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 週刊誌、編集部につとめる主人公の松方弘子を中心とした人々の仕事に掛ける信念を描いていく大人な漫画。単純に理想で割り切れない仕事も多いが、それでもオマンマを食っていかなければならないキャラクターたちの葛藤は深い。

 この作品のタイトルはありきたりの「仕事人間」を描くのではなく、むしろひとつの新しい語彙として「働きマン」を描こうという意欲を感じさせる。女性を含めて「働きマン」と言っているのは「働きパースン」じゃ語呂が悪いってだけの理由ではないだろう。
 職場の女性を主人公に描きながらも、それによって概念としての「男性」を否定するのではなく積極的に取り込んで「働きマン」を完成させようとしているのではないか。

 そもそも魅力的な登場人物にはいわいる「オジサン」が多い(絵的にも)。若い女性視点でバランスを取りつつも、実際に描きたいのは彼らだったのか、それともステレオタイプな「仕事のできる女性」を打破するためにちょうど作中作の「54」でやったような手法を試みたのか。それは分からないが、生き様と仕事が直結したオジサンたちの存在には心打たれた。
 主人公を含めて仕事がなくなったら、精神的にどうなってしまうのか心配な人々もいるわけだが……。

 話の最後にその回の中心になったキャラクターの総括みたいな談話があるのだが、せっかく言葉でまとめられないような「働きマン」の機微を描いていたのに、それを自ら裏切っている感じがして個人的にはあまり好きになれない手法だ。
 あの発言を読んでから、読み直すようにするとまた感想が変わるのかもしれないけど。

働きマン (1) (モーニングKC (999))
働きマン (1) (モーニングKC (999))
ビーム出るのかね。