ずっと一緒にいられるおまじないのはずだった……。
 紙人形をみんなで摘まんで引き裂くおまじないをした如月学園の高校生(他二名)たちは、落雷の衝撃と共に異次元にある天神小学校にバラバラにワープしてしまう。そこには悪意に染まった怨霊たちが待ち受け、罠に掛かった人々を次々と死に追いやっていた。
 そんなホラーゲームを漫画化した作品。

 冒頭にて、主人公たちのいた如月学園は、廃校になった天神小学校の跡地に建てられたと語られていた。しかし、天神小学校には如月学園以外からも不幸な生徒が招き寄せられており、地理的関係がどこまでの意味を持っているかは怪しい。
 そこに脱出できなかった人々と、主人公たちの差があって、なんとか脱出できることになればいいなぁ――それだと脱出に失敗して死んだ人々には余計に救いがないけれど。
 問題のサチコさん人形が、いまや千切れた紙切れであるにもかかわらず、かなりの重要アイテムらしいのも気になるところだ。そもそも、天神小学校の名前を最初にもちだし、おまじないをしようと言いだした怪談好きの委員長は本当に何も知らなかったのか……疑問が新たな寒気を呼ぶ。
 あと、ブチまけられたハラワタを踏んでしまったときの篠原世以子の観察が生々しくて、こっちまで吐き気をもよおした。臭気まで想像できそうなセリフを吐いてくれる。いきなり「多重次元空間」なんて言い出す最初の死体はさすがに高校生らしからぬものを感じてしまって違和感を覚えたけれど。


 絵について語ると、キャラクターの表情がとても生き生きしていて、こちらの気分も釣られてしまうほど。極端にデフォルメされた絵でなくても、しっかりと喜怒哀楽が伝わってきて――その比率がどんどん「哀」に偏っていく事実が、また事態のおそろしさを克明に訴えている。
 そして、生き生きしたキャラクターがいるからこそ、作中で描写される死者が絶望的なコントラストをもって存在できているのだ。彼らの輪郭が崩れた感じがまた強烈だ。
 しかも、表紙のおっぱいですよ、おっぱい!ヒロイン、中嶋直美のおっぱいは揉まれすぎだと思った。おかげで、肉体よりも女子高生たちの恐怖や絶望に歪んだ表情のほうがエロい作品だと確認してしまうのだった。

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