2006年08月26日

銀河英雄伝説1−8巻 道原かつみ

 神聖モテモテ王国をちゃんぽんにして読んでいたらラインハルト・フォン・ローエングラムがファー様に見えてきた…ファイエル、ファイエル!

 田中芳樹先生の原作で知られる銀英伝だが、漫画では表現が更に進化していて宇宙空間の運動を二次元的に捉えている違和感がカバーされてる。また、キャラクターの主張にあるくどさが抜けて読みやすくなった。それでも理想化がはなはだしいと思うのは帝国貴族の俗物っぷりだ。彼らは糾弾の対象として田中先生に俗物として理想化されていて、ある意味ラインハルトの比ではない。

 帝政と共和制の対比はこの作品のメインテーマだが漫画でもよく考えさせてくれた。ラインハルトは自分の王朝がいずれは腐敗するものと想定できているのか?おそらくその程度のことは分かっているだろう。その時は、せいぜい優雅に滅べばよいと冷徹に思っているのだ。
 つまるところ、彼も目指すのはたかだか数十年の平和に過ぎず、中身においてヤンと大差がない。違ったのは性格と置かれた条件だけではなかったか。
 一巻の表紙がラインハルトであることから道原先生が誰を主人公と考えていたか知れる。好きなのはゴーモン係とトリューニヒトらしいけど…。


アスターテ会戦
 一番無理があるんじゃないかと思う戦い。士気と兵数差から考えて引き分けるのも不可能。ランチェスターの法則を知らないわけではないだろうに。帝国艦隊が弾切れを起こしたと受け取っておくしかないか。それでも私なら多少無様になっても同盟軍を叩き潰している。ラインハルト、君は優雅に戦おうとしすぎるきらいがあるな。

イゼルローン攻略
 こういう戦いに面白みをあまり感じなくなってしまった。ゼッフル粒子の設定がかなりツボにはまっているので、あれが出たときは嬉しかったけど。

アムリッツァ大会戦
 私が同盟軍の総司令官だったら、占領した帝国領の人民を同盟領に強制移住させる。飯を食う人間が減れば、補給の負担も減る。行きは食料、帰りは人間を運ぶ。反乱が怖いが開発途上惑星にまとめて投入して最低限文化的な生活をさせてやればよいだろう。民衆の関心なんてそんなものだ。無人になった惑星は徹底的に破壊し、帝国軍の再占領に備えてトラップをばら撒いておく。
 そして後退、緩衝地帯と進撃路を確保する。
 最良なら一戦もすることなく、労働者問題を解決、帝国人民の解放者として選挙でも勝てる。何よりラインハルトの呆然とした顔がみれる、ケケケッ。

帝国貴族の反乱、同盟軍の反乱
 陳腐。せめて初めに持ってこれなかったのか?と無茶をいう。まぁ、小説のアスターテ会戦の切り出し方は見事だったので相殺。


 それにしても宇宙の描き方が素晴らしい。ネガフィルムで鑑賞する作品を撮るようなもので、並々ならないセンスがいるだろう。

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Edit こいん │Comments(0)TrackBack(0)漫画 

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