2010年05月24日

四方世界の王1巻 定金信治・雨音たかし

 四方世界とよびならわされた古代チグリス・ユーフラテス河流域。南北を強大国にはさまれたバービルムに住まうナムルを中心に、世界に衰亡をもたらすための歴史が展開する。
 その隣には何故かシュメールのシュルギ王に似た少女シャズ=フラシュムがあり、胞体と呼ばれる空間制御能力を駆使して、大人たちを動かしていく――まぁともかくシャズにみんな振りまわされっぱなしだ。
 バービルムの現国王スィーン=ムバリットでさえ、劣等感を刺激され、手玉にとられてしまっている。そんな彼女をもってしても、流石に世界を動かすことは容易ではない雰囲気が楽しいのだが。

 情報や計画をシャズに一手に握られてしまっているために、ナムル視点からは謎が多くて考えるのもわずらわしくなる。
 せめて、古代バビロニアについて知識があればいろいろ予想できるのだろうが、作中で提示される知識を吸収するのに忙しい有様だ。そんな状態だからこそ、この世界について精力的に学ぶことができるのかもしれない。
 それを楽しいと思うかが、ひとつの分かれ目になるのではないか。とりあえず独特の建築物や装飾品にはグッと引きつけられた。

 もっとも、他にもちゃんと愉しみは用意されていて、特にシャズのシャーマン然としたエロスには強烈に訴えるものがあった。表紙だって「四方世界の王」が指すはずのナムルではなく、シャズが際どいところを文字で隠しつつ押さえているわけで、彼女に乗っかるところの多い作品だ。
 いっぽうでナムルは可愛気があって、意外に度胸のすわった男の子として、それなりの地位を占めている。ストールをシャズに掛けてもらうシーンは、正反対だろうと突っ込まずにはいられなかった。
 シャズが半裸でも優しく服を掛けるよりもガン見するのが似合う主人公なのである――それはそれで男らしいか。おまけカットには最高に笑った。

 あと、ならず者の元締めイッディンラガマール氏にやたらと愛嬌があって気に入ってしまった。実は幼少期に乳母の事情からすり替えられた本当のスィーン=ムバリット王だったりしなイカ?

四方世界の王2巻感想

四方世界の王(1) (シリウスコミックス)
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Edit こいん │Comments(0)TrackBack(0)漫画 

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