南里とミヤの恋のつぼみが、呪いの雪原をつきやぶってポツポツ現れるときの雰囲気が堪らない!ふたり揃って無茶苦茶かわいいっ。
 主人公はどんどんミヤを意識するようになっているし、ヒロインは最初から首ったけだった方向性がちょっとずつ変わっている……たぶん。他のクラスメイトに興味を抱かず、南里のプロフィールだけを詳細に暗記しているネタには思いっきりニヤニヤさせられた。
 まぁ、10年後も同じ感じだったら可愛さを感じる余裕もなく、おぞましさを覚えることであろう(中学生くらいの二人を見たい気持ちはあるが)。

 そういう意味でもあとがきで編集者が山田先生に言っていた「小さな子供の話を描きなさい」はナイスアドバイスだった。
 あのあとがき漫画は右も左も分からない山田先生がぶっつけ本番で連載に投入されたことが分かって衝撃的だった。最初からそれなりに安定していた気がするのだけど、かわいいキャラクターに幻惑されていただけだったのかな?
 キャラクターの可愛さを安定させたまま、道具に馴染んで技術を向上させてみせた、成長ぶりが素晴らしい。


 さて、南里とミヤの小さな恋の物語は年齢的に進展させにくいこともあり、あまりやりすぎると効果が落ちていってしまう。
 今後はクラスメイトを充実させてネタに幅を持たせるのが正攻法かな――塩谷や千田のような輩が増殖するのは不安でもあるが。誰よりも庄司先生に匹敵する鬼畜外道の出現が恐ろしい。
 彼にはいろいろ好かないところはあるけど、塩谷さんをレディの一言で丸めこんで、委員長の子供っぽさを露呈させてくれたことには感謝している。かなり意味が歪んでいるが、塩谷は担任教師に絡んでいるときが一番かわいい。
 あの鬼畜教師がまんがいち南里の母親を落としてしまったら、腐った委員長は一つ屋根の下になった主人公と担任教師で妄想をたくましくするのかなぁ。

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