顕著のため、メルマガにその道を譲らざるを得なくなった。今後の世界情勢カテゴリーは、石油・エネルギー分野はニュース解説程度にとどめ、先進国政府の未公開ファイル系に焦点を移していく所存である。



2005年10月12日

温泉、葉巻、高級時計……トレンドを呼ぶ力

 本日のガソリンはほぼ全限ストップ高。やはり昨日が転換日となりました。もちろん8月スタート時以来のガソリンのトータル損益は+390%。穀物は連日の高騰となってますが、ベア&ロングをそれぞれ半分に縮小、売り買い限月を近寄せて下さい。株式はそれぞれのポジションを持続。

 トレンドの支配 は、裁定取引と並ぶ投資やストラテジーの基本(中核)である。私が99年以来叫び続けてきた「世界最弱の通貨である円とドルが下落し続け、ゴールドがアセットとしての魅力を十数年増し続けるだろう」との私のトレンド分析は、そろそろ異論を挟む連中があきらめ始めるほどの勢いで、オーバーシュートを誘発しようとしている。

 私が示唆した産業分野のトレンドも同様だ。バブルの絶頂すら比較不能なほど高級ブランド時計 が蔓延し、生産は追いつかない。温泉 ビジネスも一過性どころかますます勢力を増強、泉質の追求にまでマスコミを駆り立てている。葉巻 の揃えは一流飲食店の証明となり、殺し屋用だったシガリロが女性向けで飛ぶように売れている。移動体通信(携帯型自動車電話)も設備投資の不安を超越して伸び、その代理店システムがマルチ商法のトークに利用されるまでになった。

 トレンドを呼ぶ力は、至宝と快楽の探究心が形成する。節約や遠慮(思いやり)、節制すらも、至宝と快楽の探求のための「手段」に過ぎないのだ。そこに直結できるインテュイションを持ち、過程や言い訳に関する細かいデリカシーを捨て去れるタイプでなければ、トレンドを呼ぶ力 を得られないのである。



dd_freak at 16:58|PermalinkTrackBack(0)││トレンドの魔力 

2005年10月11日

ストラテジストの時代

  先週末は更新サボって済みません。本日のガソリンはコンタンゴ大幅縮小、売り限月1000円安程度になりそうです。先物取引のみでポジショニングしている人はガソリンの売り越しを潰し、スクウェア(中立)に移行。ブル・スプレッドも徐々に解消。8月スタート時からのトータル損益は、ガソリンのみでも+390%(1000万円→4900万円に)。

  同じ原資産(たとえば東京ガソリン先物取引価格)が題材でも、使用するデリバティブが違えば最適スタンスは変わります。今回がそうで、先物取引のみの場合はブル・スプレッドを近寄せ、売り買いバランスをスクウェアにする以外に取れる手段がありません。一方、多彩にデリバティブを駆使する場合は、売り越すか買い越すか(またはスクウェアか)、また期近と期先のどちらが強いのか、はさほど重要ではなく、ショート・ストラングル(変動率が小さいと利益、大きいと損失)かロング・ストラングル(変動率が大きいと利益、小さいと損失)か、それともターゲット・バイイング(あるポイントで長時間推移した方が有利)か、といったストラテジーの方が重要です。

  このような時、プロのポジションはアマチュアにとって、理解不能でしょう。複雑怪奇なストラテジーが飛び交う時代に、ガソリン市場も突入したのです。



dd_freak at 10:17|PermalinkTrackBack(0)

2005年10月05日

それぞれの魔界

 本日のガソリンは1100円安。コンタンゴも縮小で、ガソリンのトータル損益(スタートは8月)は+330%(すべて先物取引で行ったとして計算)。 穀物・日本株も大幅利益ですが、どちらも持続。

 コンピュータの含蓄がない私にとって、OLさんなら鼻唄混じりにできるような簡単なパソコン作業でも難事業。そんな状況だから、私のホームページを作成してくれているような連中が使う言語を、失礼な話だが「君たちの言葉」と呼んでいる。なにしろC言語やCOBOLすら分からない私は、コンピュータがデリバティブ以上に意味不明(笑)。このブログの読者は大半が携帯電話から読んでいるが、パソコンで読むと私のサイトにも「リンク」という場所がある。リンクとは、サイトを相互にアクセス出来るようにする事。そのリンク先サイトの読者が同業者(マーケット関係者)中心のサイトである場合、目的から外れるのでリンクを断っているが、なぜか「分かりました」と言ったのにリンクをやめないサイトもある。「デリバティブの世界は魔術師たちの世界とよく言われますが、私にとってはコンピュータの方が、そう呼びたくなる世界だ。

 ただ、皆さんが言うように、本当はコンピュータの方が簡単なのも分かっています。だからこそ、この夏、コンピュータに人生で初めて手を出したのです。使い、理解し、その上で使い途がない(役に立たない)なら、もちろん続ける理由がありません。加えて、顧客や側近から99%の反対意見を受ける中でスタートしたサイトです。長期間続くとは限りませんので、今の内に楽しんで下さい。



dd_freak at 16:34|PermalinkTrackBack(0)

2005年10月04日

静かな森林の危険なトラップ

 本日のガソリンはストップ安(1200円安)。コンタンゴも縮小で、8月以来のガソリンのトータル損益は+315%。安全性が高いポジションで運用している事などを考えるとまずまずでしょう。売り越しは3分の1程度に縮小、ただしブル・スプレッドは深追いすべきです。コーンの買い越しも半分程度(資金ベースではベア・スプレッドの約20%程度)に縮小。

  日本株はスクウェアかわずかな買い越しを持続。そして、森を見ず、木を見て下さいスクウェアな状態でも莫大なリターンが狙える時期です。 様々なトラップを注視して下さい。特に多彩なデリバティブが出ている企業は、よく調べて乗って行くか(着いてついて行くか)、逆にそれがネックの場合は敬遠して下さい。



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2005年10月03日

坂の上の雲

 本日のガソリンは小幅高、コンタンゴも動かず。ガソリンのみのトータル損益は+280%。日本株も小動き。どちらもポジションは持続。長期スタンスで買い越しのコーンがストップ高。そろそろベア・スプレッドも取りに行って構わないでしょう。  

 10年前、小説「坂の上の雲」を勧められ、いつか読みたいと思いながらまだ読めていない。いま高級時計のページを作っているが、この小説の題(内容ではなく)が頭をよぎった。 高級時計の世界では、パテック・フィリップ、ヴァセロン・コンスタンチン、オーデマ・ピゲの3ブランドが長らく「雲上ブランド」と呼ばれてきた。しかし、東西ドイツ統一に伴って復活した新生ランゲ・アンド・ゾーネが驚異的なスピードでブランド価値を創出、同じ時期にブランド力が復活してきたブレゲを併せて「5大ブランド」という言い方も出てきた。また、なぜこれらの中にジラール・ペルゴやジャガー・ルクルト、ロジェ・デュブイが入っていないのか、という意見も多い。世界経済におけるブランド構築の意味が重要になる分だけ、議論は白熱していく。

 本日、独断で現代の偉大なる現代の6大ブランドを規定する。パテック・フィリップ、ヴァセロン・コンスタンチン、ランゲ・アンドゾーネ、ブレゲ、オーデマ・ピゲ、ジラール・ペルゴの6ブランドである! 文句は一切受け付ない。

※この部分に入っていた「国際情勢」に係る記事は、大手検索エンジンにインデックスする前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。中国・アメリカ・インドにからむ国際情勢の分析は、核やガスを抜きにしては語れない。当ブログでは、1979年の中越戦争以降の複雑な中国・アメリカ・インドの関係と、核・天然ガス市場を解説してきたが、メールマガジンにその道を譲った。今後の国際情勢カテゴリーは、先進国政府の未公開ファイル系に焦点を移していく所存である。



2005年09月30日

因果応報の恐怖

 本日のガソリンは小動き。昨日拡大したコンタンゴがやや縮小。ポジションは持続。  日本株は変わらず。株価は個別のカバードやコンバーティブルの発行状態に導かれて動く事が多くなっています。阪神の件では皆さんもTV報道の馬鹿さ加減に笑った事でしょう。第一、阪神タイガースの優勝で儲かるなら苦労はありません。日本株もポジションは持続。売りはマージン、買いはカバードのプットロングかコンバーティブルで 持って下さい。また、売り銘柄と買い銘柄を変えてアクティブに売買すべき時期ですので、明日はどんなに忙しくてもチャートブックの購入をお勧めします。

 それにしても、ここ最近の国内株式市場で各銘柄の価格変動ファクターをアナリシスしていくと、想像を絶する複雑怪奇なストラテジーを随所に確認 することが出来、逃れられない因果と物語に到達 します。まさに、因果応報。「あそこまでされたら仕方がない」 と感じた人が多かったのではないでしょうか。あれだけのトラップがある日本株市場ですから、参加者の大半がプロである現状なのです。

 ホームページの完成に尽力中です。それぞれの挿絵に関してはアンケートを実施中ですので、お電話、メールなどでご意見ください。



dd_freak at 17:18|PermalinkTrackBack(0)

2005年09月29日

トゥールビヨンの彼方に

 トゥールビヨン装置 の付いた時計が全盛。月刊『サファリ』の8月号でシャネルやカルティエの新作トゥールビヨンが紹介されていて、それぞれ価格は1700万円、2215万円。パテック・フィリップやジラール・ペルゴといった高級ブランドの専売特許だったトゥールビヨン装置だが、シャネルやカルティエといった価格帯の安いブランドまで出す時代になったのだ。ただ、カルティエが以前に出したトゥールビヨン(1550万円)は機械をオーデマ・ピゲに作ってもらっていた。今回もそうだと思う。シャネルのトゥールビヨン(1700万円)に至っては、「一体誰が買うんだろう」といぐらいカッコ悪い。一緒に見ていた数十人の一致した意見は「ブランド価値を高めるためにとりあえずラインナップしたのでは?」だった。

 いずれにせよ、日本人平均の数十分の1の給与水準で働きたい人が世界には数十億人いるのだから、サービス・製造産業は彼らに奪われていく運命にある。驚くべき事に、彼らは犬や猫ではなく、我々と同じ人間なのだ。全く信じられない、無茶な給与格差だ。トヨタグループが繊維産業中心だった事を、現代の多くの人が知らないように、「昔、トヨタは自動車製造が中心だったらしいよ」という時代が来るはず。欧米(先進国)の労働者のようになりたくなければ、我々は「ブランド」「カルテル」、そしてそれらの神である「クールの誕生」を武器に、自然の摂理や経済学理論に逆らう  他ない。トゥールビヨンの彼方に見えるのは、そのように残酷な自然界の構図と、そうした淘汰に逆らおうとする叡智の結晶 である。

 本日のガソリンは売り限月小幅高、コンタンゴは拡大し、ガソリンのトータル損益は+280%(先物取引で計算)。先週末売ったポイントから約1700円安いが、広いコンタンゴが下げ過ぎ感を打ち消してる。コンタンゴを考えると、売り越しは先週末程度に戻した方がいい でしょう。期近の買いはディープ・インのプット・ショートが適切(各種カバードから選定して診断に来て下さい)、先限の売りはアウトのプット・ロングで行うべき ですが、その事が各種のプレミアムを引き上げている事も確かで、我慢できないなら先物取引で入れても構いません。日本株もポジションは持続(スクウェアのまま)。



dd_freak at 17:04|PermalinkTrackBack(0)││トレンドの魔力 

2005年09月28日

ビバ、コンタンゴ!−

 本日のガソリンはストップ安。売り越してから2500円安となっており、それ以上にブル・スプレッドの利益が大きい。8月以来のガソリンのトータル損益は約+290%。コンタンゴの縮小はさらに続く可能性があるが、売り越しは一旦半分に縮小。これだけの下落にも関わらず、ブル・スプレッドが売り越しを越える利益を出しているのだから、もしガソリンが上昇していたら、さらに莫大な利益となっただろう。売り越していても、上昇した方が利益は大きかったと考えられ、先週末からのブル&ショートがいかに魅力的ポジションであったのかが表れている。日本株はさらに好調な立ち回りとなっている。特にM氏がコンバーティブルを通じてポジショニングしている近辺は、皆さん(読んでいる顔ぶれを想像すると「君たち」と言った方が自然だが、サイトの運営目的はこれからスタートする人やスタート間もない人の支援である)も、かなりのリターンとなっているハズですね。   

 共に世界最強の紙巻シガレット、トレジャラーを吸いながら、冷たい視線で石油価格と企業価格のボードを眺めましょう。一流シガー並みのクオリティと値段でありながら、紙巻の、刻み煙草。それを必要とした男たちに想いを馳せながら、煙を愛撫しましょう。我々も時に、同じ状況が考えられますから。

 日本橋では自販機にダビドフのシガレットがラインナップされ、福岡にはヒュミドールからシガーを取り出せるセブン-イレブン出来ています。時代は確実に動いているのです。特に、私の近くであれば。



dd_freak at 16:29|PermalinkTrackBack(0)

2005年09月27日

ビバ、コンタンゴ!−

 先週末は、久々にポジションを大幅変更したので、見落とす人が居ないように(際立たせるためいに)短い内容にしました。読み物としてだけ利用している人はまるで面白くなかったでしょうね。

  売り越した先週末からガソリンは約1500円安ですが、売り越しは持続。コンタンゴは先週末から700円以上縮小していますが、こちらも持続。利益幅はやはり売り越しよりブル・スプレッドの方が大きかったですね。これでガソリンの8月(ブログ開設時)からのトータル損益は+255%になりました。計算が分からなくなった人はお問い合わせ下さい。

  日本株は個別のコンバーティブルに最も妙味がある展開が続いていますが、異常にリクイディティの低い展開が続けば、再び買い越さなければなりません。その時はコンバーティブルやカバード・デリバティブのパリティが株価と大幅乖離(もちろんプラス乖離)するでしょうから、コンバーティブルとマージン・ショートのセットを基軸としたスタンスを解消し、株式でポジショニングせざるを得ません。そうなるとマージンのショートはインデックスを利用するのが無難という事になります。刻々と変化する状況に応じ、流れるようにポジショニングを変動しない限り、多彩な手段を選択できる株式市場では勝ち残れないのです。



dd_freak at 16:35|PermalinkTrackBack(0)

2005年09月22日

再びブル&ショートに!

 ガソリンは小幅高。再びブル&ショートに転じて下さい。売り越し幅は前々回(8月17日)のショート時の半分。ブル・スプレッドは前々回の4分の1(今回売り越し部分の3倍)。ゴールドの買いは全て手仕舞って下さい。日本株も小さな買い越しを閉じ、完全スクウェアか僅かな売り越しにして下さい。金額ベースだけで判断すると危険なので個別で診断します。相談して下さい。

dd_freak at 17:07|PermalinkTrackBack(0)

2005年09月16日

アムシェルの呪い−

 ゴールドの現物需給は、言わずと知れたロスチャイルドの「黄金の間」で決定する。1日2回、午前10時半と午後3時に世界中の生産者と需要家が注文を寄せ合って「フィキシング」を行うのだ。先日からNMが迂回ルートに変更したにも関わらず、ロスチャイルドの手からゴールドが逃げ去る事はなかった。まるでデ・ビアスのように。

 その理由として、周到に配備されたアムシェルのトラップがある。もちろん世界最強の男と戦う上で、彼がその天才を世界に示したストラテジーの一角だ。当時、アングロ・アメリカン駆使したプラチナのオペレーションはゴクランを「一歩たりとも動けない」状態に陥らせ、ウラン・カルテルのリオ・ティント・ジンクセブン・シスターズの一角ロイヤル・ダッチ・シェルを駆使したエネルギー・オペレーションとも複雑怪奇に結びついて、稀少資源をすべて目的のために動かせる状態へと導いていく。 その芸術的手法は、ロスチャイルド家の5本の矢の紋章のように世界中を威圧し、アムシェルの自殺後も世界を縛り続けているのである。

  アムシェル・ロスチャイルドの自殺後娯楽・嗜好品の世界にも様々な変化が訪れた。ロスチャイルドのために作られたドンペリニョンの立場は回復した一方、超絶級シガー(葉巻)はまるで喪に服したように一般ルートから消え去り、伝説的な立場に移行した。酒の世界では様々な概念が消え、この夏、中国では魚のワイン開発に成功、バイエルンではアルコール25度を越えるビールが開発された。

  本日のガソリンは小幅安。日本株同様、ポジションは維持(スクウェアか僅かな買い越し)。途上国企業がどの銘柄も20倍以上に値上がりしているのに対し、同じく長期スタンスで買い越していたゴールドが出遅れていましたが、ここ数週間でようやく上昇してきました。こちらも買い越し持続。

※この部分に入っていた「国際情勢真相」に係る記事は、大手検索エンジンにインデックスする前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。中国・アメリカ・インドにからむ国際情勢の分析は、核やガスを抜きにしては語れない。当ブログでは、1979年の中越戦争以降の複雑な中国・アメリカ・インドの関係と、核・天然ガス市場を解説してきたが、メールマガジンにその道を譲った。今後の国際情勢カテゴリーは、先進国政府の未公開ファイル系に焦点を移していく所存である。



2005年09月15日

逆襲するプレーン・バニラ−

 先日、ガソリンの期近の買いを、先物取引で入れるべき場面(プット・ショート系から移行)となった際、「先物取引が最適になる事もあるのだ」、と書きました。そうでないなら、金利市場や債券市場のようなプロの多いマーケットで、先物取引が生き残っているはずがありません。

 そう書いた翌日の日経新聞マーケット欄特集は、たまたま「円金利の先物取引が急増」というものでした。月間取引高が集計され、150兆円を突破したようです。1日で20兆円に迫る日もありました。円金利の取引高が、しかも先物取引だけで、たった1日で20兆円というのは、過去数年、私の記憶にはありません。これは何と、ガソリン先物の10年分に相当します(1日5万枚として計算)。マーケットでは「プレーンバニラ(味付けのないバニラ味)」と呼ばれて蔑まれる事の多い、先物取引やオプション取引といった原始的な武器ですが、円金利ですらこれだけ使われるパターンもあるのです。取引の少ない(従って機関投資家が資金を投入できない)アマチュア中心の商品取引で、それが最適になる機会があるのは当然です。スターリングラード攻防戦で高度な武器が凍って使えなくなったように、戦局によって最適な武器は異なるわけです。

  しかし、はっきりと言える、普遍的な事もあります。「多くの武器を使える者の方が強いに決まっている」という事です。しっかりと弾が出るなら、機関銃にナイフで戦いを挑んでも勝負は見えています。向いていない場面では、使わない選択をすればいいだけです。しかも、多くの場合、銃口にナイフも付いているのです。  本日のガソリンはストップ高。買い越しですがガソリンのトータル・パフォーマンスにはさほど影響せず、ガソリンのトータルは約+235%。ポジションは持続です。日本株や貴金属のポジションも持続。



dd_freak at 18:17|PermalinkTrackBack(0)

2005年09月14日

トリガーの反射光−

 本日のガソリンは小幅高。ガソリンのトータル・パフォーマンスは約+235%のままです。ポジションは持続。日本株も長らく続けた買い越しを閉じるにとどめ、売り越しは自粛して下さい。  「日本株を売り越せないのは何故?」との問い合わせが絶えませんが、裁定取引に伴う買残が薄いとはいえ、マージンの売残が20億株近い現況で、スペシャル・クォーテーション(SQ=特別清算日)に伴うオペレーション・リスクを無視するのは自殺行為です。特に日経ダウの先物取引をシカゴ、シンガポール、東京で比較すれば(特にボラセル・ポジション)、誰かが強烈なオペレーションを開始しようとすれば容易である事を教えてくれます。弱者の代表である証券会社や保険会社のディーリング部門が、彼らの能力に余る高度なインプライドを題材としたデリバティブを売買し始めている姿も、その可能性を不気味に示唆しています。

 皆さんが売り意欲を持った場面(通常なら売るべき場面でした)から、すでに日経ダウは大幅高ですから、もちろん急落すれば確かに利益率は高いでしょうが、見送って下さい。 「杞憂に終われば好運」と考えてどうしても売り越す人は、裁定取引に分厚く組み込まれた業績の悪い大型企業(都銀等)を買い、業績好調の優良銘柄を売って下さい。

  鍛えられたプロが正確無比なビジョンでトリガー(オペレーションの引金)を弾けば、推定1500本(金額ベースで約200兆円)ものミューチュアル・ファンドを跡形も無く破壊できるような効果的なポイントに、様々なトラップが仕組まれています……数百兆円しか残高のない日本株市場で、このような高度なストラテジーを見る事は稀です。 日経ダウにフラットなスタンスでもチャンスは無限。それらを発掘し、使いこなすのは我々の「使命」。トリガーの不気味な反射光が視界をさえぎる時、いかなるストラテジーを展開すべきか考えようじゃありませんか。



dd_freak at 16:24|PermalinkTrackBack(0)││デリバティブ 

2005年09月13日

ギャンブラーの習性−

 「ギャンブラーはギャンブルでギャンブルしないものだ」と私は考えています。かつて当ブログでも掲載したこの言葉を、多くの人がメールマガジンなどで転用していていましたね。

 私はもう一つ、ギャンブラーの習性を知っています。それは、「ギャンブラーは使命を遂行するようにディールを行う」というものです。 つまり、投資哲学に従って「賭けなければならない」場面では、必ず常に賭けなければならない、とギャンブラーは考えます。乗り気でなくても、嫌な予感がしても、プロのギャンブラーなら躊躇う事なく賭けるはずです。「仕方がないのさ」というクールな感覚です。ギャンブラーでない人には違った選択肢があります。私はそうした人に、「いいですよね〜」と愚痴を言ったりします。ただし、勝ち残るのはやはりプロです。私は投資した資金や時間は必ず返ってくると考えているし、それが飲み代だろうと証券市場だろうとブランド時計だろうと、利用法や配分を間違えなければ、必ずリターンがあがると思っています。従って、投資すべき分野で投資が減ると、はっきり「損失」とカテゴリーする癖が付いているのです。  本日の石油はストップ安近くまで下落。売り越しですが、ポジションが小さいので、ここ2日の下落を併せてもトータルのガソリン損益にはさほど貢献せず。約+235%。一旦小さな買い越しかスクウェアに移行して下さい。日本株と同じです。



dd_freak at 18:48|PermalinkComments(0)

2005年09月12日

台頭する新保守主義−

 本日のガソリンは小幅安。売り越しですが、ポジションが小さいのでガソリンのみで見てもトータル・パフォーマンスは約+230%で変わらずです。選挙は執行部が予定通り圧勝。解散前から決まっていた筋書きに加え、解散直後にマスコミが論拠の乏しい執行部バッシングを行ったために、大衆の右側への傾倒が加速した。終盤、このようなシチュエーションで最も効果的な「褒め殺し戦略」に切り替えたものの、時すでに遅し。3大ロビイストの1人O氏が久々に出動しただけの事はあったと言える。今回の小泉政権下で産業界やロビーが要求している政策内容は、橋本政権下の「金融ビッグバン」以来の難事業だけに、神々が降りてくるのは仕方ない。

 神々が降りる直前、森元総理がミモレットを「干からびたチーズ」と呼んでいた爆笑記者会見がありましたが、なぜか再放送されていて、可哀そうでしたね。日本株は急上昇。動きの詳細を見ると、先月から示唆していた状況が背景にあるのが誰の目にも明らかでしたね。大衆向けニュースが「サプライズ・ウィニングをファクターとして……」と報道しているのを、皆さんは笑いを堪えて御覧になっていたのではないでしょうか。



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2005年09月05日

ロードメイヤーは笑う

 本日の石油はストップ安ですから、本日ネットショート部分は+65%(今回仕掛けからは+35%)、ブルスプレッド部分は+25%。なかなか新たなポジションに移行すべきポイントは来ず、持続です。 ですから、8月からのガソリンのトータル損益は約+215%となります(すべての建玉を先物取引で行ったと仮定しています)。 株式に対してはややパフォーマンスが悪かったですが、債券や穀物よりは良好でした。これは資金シフトの順ですね。

  戸田さん、星崎さん、田崎さん他から「ホームページの内容が見れないのは、閲覧が会員制なのですか?」とのご質問でしたが、違います。まだ完成していないだけです。アクセスはできるのに完成していないのは、フォントなど、まだ駆使できるものがあればと収集しているのと、分野別の取扱い選択基準などで様々な意見があるからです。 特に近年は日本企業の個別株売買が ロードメイヤーのお膝元(ザ・シティ・オブ・ロンドン)に移行 しており、日本株の平均指数(日経ダウ225など)はシンガポールやシカゴに移行 しています。つまりどこの国家や企業のことを売買するかが決まっても、どこの市場で売買するかによって話が変わってしまうわけです。現時点の条件ではシカゴと並んでシティが全般的に有利です。世界最初で 最大の金融ビッグバンはやはり、世界の壁を壊した のです。先週末の株式市場の波乱なども、シティが引き金を弾いた のでした。 



dd_freak at 16:46|PermalinkComments(0)││政府銀行の解剖 

2005年09月01日

亡国の中で笑うために−

 昨日はブル・スプレッドを「ベア・スプレッド」と間違って書いてしまって済みませんでした。夜たくさんの人が教えてくれましたが、まだ別のコンピュータから直せないシステムで、訂正できませんでした。中には最後まで読まずに「えー!ガソリンのスプレッドは今日コントラリーしたの!?」と焦って電話してきた人も(笑)。最後まで読めば「ガソリン期近の買いは先物取引で」とありますから、ブル・スプレッド続行と分かりますよね。

 本日のガソリンは先限で前日比1340円高をつけた後、急落して前日比650円高。朝方の買い(前日比300円安)、高値での売り、と分かりやすい場面(神の恵み)が今日もありましたが、ダウンタウンの裏番組でアンジャッシュに笑いの神が降りたようなもので、裸で殴り合っている人以外には関係のない話。大半の人は機関銃を片手に客席で観戦という所でしょうか。もう片方の手には1本20万円のスーパーシガー、セヴァンセィック・クバーナ癸を持ち、神の香りを吹かしている(今週の利益で)姿が想像できます。ただ、今日から期近を先物取引で買ったと思いますので、先物取引ベースの損益は便利でしょ?ガソリンのネットショート部分は今回開始分が−30%(前回からの累積で+215%)、ブル・スプレッド部分は変わらず(前回からの累計で+195%)。コーンと金のわずかなロングは維持。

  で、民主党に投票すべき理由ですが、民主党を基軸とする連立政権が誕生すれば、自社さ連立のように政治力欠落が噴出、官僚統制できる政治家も小沢さん一人。じゃなんで!!(単純ですが)だってショートしてるじゃないですか……。さんざん利益を出した後、この国を良くする話を一から議論しましょうよ。1(イチ)の前は0(ゼロ)でしょ?面倒な事ばかり言う弱者たちがド貧民になっていく姿を確認(膿出し)してからテイク・オフがベスト。でも選挙までの期間が短いからムリですね。残念。解散前から言っていたように、執行部の圧勝は確実です。それ以前に「愛国者」O氏は、そうじゃなきゃこんな政変を仕組まないでしょう。



dd_freak at 16:28|PermalinkComments(4)

2005年08月31日

亡国の中で笑うために

 本日の石油は反騰。ガソリンのネットショート部分は再び±0(前回からの累積利益+240%=先物取引ベース)に戻り、ブル・スプレッド部分は動かず(前回からの累積利益は+195%=先物取引ベース)。明日、明後日と連騰してもネットショートは拡大してはいけませんし、コモディティへの資金配分も変えないで下さい。ただし、ガソリンの期近買いをプットショートで保有している人はそろそろ先物取引の買いに移行しても構いません

  本日は世界中の投資家が日本の概算要求に注目していましたが、日本売りの面々を喜ばせる、85兆円!という途方も無い数字が出ました。借金の金利だけで年間約10兆円支払っている状況下ですから、売り方にとってファンダメンタルズの強力な支援と言えます。 この状況で小泉氏を叩けば売り方の思うつぼです。政権交代前の政権が日本政府であったなら、もっとひどい数字になっていたはずですから(というより破綻している)。国家破綻に立ち会って利益を得てきた人は「アルゼンチン以来だよね」と明るく話していましたが、売り方である我々が恐れる要因は、ほぼ皆無です貧しくなっていく人々を横目に(かつ冷徹に)見ながら、しっかりと儲けましょう。ここで提案。民主党に投票しましょう!……頭がおかしくなったか?と思われる人も多いでしょうが、理由は明日(おふざけですが)。今日はとにかくファンダメンタルの強力な支援に酔いしれましょう。

<a href="http://www.sogolink.net" target="_blank">相互リンク.net</a><br>相互リンクをしてアクセスアップ!



dd_freak at 16:16|PermalinkComments(0)

2005年08月30日

新たなる武器

 本日の石油は乱高下。分かりやすい動きでしたから、どなた様もかなりの利益を出されましたね。力技が効く(腕で取れる)このような相場は、石油的生活をおくる人にとって神の恵みです(近くにそれなりのナイト(騎士)がいない場合は悪魔の息吹となりますが……)。またベースとなっている石油ポジションもブル・スプレッド部分が本日20%利益(前回からの累計で195%利益=先物取引ベース)、ネット・ショート部分が40%利益(前回からの累計で280%利益=先物取引ベース)となっていますから、ここ数週間の石油市場は資金をシフトしていただくだけの価値があったと言えるでしょう。しかも、先日から戦力化した新たな武器(石油に関するデリバティヴ)を、皆さんがストラテジーに簡単に組み込んでいく姿は感動的ですらありました。ご自分を「プロ」と読んで構いません。ただし、異常に有利な条件をショートしていたり、異常に不利な条件をロングしてしまったり、という凡ミスも少数見当たりました。新しいデリバティヴはそうした凡ミスを誘いやすいので、上級者以外の方は診断を受けられる事をお勧めします。

 こうした追い風を含めても、今週の株式市場のパフォーマンスは石油市場を大幅に上回っており、石油市場への資金シフトは前回の半分でいいというアナリシスに変更はなし。また日本株は大幅なネット・ロングから一旦スクウェアにしていただいているので、(それでも取ろうとすると)ポジショニングには分厚い被せが必要(つまりカネがかかる)なのです。



dd_freak at 17:44|PermalinkComments(0)

2005年08月26日

ギャンブラーの習性

 昨日のブル&ショートは、ショート部分が約70%利益、ブル・スプレッド部分が約25%の利益となった。初日のパフォーマンスとしては華々しかったため、「なんで(今回のポジションに関する)昨日の指示はあんなにポジションが小さいんだ」と文句が大量にきましたが、来週明けの株式市場と商品市場を見比べながら話しましょう。それからコーンのネット・ロングのパフォーマンスとも比較しなければならないわけですから、皆さんの意見と私の判断、どちらが良いパフォーマンスだったのかは、週明けまでわかりません。

  また、正しい判断の方がパフォーマンスが良いとも限りません。度々私は例に挙げますが、今期の楽天の戦力でも、シーズンで数十勝はするでしょう。楽天の勝利に賭けていたギャンブラーやディーラーは、儲かっていてもクビです。数十回の小さな勝ちや負けに左右されずにしっかりとディールに臨みましょう。 「ギャンブラーはギャンブルでギャンブルしないものだ」と私は考えています。この哲学を精神に刻み込んで下さい。



dd_freak at 16:46|PermalinkComments(0)

2005年08月25日

変形クロスの極意

 再び拡大したガソリンのコンタンゴ。前回の半分程度のポジションで本日築き始めていただきましたが、積み増しは24日記載分のような理由から慎重にすべきです。このポジションなら当然セオリー的に売り越さなければいけません。 これでコーンと金のわずかな長期ロングと、前回の半分のガソリンのブル・スプレッド(正確にはブル&ショート)しかコモディティは残らない計算ですが(本日夕方時点)、一方で、株式市場に魅力的なストラテジーが急増しています。とりあえず日経ダウのディープ・インのコール・ショートを基軸にして個別企業のコンバーティブルをロングして下さい。また、長らく崩していないネット・ロングのスタンスをスクウェアに近づけて下さい(特にロングを大企業の現株で持っている人は)。個別のコンバーティブルについては直接お電話で。

 それから、23日記載分にあった変形クロスの技術的内容は、聞きたい人の質問を総合して近い内に手書きでテキストを作ります(質問が多かったので)。ご所望の方は受け付けます。 本日はまったく内容が薄いですが、ご容赦下さい。



dd_freak at 17:59|PermalinkComments(0)

2005年08月23日

ビバ、コンタンゴ!

 やはりガソリンのコンタンゴは今日の午前中が短期的ピークとなった。終値で仕舞っていても130%の利益だが、午前中であればさらに20%得だった事になる。新たに仕掛けるタイミングだが、意外に近い時期になるかもしれない。そのタイミングは同時に、再びネットショートを築くチャンスとなるのではないか。長期であまりにも魅力があるので、今日の終値でフライングしてブル&ショートを組みなおした人に非はありませんが、すぐさまスクウェアに戻して下さい。

 穀物は買いサインからの上昇幅が1000円を越えたが、特に状況の変化はない。値頃感で本日利食った人は(状況が変わらなければ)頃合いをみて買い直すべきだろう(ただし買い越し枚数は減らすべき)。ここで注目すべきは(教訓としていただきたいのは)、先物取引の買いよりもプット・ショートの方が断然パフォーマンスで上回った事、そしてベア・スプレッドが取れなかった事(全員我慢していただいて正解)です。CBは現物にするのがベストでしたね。個別銘柄によってマージンの金利が違うのでクロス(特に変形クロス)のタイミングはお電話にて。



dd_freak at 18:01|PermalinkComments(0)

2005年08月22日

石油を巡る冒険

 ガソリンのコンタンゴ縮小はさらに続いています。先週末は「短期間で取れすぎているから」という事で仕舞いたくなった方も多かったと思いますが、あそこから新規で攻めてもいいというほど、仕舞ってはいけない場面でした。今日は1日でさらに30%利益が増加したわけですから短期でそろそろ仕舞うべき水準でしょう。昨日時点で期近も期先も先物取引に乗り換えてもらっているはずですから、明日の午前中で十分に間に合うでしょう(パリティ接近を待つ必要がないため)。スクウェアは維持して下さい。

 穀物は逆にベアスプレッドを取ろうとした方が多かったと思いますが、こちらも待っていただいて正解でした。債券しか取引経験がない方は不思議に思われたでしょうが、穀物を取り巻く特殊な要因に因るものです。ネットロングは、維持してもいいし、買い増し予定でいったん利食っても構いません。シカゴを売っている方は東京でかなり思い切ってネットロングにしても問題ないでしょう。ただし、重ねて言いますが、ベアスプレッドをどうしても取りにいくなら(期近を売るなら)先物取引は避け、コールのショートにして下さい。ネットロングはやはり期中のプットショートが最も良かったわけです。この現象がなぜわかったのか、驚いた方々からは賛辞をいただきましたが、その理由についてはかなり難解なので、ここでは説明しません。それからコンバーティブルとコールのパリティ算出の違いが分からない方は、ご連絡いただければお教えします。

※この部分に入っていた「国際情勢」に係る記事は、大手検索エンジンにインデックスする前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。中国・アメリカ・インドにからむ国際情勢の分析は、核やガスを抜きにしては語れない。当ブログでは、1979年の中越戦争以降の複雑な中国・アメリカ・インドの関係と、核・天然ガス市場を解説してきたが、話題化顕著のため、メールマガジンにその道を譲らざるを得なくなった。今後の国際情勢カテゴリーは、先進国政府の未公開ファイル系に焦点を移していく所存である。



dd_freak at 17:02|PermalinkComments(0)

2005年08月19日

バックワーデーションへ

 ガソリンがバックワーデーションに回帰する動きはまだ止まらないだろう。
 先日からのブル・スプレッドは持続していただきたい。受渡しベースの保管・輸送料やリスク・プレミアムを考えれば、8月17日のサインからの利益が110%(スプレッドにしては莫大な利益と言える)出ているからといって簡単には仕舞えない。
 また17日に「これだけ大きなブルスプレッドのチャンスであれば自動的にディーラーはネットショートも増やさざるを得ない」として、久々にかなりの売りバランスをお勧めしましたが、未成熟な市場ほど、この習性は強いと覚えていただきたい。したがってコンタンゴの動きを重視、石油の推奨ポジションはネット・ショートも持続となりますが、こちらは短期で半分程度に縮小すべき(使用するデリバティブによるが)。ネット・ショート部分はプット・ロングで持っていただいていると思いますが、パリティとの乖離が狭いポイントで先限の先物取引に乗り換えてください。その時点では売りも買いも先物になります(先物取引のブル・スプレッド)から、バランスをイーブンにするのは計算が容易ですよね?
 ガソリンと同じ考えから、8月17日に買いサインが出たコーンは買い持続。こちらはベア・スプレッドのチャンスに見えますが、スプレッドは取りにいかないで下さい。諸事情(上記のような一般論ではないので理由は直接お伝えします)からコンタンゴは通常理論で判断してはならない状況になっています。石油の売り場と同じ8月17日にサインが出たのはなにも珍しい現象ではなく、国内商品取引の利用者の大半が中小企業経営者である事に起因するもの(つまり資金ショート)です。出来ればネット・ロング部分は期中のプットショートで保有してください。

 日本株ですが、ワラントの現物や現金などをマージンの証拠金に充当している人は、そろそろ親株かパリティの接近したコンバーティブル(いずれも現物)を取得してマージンの売りと相対にするか、個別のカバードから魅力的なものを探して下さい。この作業により、石油・穀物・株式信用取引の証拠金がどのみち浮く計算になりますので、実に魅力的になっているコンバーティブルに集中的に資金を割けます(特に阪神など電鉄株に魅力的なものが多い)。わからない人はお電話で。

※この部分に入っていた「デリバティブ」に係る記事 (「デリバティブ取引における会計処理とヘッジ」シリーズを含む) は、大手検索エンジンにインデックスされる前に削除している。1. リクエストが多い、2. 話題化が収束してきた、などの諸条件が揃えば、再掲載する予定である。その場合は一時的にトップで扱う。当サイトでは、デリバティブ商品の取引やヘッジ、会計処理、税務の詳細を解説してきたが、話題化顕著のため、頓挫せざるを得なくなった。今後のデリバティブ・カテゴリーでは、買収技術的デリバティブはニュース解説程度にとどめ、天候デリバティブ、不動産デリバティブ、デリバティブ預金、店頭デリバティブなどに焦点を移していく所存である。



dd_freak at 16:20|PermalinkComments(0)││デリバティブ