2014年07月29日
 いきおいよく中国から取って返した秀吉だが、ここで一服して考える。スピードの中ですべてが行われた印象のある山崎の戦いを、いちど静止させて見せるとは目新しい。
 風呂に浸かるのみならず、新しい人材と変な問答を繰り広げる秀吉には天下人に生まれ変わる寸前の気負いは殆ど感じられなかった。
 それゆえに山崎の合戦に挑んで天下を変え始めた彼のいきおいが映える。緩急の激しい山崎の合戦に、さらにもう一つの緩急を付け加えた形になっている。
 実際、人間が一週間も動の状態で居続けられるわけもなし。歴史上では一瞬、言葉の上では光秀の三日天下でも腰を据えた状態だって何度もあったに違いない。

 肝心の山崎の合戦は天王山を焦点扱いした言い伝えに従順な描写がなされている。山を駆け下る味方をみて、光秀勢が負けを意識するところの描写が秀逸だったので、困るほど説得力があった。


 光秀を撃破した秀吉と柴田勝家との対決姿勢が清洲で明らかになる。
 七本槍で著名な賤ヶ岳の戦いは、佐久間盛政の愚かな行動が全てを決めたという描かれ方だった。瞬間的な暴走ではなく、数日間留まっているから余計に愚かしさが際立ってしまう。
 まぁ、なんだかんだで柴田勝家がおいしいところは全部持っていった。お市の方と通じ合ってみせたかと思えば、十字腹を切ってハラワタを外に投げつけ、北の庄城の天守ごと爆死――松永久秀の爆死を描かなかった理由がよく分かった。
 しかも、最期の供にした家臣が中村文荷斎(なかむらぶんかさい)という一度聞いたら忘れられない名前の持ち主である。芸術は爆発だから、文化祭も爆発なのか。すげぇ。
 なんて傾いた柴田勝家であったことか。

 ライバルを次々と倒した秀吉が天下人になって、めでたしめでたし。「だが、年をとってからの秀吉は剃刀のような切れ味はなくなり只の老人となり、家族も皆不幸になったことを付記しておく」と結ばれていることを付記しておく。

-異本太閤記-豊臣秀吉1−2巻感想
-異説太閤記-豊臣秀吉3巻感想
-異説太閤記-豊臣秀吉4巻感想
-異本太閤記-豊臣秀吉5巻感想
-異本太閤記-豊臣秀吉6巻感想
横山光輝作品感想記事の目次

豊臣秀吉(7)異本太閤記 (講談社漫画文庫)
豊臣秀吉(7)異本太閤記 (講談社漫画文庫)
2014年07月28日
 それが五胡十六国時代の幕開けだった……とナレーションをつければ、いいところのまったくない郭嘉の行動が天下の外側を震撼させる。
 鳥人間コンテストさんを苦労して捕らえたのに、斬首しちゃう曹操には参ったね。郭嘉を正ヒロインと見極めたように心配しまくる点にも参ったね。肩を揉んだり、おでこをこつんしたり、軍師にセクハラを働く光景がたびたび目撃されてきた曹操だが、ついに本命を絞ったかー。そういうことにしてみたい。

 「大奥」や「文化祭」など内向きの話が占めるボリュームが多くて、袁紹との戦いが終わったことを痛切に感じた。やっぱり病死の描写はされないんだな。
 袁煕の禿げ方が憐れすぎる。末っ子は相変わらず元気みたいで良かった。袁紹が天下を取ってくれれば後を継ぐ器はあったんじゃないかな?覇業を継ぐなら袁尚でも、安定させるなら袁譚か?

 寝取り駆け落ちを企むけど草食系の曹植が導火線になった文学論議は、曹丕も中心人物の一人と言われても納得出来ない流れに……実際は凄かったはずなのだが、周囲が濃すぎて霞む。残った印象は人妻スキー。奪った妻を曹植に奪われそうになるのは因果応報的な何かだな。袁煕の頭髪を見てしまうと余計に曹丕に肩入れしにくくなるのだった。
 建安七士のうち五人まで名前を出しているなら、残りの二人も……と思って検索したら曹操親子は七士に数えられていなかったぜ!書き方が紛らわしいよ。ガーター騎士団では王と王太子も定員に含まれているというのに。

 見ていないところで必ずあくどい顔をしている劉表が好きだった。背景でゴゴゴゴゴ…って音を立てているだけでフェードアウトするところが三国志最大のオナニストらしい。
 孔明はずいぶん珍妙なキャラクターに仕上がっているなぁ。単為生殖してそうなお付きの双子が気になる。三顧の礼がピンポンダッシュよりはや〜い!

蒼天航路 文庫版1巻感想
蒼天航路 文庫版2巻感想
蒼天航路 文庫版3巻感想
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蒼天航路 文庫版7巻感想
蒼天航路 文庫版8巻感想

蒼天航路(9) (講談社漫画文庫)
蒼天航路(9) (講談社漫画文庫)
2014年07月27日
 貴族の時代から武士の時代へ。
 権力の持ち主が移り変わっていく様が描かれる歴史漫画。

 最初に出てくるのは最近やっと宗派が和解した最澄と空海である。最澄の一本気を通り越して明らかにおかしい行動には笑ってしまった。漫画だから余計にコミカルに感じてしまうのかもしれない。
 まぁ、空海の立場では堪らないものがある。せめて最初から別の方法で密教の情報を集める発想はなかったのか?
 権力者たちの意向に振り回されて可哀想とも思った。

 平将門を描いた話は、興成王という名前も知らなかった人物がキーマンになっている。官位がほしかっただけの将門よりも大きなビジョンをもった人物にも見えないことはないが、現実が見えていないだけの印象も拭えない。
 関東を拠点にしても、関東への理解と愛が足りなければ負けるよ。

 源平合戦は奥州藤原氏の視点から描かれている。後白河法皇に後押しされた義経と協力して、西と北から関東を挟み撃ちにする戦略が発動していれば、歴史は大きく変わったことだろう。
 安定しない海上機動を戦略に取り込むのは怖い。
 頼朝は最強の引きこもりじゃないかと思ったが、秀衡も結果的に似たようなものだった。むしろ、頼朝より甚だしいか。
 自己紹介以来、国衡の出番がないことに泣いた。実質的な大将は彼だったのに。庶子はつらいよ。

マンガで読み解く日本の歴史 弥生〜奈良時代編 感想


マンガで読み解く日本の歴史 平安~鎌倉時代編
マンガで読み解く日本の歴史 平安~鎌倉時代編
2014年07月26日
 トルキエ軍侵攻開始!4万の大軍で一路、バルトライン帝国の首都、聖ミヒャエルを目指す!
 ……と見せかけて曲っがーれ!行軍速度が遅いのは大砲を引きずっているせいだと分かるけれど、進路を南に変えてしまった理由はわからない。
 道ばたに未記載の毒草でも見つけたか?ちょっと確認するつもりが奥にどんどん新しい毒草が……

ザガノス「道草(毒)!!食わずにはいられないっ!!」

 誘導したい方向に点々と毒草を配置する手を使えばトルキエ将国第一人者の将軍といえどもつっかえ棒をしたデカいザルで捕まるともっぱらの噂である。しかし、策士のルイ大臣がそれを仕掛けたわけでもなく、バルトライン帝国にとっては栗田ターンであった。
 思わずマガジン感嘆符“!?”を発動するところでしたね。

 あるいはエルルバルデス領を意図的に荒らさないようにしているとか?ハンニバルがファビウスに使った手だが、内通を疑わせて強敵の立場を悪化させる効果が期待できる。
 まぁ、レレデリクはとっくの昔に親戚が集まる場が針のむしろと化しているからね。効果ないね。
 そんなレレ様も、バルトライン帝国がトルキエ将国に征服されれば――それまでに戦死していなければ――求婚者がたくさん現れるに違いない、諏訪御料人的な意味で!

 けっきょく、帝国と将国の国境南側にあるものが分からないため、ザガノスの狙いが読めない。たしかトゥグリル村は街道の北だったから、そっちなら部隊を動かせる街道が通っていると予想できるのだけど。
 もしかしたら、毒薬の将軍はルイ大臣の作戦を完璧に読んでいて、帝国各地から常備軍を引きはがすことを最初から狙っていたのかも。そして、重石のなくなった各地に反乱の狼煙をあげさせまくれば、自分たちは直接戦わなくても帝国が瓦解する寸法だ。
 大砲を用意しておいて最後まで戦いないかは、ともかく、情報工作の時間稼ぎに変な寄り道をできるだけ安全な国境近くでやっているのはありうる。バルトラインとしては、各地で反乱が起こったからと常備軍を首都から戻せば、剣呑に攻撃の機会をうかがずトルキエ軍に攻められるわけで、非常に苦しい状況になる。
 まさにザガノス軍は帝国の体内に入り込んだ猛毒といえる。

 ところでルイ大臣はおしゃべりの相手を財務大臣のシモン・ブランシャールに変更。小姓のニコロきゅんから始まって、ココシュカ、ブランシャールと、とっかえひっかえ!
 まったく!この地図マニアは!


 トルキエ軍の侵攻経路にある旧ベルネット王国領の春の町(ブランタン)では、大食らいさんが一人で仕事をしていた。毒殺に気をつけろよ――もしかして、だから仕込む暇のない買い食いが好きだったのか?バラバンに盛られ掛けていたから違うな……。
 キュロスはポイニキア人の経歴を駆使してオットー・ベルネット町長を説得した。まさに彼にしか成し得ない仕事だった。うまく眠れる獅子の誇りを刺激したなぁ。逆に甥のオスカー・ベルネットは放っておくと副市長化しそうな気配がある。ご用心。

 面従腹背、見せかけだけの降伏を本物の降伏に変えようと言うのだから、ザガノスの打つ手は鋭い。そういえばキュロスはマフムートの前から、スレイマンひいてはザガノスの部下だったと今回の話で思い出した。
 それにしても、ポイニキア帝国を懐かしがる人間の多いこと。キュロスやオットー・ベルネットが元気いっぱいに独立国家を再興したら結果、トルキエ将国にとってバルトライン帝国より厄介な国に囲まれるオチはないよね?
 まぁ、領土的野心さえもたなければ面倒なことは起こらないし、野心を起こさないためにも実力のある国でいてくれた方が都合がいいとも考えられる。
 そういえば、ベルネットと同じ方法でライアン・ロゥも説得できるな!次は海路で行ってこい、キュロス!!そっちはアビリガの担当か?

将国のアルタイル 78fasil 帝国の宰相 感想
将国のアルタイル記事の目次
主人公の出番は扉絵だけだったな

ダイヤのA
 二者連続打ち取りで、一塁三塁。試合は壊していないのだが、本人の受け止め方が問題だな。ここで点を取られると特につらい。雷市が暴走して本塁上で憤死しないかなぁ。
 なんにしても御幸の負荷は大きくなるわけで、薬師の6番は事情は知らないのに最も嫌なことをしてくれている。さすがはキャプテン。

生徒会役員共
 みんなのいるところまで一人で移動するのは怖くなかった?
 貞子ルックでのリア充殺しは、ヤンデレ臭も漂っていて、想像力が豊富なほど怖い。

ベイビーステップ
 浅野に無理をさせて失敗を引き出し、ついにブレイク。このまま押し切り浅野に夢を託させて、ついでに寧々さんが幸せになる展開とみた。
 最強の盾は最強の武器でもあるって感じの主人公らしくない戦い方が素敵だ。

アホガール
 いい兄貴だな。妹のためにもアホではない友達は近くにいてほしいからな。
 そして、オチがごもっとも過ぎる。まぁ、少しずつ印象を改善していくしかないさ。

神さまの言うとおり弐
 このゲーム、意外と早く終わりそう。丑三はあのまま死んでもよかった。
 あるいは全員死亡で平行宇宙に移動の力業を――やるには明石が本当に殺されているべきか。

せっかち伯爵と時間どろぼう
 くまモンさんは?天皇陛下と皇后陛下に詰め寄られていたくまモンさんは?同時に複数存在できるの?
 最近の黒いニュースを聞くと、ネズミーさんは本当に中の人がひとりで酷使されていても違和感がないです。

ACMA:GAME
 敦賀自爆!この展開は想像できなかったというか、けっきょく能力を使わずに勝ちやがったな、マルコめ!味方にも大ダメージを与えるので使わずに済むなら、それに越したことはないわな。
 さて、そろそろ紫たんの絶対服従が実験し尽くされているころか。ゲームに利用されるのだから、照朝が可能な限りの検証を尽くしていないはずがない!
 嫌なことでもできるか、とか。感情まで変質させられるか、とか。いろいろされていそう。はぁはぁ。

聲の形
 最悪の場合は二度と会わなくたっていいんだぜ?どんなにそりの合わない人間とでも復縁しなくちゃいけない強迫観念があるならば、それは学校という子供を無理矢理一カ所に押し込める組織の必要性に迫られてのことだ。「自然」じゃない。
 まぁ、元通りとはいかなくても、石田を喜ばせる演技ができるならいいね。

天啓のアリマリア
 服の破壊がギャグにしかなっていない……!それはそれでちょっと面白いのでいいけどな。
 執事がお嬢のおっぱいを見たいが為に裏切って撃破してしまう展開はまだですか?彼も独占欲が強いから、他に男がいるところではやるまいが。

金田一少年の事件簿
 壮絶な死亡フラグぅ……金田一は経験則から止めろよ。伝統でもあるし根拠がなければ無理とはわかっているけれど、それでも死亡フラグが強烈すぎて花嫁を直視できない。
 麻薬の村の教会で寝る儀式を思い出すなぁ。


講談社コミックス感想一覧
 ニュースで「人気アニメワンピースの〜」ってキャスターが言ってた。原作は漫画なのにそんな言い方、原作者に失礼だと思わんのか?視聴者の大半はアニメと漫画の区別がつかないと舐めきった上での発言なんだろうけど、非常にもやもやした。
 
トリコ
 ここから復活か。すごいね、グルメ細胞。身体を削るのではなくて、「食べる」機能を損壊させなければ、この世界の化け物は倒せない。
 無敵の盾は途中で詳しい理屈付けを放棄しているな……。

暗殺教室
 痛みを感じない病気は、命取りになる怪我をしやすい。死神の危機感を覚えさせない能力は、それに近いものがある。
 囚われのビッチ先生はまるでヒロインだな。やられっぱなしじゃなくて、なんらかの反撃をしていてほしい。

こちら葛飾区亀有公園前派出所
 盆栽育成シミュレーションの話もあったのに、両津が盆栽の世話を怠るとは……展開の必要に迫られて記憶が改変されている!?
 まぁ、あれだけ多彩だとアンインストールしないと次の能力が入らないのかも。部長はそんな事情を知る由もないのだが。

斉木楠雄のΨ難
 理由をつけて断るからこんなことになってしまう。他はともかく治験が危険すぎる。某製薬会社の不正ネタにつなげかねない意味で!

HUNTER×HUNTER(ハンター×ハンター)
 レオリオが悲しくなる話。パクるのは簡単でも、着想は簡単ではない。真似よりもオリジナルが、その点では偉い。そう慰めてみるか。
 念能力の元ネタになっていることでも、最初は普通の人間が考えた能力という物が多いのでは?ハンターの観察力をもってすれば、他の生物から直接パクることも可能かな。
 キメラアントは種族としてそういう連中だったな。

磯部磯兵衛物語〜浮世はつらいよ〜
 悶絶。最高にキモいが最高に共感を呼びかねない男。とりあえず出世の励みにはしろよ。


ジャンプ感想サイトリンク集

集英社コミックス感想一覧
2014年07月25日
 攻略法のバレた孔宣があっさり準堤道人に倒されてしまう。なかなか手こずらされた金鶏嶺の戦いもこれにてゲームセット。殷にとって貴重な十万の兵士だが全ての道をふさがれ、道なき道からも攻め登られたせいで、逃げ場もなく壊滅状態である。
 やはり山頂布陣はリスクが高い。趙奢は似たような状況でも、度胸でもって見事に成功したが。

 邪魔者を排除してからはお手紙魔である韓栄将軍が立てこもる椰經悗鮃兇瓩襪海箸砲覆襦まずは左右にある二つの出城から潰していく。
 佳夢関攻めでは南宮カツ将軍が名誉挽回の活躍をみせた。武吉との絡みがなかった点が物足りないが。
 犬使いの末将、季康も渋い活躍をした。戦いの途中で犬に参戦させるなんて烏鴉兵と発想が変わらない。他にも添え者が付くことは多くて、一騎打ちから援護がどんどん参入していって本格的な戦いになる展開も目立つ作品である。江戸時代の敵討ちか。
 火の鳥でも失敗していた丸めた草に火を付けて転がす戦法を凌いで佳夢関は撃破。

 ところが、青竜関は佳夢関以上の手強さで、九公に黄飛虎の四男、黄天祥まで殺されてしまう。黄飛虎が敵の「飛虎兵」に苦しめられるとは皮肉だなぁ。
 ここまで苦戦するなら兵士を周囲に張り付けて先に進んだ方がいい気がした。黄飛虎の補給路をクリアにしたい説明も分かるけど……。

殷周伝説 太公望伝奇16巻感想
横山光輝作品の目次

殷周伝説―太公望伝奇 (17) (Kibo comics)
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永遠に覚醒しない楚の荘王

漫画を愛する心に卒業なんてないんだ…

趣味
 読書、作文、漫画、写真、天体観測、石集め、歴史(古代欧州、三国志、日本戦国時代)、ネットサーフ、その他たしなむ程度にいろいろ。
そして、このブログ

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