世紀末リーダー外伝たけし！　島袋光年短編集 : ３６０度の方針転換

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　ずいぶんとボリューム感のある短編集だった。ギャグ漫画主体だけに本数が多いし、暑苦しいほどメッセージに満ちている。
　中には「女子高生の集団はオレのロマンなんだよーっ!!」という魂の叫びも……その後「自分の気持ちに正直になれる勇気…感情的になることはそんなに悪いことじゃない…「今を生きろ」」なんて作中作セリフが出てきたのは、もうね、
　ああ～サブタイトルをみると島袋先生は漢字２文字に!!を付けるのが好きみたいだよ～気をつけようね～。

・世紀末リーダー外伝たけし！
　たけしの頭がいまいち立体的に把握できない。どこかでみた３次元に４次元体を投影してみた代物のようだ……。でたらめに近いことをべらべらを並べてしまうところが外見以上にオヤジ臭い。自分もどれだけ人のことをいえるのやら……。
　一見おぞましいが、７歳児の言動だと考えれば可愛気がある。だが、おぞましい。

・発進!!友達いないいない部
　なんかよくわからんが好きな話だ。極端に悲劇的でもなく、まったりした中にコクとエグミがあるせいかもしれない。安田の言動には笑ってしまう。あと、将棋も普通に強いところに妙な好感を抱いてしまうから困る。
　夢実の土下座をみて「目覚める」ファンクラブ会員がいないことに絶望した。いや絶対興奮を隠しているヤツがいるね…!!この日、生まれ出でた怪物は一匹、いや三………。

・凄絶!!タコス駅西口
　レ○プ連呼しすぎ……彼女には何か理由があるはず病はエリヌス-戒厳令-の昔からいろいろ見覚えのある症状だ。恋は本当に盲目。
　犯罪メッカ都市の設定に変な魅力を感じてしまった。これを極端に拡大するとブラックジョークになるかな。
　最初の引きから種明かしは確定してしまっていたけれど、バカバカしい勝負には妙な熱さがあって楽しかった。

・ナリトの悩み
　作者が恥ずかしがるほど酷い作品とは思わないけどなぁ…ニヤニヤ。意識していることを意識させられると変な優越感じみたものを覚えてしまう。
　けっきょくジュンの本心はどこにあるのか、考えてみるのも一興だった。完全に内面を読み取らせないからこそ、楽しく付き合える親友でいられるのかもしれない。

・出陣!!ナルト高校剣道部
　幽霊の女の子なかなか…そして、剣道描写も緊張感があってよかった。集中線を使いに使いまくっていることは気になるが――解説役や審判にまで掛けんな。そこら辺はひそかなギャグだったり？
　あと、まとめで他の短編で見覚えのある顔が出演している。いい遊び心だ。

・世紀末リーダー伝たけし！　信じる心…!!
　嫌っている連中のいうキムモーより、親友のいうオッサンの仇名の方が酷いという怪奇！その効果を狙ってあえてキツイ仇名をつけていたとすればヒロの友情に頭が下がる。彼の頬を赤らめた表情が絶妙な味わいだった。

・世紀末リーダー伝たけし！　大好きな人…!!
　ナナは文句なく可愛い。でも、彼女の可哀想設定はすこしやりすぎかなぁ。たけしを筆頭にキャラクターの人格形成に父親が良くも悪くも大きな役割を果たしている率が高い。母親も無視できないけど、反面兄弟は薄い傾向があった。目についた兄弟は、あんどれ、かんどれくらい。