2006年01月31日

星界の戦旗機/慌浩之

 星界の紋章に繋がる作品。著者によれば本書が本編で紋章は外伝らしいが、時間と読者感覚的には続編でよい。1巻ではアーヴ帝国と三カ国連合の銀河の覇権をかけた大会戦がくりひろげられ、平行して主人公のジントとラフィールの精神的な成長ぶり(この作品は紋章の三年後)が描きだされる。

 私としてはキャラクターよりもハードウェアや戦闘描写の方に興味を持ってしまう。たとえばこの世界を構築するのに欠かせない設定である『平面宇宙』は、光速を出し抜くと同時に、戦闘を二次元的な第一次大戦以前のもののように考えることを可能にしている。
 平面宇宙独特の機雷などの兵器が味付けになっているが、アレクサンドロスやハンニバルと同次元に指揮官を評価することが出来るので戦史マニアとしての楽しみも大きい。

 一方でこの世界における通商破壊戦がなぜなりたたないのか――なりたつのかもしれないが帝国艦隊がどこかの滅びた国のそれと同じように敵艦隊の撃滅を第一のものと考えていることから、あまり主流ではないと思われる――悩んでみたりする。おそらく航続距離の問題だろうが。

 演出として最も下っ端である主人公たちの突撃艦から、最上位の艦隊司令長官・皇帝までの判断が描かれているので帝国軍を全体的に見通すことができておもしろかった。じつによく練られたプロットだといえる。

星界の戦旗〈1〉―絆のかたち

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