2007年07月08日

銀河英雄伝説9−11巻 道原かつみ

 帝国と同盟双方での反乱軍の掃討が完了するところ。どちらの反乱軍にもいえることだが、徐々に勢力を奪われていって決戦に負ける流れがカッコ悪い。いちど勝負に出たら勢力の確保に汲々とせずに攻め続けなければいけないはずが、内輪揉めに力を使い果たしているていたらく。そんな連中だからこそ、反乱に訴えざるを得なかったのだからそれも必然か。
 メルカッツやファーレンハイトなど有為の人材にしっかりとした指揮権を与えられればと夢見てしまうし、その夢がけっきょくは独裁者を生みだしてしまうわけでもある。帝国から同盟に亡命する人物がメルカッツ以外にもたくさんいれば、帝政になれた彼らがヤンをもっと持ち上げて歴史を変えたかもしれないな。どちらにしろ本人は嫌がるだろうけど、どうせ司令官をやることにすら辟易しているならば、毒食わば皿まで。トリューニヒトをぶち殺す魅力に彼が負けなかったのが残念だ。

 オーベルシュタインのナンバー2不要論には、ローマの独裁官をつとめたこともあるファビウス・マクシムスの「ローマに天才は必要ない」を思い出した。組織論の問題では似通ったところがある。まぁ、ロイエンタールの言うように柔軟性が足りない進言だったと思うが、ラインハルト・フォン・ローエングラムも煮え切らない。
 ナンバー2がいらないなら、ナンバー1を二人にすればいいじゃない?
 それでアンネローゼとキルヒアイスをくっつけて、その子供をローエングラム王朝の後継者にすればいい。無茶苦茶だけど人間関係をみるとそれもありえた別の形だと思う。少なくとも朴念仁のラインハルトがラッキーヒットを打つ確率よりそっちの方がよっぽど高かった……歴史は狂った方向に舵をきるものだ。

 キルヒアイスが失われた代わりに貴族軍との戦闘で頭角をあらわした若き覇者陣営の将星たちが揃った。愛妻家のミッターマイヤーでさえ玉璽を手にする表情には猛々しいものがある。野心家ぞろい曲者ぞろいの連中をまとめて、次の戦争に備えるところにゾクゾクすると同時に、反乱軍の中にみるべき人物が皆無だったようなフリープラネッツのお寒い台所事情に呆然としてしまう。
 いっそのこと参謀本部と戦史科の人員を総入れ替えしようぜ。

銀河英雄伝説1−8巻感想
銀河英雄伝説〜英雄たちの肖像1巻感想

銀河英雄伝説 [少年向け:コミックセット]
Edit こいん │Comments(0)TrackBack(0)漫画 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔   
 
 
 
今月のイチ押し
魔王城でおやすみ 5 (少年サンデーコミックス)
カッコイイ構図に見せかけて……


2017年10月購入予定コミックス一覧
Recent Comments
スポンサードリンク

おもちゃ/ ぬいぐるみ/VOCALOID3 MAYU団子 コスプレ道具小物 アニメ/コスプレ/アニコス


profile
永遠に覚醒しない楚の荘王

漫画を愛する心に卒業なんてないんだ…

趣味
 読書、作文、漫画、写真、天体観測、石集め、歴史(古代欧州、三国志、日本戦国時代)、ネットサーフ、その他たしなむ程度にいろいろ。
そして、このブログ

このブログへのトラックバック、リンクはご自由に。
トラックバックは可能な限りお返しします。どんなに古い記事でもトラックバック・コメントをいただければ喜びます。

更新の目安…かも
月:ジャンプ感想
火:月刊漫画誌感想
水:サンデー感想
木:チャンピオン個別感想
金:チャンピオン感想
土:漫画単行本・マガジン感想
日:漫画考察・Web漫画紹介