2009年07月25日

将国のアルタイル 25fasil 短刀の将国

 売国的平和主義者のサルジャ将軍をけんもほろろに追い払い、ザガノス将軍は大忙し。軍事においては後方支援の仕事こそ最重要なのである。オールマイティながら、わりと現場主義よりのザガノス将軍より通商関係でその手の作業に優れた将軍がいてもよさそうなものだが、隠密性を求められる事情などいろいろあるのかもしれない。
 海路で反乱物資を搬入するならばヴェネディックとの調整もこなす必要もでてくるし……それにしても若手を働かせる国家という印象は否めないなぁ。

 四将国におくる武器は、前の戦争で鹵獲した「帝国製」だったりするのではと趣味の悪い想像をした。単純に国内をグチャグチャにするのではなく首を思い通りに挿げ替えることまで考えているから、あまり謀略に凝りすぎるのも後でつまづきの元になる。
 こういう時こそ出所不明の鉄製武器を大量供給してくれる赤蛇の教団は便利に違いない。ちょっとだけルイ大臣が羨ましくなるね。なお、赤蛇の教団がルイ大臣を利用している側なら、トルキエ将国にまで彼らが武器を供給して死の商人の限りを尽くしているはず。

 伝書に謎の液体をかけて読めるするザガノスの工夫は、薬品の扱いに長けた毒薬の将軍らしいものだった。むしろ毒に限定せず、錬金(丹)の将軍を名乗った方が本質に近いかもしれない。そんで、晴れの日は無能!


 さて、意志を統一したマフムート一行はわりと暢気なノリでクルチュ将国の首都ムジュヘルに到着し――四将国の検問にひっかかりそうになっていた。
 スレイマンは後継者に当たりくらいはつけておけ。アイシェもなかなか心当たりについて言い出さなかったし、情報を不用意にばら撒いて仲間が捕まった時に「ジャムおじさんが用意している首」にまで累が及ぶのを避けているのかもしれない。
 せめてマフくんには全ての事情を把握させてほしいんだが……やっぱり元将軍は派手に動いて周囲の目を引き付けるための囮で、ザガノっさんは潜伏毒を散布しているのかもしれない。諜報戦は味方さえ信用できない。
 肖像画(もはや人相書きってレベルじゃない)に対するアイシェのボケツッコミが経済観念を感じさせて素晴らしい。きっと彼女を嫁にもらえば金庫が潤うのは確実だ。ただし、旦那は日々やつれ痩せていく……おっぱい!おっぱい!!
 でも、キュロスの絵だけはない。キュロちゃんモードで口笛吹きながら歩けば検問を突破できる出来だぞ。それにしても宮廷画家に5枚の絵を4セット描かせたら、代金は1000金貨以上か……どんどん国家反逆者を増やしてバラバンを破産させる作戦はどうだッ!!?
 マフトリオはともかく、自分の身内二人を大仰に張り出しての宣伝は、バラバンの名声を相当深く傷つける。それでも遠慮なくできるのは、圧倒的な強権を誇っているせいか、その身内にも容赦しないポーズが強権をもたらすのか。
 でも、中庭で大トルキエ圏のご婦人がたがする噂を制限する権力なんて五大精霊でも持てはしない。増長することなかれ――。

 だが、狂将王と宮廷画家には足を向けて寝ることができない。なぜならばマフくんの女装姿が再び披露される機会をつくってくれたから!!!神さま仏さまイエスさまムハンマドさま空飛ぶスパゲッティモンスターさま。誰でもいいから、ありがろんありがろん!
 USAくん先生のエロ本拾った少年並みに感謝したい。まぁ、むろん一番感謝すべきなのはカトウコトノ先生ですな。
 見事な質感を誇るマフおっぱいの構造が気になる……女装監修ヤスダスズヒト先生?きっと、アイシェたまの胸をじっくりと「参考」にさせてもらったに違いない。あはぁあはぁ。
 頬を色っぽく染めているマフたんもいいけど、スレイマンに圧し掛かられて眼をつむっている姿が最高に可愛かった。下に伸ばして握りしめた手とか、狙っているんじゃないかってくらい!まさか、こんなところに運命の嫁がいたなんて!!
 次のサイン会にいけるなら女装マフたまをリクエストするぞーっ。池袋で宝石の町的な鉱物即売会があるときに開いてくれたら、まとめていけたんだけどなぁ……。

 スレイマンが語るブチャクの産業構造もかなり興味深くて、世界の広がりと繋がりを感じさせてくれた。いまでは石を掘っていないものの加工業が盛んなのは宝飾学校のある山形県甲府市を連想させる。ポイニキアの水晶もここを経由して流通するものがたくさんあったに違いない――その根元を帝国に抑えこまれたことも政治的に帝国に傾く原因になったのではないか。
 さすがに取引相手が決定されているほど酷くはないが、実際にルース(裸石)は割とお手ごろに買えて、台をつけるのに金がかかる傾向がある。だから鑑定書付きのダイア所有で財テクなんて真似、余程の石じゃないと通用しないので気をつけよう(宝飾の方には当然流行がある。まったく上手くできてる)。
 変な欲に眼をくらませなければ、硬度が低くて鑑賞するためだけにカットされる裸石もなかなかオツなものですよ。


 潜入に成功したスレイマンとマフムートが、ムジュヘルの耳役ナザルに渡りをつけると、ハーレム馬鹿将王が77人の子供をつくっていたことなど霞んでしまう――アイシェが恐ろしく健脚なのは霞まない。凄い山を登りおって――衝撃的な事実が判明。帝国は援蒋ルートもかくやという山脈を超える長大な街道を建設していた!
 こいつは非常にヤバい。国境の北側に地歩を築かれたが最後、トルキエ将国に生き残るすべはない。逆にいえば長大な山道を超えてくる関係上、山脈の東側に生産力のある橋頭保さえ築かせなければ、街道が通じてしまっても対処は可能だ。出口を押さえておけば後方からの補給では支えきれなくなって勝手に壊滅してくれる――トゥグリル族の鷲使いがたくさん生き残っていれば、イヌワシを使った山岳での通商破壊戦なんてものもできたかも。

 大陸横断街道の存在は海の都にとっても看過できるものではないので、そちらからの支援を受けやすくなったのは数少ない有利な材料だ。ぜひともザガノス将軍たちにはうまく渡りをつけてほしい。
 しかし、帝国は海洋都市国家攻めではなく、山岳街道の建設に元鉱山労働者を投入しろよな……あの国の場合は嫌がらせで不向きなところに人材を投入しかねないから怖い。山岳道路の建設者が拉致同然に徴用された漁民でも驚かないよ。そうすれば生まれ育ちの関係で、逃走防止の効果があるのは確かだから。
 とりあえず、大街道の建設行為自体は「帝国」の名に恥じないものだと褒められる。今は無き副市長も、さらに侮辱されてめでたいことだ。

 だが、ショックは街道の発見でも終わってくれず……アイシェ将姫にクルチュ王族の婚約者がいたことが告白される。えーん。
「というか、ぶっちゃけありえなーい。ムズラク将家の血を引くバルタの後継者がクルチュの王太子と婚約なんて、あからさまに四将国の統一を狙っている。なぜトルキエはこんな婚姻政略を看過していたのか」
「やけに必死じゃな」
「ひ、必死じゃありませんよ。私を必死にさせたら大したもんですよ!!」
(……マフムート軍人は常に必死だと思いますけど)
 まぁ、きっと「王太子は5歳オチ」さ。絶対そうさ。さもなければ、やたらタイミングよく未亡人になったアイシェをマフくんが娶って四将国を獲得エンドさ――なんて真似をしたらマフムート「大将王」も暗殺の末路をたどるな。
 今ですら「仕事」が終わった後に祖国に抹殺される危険があるわけで、見ていてお母さん的な気苦労が絶えない……。

 アイシェの発言がきっかけとなって、ブチャクは「大人組」が、クルチュは「子供組」が担当することに。一層の重責が若き鷲の双肩にのしかかる。

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